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第2章 アリタリカ帝国に留学
64 未踏のダンジョン
しおりを挟む 私達は8匹のゴブリンを討伐する為に森に入りました。
「あっ、ママ。 人がゴブリンに襲われてるかも!」
「まぁ大変、急ぎましょう!」
私達はゴブリンに気付かれない様に近づいて、木陰から様子を伺います。
馬車が停まっていて、ゴブリン達に囲まれていました。
8匹のゴブリンが、2人の成人男性と対峙しています。
若い男の剣は折れ、もう1人の中年男は操車用の鞭を持っています。
戦うと言うよりも、弄ばれてる感じがしました。
私はメアリィに目配せして、ゴブリン達に向けて【癇癪玉】を投げることにします。
(3、2、1、それっ!)
(はいっ!)
ビュンッ!
とスリングが風きり音を鳴らしました。
2つの【癇癪玉】はゴブリン達に向かって、真っ直ぐ飛んで行きます。
そしてゴブリン達に直接当って、お粉がうまく巻き上がりました。
バッフン! ブッシャァァァッ!
「ヒギャアアアアアッ……」
「ゲフンッ、ゲフンッ、ゲフンッ、ゲフンッ……!」
「ウゲゲゲゲーッ……!」
ゴブリン達は動きを止めて、目を擦り鼻や口から激しく咽て、のたうち回っています。
「みんな、魔法攻撃よっ!」
私とスズちゃんは【石弾】、ケンちゃんは【火弾】、ピーちゃんは【氷弾】を撃ちました。
ヒュゥゥゥッ、ドォンッ!
ボワッ、シュゥゥゥッ、バァンッ!
パリッパリッ、キィィィンッ、ダァンッ!
あっと言う間に、ゴブリン達の体力は残り僅かに成りました。
ルイス、ケンちゃん、スズちゃん、ルディくんが武器で止めを刺します。
ズッシャァァァッ! ビッシュゥゥゥッ!
「ウギャアアアアアッ!」
ゴブリンと対峙していた2人の男も【癇癪玉】の影響を受けてちょっと苦しんでいました。
「2人の男を【状態異常回復】!」
シュィイイイイインッ!
「はぁぁ、気持ちいい!」
「おおぅ、楽に成りました。ありがとう御座います」
馬車の中には、低学年ぐらいの男の子と女の子がいます。
「もう大丈夫だよ」
「「……」」
2人は怯えて喋れません。
襲われていた4人にミルクを飲ませクッキーを食べさせると、彼らは漸く落ち着いてきました。
「襲われたのは4人だけだったのですか?」
「いいえ……」
助けられたお父さんが馭者を見ます。
「馭者と護衛の冒険者と父子の5人でした。護衛の冒険者は1人で逃げてしまいました」
「そうですか……」
馬と馬車は無事なので、魔石や討伐部位を回収して一緒に街に帰る事にします。
「危ない所を助けて頂き感謝致します」
「いいえ、たまたま通り掛って良かったです」
「その……子供ばかりですけど、森で何をしてらしたのですか?」
「レベリングだよ」
私が抱いていたケンちゃんが、喋ってしまいました。
「うわっ、ビックリしたぁ!」
男の子が驚きました。
「驚かしてご免なさい。魔道具人形だと思って下さいね」
「うん……」
「私達はこの近くで冒険者の練習をしてたのです。この動物も仲間なのですよ」
「キュルキュルゥ」(よろしくぅ)
助けられた子供達は大型犬サイズのカピバラから目が離せません。
「大きいけど大人しいので安心してね」
「「はい……」」
「マリちゃん、マジックバッグがLV2になったよ。『収容量アップ、1メートル以内の物を触れずに出し入れ出来る』だって」
「ふ~ん、それじゃあ回復薬をだして頂戴な」
「オッケー」
シュィイイインッ!
