月が綺麗ですね

刹那 夢幻

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第2章 月が綺麗ですね。

第9話 真実

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 2週間後、学校では運動会の練習が始まった。
 
 「誠ー!練習頑張れー。C組優勝するぞー!」

 「あれあれー?ラブラブなカップルですかー?いいねー。」

 太一が急に話に入り込んできた。

 「太一。何の用?」

 「なんでもないっす!じゃあバイバイー!」

 太一はグラウンドの方へ駆け抜けて行った。

 「なんで茜はジャージじゃないの?」

 「あー今日は体調が悪いだけだよ!」

 「なるほどねー。」

 しかし茜は次の日もまたその次の日も練習に参加しなかった。
 交換日記になんで参加しないか聞いたが、体調が悪いとしか返ってこなかった。
 何か隠しているのか?
 仕方なく先生に聞いてみた。

 「せんせーい。野田さんってなんで練習参加しないんですか?」

 「それは言ってはいけないことだ。野田の親に口止めされているからなー。でも、お前はいつも野田といるから教えた方がいいかもな。
 実はあいつはALSという病気にかかってるんだ。」

 「え…それってどういう病気なんですか?」
 
 「筋肉が萎縮して、最終的には呼吸不全で亡くなってしまうらしい。」

 「そんなの…聞いてないですよ!」

 僕は職員室を駆け出していった。頭が真っ白になっていた。

 


 
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