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23 ルドルフタワー攻略中
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ルドルフタワーは帝国の歴史と偉業を紹介する博物館で、各フロアには展示物がある。
1階2階は、絵画や文章のパネルで歴史を伝える。
3階4階は、古代兵器のミニチュアが展示してある。
5階6階は、武器のレプリカの展示。
7階から9階は、宝物のレプリカの展示だった。
10階は本来は最上階で、謁見の間を模したフロアに、玉座のレプリカが置いてあったという。
しかし、今のルドルフタワーにはまだ上がある。ダンジョン核により成長したフロアが、15階迄続いているのだ。10階から上は一体どのように成ってるのだろうか?
1階はパネルや絵画などが荒らされて、ボロボロに成って散らかっていた。
「ヒナちゃんにナゾナゾで~す。お片付けが出来ないスズメは、なにスズメでしょうか?」
「「「はぁ?」」」
「は~い、リン先輩。わたし知ってま~すぅ。それは……舌切り雀っ!」
「「「えっ?」」」
「お片付け出来ない、”したきり”だからで~すぅ!」
「正解!
……じゃあじゃあ、ヒナちゃん。柔らかいナッツは、なにナッツ?」
「は~い、リン先輩。それは……ドーナッツ!」
「またまた正解!……ヒナちゃん、凄~い」
「えへへへ、クラスで流行ってましたからぁ……テヘペロ」
「はぁ……、お姉ちゃん達、なんか緊張感が無いなぁ……、こっちは命懸けだってぇのにっ……」
帝国人の生き残り、ケインがそう呟いた。
2階に上がると、オーガジェネラルが1頭だけ、椅子に腰かけて残っていた。
ユラリと立ち上がり、巨大な刀を振りかざして切りかかって来たオーガジェネラルを、
ガッキィイイイイイン!
と、ユウトが偃月刀で跳ね除けて。
スッパァアアアアアンッ!
と横一閃の元に、その首を切り落とした。
このフロアも荒らされていて、特に何も残っていなかった。
3階ではオーガキングが一頭、やはり椅子に腰かけて待ち構えていた。
「武力のジェネラルに対して、魔力のキングと言われてるんだぜ」
そう、ケインが教えてくれる。
「キングは咆哮で、威圧したり、気絶、恐怖、竦み、混乱を与えるし、また統率力もあるんだ。ロードは更にその上を行くって話なんだぜ」
「そうなんですね」
オーガキングが立ち上がり、俺達に向かって咆哮を上げた。
「ウッガァアアアアアッ!」
ビリビリビリビリッ!
と、空間が振動する!
が、文芸部の5人は平気な顔をしている。巨体で恐ろしいオーガキングの雄叫びにも、全く臆していなかった。
俺達の後ろから一緒に着いて来ていた帝国人達だったが、全員がキングの咆哮により混乱している。
意外な事に兎人族のミフィーリアは、蹲って丸くなってはいるが、混乱はしていないようだった。
「帝国人さん達を【状態異常回復】!」
と、ヒナコが魔法を唱えた。
ピッキィイイイイインッ!
「あぁ、助かったぁ。……むしろ爽やかな感じで、安堵感さえ感じるぜ」
「良かったですねぇ」
「じゃあ、こっちもいくよ!【マインドブラスト】!」
キュィイイイイインッ!
「ウッグゥウウウウウッ!」
オーガキングは混乱してしまった。
「オーガキングにアイスジャベリンで止めを刺すよ。せ~の!」
「「「「「【アイスジャベリン】!」」」」」
パリパリッ、キィィィンッ!
ズガガガガガァアアアアアンッ!
「ウッギャアアアアアッ!」
5本の氷の槍に貫かれて、オーガキングは絶命した。
4階にはキングとジェネラルが、5階にはキングとジェネラル2頭が、6階にはキングとジェネラル3頭が出たが、マインドブラストとアイスジャベリンで普通に倒してしまった。
「お兄ちゃん達、凄ぇなぁ! 人族がキングとジェネラルを簡単に倒すのを初めて見たぜ!」
「そうなんですね、恐縮です」
「この分ならロードも倒せるかもなぁ」
「ロードの特徴ってありますか?」
「うん、更にデカくて、魔法も力も強いらしいぜ! 俺達は見たら逃げるだけだったから、戦おうなんて考えた事も無かったんだ」
「今回はどうやって戦おうと思ってたんですか?」
「いや、戦おうとは思って無かったんだ。……お兄ちゃん達が戦ってる隙にロードをすり抜けて、誰か1人がダンジョン核迄辿り着けたなら、スグに自爆して破壊する計画を立てて来たんだが。……もしかしたら、お兄ちゃん達ならロードも倒しちまうかもなぁ」
「そうだったんですね。でも……自爆しないで済むといいですね」
「「「あぁ……そうだなぁ……」」」
帝国人達は遠い目をして空間を見つめていた。
彼らの脳裏に残してきた家族の顔が浮かんでるのだろうかと思った。
1階2階は、絵画や文章のパネルで歴史を伝える。
3階4階は、古代兵器のミニチュアが展示してある。
5階6階は、武器のレプリカの展示。
7階から9階は、宝物のレプリカの展示だった。
10階は本来は最上階で、謁見の間を模したフロアに、玉座のレプリカが置いてあったという。
しかし、今のルドルフタワーにはまだ上がある。ダンジョン核により成長したフロアが、15階迄続いているのだ。10階から上は一体どのように成ってるのだろうか?
1階はパネルや絵画などが荒らされて、ボロボロに成って散らかっていた。
「ヒナちゃんにナゾナゾで~す。お片付けが出来ないスズメは、なにスズメでしょうか?」
「「「はぁ?」」」
「は~い、リン先輩。わたし知ってま~すぅ。それは……舌切り雀っ!」
「「「えっ?」」」
「お片付け出来ない、”したきり”だからで~すぅ!」
「正解!
……じゃあじゃあ、ヒナちゃん。柔らかいナッツは、なにナッツ?」
「は~い、リン先輩。それは……ドーナッツ!」
「またまた正解!……ヒナちゃん、凄~い」
「えへへへ、クラスで流行ってましたからぁ……テヘペロ」
「はぁ……、お姉ちゃん達、なんか緊張感が無いなぁ……、こっちは命懸けだってぇのにっ……」
帝国人の生き残り、ケインがそう呟いた。
2階に上がると、オーガジェネラルが1頭だけ、椅子に腰かけて残っていた。
ユラリと立ち上がり、巨大な刀を振りかざして切りかかって来たオーガジェネラルを、
ガッキィイイイイイン!
と、ユウトが偃月刀で跳ね除けて。
スッパァアアアアアンッ!
と横一閃の元に、その首を切り落とした。
このフロアも荒らされていて、特に何も残っていなかった。
3階ではオーガキングが一頭、やはり椅子に腰かけて待ち構えていた。
「武力のジェネラルに対して、魔力のキングと言われてるんだぜ」
そう、ケインが教えてくれる。
「キングは咆哮で、威圧したり、気絶、恐怖、竦み、混乱を与えるし、また統率力もあるんだ。ロードは更にその上を行くって話なんだぜ」
「そうなんですね」
オーガキングが立ち上がり、俺達に向かって咆哮を上げた。
「ウッガァアアアアアッ!」
ビリビリビリビリッ!
と、空間が振動する!
が、文芸部の5人は平気な顔をしている。巨体で恐ろしいオーガキングの雄叫びにも、全く臆していなかった。
俺達の後ろから一緒に着いて来ていた帝国人達だったが、全員がキングの咆哮により混乱している。
意外な事に兎人族のミフィーリアは、蹲って丸くなってはいるが、混乱はしていないようだった。
「帝国人さん達を【状態異常回復】!」
と、ヒナコが魔法を唱えた。
ピッキィイイイイインッ!
「あぁ、助かったぁ。……むしろ爽やかな感じで、安堵感さえ感じるぜ」
「良かったですねぇ」
「じゃあ、こっちもいくよ!【マインドブラスト】!」
キュィイイイイインッ!
「ウッグゥウウウウウッ!」
オーガキングは混乱してしまった。
「オーガキングにアイスジャベリンで止めを刺すよ。せ~の!」
「「「「「【アイスジャベリン】!」」」」」
パリパリッ、キィィィンッ!
ズガガガガガァアアアアアンッ!
「ウッギャアアアアアッ!」
5本の氷の槍に貫かれて、オーガキングは絶命した。
4階にはキングとジェネラルが、5階にはキングとジェネラル2頭が、6階にはキングとジェネラル3頭が出たが、マインドブラストとアイスジャベリンで普通に倒してしまった。
「お兄ちゃん達、凄ぇなぁ! 人族がキングとジェネラルを簡単に倒すのを初めて見たぜ!」
「そうなんですね、恐縮です」
「この分ならロードも倒せるかもなぁ」
「ロードの特徴ってありますか?」
「うん、更にデカくて、魔法も力も強いらしいぜ! 俺達は見たら逃げるだけだったから、戦おうなんて考えた事も無かったんだ」
「今回はどうやって戦おうと思ってたんですか?」
「いや、戦おうとは思って無かったんだ。……お兄ちゃん達が戦ってる隙にロードをすり抜けて、誰か1人がダンジョン核迄辿り着けたなら、スグに自爆して破壊する計画を立てて来たんだが。……もしかしたら、お兄ちゃん達ならロードも倒しちまうかもなぁ」
「そうだったんですね。でも……自爆しないで済むといいですね」
「「「あぁ……そうだなぁ……」」」
帝国人達は遠い目をして空間を見つめていた。
彼らの脳裏に残してきた家族の顔が浮かんでるのだろうかと思った。
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