「はい、マリちゃん」
ケンちゃんは手の上に出現したポーションをマリエルに渡しました。
助けられたお父さんは腕に切り傷があって、服に血が付いていたのです。
「この回復薬をどうぞ」
「有難う御座います。でも、私には身に余る高価な物なので御遠慮致します」
「そう……じゃあ、お父さんの傷を【消毒】【治療】【再生】!」
シュィイイイイインッ!
「うわあっ!?……凄い、跡形も無く傷が直ってる!」
「お父さんの服を【洗浄】【乾燥】【修復】!」
シュワワワワッ、ヒュゥゥゥゥゥッ、ピッキィィィィィンッ!
「おおっ! 服がこんなに綺麗に元通りに成りました! まるで新品の様です」
「良かったねぇ」
「どうも有難う御座います。高貴な方とは思いましたが、貴方様は王宮の聖女様なのですね」
彼はマリエルに対して、馬車の中だが深くお辞儀をしました。
「違いますよ、私は普通の9歳の女の子です」(中身はもう25歳ですけどっ!)
「そうですか……」(お忍びなのかな?)
パッパカパーン!
「今の治療でレベルが上がったわ! 投擲LV1が増えて、光属性魔法がLV6になったの!」
「お嬢様LV6だなんて凄いです! 初めて聞きしました」
「そうなの、ルイス?」
「はい、王宮の聖女様でも光属性魔法LV5だと聞いてますっ!」
「……ゲッ! 皆さん、私は見間違いしたかも知れません。今の話は忘れてくださぁぁい!」
「「「は~い」」」
「ねぇねぇ、お姉ちゃん。 聖女様じゃ無かったの?」
助けた女の子に聞かれました。
「うん、間違いなの」
「そう、聖女様に成れる様に頑張ってね」
「うん、ありがとう」
馬車は街の南門をくぐり城下に入りました。
「それじゃあ、私達はここで失礼します。 さようなら」
「どうも有難う御座いました。どうか、お名前をお聞かせ下さいませ」
「通りすがりの見習い冒険者グループで、名乗るほどの者ではありません。 ごきげんよう」
「「お姉ちゃんありがとう」」
「クッキー美味しかったよ~。またね~」
「またね~」
「バイバ~イ」
「キュルキュル~!」
「あっ、ママ。 人がゴブリンに襲われてるかも!」
「まぁ大変、急ぎましょう!」
私達はゴブリンに気付かれない様に近づいて、木陰から様子を伺います。
馬車が停まっていて、ゴブリン達に囲まれていました。
8匹のゴブリンが、2人の成人男性と対峙しています。
若い男の剣は折れ、もう1人の中年男は操車用の鞭を持っています。
戦うと言うよりも、弄ばれてる感じがしました。
私はメアリィに目配せして、ゴブリン達に向けて【癇癪玉】を投げることにします。
(3、2、1、それっ!)
(はいっ!)
ビュンッ!
とスリングが風きり音を鳴らしました。
2つの【癇癪玉】はゴブリン達に向かって、真っ直ぐ飛んで行きます。
そしてゴブリン達に直接当って、お粉がうまく巻き上がりました。
バッフン! ブッシャァァァッ!
「ヒギャアアアアアッ……」
「ゲフンッ、ゲフンッ、ゲフンッ、ゲフンッ……!」
「ウゲゲゲゲーッ……!」
ゴブリン達は動きを止めて、目を擦り鼻や口から激しく咽て、のたうち回っています。
「みんな、魔法攻撃よっ!」
私とスズちゃんは【石弾】、ケンちゃんは【火弾】、ピーちゃんは【氷弾】を撃ちました。
ヒュゥゥゥッ、ドォンッ!
ボワッ、シュゥゥゥッ、バァンッ!
パリッパリッ、キィィィンッ、ダァンッ!
あっと言う間に、ゴブリン達の体力は残り僅かに成りました。
ルイス、ケンちゃん、スズちゃん、ルディくんが武器で止めを刺します。
ズッシャァァァッ! ビッシュゥゥゥッ!
「ウギャアアアアアッ!」
ゴブリンと対峙していた2人の男も【癇癪玉】の影響を受けてちょっと苦しんでいました。
「2人の男を【状態異常回復】!」
シュィイイイイインッ!
