上 下
16 / 75
第1章 異世界で生活研修! って、日本に帰れますか?

16 スクルド

しおりを挟む
【前書き】
 北欧神話に出てくるノルン3姉妹は、姉がウルド・次女がベルダンディー・妹がスクルドです。
ウルドの泉からユグドラシルに水遣りをして育てていますが、スクルドはワルキューレでもあります。
有名アニメのオリジナルキャラクターではありません。




「あなた達強すぎるから、もうここには来ないで。
 それと私のダンジョン内でミョルニル使用禁止! 雷神トールの魔道具を使うなんて、ズルイッ。
 あなたも「プルリンパ」って何よっ! 詠唱するなら、ちゃんと魔法の呪文を詠唱しなさいよ」

 エリナと同じ歳ぐらいの、目がパッチリと大きい美少女だ。ちょっと我侭そうな言葉使いが残念だが。

「はじめまして、……スクルドさま?」

「そうよっ」


「きゃあ女神さまっ! きたぁぁぁぁぁっ」

 エリナがスクルドの両手を掴んで、キャッキャッと飛び跳ねる。


「なっ、何よこの子。私の事、何で知ってるの?」

「アニメと似てるぅっ、かわぃぃぃっ!」

「俺たちの国では結構有名ですよ。ス・ク・ル・ドさまっ」


「スクルドちゃんは~、やっぱり魔道具とか作るの好きなのかな~?」

「そんな事まで……、1度貴方達の国へ調べに行くべきかしら?」


「ね~ね~、私エリナ。お友達からお願いしま~す」

「とっ、友達からって……考えとくわ」

 スクルドの頬が赤くなった。


「とっ、兎に角ここにはもう来ないでっ、次のダンジョンに行きなさい。それと私のダンジョンでミョルニル使用禁止! わかったっ?」

「「はぁい、わかりました!」」


「そう、……それから……ドーナツ屋のお弁当箱の事だけど、……秘密を守ってくれると……嬉しいな」

「「はぁい、わかりました!」」
「わかりましただぁ」


「じゃあ今日はもぅ、帰りなさいっ!」

「「ありがとうございました」」
「ありがとうございましただぁ」

 パァァァァァッ!

 あたりが白くなると、俺達3人は一瞬でダンジョンの入口に戻っていた。


「スクルドちゃん、『ツン』だったね~」

「うん、次は『デレ』て欲しいねぇ」


「グラーニお待たせ~、帰ろ帰ろ~」

「ヒッヒィィンッ」(かえろ~っ)


「結構魔石が集まったね」

「まだまだだぁ、魔石インクを作るにも足りないだぁ。品質も良くないから、使用時間の短い魔道術式になるだぁ」


 街道を南に戻り、1時間余りで家に帰り着いた。
 3人で夕食を食べて、リバーシをしながら、俺とエリナはステータスの確認をする。


ユウリ・シミズ Lv5
職業 実習生
HP500/500 MP999/999

[パッシブスキル]
ステータスウインドウ
レーダーマップ
インベントリーボックス
物理耐性 魔力耐性
状態異常耐性
体力回復 魔力回復
状態回復 詠唱省略

[スキル]
家事Lv2 農業Lv2
畜産Lv2 調教Lv2
解体Lv1 精肉Lv1
料理Lv2 菓子Lv3
大工Lv1 木工Lv1
鑑定Lv2 探索Lv1
識別Lv1
生活魔法Lv2 光魔法Lv3
水魔法Lv2 空間魔法Lv2
槍術Lv1

[称号]
国立大学博士号
TOEIC
普通自動車免許
自動二輪免許
異世界生活研修所研修生
異世界生活研修所現地実習生
妖精店のお客様
オゥちゃんの親友
精霊の思い人


エリナ・シミズ Lv5
職業 妹 高校生
HP500/500 MP999/999

[パッシブスキル]
ステータスウインドウ
レーダーマップ
インベントリーボックス
物理耐性 魔力耐性
状態異常耐性
体力回復 魔力回復
状態回復
詠唱省略

[スキル]
家事Lv3 農業Lv1
畜産Lv2 調教Lv3
解体Lv1 精肉Lv1
料理Lv3 菓子Lv3
鑑定Lv2 探索Lv1
識別Lv1 生活魔法Lv2
光魔法Lv2 火魔法Lv3
空間魔法Lv1

