12 / 100
第1章 アストリア王国に転生
12 バステトって?
しおりを挟む
「お母様、マリエルは良い子でしたね」
「はい。困ってる者に声を掛け、助ける事が出来る良い子ですね」
「上げるのでしょう?」
「はい。私への心遣いへのご褒美を上げましょうね」
マリエル達が馬車で去ったあと、母子がそんな会話をしてました。
「それでは帰りましょう」
「はい」
シュィイイインッ!
2人は何処かへ転移して行きました。
◇ ◆ ◇
「今日も皆一緒に草原に行きましょう」
「「はい、お嬢様」」
私は昨日と同じメンバーで馬車に乗り込み、南の草原へ出かけました。
とても良い天気で晴れ渡っています。
馬車の中でステータスウィンドウを確認します。
「まぁ、光属性魔法と土属性魔法がレベル5になってるわ!」
「お嬢様、人族の魔法の限界はレベル5迄と言われているのです」
「錬金術と採取と採掘と調教もレベル5になってるの!」
「まぁ、凄いですお嬢様。すでに一流の魔法使いです」
「俺は火属性魔法レベル2だよ」
とケンちゃん。
「私は風属性魔法レベル3です」
専属護衛騎士ルイスが言いました。
「私はまだ生活魔法しか使えません」
専属側仕えメアリィが言いました。
「キュルキュル」
「ピーちゃんは、水と風がレベル2だねぇ」
マリエルだけはカピバラのピーちゃんと会話ができるようです。
「キュルキュル」
「こんなに早くレベル5に成るなんて、寝ている間にもレベルが上がる事があるのかしら?」
「……どうでしょう?」
「よ~し、今日も頑張っちゃうよ~!」
「「はいお嬢様」」
「オッケー」
「キュルキュル」
馬車は南の草原に着きました。
昨日と同じ様に採取と狩りをします。
「薬草を【採取】!」
シュィイイインッ!
「鉱石を【採掘】!」
シュィイイインッ!
ホワンと光ってる緑色や黄色の輪に向かって、手の平を向けてスキルを唱えると、触れなくても簡単に収集できます。
「わ~い、楽チン楽チン!」
マンドレイクも【採取】スキルを使うと叫ばれる事なく採取できました。
「耳栓が要らなくなったね~♪」
「そだねぇ、マリちゃん。あっという間に沢山取れるねぇ」
角ウサギと青スライム、赤スライムも狩りました。
今日は残念ながらヘタレスライムは出現しませんでした。
「やっぱり普通の魔物を狩っても中々レベルアップしないねぇ」
「そだねぇ、マリちゃん」
「ふ~っ、今日はこれぐらいで帰りましょうか?」
「「はい、お嬢様」」
「マリちゃんのスキルのお陰でめっちゃ採取できたよ!」
「そうだね、ケンちゃん。いっぱいポーションが作れるね」
「うん」
私達は馬車を停めた所まで歩いて戻ります。
馬車に乗り込もうとすると、反対側から何かの鳴き声が聞こえてきました。
「ミャアアゥ、ミャアアゥ、ミャアアゥ……」
「捨て猫かしら。どうしましょう……」
見に行くと、黒い猫耳の幼女が籠の中で鳴いていました。
「ヒャァウッ、カワィィィ!」
「1歳ぐらいでしょうか、お嬢様?」
「そうかもね」
周りを見回しても誰も居ません。
「このまま置いていって魔物に襲われたら可哀想だから、一緒に連れて行きましょうね」
「「はい、お嬢様」」
「マリちゃん、この子も飼うの?」
「まだ分からないわ。ルイス、迷子の届けを出してくださいね」
「はい、お嬢様」
「ケンちゃん回復薬を1本頂戴な」
「はい、どうぞ」
私は黒猫耳幼女に回復薬を与えました。
私の手の平に少しづつ垂らし、幼女に舐めさせたのです。
ピチャ、ピチャ、ピチャ、ピチャ……、
「とりあえず、これで帰る迄は大丈夫でしょうか……」
◇ ◆ ◇
私達はお城に帰って来ました。
子猫ちゃんに温めたミルクを飲ませて上げます。
「とりあえず、この子に名前を付けましょうかぁ? カッコ仮名っていうやつよねぇ」
「う~ん、猫と言えばタマかな~」
「スズちゃんにしましょう。何故か可愛い猫耳娘のイメージが湧いてくるの!」
「ふ~ん、そう言われてみれば俺もそうだなぁ。ラーメンも食べたくなっちゃった」
「本当の家族が見付かる迄、スズちゃんでちゅよ~」
ピッカァァァァァンッ!
「ヒャッ!光ったわ!」
「マリちゃん調教スキルが有るから、従魔契約しちゃったんじゃないの?」
「えぇっ、そうなのぅ?」
「鑑定してみたら?」
「うん。スズちゃんを【鑑定】!」
ピッキィィィンッ!
