72 / 100
第2章 アリタリカ帝国に留学
72 ゴーレムのアダモちゃん
しおりを挟む
「マリエル御嬢様、馬車を護衛するゴーレムは金属製にして下さいませんか?」
「はい。まだ土以外でゴーレムを作った事はありませんが、やってみましょうね」
「土製のゴーレムは魔力が尽きると崩れて土に戻ってしまいますが、金属製なら動かなくなるだけで崩れる事はありません」
「そうなんですね」
マリエルは暖かい眼差しでサッチャンに微笑みました。
「土製のゴーレムは、物理攻撃でも崩れますし、水属性魔法が弱点になります」
「はい」
「金属製のゴーレムなら物理耐性が元々ありますし、勿論水属性魔法にも、その他の魔法にもある程度の耐性が期待できますから」
「はい。サッチャンはロボットアニメも好きそうですね」
私はサッチャンの目が星のようにキラキラしてるのに気が付きました。
「ウォッフォン、マリエル御嬢様は金属材料の在庫をお持ちですか?」
「はい、持っています。私は【採取】【鑑定】【識別】スキルがレベル5なのですよ。歩いているだけで見える範囲の薬草や鉱物を認知出来ますし、手の平を向けて【採取】と唱えるだけで、それらをマジックバッグに収納する事が出来るのです」
「まぁ、何と言うチートでしょう。女神様あああっ! 此処にチートな転生者がいまあああすっ!」
『サチコさん。マリエルは私の御親友なのです。御親友として必要な能力を与えてるだけなのですよ。それに生まれ付きの能力や成長過程で得た能力は、チートでも問題ありませんのよ』
「はは~っ」
突然会話に入って来た女神様の声に、サチコは床に平伏しました。
「申し訳ありません。私の不敬をどうかお許しくださいませ。冗談の心算で、乗りでふざけてしまったのです」
『そうですか、私に訴えたのだと思いました。空気が読めなくて御免なさいね。でも『私の名を無闇に呼んではならない』と神の御言葉にあります、冗談にしても言葉には十分気を付けましょうね。神は全てを聞き御存知なのですから』
「はい。無闇に天に向かって呼び掛けないように致します」
『そうそう、サチコさんの能力【脳内図書館】も今考えてみたら結構なチートでしたね。今更取り上げる心算はありませんが、私の御親友のマリエルと良く相談して内政や商売をして下さい。後世に悪い影響を残さないで下さいね』
「はい、畏まりました」
ケンちゃんがサッチャンに耳打ちして小さな声で囁きます。
「サチコ、エイル様の美貌を褒めるんだよ。おべっかに弱いんだから」
「若くて美しい慈悲深い女神様、御指導ありがとうございます。全て仰せの通りにいたします。わざわざお言葉を下さりありがとうございました」
『ケンちゃん、聞こえてましたよ。まぁ、特に問題も無いのでいいでしょう。楽しく暮してくださいね。ごきげんよう』
「「「ごきげんよう、ふぅぅぅっ!」」」
「ところで御嬢様、金属は何を持っているのですか?」
「え~とぅ、ゴーレムを作る為の金属だとねぇ。ミスリル、オリハルコン、アダマンタイト、緋緋色金等が良いでしょうか?」
「えっ、それを全部持っているのですか? ゴーレムが作れるほどの量を持ってらっしゃるのですか?」
「はい、持ってますよ」
「みなさあああんっ、此処にっ、ここに金属チートな御令嬢が居まあああすっ!」
「はいはい、もうその下りは良いですから。1番硬そうなのは、私の【鑑定】だとアダマンタイトですね。それでゴーレムを作って良いですか?」
「まぁ、盗賊対策ですから、それでお願い致します」
「はい」
★ 〇 ▼ 〇 ★
「出来ました、アダマンタイトゴーレムの『アダモちゃん』です!」
「早っ! それにネーミング! 自動車メーカー開発の2足歩行ロボットですかっ!」
マリエルの横に、宇宙海賊カブラに出てくる女性アンドロイドの様なセクシーゴーレムが立っています。
「以前、サンクトガレン城をオークの群れが襲いましたが、その時倒したオークキングの魔石をアダモちゃんの魔核として使ってますのよ」
「オークキングの魔石なら十分でしょう。輸送馬車の護衛ができる様にプログラミングした御嬢様の命令を与えてください」
「は~い。 アダモちゃん、ケーキを運ぶ馬車を守ってね」
キョロンッ!
