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『昨夜未明、東京都に在住の会社員、志倉四郎さんが遺体で発見されました。
体中を刃物で切り刻まれた残忍な犯行に、警察はカニバリズム症候群の感染者による犯行とみて捜査を進めています』
「物騒な世の中だなぁ」
私の名前は原瑞希。
都内のマンションで一人暮らしをしてる18歳の女子学生よ。
ジリリリと煩い目覚ましに起こされてテレビの電源をつけたら、またニュースで殺人事件が起こったってやってた。
ここ最近は毎日のように新しい殺人事件のニュースが流れてる。
少し前までは芸能人の熱愛報道だ不祥事だって騒いでた情報番組でも、事件の報道を流してる時間の方が長いくらい。
正直言って私はあまり興味がないから前みたいに戻って欲しいんだけど、無理なのかなぁとも思ってる。
今、世界中で流行してるカニバリズム症候群って呼ばれてる現象。
SNSのトレンドがcannibalism syndrome関連で埋め尽くされてて、それが何ヶ月も続いてる。
アイドルとかファッションとか、私みたいな若者の関心事は置いてきぼりでそればっかり。
「本当に嫌になっちゃう」
はぁ...って溜息を吐いても変わらないから、さっさと朝ご飯を食べて学校に行こうかな。
「昨日作ったハンバーグ、1日経っても美味しいね」
私はちょっぴり幸せな気分になって、身嗜みを整えて家を出た。
カニバリズム症候群が流行してから道行く人の数が少なくなった。
前は混んでて座れなかったバスは必ず座れるし、満員以上にギチギチだった電車も吊り革に掴まれるぐらいの余裕がある。
親御さんと住んでる学生は車で送り迎えって人が多いみたい。
サラリーマンも車通勤が増えてるんだってさ。
今は毎日凶悪な殺人事件が起こってて物騒な世の中だからね。
道を歩いてるだけでも誘拐されて殺されちゃうなんて事件に巻き込まれる可能性だってあるんでしょう。
夜道を1人で歩いてても大丈夫な、平和な日本も今は昔...って言ってもそんなに昔でもないんだけれど、車移動をするのが当たり前になってきてるのが最近の日本。
私は気にせずに公共交通機関のお世話になってるけれどね。
「瑞希、今日カラオケ行かない?」
「ごめん、今日はパパと会う予定があってさ」
「えー、最近そればっかじゃん。
ちょっとはあたしにも構えよぉ。うりうり」
世間がどれだけ気にしてても、学生は怖いもの知らずだから学校に来れば案外普通なんだよね。
友達とお喋りしたり、じゃれ合ったり。
先生達はかなり気にしてるけれど、幸いうちの学校で犠牲者は出てないからね。
別にそこまで気にしなくて良いんじゃない?って気楽に構えてるよ私は。
ショートホームルームで寄り道しないで帰るようにって口酸っぱく言われてから帰宅。
うん、帰る部屋は違うけれど帰宅で良いよね?
「パパ、ただいま!」
「おかえり、瑞希。
早速だけれど、服を脱いでこちらに来てくれるかな」
私のパパは生物学の有名な学者さん。
血は繋がってないから、これからベッドでする事は生物学上何の問題も無いよ。
体中を刃物で切り刻まれた残忍な犯行に、警察はカニバリズム症候群の感染者による犯行とみて捜査を進めています』
「物騒な世の中だなぁ」
私の名前は原瑞希。
都内のマンションで一人暮らしをしてる18歳の女子学生よ。
ジリリリと煩い目覚ましに起こされてテレビの電源をつけたら、またニュースで殺人事件が起こったってやってた。
ここ最近は毎日のように新しい殺人事件のニュースが流れてる。
少し前までは芸能人の熱愛報道だ不祥事だって騒いでた情報番組でも、事件の報道を流してる時間の方が長いくらい。
正直言って私はあまり興味がないから前みたいに戻って欲しいんだけど、無理なのかなぁとも思ってる。
今、世界中で流行してるカニバリズム症候群って呼ばれてる現象。
SNSのトレンドがcannibalism syndrome関連で埋め尽くされてて、それが何ヶ月も続いてる。
アイドルとかファッションとか、私みたいな若者の関心事は置いてきぼりでそればっかり。
「本当に嫌になっちゃう」
はぁ...って溜息を吐いても変わらないから、さっさと朝ご飯を食べて学校に行こうかな。
「昨日作ったハンバーグ、1日経っても美味しいね」
私はちょっぴり幸せな気分になって、身嗜みを整えて家を出た。
カニバリズム症候群が流行してから道行く人の数が少なくなった。
前は混んでて座れなかったバスは必ず座れるし、満員以上にギチギチだった電車も吊り革に掴まれるぐらいの余裕がある。
親御さんと住んでる学生は車で送り迎えって人が多いみたい。
サラリーマンも車通勤が増えてるんだってさ。
今は毎日凶悪な殺人事件が起こってて物騒な世の中だからね。
道を歩いてるだけでも誘拐されて殺されちゃうなんて事件に巻き込まれる可能性だってあるんでしょう。
夜道を1人で歩いてても大丈夫な、平和な日本も今は昔...って言ってもそんなに昔でもないんだけれど、車移動をするのが当たり前になってきてるのが最近の日本。
私は気にせずに公共交通機関のお世話になってるけれどね。
「瑞希、今日カラオケ行かない?」
「ごめん、今日はパパと会う予定があってさ」
「えー、最近そればっかじゃん。
ちょっとはあたしにも構えよぉ。うりうり」
世間がどれだけ気にしてても、学生は怖いもの知らずだから学校に来れば案外普通なんだよね。
友達とお喋りしたり、じゃれ合ったり。
先生達はかなり気にしてるけれど、幸いうちの学校で犠牲者は出てないからね。
別にそこまで気にしなくて良いんじゃない?って気楽に構えてるよ私は。
ショートホームルームで寄り道しないで帰るようにって口酸っぱく言われてから帰宅。
うん、帰る部屋は違うけれど帰宅で良いよね?
「パパ、ただいま!」
「おかえり、瑞希。
早速だけれど、服を脱いでこちらに来てくれるかな」
私のパパは生物学の有名な学者さん。
血は繋がってないから、これからベッドでする事は生物学上何の問題も無いよ。
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