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第2章 異世界の研修所で働きます
34 熱帯の孤島
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なんと、ヤマちゃんのスレイプニルとユキのグラーニは親子だった。2頭は静かに寄り添って、再会を喜んでる様に見える。
俺達は、ヤマちゃんの【転移門】でミスルム国に移動して、それぞれの神獣に跨った。
そして俺は神獣の力を思い知らされる。
ヤマちゃんにゴーグルと防護マスクを渡された時には笑っていたのだが、飛んだ瞬間にその必要性を感じざるを得なかった!
キィイイイイインッ!
戦闘機ですかっ!
「グ、グラーニッ! おっ、落ちるぅぅぅ!」
『ユウリ、風圧を受けない様にバリアを張るのです』
「前面に【物理障壁】展開!」
ピッキィイイイイインッ!
「ふぅ、乗る前に言ってよ~」
ヤマちゃんを見ると涼しい顔で地上を見回していた。
1時間程飛んだだろうか、ヤマちゃんが前方を指差したので、そちらを見ると大きな港町が有る。
それがガルナの町だった。
「こんなに早く着くとは思ってませんでした」
「はははっ、今日はこの町を見物して1泊するぞ」
「はい」
着陸すると、スレイプニルとグラーニは変身して、フレイヤとユキの人間姿に成った。
「ラナちゃん(グラーニ)、他の姿でも良いんだよ」
「ふふふっ、良く監視する様に、王妃様とお嬢様に頼まれましたので、この姿で大丈夫です」
「はぁ、はいはいっ。羽目を外さない様に気を付けろって事だよね……」
「やれやれ、だから黙って行こうと言ったのじゃ」
貿易が盛んな港町らしく、レストラン・パブ・娼館などが立ち並び結構華やかだ。
しかし文字通りの『異次元レベルの美女』2人(本当は馬だけど)を同伴しているので、呼び込みも娼婦も全く近づいてこようとしなかった。
「レストランで美味い物を食べよう」
ヤマちゃんがこの町で1番高級そうな店を指差した。
「はい。そうしましょう」
「お薦めの酒と料理を4人分でテーブルを埋め尽くしてくれ!」
ヤマちゃんがウエイトレスにそう言うと、彼女は慌てて奥に入って行く。
すぐに年配の男性が挨拶に来た。
「いらっしゃいませ。当店の支配人のヨンコンです、奥の貴賓室にご案内させて頂きます。どうぞこちらへ」
絵画や壺が飾ってある個室に案内されて、4人(2人と2頭)で酒と料理を堪能した。
魚の甘酢餡かけやスパイシーな牛ステーキ等が美味しかったが、土地固有の目新しい料理は特に無かった。
貿易商人を相手にしてる店だから、ホクオー国とあまり変わらないのかな?
ヤマちゃんが選んだ高級ホテルも普通だったし、いわゆる南国リゾート風のホテルは1軒も無かった。
次の日の朝食は、ホテルのレストランでパンとスープを食べた。
悪目立ちしてたのか、お約束のカラミは無く。少し期待してた自分が居たことを反省した。
「ユウリ、異世界小説みたいに『チートで無双して、俺ツエエエッ』をしたかったのか?」
「実際にはそうそう無いですよね、漫画の読み過ぎですね」
「ワシが薄い本で、お主の事を書いてやろう。無双とハーレムとBLを盛ってな」
「えぇとっ。もちろん仮名で、ですよね」
「本名でも誰だか判らんと思うぞ」
「いいえっ、仮名でお願いします。妻も居るし子供も生まれるのですから」
「そんな物かの~」
「はいっ!」
ホテルをチェックアウトして、空を翔る為に人目を避けて町の外へ向かった。
「おい、ちょっと待ちなっ!」
突然、6人のチンピラに前後を囲まれる。
「出ましたっ!」
俺は思わず声に出してしまった。
「有り金全部と女を置いて……ゲフンッ」
喋ってた男の鳩尾にラナちゃんの後ろ蹴りがヒットする。
男は崩れ落ちて泡を吹き痙攣してしまった。
更に続けざまに、スレイプニルの回し蹴りで2人が吹っ飛ぶ。
ドッガガァアアアアアンッ!!
「「ウグゥゥッ……」」
バッチィイイインッ!
