チートなんて簡単にあげないんだから~結局チートな突貫令嬢~

まきノ助

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第1章 アストリア王国に転生

25 薬草採取の課外授業

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 入学祝いにお父様がマジックバッグを買ってくれました、私が買おうと思っていたのを知っていたのです。
 魔法学院ではケンちゃんが一緒じゃ無いので、マジックバッグが欲しかったのです。

 お父様に買って貰ったマジックバッグは、とても高価で機能と容量の多い物でした。
 なぜか、日本のランドセルと同じデザインで、色は女子用なので赤です。
 荷物を幾ら入れても重さを感じません。
 使用者限定で、無くしても勝手に戻って来て、離れた所の物も手を使わず出し入れ出来ます。
 マジックバッグとスキルを使い、触らず汚れず出し入れ出来るのです。
 誰も私がマジックバッグに荷物を出し入れしてる事に気付きませんでした。


 薬草採取の課外授業で学院を出て近くの草原に行きました。
 草原には薬草が沢山有り、クラスの皆が見付け易い程、沢山有りました。

 薬草の採取の仕方を女性担任教師のターニャ・ハルトシュルール先生が説明してくれました。
 薬草の種類や見分け方も教えてくれます。
 私は薬草などが、緑色に丸く光って見える事は黙っています。
 手を触れずに採取出来る事も黙っていました。


「こんなに薬草が取れるのは初めてですわ」
 と先生が呟いてました。

 クラスメート達も順調に薬草が採取できたようです。

「採取した薬草はポーション作製の授業で使いますから、教室まで持って帰ってくださいね」

「「「は~い」」」


 私は貴重な薬草や鉱物も見つけたので、【採取】レベル5を発動してマジックバッグに直接入れました。
【採取】がレベル5に成ると、手の平を向けて心の中で【採取】と念じるだけで、バッグに直接入れる事が出来ます。生態系に影響を及ぼさないように一応配慮もしました。

『あら、マリエルちゃん。心配しなくても大丈夫よ! マリエルちゃんが通った後は土地が豊かに成るのだから、又スグに薬草や鉱物が出来るのよ』

「まぁ、そうなの、どうもありがとう……私普通の人間ですよね?」

『女神の御親友なんだから、そのぐらいが普通でしょう』

「ありがとう、そうなんだね」



 翌日の授業で、採取した薬草を使いポーションを作製します。

「まず最初に錬金盤を綺麗にします。不純物が入ると、ポーションの効果が落ちてしまうからなのですよ」

 ハルトシュルール先生の指導に従って、私達は学校の備品の錬金盤を入念に掃除しました。


「次に、錬金盤の定められた場所に、ポーションボトルと材料の薬草を載せます」

 先生が、錬金盤と材料の配置が書かれた図を黒板に張りました。

「次に、作製するポーションの呪文を唱えながら魔力を注ぎます」

 【錬金術】のスキルが無くても錬金盤と材料が揃っていれば、誰でも低級ポーションが作れます。勿論失敗する事も有りますが、経験を積めば成功率が上がり、やがて【錬金術】スキルも獲得出来ます。
 ですが、高品質の上級ポーションが作れるように成る者は、少ないとの事です。


 その日、クラス全員が『回復ポーション』を作る事が出来ました。
 私の作った『回復ポーション』だけ、『最高品質』と言う表示です。
【錬金術】レベル5なのでしょうがありませんが、他の生徒には見せませんでした。
 先生だけが、確認した時に「まぁ!」と驚いてました。

 因みに、ケンちゃんのマジックバッグの中で『完全回復ポーション』を作った時も『最高品質』に成っています。


「先生、『最高品質』の『完全回復ポーション』を作るには、どのぐらいのレベルが必要ですか?」

「……私はそれを見た事が有りませんし、作れる人も知りません。アストリア国内に存在しないと思いますよ」

「はい……有難う御座います」

(私のマジックバッグの中に沢山入ってるのだけど……)



 翌日はスクロールを作製します。
 本来は【書写】スキルが無いと出来ませんが、錬金盤と魔石インクがあれば作製できるのです。
 魔石インクは、魔石を粉にしてインクに混ぜたものです。元々は、魔力の高い魔物や生物の血を使っていたそうです。

「まず、白紙の巻物に魔石インクで、魔法の呪文を手書きします」

 皆、先生が黒板に書いた通りに、白紙の巻物に呪文を書いて行きます。


「次に、錬金盤の上の指定された場所に巻物と材料を置きます」

 先生が正しく出来てるか確認して回りました。


「ポーションよりもスクロールを作る方が難しいと言われてます。失敗すれば材料は失われますが諦めなければ必ず成功しますから、頑張ってくださいね」

「「「は~い」」」


 成功確立は50パーセント以下のようでした。私は1回で成功しましたけど……。
 2回3回と頑張った結果、クラス全員が成功しました。

 私が自分のステータスを確認すると、【書写】スキルレベル1が追加されてました。

(う~ん、このままだと闇属性以外の全部のスキルを獲得してしまうかも、『女神の御親友』恐るべし!)



 騎士学校ではありませんが、剣術などの武器を扱う実習もあります。

 上級貴族は片手剣が多いようです。
 ブロードソードやサーベルが使われ、レイピアの時は左手にマンゴーシュを持つ事が多いそうです。
 学院では、まずショートソードで型稽古の練習をします、ナイフではありません、日本人から見れば刀より軽くてちょっと短い普通の片手剣です。
 刃引きしてない剣を使い、型稽古だけで決して打ち合ったり致しません。


 〇 ▼ 〇


 1学期の期末試験が終わると夏休みです。

 学科試験は、国語・算数・社会・魔術・薬学でした。
 実技試験は入学時と同じで、30メートル先の的に攻撃魔法を当てるだけです。
 私は【石弾】1発で、まとごと木っ端微塵に破壊しました。

「まぁ、上級攻撃魔法でも壊れない強度で作ってある筈のまとが壊れてしまったわ!」
 と先生が言ってました。

 次からは壊さないように的に当てましょう。


 試験結果は勿論主席などではありません。
 日本でも勉強は得意ではなく中の上ぐらいでした、こちらでは上に入ってると思います。

 特に期末試験がらみで問題は発生しませんでした。
 定番イベントは起きません、マリエルは勉強がそんなに好きでは無いので、勉強無双は発生しないのでした。
 ラノベには向いてませんね。


「1学期の終わりにパーティ毎に課外実習をして頂きます。 学院外に人工的に作られたダンジョンがありますので、皆さんには1階の宝箱の中に有るアイテムを持って帰って貰います」

「「「は~い」」」


「先生、お弁当と水筒を持って行っていいですか?」

「はい、勿論持って行ってください」


「先生、おやつはどうですか~?」

「お菓子は5百ブロンズ迄オッケーです」


「先生バナナはおやつに入りますか~?」

「バナナはおやつです」

「「「は~い」」」


「それではパーティを組んでくださ~い」

 私とマルグレーテちゃんとモモリルちゃんとレクシ王子とブランくんでパーティを組みました。


「できるだけ男子が前衛に成ってくださいね」

「「「はい」」」
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