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第1章 異世界で生活研修! って、日本に帰れますか?

18 女子3人とリリーメルの町へ

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 2番目のダンジョンから帰った後、俺とエリナはステータスを確認した。

ユウリ・シミズ Lv8
職業 実習生
HP800/800 MP999/999

[パッシブスキル]
ステータスウインドウ
レーダーマップ
インベントリーボックス
物理耐性 魔力耐性
状態異常耐性
体力回復 魔力回復
状態回復
詠唱省略 魔法遅延省略

[スキル]
家事Lv2 農業Lv2
畜産Lv2 調教Lv2
解体Lv2 精肉Lv2
料理Lv3 菓子Lv3
大工Lv1 木工Lv1
鑑定Lv2 探索Lv2
識別Lv2 生活魔法Lv3
光魔法Lv4 火魔法Lv1
水魔法Lv2 風魔法Lv2 
空間魔法Lv2 時空魔法Lv2
槍術Lv2


エリナ・シミズ Lv8
職業 妹 高校生
HP800/800 MP999/999

[パッシブスキル]
ステータスウインドウ
レーダーマップ
インベントリーボックス
物理耐性 魔力耐性
状態異常耐性
体力回復 魔力回復
状態回復
詠唱省略 魔法遅延省略

[スキル]
家事Lv2 農業Lv2
畜産Lv2 調教Lv3
解体Lv2 精肉Lv2
料理Lv3 菓子Lv3
鑑定Lv2 探索Lv2
識別Lv2 生活魔法Lv3
光魔法Lv3 火魔法Lv3
水魔法Lv1 風魔法Lv2
空間魔法Lv2 時空魔法Lv2
棒術Lv1


MPマナはこれ以上上昇しないみたいだね、スキルは全体的にレベルアップしてるよね。
魔法遅延省略って、『魔法発動後の待ち時間を省略』だってさ」

「ふぅんっ、そう言えばゲームだと詠唱時間とか遅延時間とか有ったよね~」

「そうだね。…詠唱省略と魔法遅延省略は【時空魔法】に属してるんだね」


 悠里は、ふと思い。職業欄をタップしてみる。

「『職業 実習生』をタップ」

『実習生』 異世界に取り残された現地実習生。沢山の見聞きした能力を学び吸収するマダムキラー。


「『職業 妹 高校生』をタップ」

 異世界に兄を助けに来た妹で現役高校生。兄の能力を真似し、皆に愛されるミス異世界高校生グランプリ(他に高校生は居ない)。


「「なんじゃこりゃああぁぁっ!」」


「お兄ちゃんっ、すぐにマダムキラーを外してっ!」

「どうやってぇ、出来ないよぅ」


「もうっ、なんだからぁ。…そういう態度と性格を改めなさいっ!」

「ごめん…なるべく気をつけるから。……はぁっ、この職業欄の影響で凄いステータスに成ってるのかもねぇ」



「話は変わるけどぅ、グラーニにお洋服を作って上げましょうか~? あの鎧姿じゃ目立つからぁ」

「うぅん、お嬢様って言われてるから、ワンピースが良いかなぁ?」


「お兄ちゃんはワンピース派なんですね?」

「ワンピースにポニーテールがいいかなぁ……」

(はっ……、エリナが「ジトォォッ」っと、こっちを見据えてる)


「グラーニッ、グラーニッ!」

 エリナが呼ぶと、すぐにグラーニが駆け寄ってきた、今はもう馬の姿だ。


「ブルルンッ?」(なぁに?)

「ちょっと、ブリュンヒルデ様の姿に成って欲しいのぅ」

「ブッヒヒーンッ」(オッケー)

 キラキラキラキラ、シュィイイイイインッ!


 光と煙の中から赤い鎧姿の絶世の美女が顕れる。

「グラーニに、お洋服を作って上げるから採寸させてね~」

「はい、どうぞ」


「お兄ちゃんはお外で待っててね、グラーニは鎧を脱いでね~」

 グラーニの体が光り真っ裸になる。

「キャッ、女同士でも下着は付けてっ!」

「はぁい」


 エリナは成れた手つきでグラーニの採寸を終えた。

「う~ん、さすがに凄いプロポーションね~。……欧米かっ!」


『小人さんへ、このサイズでワンピースとサンダルを作って下さい。あとポニーテール用のリボンもお願いします』

 エリナはメッセージにチーズケーキとミルクを添えて、いつものように寝室の棚に置いた。




 翌朝起きると棚の上に、ワンピースとサンダルが置いてある。
 紺と深緑と浅黄の色違いで、お揃いのデザインの3着のワンピースだ。
 赤、青、黄色の大小様々な花が散りばめられた柄で、白い襟が付いている。
 それと赤い皮製のサンダルが3足置いてあった。

『エリナちゃん、チーズケーキとっても美味しかったよ。何時いつもありがとう、又作ってね』
 とメッセージが有った。


「これって、グラちゃんと私と……スクちゃんの分かな?」

「きっとそうだろうねぇ」


「スクちゃ~んっ!……グラちゃ~んっ!」

 エリナは誰も居ない斜め上の空間を向いて叫んだ。


「ふぁ~あ、な~に~。 ちょっと早すぎな~い」

 目を擦りながら可愛い寝巻き姿で、スクルドが空間をバリバリとコジ空けて、よろけ出てくる。


「この浅黄色のワンピースを着てみて~。……お兄ちゃんは先にオゥちゃん家に行っててね(絶対に見ちゃダメなんだからっ!)」

「は~い、オゥちゃん家に【転移】!」

 シュイイィィィンッ!