ヤマちゃんのデコピンで男の首がガクンと後ろに曲がり、そのまま気絶した。
「あわわわわっ……」
「ひえーっ」
1人が慌てて走って逃げ出すが。
「【盛土】つちぼこ!」
俺の【土魔法】で作った20センチぐらいのつちぼこに、足を取られ躓き倒れた。
「【風弾】ウインドバレット!」
俺は残った1人の鳩尾に風の弾丸を撃ち込む。
ズッドォオオオンッ!
「ガフッ……」
男は膝を突き、顔から地面に崩れ落ちた。
「ユウリ、こいつらの武器を回収してくれ」
ヤマちゃんが躓いた男の背中を片足で踏み付けながらそう言す。
「はい」
俺はナイフ4本とショートソード2本を回収した。
「ロープを持っておるか?」
「はい、持ってます。縛りますね」
「そうしてくれ」
男達の腕と足を縛り地面に転がした。
「このまま放置でよかろう」
「はい」
俺達は赤道上の無人島を探す為に空に舞い上がった。
「無人島でも町や港に近くない方が良いですね」
「人が簡単に、これない所が良いのじゃな」
後ろの陸地が遠くなり、漁船等も見えなくなった辺りで手頃そうな島を見付けた。
「あの島に下りて見ましょう」
「そうじゃな」
降下していくと島から何かが飛び立って、こちらに向かって来る。
俺達は、いきなり大きな蛾の魔物に襲われた!
全長10メートルぐらいありそうだ。
「モヌラのエンファン島ですかっ!」
「お、ガジラ映画じゃな」
羽から毒の粉が飛んで来るが。
俺達には【状態異常耐性】と【状態異常回復】が有るので全く効果が無かった。
蛾の魔物が俺達に向かって口から糸を噴射する。
プッシュゥウウウウウッ!
「「【風刀】ウインドカッター!」」
シャァァァァァッ!!
ヤマちゃんと俺は【風刀】で糸を切り裂いた。
「【火弾】ファイヤーボール!」
ドドドドドォオオオオオンッ!!
魔物に5発のファイヤーボールが直撃して、炎に包まれながら海に落下していった。
「低空飛行をしながら、島を観察してみましょうか?」
「よかろう」
「人間の家は無さようですね。舟の入れそうな入り江が1箇所有りますけど……他の海岸は岩場が多く、普通の人間には上陸し難そうです」
「入り江の入口も岩で塞いでしまえば良いのじゃ、人族の船も入れぬじゃろう」
「はい。インベントリ経由で大岩を運んでみましょう」
俺達は入り江の近くの平坦な場所に着陸した。
「まさか怪獣は居ないだろうが、魔物や獣ぐらいは居るかもしれんぞ」
「はい。まずはスキルで調べますね。【警戒】【探知】【探索】【識別】同時発動!」
ピッキィイイイイインッ!
俺は4つのスキルを発動して、無人島の生態系を調べた。
「魔物はいませんし、大型の獣もいませんが、トカゲや蛇など爬虫類が生息しています」
「そうか、それではここで良いであろう」
「はい、有難う御座います。……ここで南国の果物や野菜を作らせて戴きますね。それと、鶏と山羊を連れてきます。鶏は害虫駆除、山羊は草刈をしてくれますから」
「そうじゃな、それではそろそろ研修所に帰ろう。もう何時でも【転移】出来るのだからな」
「はい。有難う御座います」
「「【転移】!」」
シュィイイイイインッ!