「はぁぁ、気持ちいい!」
「おおぅ、楽に成りました。ありがとう御座います」
馬車の中には、低学年ぐらいの男の子と女の子がいます。
「もう大丈夫だよ」
「「……」」
2人は怯えて喋れません。
襲われていた4人にミルクを飲ませクッキーを食べさせると、彼らは漸く落ち着いてきました。
「襲われたのは4人だけだったのですか?」
「いいえ……」
助けられたお父さんが馭者を見ます。
「馭者と護衛の冒険者と父子の5人でした。護衛の冒険者は1人で逃げてしまいました」
「そうですか……」
馬と馬車は無事なので、魔石や討伐部位を回収して一緒に街に帰る事にします。
「危ない所を助けて頂き感謝致します」
「いいえ、たまたま通り掛って良かったです」
「その……子供ばかりですけど、森で何をしてらしたのですか?」
「レベリングだよ」
私が抱いていたケンちゃんが、喋ってしまいました。
「うわっ、ビックリしたぁ!」
男の子が驚きました。
「驚かしてご免なさい。魔道具人形だと思って下さいね」
「うん……」
「私達はこの近くで冒険者の練習をしてたのです。この動物も仲間なのですよ」
「キュルキュルゥ」(よろしくぅ)
助けられた子供達は大型犬サイズのカピバラから目が離せません。
「大きいけど大人しいので安心してね」
「「はい……」」
「マリちゃん、マジックバッグがLV2になったよ。『収容量アップ、1メートル以内の物を触れずに出し入れ出来る』だって」
「ふ~ん、それじゃあ回復薬をだして頂戴な」
「オッケー」
シュィイイインッ!
「はい、マリちゃん」
ケンちゃんは手の上に出現したポーションをマリエルに渡しました。
助けられたお父さんは腕に切り傷があって、服に血が付いていたのです。
「この回復薬をどうぞ」
「有難う御座います。でも、私には身に余る高価な物なので御遠慮致します」
「そう……じゃあ、お父さんの傷を【消毒】【治療】【再生】!」
シュィイイイイインッ!
「うわあっ!?……凄い、跡形も無く傷が直ってる!」
「お父さんの服を【洗浄】【乾燥】【修復】!」
シュワワワワッ、ヒュゥゥゥゥゥッ、ピッキィィィィィンッ!
「おおっ! 服がこんなに綺麗に元通りに成りました! まるで新品の様です」
「良かったねぇ」
「どうも有難う御座います。高貴な方とは思いましたが、貴方様は王宮の聖女様なのですね」
彼はマリエルに対して、馬車の中だが深くお辞儀をしました。
「違いますよ、私は普通の9歳の女の子です」(中身はもう25歳ですけどっ!)
「そうですか……」(お忍びなのかな?)
パッパカパーン!
「今の治療でレベルが上がったわ! 投擲LV1が増えて、光属性魔法がLV6になったの!」
「お嬢様LV6だなんて凄いです! 初めて聞きしました」
「そうなの、ルイス?」
「はい、王宮の聖女様でも光属性魔法LV5だと聞いてますっ!」
「……ゲッ! 皆さん、私は見間違いしたかも知れません。今の話は忘れてくださぁぁい!」
「「「は~い」」」
「ねぇねぇ、お姉ちゃん。 聖女様じゃ無かったの?」
助けた女の子に聞かれました。
「うん、間違いなの」
「そう、聖女様に成れる様に頑張ってね」
「うん、ありがとう」
馬車は街の南門をくぐり城下に入りました。
「それじゃあ、私達はここで失礼します。 さようなら」
「どうも有難う御座いました。どうか、お名前をお聞かせ下さいませ」
「通りすがりの見習い冒険者グループで、名乗るほどの者ではありません。 ごきげんよう」
「「お姉ちゃんありがとう」」
「クッキー美味しかったよ~。またね~」
「またね~」
「バイバ~イ」
「キュルキュル~!」
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