[称号]
ミス聖正学園中等部


「オゥちゃん、次のダンジョンは、いつ行きましょうか?」

「エリナちゃんは、どう思うだぁ?」

「私はいつでも大丈夫~、元気一杯だよぅ」


「じゃあ、明後日あさって行くかぁ?」

「はい、……どの位離れてますか?」

「今日のダンジョンから北に20分位行った所だぁ。北に行くほど難易度が上がっていくだぁ。
初級が3箇所、中級が3箇所、上級が3箇所あるだぁ。冒険者育成の為に作られた、と言われてるだぁ」


「お兄ちゃん、遠くなるから食事やお菓子を多めに持って行こうね~」

「そうだねエリナ、せっかくインベントリーが有るんだから多めに用意しようね」


「ところでスキルに空間魔法と言うのが有るんだけど、インベントリーも空間魔法に入るのでしょうか?」

「んだなぁ、他には【レーダーマップ】【浮遊】【飛行】【探索】【アイテムボックス】【転移】【転移門】とかだなぁ」


「【空間魔法】をタップ、【転移】を覚えてるから、【転移】をタップ、
『一度行った所へ瞬間移動』って出てるよ」

「私も【転移】有るよ」

「エリナも?……」

「えへへ~、兄妹だから~……覚えちゃったのかな~」

「うぅんっ、まぁいいか。深く追求するのは止めとこう……。それより【転移】って自分1人だけだよね? 服とか荷物とか、どの程度まで一緒に転移するのかなぁ?」

「試してみようか~」


 俺は立ち上がって、自分の家(異世界の)を思い浮かべて言ってみた。

「自宅に【転移】!」

 シュィイイインッ!

 一瞬で家に移動した、服も荷物も一緒だった。


 オゥちゃんの家に【転移】で戻り、今度はエリナの肩に手を当てて、

「【転移】!」

 シュィイイインッ!

 自分1人だけで俺の家に転移して、エリナは居なかった。


「やっぱり【転移】と【転移門】の違いは、1人と複数人の移動の違いみたいだねぇ」

「じゃあ今日は~、歩いて帰らなくてもいいんだね~。…楽チン楽チン。ウフフフフッ」

「はっは~、良かっただなぁ」


「オゥちゃん今日は案内ありがとうございました。また明日、お休みなさい」

「あぁ、お休みだぁ」

「「家に【転移】!」」

 シュィイイインッ!

 俺とエリナは一瞬で家に帰った。


 疲れてるので、風呂に入り早めに就寝する。
 初めてのダンジョンと魔物で、心身ともに疲れていたようだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

ちっちゃくなった俺の異世界攻略

鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた! 精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

女神様から同情された結果こうなった

回復師
ファンタジー
 どうやら女神の大ミスで学園ごと異世界に召喚されたらしい。本来は勇者になる人物を一人召喚するはずだったのを女神がミスったのだ。しかも召喚した場所がオークの巣の近く、年頃の少女が目の前にいきなり大量に現れ色めき立つオーク達。俺は妹を守る為に、女神様から貰ったスキルで生き残るべく思考した。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

召喚アラサー女~ 自由に生きています!

マツユキ
ファンタジー
異世界に召喚された海藤美奈子32才。召喚されたものの、牢屋行きとなってしまう。 牢から出た美奈子は、冒険者となる。助け、助けられながら信頼できる仲間を得て行く美奈子。地球で大好きだった事もしつつ、異世界でも自由に生きる美奈子 信頼できる仲間と共に、異世界で奮闘する。 初めは一人だった美奈子のの周りには、いつの間にか仲間が集まって行き、家が村に、村が街にとどんどんと大きくなっていくのだった *** 異世界でも元の世界で出来ていた事をやっています。苦手、または気に入らないと言うかたは読まれない方が良いかと思います かなりの無茶振りと、作者の妄想で出来たあり得ない魔法や設定が出てきます。こちらも抵抗のある方は読まれない方が良いかと思います

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...