次の日。
俺は、鶏と山羊を家畜用の荷馬車に乗せて【転移門】でエンファン島(勝手に命名)に移動した。
鶏5羽と山羊5匹は、すぐに放し飼いにする。
レーダーマップを見ながら、鶏と山羊の脅威となりそうな爬虫類を探したが。
脅威と成るほどの大きさのトカゲと蛇は居なかった。
元々大きい餌が無かったのだから、捕食する側も居ないのかもしれない。
巨大な蛾は居たけどね。
島の最も高い山頂でも海抜50メートルぐらいのようだ。
地形を調べ溜池を作った。
水路を作りタンクに水を溜め、トイレとシャワーを作る。
漁師小屋を作り、ベッド・テーブル・椅子を置く。
物置小屋を作る。
風通しの良い東屋を作る。
家畜小屋も作る。
日差しが強いから風通しを良くして、繁殖も出来る様に暗い部屋も中に作った。
果物は種から育てたのでは、収穫出来るまでに何年も掛かるから、若い成木を運んで植樹する。
インベントリーと転移を使いカカオ・バナナ・マンゴー・パパイヤ・ココナッツの木を植樹した。
パイナップル・メロン・スイカの苗も植える。胡椒の木も植樹した。
1ヶ月ぐらい掛けて、空いてる時間にゆっくりと作業した。
「後は、必要に応じて対応していこう」
岩で塞いだ入り江を見に行くと、絶好の釣り場に見える。
「趣味で釣りをするのも良いけど、実用性を考えて網篭等のワナ漁をしようかな」
とりあえず、試しに不可逆的な小型のワナカゴを作り、小魚の死骸と重石を入れて、海に沈めてみた。
狙う獲物は、アジ・イワシ・サバ・エビ・カニだ。
翌朝、罠を引き上げみる。
大漁だったが、魚用とエビ・カニ用のワナは別にした方が良さそうだ。エビやカニが、一緒にワナに掛かった魚を食べてしまっていたからね。
それから、魚用のワナは木の杭と網を使って定置網を設置してみた。
エビカニ用のワナは最初に作った物にカニが3匹入ってたので、同じものを5個作って沈めてみる。
研修所の従業員食堂やレストランで出す為に、ある程度の数が必要になるだろうから。
又翌朝確認すると、獲れたのは小魚とカニと小エビだった。
小エビは網より小さいが小魚の死骸に沢山群がっている。
「ちょっとグロイけど、食べたら美味いんだろうなぁ……」
小魚とカニと小エビをインベントリに回収した。
「鰯クラスばかりだから、小船が入れないギリギリぐらいに入り江の岩を減らして、中型以上の回遊魚が入って来易い様にしてみよう」
入り江の入口を塞いでいた岩をどかして、入り江の入口の先に、『品』の文字の様に岩を配置した。
更に翌朝、ワナを確認すると30センチぐらいの魚が4匹獲れていたが、南国なので日本で見る魚とちょっと違う。
青や黄などの熱帯魚っぽい模様の見た目をしているが、たぶん食べれるだろう。
さっそく研修所に持って帰って料理してみよう。
俺達は、ヤマちゃんの【転移門】でミスルム国に移動して、それぞれの神獣に跨った。
そして俺は神獣の力を思い知らされる。
ヤマちゃんにゴーグルと防護マスクを渡された時には笑っていたのだが、飛んだ瞬間にその必要性を感じざるを得なかった!
キィイイイイインッ!
戦闘機ですかっ!
「グ、グラーニッ! おっ、落ちるぅぅぅ!」
『ユウリ、風圧を受けない様にバリアを張るのです』
「前面に【物理障壁】展開!」
ピッキィイイイイインッ!
「ふぅ、乗る前に言ってよ~」
ヤマちゃんを見ると涼しい顔で地上を見回していた。
1時間程飛んだだろうか、ヤマちゃんが前方を指差したので、そちらを見ると大きな港町が有る。
それがガルナの町だった。
「こんなに早く着くとは思ってませんでした」
「はははっ、今日はこの町を見物して1泊するぞ」
「はい」
着陸すると、スレイプニルとグラーニは変身して、フレイヤとユキの人間姿に成った。
「ラナちゃん(グラーニ)、他の姿でも良いんだよ」
「ふふふっ、良く監視する様に、王妃様とお嬢様に頼まれましたので、この姿で大丈夫です」
「はぁ、はいはいっ。羽目を外さない様に気を付けろって事だよね……」
「やれやれ、だから黙って行こうと言ったのじゃ」
貿易が盛んな港町らしく、レストラン・パブ・娼館などが立ち並び結構華やかだ。
しかし文字通りの『異次元レベルの美女』2人(本当は馬だけど)を同伴しているので、呼び込みも娼婦も全く近づいてこようとしなかった。
「レストランで美味い物を食べよう」
ヤマちゃんがこの町で1番高級そうな店を指差した。
「はい。そうしましょう」
「お薦めの酒と料理を4人分でテーブルを埋め尽くしてくれ!」
ヤマちゃんがウエイトレスにそう言うと、彼女は慌てて奥に入って行く。
すぐに年配の男性が挨拶に来た。
「いらっしゃいませ。当店の支配人のヨンコンです、奥の貴賓室にご案内させて頂きます。どうぞこちらへ」
絵画や壺が飾ってある個室に案内されて、4人(2人と2頭)で酒と料理を堪能した。
魚の甘酢餡かけやスパイシーな牛ステーキ等が美味しかったが、土地固有の目新しい料理は特に無かった。
貿易商人を相手にしてる店だから、ホクオー国とあまり変わらないのかな?