マリエルは首を可愛く傾けてニッコリと微笑みました。
『オッフ! は~い、御嬢様の仰せの通りに致しますぅ』
「命令って、それだけかいっ! しかもアダモちゃん喋ってるし! 魅了されてるし! 自立思考行動型ゴーレムですかっ!」
「サッチャンの言葉遣い、メッ! ですよ」
「……はい」
『メッ!』
「アダモに言われたないわっ!」
★ 〇 ▼ 〇 ★
『未踏のダンジョン11階のビートルを倒し、ビートルの角を10本納品する事』
エリザとエリシャナは2人きりで『未踏のダンジョン』に潜ります。
既に踏破した階を、2人きりなので慎重に11階まで進みました。
寄り道をせず、余計な魔物を倒さないで来ましたが、1時間以上掛ってしまいました。
「なんだ、お前達はクソ真面目に踏破済みの階を歩いてきたのか?」
「「はい」」
エリザとエリシャナは、例の髭面男のグループに再び11階で会ったのでした。
「10階からは1度攻略した階に転移して来る事ができるんだぞ。俺達も今回初めて気付いたんだがな。あっはっはっは~」
「そ、そうなのですか!?」
「ほら、そこに魔方陣が有るだろ。地上に転移する魔方陣だそうだ」
「まぁ、そうだったんですかぁ」
「それじゃあ俺達は、先に行かせて貰うぞ。お互い頑張ろうな」
「はい、ご親切にありがとうございました」
男は手をヒラヒラと振りながら、先に進んでいきました。
『未踏のダンジョン』の11階は昆虫ゾーンでした。
草原と森が広がっていて、とてもダンジョン内とは思えません。
「はい。まだ土以外でゴーレムを作った事はありませんが、やってみましょうね」
「土製のゴーレムは魔力が尽きると崩れて土に戻ってしまいますが、金属製なら動かなくなるだけで崩れる事はありません」
「そうなんですね」
マリエルは暖かい眼差しでサッチャンに微笑みました。
「土製のゴーレムは、物理攻撃でも崩れますし、水属性魔法が弱点になります」
「はい」
「金属製のゴーレムなら物理耐性が元々ありますし、勿論水属性魔法にも、その他の魔法にもある程度の耐性が期待できますから」
「はい。サッチャンはロボットアニメも好きそうですね」
私はサッチャンの目が星のようにキラキラしてるのに気が付きました。
「ウォッフォン、マリエル御嬢様は金属材料の在庫をお持ちですか?」
「はい、持っています。私は【採取】【鑑定】【識別】スキルがレベル5なのですよ。歩いているだけで見える範囲の薬草や鉱物を認知出来ますし、手の平を向けて【採取】と唱えるだけで、それらをマジックバッグに収納する事が出来るのです」
「まぁ、何と言うチートでしょう。女神様あああっ! 此処にチートな転生者がいまあああすっ!」
『サチコさん。マリエルは私の御親友なのです。御親友として必要な能力を与えてるだけなのですよ。それに生まれ付きの能力や成長過程で得た能力は、チートでも問題ありませんのよ』
「はは~っ」
突然会話に入って来た女神様の声に、サチコは床に平伏しました。
「申し訳ありません。私の不敬をどうかお許しくださいませ。冗談の心算で、乗りでふざけてしまったのです」
『そうですか、私に訴えたのだと思いました。空気が読めなくて御免なさいね。でも『私の名を無闇に呼んではならない』と神の御言葉にあります、冗談にしても言葉には十分気を付けましょうね。神は全てを聞き御存知なのですから』
「はい。無闇に天に向かって呼び掛けないように致します」
『そうそう、サチコさんの能力【脳内図書館】も今考えてみたら結構なチートでしたね。今更取り上げる心算はありませんが、私の御親友のマリエルと良く相談して内政や商売をして下さい。後世に悪い影響を残さないで下さいね』
「はい、畏まりました」
ケンちゃんがサッチャンに耳打ちして小さな声で囁きます。
「サチコ、エイル様の美貌を褒めるんだよ。おべっかに弱いんだから」
「若くて美しい慈悲深い女神様、御指導ありがとうございます。全て仰せの通りにいたします。わざわざお言葉を下さりありがとうございました」
『ケンちゃん、聞こえてましたよ。まぁ、特に問題も無いのでいいでしょう。楽しく暮してくださいね。ごきげんよう』
「「「ごきげんよう、ふぅぅぅっ!」」」
「ところで御嬢様、金属は何を持っているのですか?」
「え~とぅ、ゴーレムを作る為の金属だとねぇ。ミスリル、オリハルコン、アダマンタイト、緋緋色金等が良いでしょうか?」
「えっ、それを全部持っているのですか? ゴーレムが作れるほどの量を持ってらっしゃるのですか?」
「はい、持ってますよ」
「みなさあああんっ、此処にっ、ここに金属チートな御令嬢が居まあああすっ!」
「はいはい、もうその下りは良いですから。1番硬そうなのは、私の【鑑定】だとアダマンタイトですね。それでゴーレムを作って良いですか?」
「まぁ、盗賊対策ですから、それでお願い致します」
「はい」
★ 〇 ▼ 〇 ★
「出来ました、アダマンタイトゴーレムの『アダモちゃん』です!」
「早っ! それにネーミング! 自動車メーカー開発の2足歩行ロボットですかっ!」
マリエルの横に、宇宙海賊カブラに出てくる女性アンドロイドの様なセクシーゴーレムが立っています。
「以前、サンクトガレン城をオークの群れが襲いましたが、その時倒したオークキングの魔石をアダモちゃんの魔核として使ってますのよ」
「オークキングの魔石なら十分でしょう。輸送馬車の護衛ができる様にプログラミングした御嬢様の命令を与えてください」
「は~い。 アダモちゃん、ケーキを運ぶ馬車を守ってね」
キョロンッ!