「ブルルンッ?」(なぁに?)

「グラちゃんは変身して、この紺色のワンピースを着てね~」

「ブッヒヒーンッ」(オッケー)


 3人とも着替えを終えて、鏡の前でお互いに見せ合う。

「スクちゃんもグラちゃんもとっても似合ってるよ~」

「そうね、あなた達も良く似合ってるわ」

「はい、皆とても可愛いです」


「じゃあね~、今日は皆で一緒に町へ遊びに行きましょ~」

「あのぅ、私はこの姿で荷馬車を轢くのですか?」

「大丈夫~、今日はエリナのインベントリーボックスに薪を入れてあげるね~」


「グラーニ(ブリュンヒルデ姿)と私は町民達に顔バレすると思うんだけど、女神2人が町に現われたら大騒ぎになるんじゃないかしら?」

「じゃぁイメチェンしよ~か~。 髪型をポニーテールに変えて~、黒と青のアイシャドウと赤黒の口紅を塗ろ~ね~」


「う~んっ、もう少し目尻を長くしてぇ。…うんっ妖艶な感じで、下唇もちょっとプックリとさせて~」

 3人で「キャッキャッ」と楽しくメイクをしてから、スクルドの【転移門】スキルで3人共オゥちゃん家に移動した。

 ブゥウウウウウンッ!


 庭で洗濯物を干しているユウリの前に魔方陣が浮かび上がり、その上に丸い虹色のゲートが広がっていく。
 濃い悪女メイクの3人の美女がゲートから現われた。

「うわっ、ビックリしたなぁ!」

「へへぇ、顔バレしない様にメイクに凝ってみたの~。 グラちゃんはこの姿のまま行くから、薪はインベントリーに入れてね~」


「荷馬車ごと薪をインベントリーに入れてみようか?」

「うん」

 何と、手も触れずにあっさりと収納出来てしまった。


「他人に見られないように町の近くで荷馬車を出して、俺とオゥちゃんで轢いていこうね」

「んだなぁ、それじゃあ皆でレッツゴーだぁぁ」


「リリーメルの町の近くに【転移門】オープン」

 ブゥウウウウウンッ!

 スクルドがゲートを開いてくれた。


「見付からない様に少し離れた所から歩くわよ」

「「「はぁい」」」

 皆でゾロゾロとゲートをくぐり、町の近くの森の端に移動した。


 ナオちゃんは俺の背中の魔法のリュックサックから顔を出してる。

「すこし大きくなった気がするけど、サーベルタイガーって成長が早いのかな?」

「みゃあぁぁん」(しらな~い)



 リリーメルの町に入ると、

「うわぁぁっ、3人も若い魔女がやって来たぞぉぉぉ!」

 膝を付いて拝んでいる者や、震えながらドアの隙間から覗いてる者もいる。


「何か、悪目立ちしてるねぇ」

「メイクに懲りすぎたかなぁ?」


 中央広場に町長と数人の男性達が待ち構えていた。

「オゥログ様、そちらの女性達はどなたでしょうか?」

 町長が恐る恐る尋ねてくる。

「ユウちゃんの妹と友達だぁ、町に遊びに来ただけだぁ」

「そうですか、……ほっ。 リリーメルの町にようこそお越し下さいました、小さな町ですがゆっくりしてって下さいませ」

 町の人達は安心して戻って行った!? と思うけど……。


 俺達はそのまま冒険者ギルドに行く。

「あの~ユウリさんとエリナさんですよね? ……そちらのお2人は?」

 ギルドの受付嬢が心配顔で尋ねてきた。

「普通のお友達で~す。彼女達は一緒に付いて来ただけですから、気にしないで下さぁい」

「普通の……」


 俺とエリナは、Eランク昇級条件の魔法の水袋を受付嬢に見せる。

「はい、確認しましたので認識票ギルドカードを変更しますね」

 受付嬢は2、3分で変更作業を終えた。

「「有難う御座いました」」


「それでですが、オゥログ様と御2人に護衛依頼の指名が入ってるのですけど?」

「護衛依頼が……、内容をお聞きしてもいいですか?」

「はい、南に在るハーマルの領都まで、商隊の護衛をして欲しいとの事です」


「オゥちゃんは兎も角、俺達はまだ冒険者になったばかりなんですけど?」

「ギルドのダンジョン警備員から御2人の能力に付いて報告を受けてますので、こちら側としては問題ありませんよ」


「護衛は3人だけですか?」
「本当は5、6人欲しいそうですが、人手不足の田舎町のギルドなので、3人だけで行って貰う事に成ると思います」


「じゃぁ、スクちゃんも一緒に行かない~?」

「領都ハーマル迄なら馬車だと2日で着くから、久しぶりに行ってみようかしら」


「こっちの女性2人はギルド登録してませんが、この5人でも良いですか?」

「指名依頼なので、依頼者が認めてくれれば問題ありません」


「オゥちゃん、どうですか?」

「皆が良ければ、俺ぁオッケーだぁ」


「商隊の準備は出来てますので、皆さんが良ければ明日にも出発出来ると思いますが?」

「それじゃあ、お願いします」

「はい、商隊に連絡しておきますね」


【後書】
ノルウエーのハーマルとドイツのハーメルンは違う街です。笛吹き男はドイツのハーメルンです。
異世界なので地理も街も架空の場所と言う事になります。
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