ヤマちゃんが選んだ高級ホテルも普通だったし、いわゆる南国リゾート風のホテルは1軒も無かった。
次の日の朝食は、ホテルのレストランでパンとスープを食べた。
悪目立ちしてたのか、お約束のカラミは無く。少し期待してた自分が居たことを反省した。
「ユウリ、異世界小説みたいに『チートで無双して、俺ツエエエッ』をしたかったのか?」
「実際にはそうそう無いですよね、漫画の読み過ぎですね」
「ワシが薄い本で、お主の事を書いてやろう。無双とハーレムとBLを盛ってな」
「えぇとっ。もちろん仮名で、ですよね」
「本名でも誰だか判らんと思うぞ」
「いいえっ、仮名でお願いします。妻も居るし子供も生まれるのですから」
「そんな物かの~」
「はいっ!」
ホテルをチェックアウトして、空を翔る為に人目を避けて町の外へ向かった。
「おい、ちょっと待ちなっ!」
突然、6人のチンピラに前後を囲まれる。
「出ましたっ!」
俺は思わず声に出してしまった。
「有り金全部と女を置いて……ゲフンッ」
喋ってた男の鳩尾にラナちゃんの後ろ蹴りがヒットする。
男は崩れ落ちて泡を吹き痙攣してしまった。
更に続けざまに、スレイプニルの回し蹴りで2人が吹っ飛ぶ。
ドッガガァアアアアアンッ!!
「「ウグゥゥッ……」」
バッチィイイインッ!
ヤマちゃんのデコピンで男の首がガクンと後ろに曲がり、そのまま気絶した。
「あわわわわっ……」
「ひえーっ」
1人が慌てて走って逃げ出すが。
「【盛土】つちぼこ!」
俺の【土魔法】で作った20センチぐらいのつちぼこに、足を取られ躓き倒れた。
「【風弾】ウインドバレット!」
俺は残った1人の鳩尾に風の弾丸を撃ち込む。
ズッドォオオオンッ!
「ガフッ……」
男は膝を突き、顔から地面に崩れ落ちた。
「ユウリ、こいつらの武器を回収してくれ」
ヤマちゃんが躓いた男の背中を片足で踏み付けながらそう言す。
「はい」
俺はナイフ4本とショートソード2本を回収した。
「ロープを持っておるか?」
「はい、持ってます。縛りますね」
「そうしてくれ」
男達の腕と足を縛り地面に転がした。
「このまま放置でよかろう」
「はい」
俺達は赤道上の無人島を探す為に空に舞い上がった。
「無人島でも町や港に近くない方が良いですね」
「人が簡単に、これない所が良いのじゃな」
後ろの陸地が遠くなり、漁船等も見えなくなった辺りで手頃そうな島を見付けた。
「あの島に下りて見ましょう」
「そうじゃな」
降下していくと島から何かが飛び立って、こちらに向かって来る。
俺達は、いきなり大きな蛾の魔物に襲われた!
全長10メートルぐらいありそうだ。
「モヌラのエンファン島ですかっ!」
「お、ガジラ映画じゃな」
羽から毒の粉が飛んで来るが。
俺達には【状態異常耐性】と【状態異常回復】が有るので全く効果が無かった。
蛾の魔物が俺達に向かって口から糸を噴射する。
プッシュゥウウウウウッ!
「「【風刀】ウインドカッター!」」
シャァァァァァッ!!
ヤマちゃんと俺は【風刀】で糸を切り裂いた。
「【火弾】ファイヤーボール!」
ドドドドドォオオオオオンッ!!