マリエルは首を可愛く傾けてニッコリと微笑みました。
『オッフ! は~い、御嬢様の仰せの通りに致しますぅ』
「命令って、それだけかいっ! しかもアダモちゃん喋ってるし! 魅了されてるし! 自立思考行動型ゴーレムですかっ!」
「サッチャンの言葉遣い、メッ! ですよ」
「……はい」
『メッ!』
「アダモに言われたないわっ!」
★ 〇 ▼ 〇 ★
『未踏のダンジョン11階のビートルを倒し、ビートルの角を10本納品する事』
エリザとエリシャナは2人きりで『未踏のダンジョン』に潜ります。
既に踏破した階を、2人きりなので慎重に11階まで進みました。
寄り道をせず、余計な魔物を倒さないで来ましたが、1時間以上掛ってしまいました。
「なんだ、お前達はクソ真面目に踏破済みの階を歩いてきたのか?」
「「はい」」
エリザとエリシャナは、例の髭面男のグループに再び11階で会ったのでした。
「10階からは1度攻略した階に転移して来る事ができるんだぞ。俺達も今回初めて気付いたんだがな。あっはっはっは~」
「そ、そうなのですか!?」
「ほら、そこに魔方陣が有るだろ。地上に転移する魔方陣だそうだ」
「まぁ、そうだったんですかぁ」
「それじゃあ俺達は、先に行かせて貰うぞ。お互い頑張ろうな」
「はい、ご親切にありがとうございました」
男は手をヒラヒラと振りながら、先に進んでいきました。
『未踏のダンジョン』の11階は昆虫ゾーンでした。
草原と森が広がっていて、とてもダンジョン内とは思えません。
0
お気に入りに追加
231
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
飯屋の娘は魔法を使いたくない?
秋野 木星
ファンタジー
3歳の時に川で溺れた時に前世の記憶人格がよみがえったセリカ。
魔法が使えることをひた隠しにしてきたが、ある日馬車に轢かれそうになった男の子を助けるために思わず魔法を使ってしまう。
それを見ていた貴族の青年が…。
異世界転生の話です。
のんびりとしたセリカの日常を追っていきます。
※ 表紙は星影さんの作品です。
※ 「小説家になろう」から改稿転記しています。

【完結】【35万pt感謝】転生したらお飾りにもならない王妃のようなので自由にやらせていただきます
宇水涼麻
恋愛
王妃レイジーナは出産を期に入れ替わった。現世の知識と前世の記憶を持ったレイジーナは王子を産む道具である現状の脱却に奮闘する。
さらには息子に殺される運命から逃れられるのか。
中世ヨーロッパ風異世界転生。
【完結】婚約を解消して進路変更を希望いたします
宇水涼麻
ファンタジー
三ヶ月後に卒業を迎える学園の食堂では卒業後の進路についての話題がそここで繰り広げられている。
しかし、一つのテーブルそんなものは関係ないとばかりに四人の生徒が戯れていた。
そこへ美しく気品ある三人の女子生徒が近付いた。
彼女たちの卒業後の進路はどうなるのだろうか?
中世ヨーロッパ風のお話です。
HOTにランクインしました。ありがとうございます!
ファンタジーの週間人気部門で1位になりました。みなさまのおかげです!
ありがとうございます!
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
転生先は盲目幼女でした ~前世の記憶と魔法を頼りに生き延びます~
丹辺るん
ファンタジー
前世の記憶を持つ私、フィリス。思い出したのは五歳の誕生日の前日。
一応貴族……伯爵家の三女らしい……私は、なんと生まれつき目が見えなかった。
それでも、優しいお姉さんとメイドのおかげで、寂しくはなかった。
ところが、まともに話したこともなく、私を気に掛けることもない父親と兄からは、なぜか厄介者扱い。
ある日、不幸な事故に見せかけて、私は魔物の跋扈する場所で見捨てられてしまう。
もうダメだと思ったとき、私の前に現れたのは……
これは捨てられた盲目の私が、魔法と前世の記憶を頼りに生きる物語。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

婚約破棄は誰が為の
瀬織董李
ファンタジー
学園の卒業パーティーで起こった婚約破棄。
宣言した王太子は気付いていなかった。
この婚約破棄を誰よりも望んでいたのが、目の前の令嬢であることを……
10話程度の予定。1話約千文字です
10/9日HOTランキング5位
10/10HOTランキング1位になりました!
ありがとうございます!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる