JKだけど異世界で大きくなっちゃったぁ!

まきノ助

文字の大きさ
上 下
5 / 7

5 森の一軒家

しおりを挟む
 ヤスコはトイレに行きたくて夜中に目が覚めました。

 1LDKぐらいのレンガ作りの家ですが、浴室もトイレもちゃんと有ります。
 リビングから台所脇を通ってトイレに向かうと、台所に明かりがついていました。

 シャー、シャー、シャー
 っと、中から音が聞こえてきます。
 どうやらおばあさんが包丁を研いでいるようでした。

「こ、こんな深夜に包丁を研いでいますぅ!?」
「フフフッ、よく切れそうだわい」
「え……?」

 トイレの入り口の脇にゴミ箱と大きなかめがあり、ふたが少しずれていたので直そうとすると、
 ガラッ!
 と音を立てて蓋が下におちました。

 そーっと中を覗くと大きな骨が一杯に入っています。
「ヒィイイイイイッ! ま、まさか人の骨?」


 ギィィィッ!
 と後ろのドアが開いて、おばあさんが顔をニョッと覗かせました。

「シカやヤギの骨ですよ。近くに店が無いので、肉を食べるには狩りをして獣を捌くしかないのよ。だから毎日当たり前に包丁を研ぐのだけど、その骨は焼いて砕いて畑の肥料にするの」

 しかし、ヤスコは山姥やまんば伝説を思い出して、ガクブルと足の震えが止まりません。
(明日のメインディッシュは……もしかしてわたしでしすぅ?)


 ギィィィッ!
 おじいさんも起き出て来ました。

「その通りじゃ、お嬢さん。それに白い大きな犬を2匹飼っていて、肉を沢山たべるのじゃ。ゲィリィとフレィキィと言う名前じゃ」
「はい~、そういえば外で犬を見かけましたぁ」
 ブルブルブルッと、ヤスコは震えがまだ止まりません。

「犬の餌も当然肉だから、おじいさんはよく獣を狩ってきますのよ」
「そうじゃ、だから骨が一杯なのじゃ。王都みたいにゴミ収集は来ないからのぅ、焼いて砕いて畑の栄養として撒くしかないのじゃよ」

「はぁ、そうなんですねぇ……ガクブル、ガクブル」
 ヤスコは用を終えて布団に潜り込んでも、しばらく震えが止まりませんでした。
 ですが本当に田舎の一軒家なので、店が一切無いので水は川で汲み、必要な野菜も家庭菜園で作っていると言う事でした。



 翌日、ヤスコはおじいさんと一緒に狩りに出掛けます。
 小一時間程であっさりと、おじいさんが槍を投げて猪を仕留めました。

「ヤスコや、野生の獣にはマダ二が寄生しているんじゃ、大概は皮膚の柔らかい腹の辺りにおるから、のり移られないように注意するのじゃぞ。血を吸われてウイルスを貰うと、高熱が出て酷いと死んでしまう場合もあるからのぅ」
「はい、おじいさん」

「狩猟に出る時は皮膚に寄生されない服装を心掛けるのじゃぞ」
「はい、おじいさん」

 出かける前に、しっかりとそういう服装をおばあさんが着せてくれました。


 おじいさんは地面に穴を掘り、猪の後ろ脚を縛って枝に掛けて、引っ張って逆さに吊るします。
 そしてナイフで頸動脈を斬ると、スグに血が穴の中に滴り落ち始めました。

「コツはとどめを刺さぬことじゃ。心臓を止めない様にすれば早く血抜きができるのじゃ」


 猪の血抜きが終わる迄、2人はポットのお茶を飲んで一休みしました。

「それじゃあ、帰ろうかのぅ」
「はいぃ……? 1匹だけで良いのですか? まだお昼前ですけどぅ?」
「十分じゃ、必要な分だけで良いのじゃ。むやみな殺生は、せぬ事じゃ」


 ゲィリィとフレィキィが、猪を乗せた荷車を家まで引いてくれました。
 2匹は血抜きが終わるころ、ちょうど荷車を曳いてやってきたのです。
「まぁ、何て賢いのでしょう!」
「「ゥワンッ、ゥワンッ」」


 庭にはハーブやスパイスの木も有ります。
 おばあさんが猪肉を甘辛く香り豊かな料理にしてくれました。
 猪の肉は3人と2匹でも全然食べきれません。

「食べきれない肉は干し肉や燻製にして保存するのじゃ」
「はい、おじいさん」


(おじいさんは、ここ異世界での生き方を優しく教えて下さっているみたいですぅ)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

恥ずかしい 変身ヒロインになりました、なぜならゼンタイを着ただけのようにしか見えないから!

ジャン・幸田
ファンタジー
ヒーローは、 憧れ かもしれない しかし実際になったのは恥ずかしい格好であった! もしかすると 悪役にしか見えない? 私、越智美佳はゼットダンのメンバーに適性があるという理由で選ばれてしまった。でも、恰好といえばゼンタイ(全身タイツ)を着ているだけにしかみえないわ! 友人の長谷部恵に言わせると「ボディラインが露わだしいやらしいわ! それにゼンタイってボディスーツだけど下着よね。法律違反ではないの?」 そんなこと言われるから誰にも言えないわ! でも、街にいれば出動要請があれば変身しなくてはならないわ! 恥ずかしい!

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

貞操逆転世界の男教師

やまいし
ファンタジー
貞操逆転世界に転生した男が世界初の男性教師として働く話。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~

トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。 旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。 この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。 こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。

強奪系触手おじさん

兎屋亀吉
ファンタジー
【肉棒術】という卑猥なスキルを授かってしまったゆえに皆の笑い者として40年間生きてきたおじさんは、ある日ダンジョンで気持ち悪い触手を拾う。後に【神の触腕】という寄生型の神器だと判明するそれは、その気持ち悪い見た目に反してとんでもない力を秘めていた。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

セイントガールズ・オルタナティブ

早見羽流
ファンタジー
西暦2222年。魔王の操る魔物の侵略を受ける日本には、魔物に対抗する魔導士を育成する『魔導高専』という学校がいくつも存在していた。 魔力に恵まれない家系ながら、突然変異的に優れた魔力を持つ一匹狼の少女、井川佐紀(いかわさき)はその中で唯一の女子校『征華女子魔導高専』に入学する。姉妹(スール)制を導入し、姉妹の関係を重んじる征華女子で、佐紀に目をつけたのは3年生のアンナ=カトリーン・フェルトマイアー、異世界出身で勇者の血を引くという変わった先輩だった。 征華の寮で仲間たちや先輩達と過ごすうちに、佐紀の心に少しづつ変化が現れる。でもそれはアンナも同じで……? 終末感漂う世界で、少女たちが戦いながら成長していく物語。 素敵な表紙イラストは、つむりまい様(Twitter→@my_my_tsumuri)より

処理中です...