魔物に5発のファイヤーボールが直撃して、炎に包まれながら海に落下していった。
「低空飛行をしながら、島を観察してみましょうか?」
「よかろう」
「人間の家は無さようですね。舟の入れそうな入り江が1箇所有りますけど……他の海岸は岩場が多く、普通の人間には上陸し難そうです」
「入り江の入口も岩で塞いでしまえば良いのじゃ、人族の船も入れぬじゃろう」
「はい。インベントリ経由で大岩を運んでみましょう」
俺達は入り江の近くの平坦な場所に着陸した。
「まさか怪獣は居ないだろうが、魔物や獣ぐらいは居るかもしれんぞ」
「はい。まずはスキルで調べますね。【警戒】【探知】【探索】【識別】同時発動!」
ピッキィイイイイインッ!
俺は4つのスキルを発動して、無人島の生態系を調べた。
「魔物はいませんし、大型の獣もいませんが、トカゲや蛇など爬虫類が生息しています」
「そうか、それではここで良いであろう」
「はい、有難う御座います。……ここで南国の果物や野菜を作らせて戴きますね。それと、鶏と山羊を連れてきます。鶏は害虫駆除、山羊は草刈をしてくれますから」
「そうじゃな、それではそろそろ研修所に帰ろう。もう何時でも【転移】出来るのだからな」
「はい。有難う御座います」
「「【転移】!」」
シュィイイイイインッ!
次の日。
俺は、鶏と山羊を家畜用の荷馬車に乗せて【転移門】でエンファン島(勝手に命名)に移動した。
鶏5羽と山羊5匹は、すぐに放し飼いにする。
レーダーマップを見ながら、鶏と山羊の脅威となりそうな爬虫類を探したが。
脅威と成るほどの大きさのトカゲと蛇は居なかった。
元々大きい餌が無かったのだから、捕食する側も居ないのかもしれない。
巨大な蛾は居たけどね。
島の最も高い山頂でも海抜50メートルぐらいのようだ。
地形を調べ溜池を作った。
水路を作りタンクに水を溜め、トイレとシャワーを作る。
漁師小屋を作り、ベッド・テーブル・椅子を置く。
物置小屋を作る。
風通しの良い東屋を作る。
家畜小屋も作る。
日差しが強いから風通しを良くして、繁殖も出来る様に暗い部屋も中に作った。
果物は種から育てたのでは、収穫出来るまでに何年も掛かるから、若い成木を運んで植樹する。
インベントリーと転移を使いカカオ・バナナ・マンゴー・パパイヤ・ココナッツの木を植樹した。
パイナップル・メロン・スイカの苗も植える。胡椒の木も植樹した。
1ヶ月ぐらい掛けて、空いてる時間にゆっくりと作業した。
「後は、必要に応じて対応していこう」
岩で塞いだ入り江を見に行くと、絶好の釣り場に見える。
「趣味で釣りをするのも良いけど、実用性を考えて網篭等のワナ漁をしようかな」
とりあえず、試しに不可逆的な小型のワナカゴを作り、小魚の死骸と重石を入れて、海に沈めてみた。
狙う獲物は、アジ・イワシ・サバ・エビ・カニだ。
翌朝、罠を引き上げみる。
大漁だったが、魚用とエビ・カニ用のワナは別にした方が良さそうだ。エビやカニが、一緒にワナに掛かった魚を食べてしまっていたからね。
それから、魚用のワナは木の杭と網を使って定置網を設置してみた。
エビカニ用のワナは最初に作った物にカニが3匹入ってたので、同じものを5個作って沈めてみる。
研修所の従業員食堂やレストランで出す為に、ある程度の数が必要になるだろうから。
又翌朝確認すると、獲れたのは小魚とカニと小エビだった。
小エビは網より小さいが小魚の死骸に沢山群がっている。
「ちょっとグロイけど、食べたら美味いんだろうなぁ……」
小魚とカニと小エビをインベントリに回収した。
「鰯クラスばかりだから、小船が入れないギリギリぐらいに入り江の岩を減らして、中型以上の回遊魚が入って来易い様にしてみよう」
入り江の入口を塞いでいた岩をどかして、入り江の入口の先に、『品』の文字の様に岩を配置した。
更に翌朝、ワナを確認すると30センチぐらいの魚が4匹獲れていたが、南国なので日本で見る魚とちょっと違う。
青や黄などの熱帯魚っぽい模様の見た目をしているが、たぶん食べれるだろう。
さっそく研修所に持って帰って料理してみよう。
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