「本当に従魔に成ってるぅぅ! しかも種族が『バステト』って書いてあるわ」
「猫人族とか猫耳族じゃないの?」
「うん。他には何も表示されてないわね……」
私は厩舎から真新しい寝藁を貰ってきて籠に入れ、上からシーツを被せました。
そして私のベッドの横に置きます。
5歳になった私の部屋とベッドはとても広いのです。
「それじゃあ、おやすみなさい」
「おやすみ~」
「キュルキュル」
「ミャ~ゥ」
「エイルちゃん、こんばんは。
各スキルがレベル5に成りました、エイルちゃんのお陰だね、ありがとう。
『バステト』と言う種族の幼女を拾い『スズ』と名付けました。
御両親が見つかります様に。
いつも見守ってくれて、ありがとう。
おやすみなさい。
親友のマリエルより」
「マリエルちゃん、こんばんは。
スキルレベルが上がって良かったね。
ところで『バステト』は猫の女神だったはずですよ。
管理外なので詳しくないのですが、人間を病気や邪悪な霊から守る慈愛にみちた女神と言われています。
又、豊穣・性愛の女神で音楽とダンスを好むそうです。
『虹の橋ビフレスト』から地上に迷い出たのかも知れませんね。
私も彼女の家族を探して見ます。
それまで預かってくださいね。
おやすみなさい。
親友のエイルより」
「はい。困ってる者に声を掛け、助ける事が出来る良い子ですね」
「上げるのでしょう?」
「はい。私への心遣いへのご褒美を上げましょうね」
マリエル達が馬車で去ったあと、母子がそんな会話をしてました。
「それでは帰りましょう」
「はい」
シュィイイインッ!
2人は何処かへ転移して行きました。
◇ ◆ ◇
「今日も皆一緒に草原に行きましょう」
「「はい、お嬢様」」
私は昨日と同じメンバーで馬車に乗り込み、南の草原へ出かけました。
とても良い天気で晴れ渡っています。
馬車の中でステータスウィンドウを確認します。
「まぁ、光属性魔法と土属性魔法がレベル5になってるわ!」
「お嬢様、人族の魔法の限界はレベル5迄と言われているのです」
「錬金術と採取と採掘と調教もレベル5になってるの!」
「まぁ、凄いですお嬢様。すでに一流の魔法使いです」
「俺は火属性魔法レベル2だよ」
とケンちゃん。
「私は風属性魔法レベル3です」
専属護衛騎士ルイスが言いました。
「私はまだ生活魔法しか使えません」
専属側仕えメアリィが言いました。
「キュルキュル」
「ピーちゃんは、水と風がレベル2だねぇ」
マリエルだけはカピバラのピーちゃんと会話ができるようです。
「キュルキュル」
「こんなに早くレベル5に成るなんて、寝ている間にもレベルが上がる事があるのかしら?」
「……どうでしょう?」
「よ~し、今日も頑張っちゃうよ~!」
「「はいお嬢様」」
「オッケー」
「キュルキュル」
馬車は南の草原に着きました。
昨日と同じ様に採取と狩りをします。
「薬草を【採取】!」
シュィイイインッ!
「鉱石を【採掘】!」
シュィイイインッ!
ホワンと光ってる緑色や黄色の輪に向かって、手の平を向けてスキルを唱えると、触れなくても簡単に収集できます。
「わ~い、楽チン楽チン!」
マンドレイクも【採取】スキルを使うと叫ばれる事なく採取できました。
「耳栓が要らなくなったね~♪」
「そだねぇ、マリちゃん。あっという間に沢山取れるねぇ」
角ウサギと青スライム、赤スライムも狩りました。
今日は残念ながらヘタレスライムは出現しませんでした。
「やっぱり普通の魔物を狩っても中々レベルアップしないねぇ」
「そだねぇ、マリちゃん」
「ふ~っ、今日はこれぐらいで帰りましょうか?」
「「はい、お嬢様」」
「マリちゃんのスキルのお陰でめっちゃ採取できたよ!」
「そうだね、ケンちゃん。いっぱいポーションが作れるね」
「うん」
私達は馬車を停めた所まで歩いて戻ります。
馬車に乗り込もうとすると、反対側から何かの鳴き声が聞こえてきました。
「ミャアアゥ、ミャアアゥ、ミャアアゥ……」
「捨て猫かしら。どうしましょう……」
見に行くと、黒い猫耳の幼女が籠の中で鳴いていました。
「ヒャァウッ、カワィィィ!」
「1歳ぐらいでしょうか、お嬢様?」
「そうかもね」
周りを見回しても誰も居ません。
「このまま置いていって魔物に襲われたら可哀想だから、一緒に連れて行きましょうね」
「「はい、お嬢様」」
「マリちゃん、この子も飼うの?」
「まだ分からないわ。ルイス、迷子の届けを出してくださいね」
「はい、お嬢様」
「ケンちゃん回復薬を1本頂戴な」
「はい、どうぞ」
私は黒猫耳幼女に回復薬を与えました。
私の手の平に少しづつ垂らし、幼女に舐めさせたのです。
ピチャ、ピチャ、ピチャ、ピチャ……、
「とりあえず、これで帰る迄は大丈夫でしょうか……」
◇ ◆ ◇
私達はお城に帰って来ました。
子猫ちゃんに温めたミルクを飲ませて上げます。
「とりあえず、この子に名前を付けましょうかぁ? カッコ仮名っていうやつよねぇ」
「う~ん、猫と言えばタマかな~」
「スズちゃんにしましょう。何故か可愛い猫耳娘のイメージが湧いてくるの!」
「ふ~ん、そう言われてみれば俺もそうだなぁ。ラーメンも食べたくなっちゃった」
「本当の家族が見付かる迄、スズちゃんでちゅよ~」
ピッカァァァァァンッ!
「ヒャッ!光ったわ!」
「マリちゃん調教スキルが有るから、従魔契約しちゃったんじゃないの?」
「えぇっ、そうなのぅ?」
「鑑定してみたら?」
「うん。スズちゃんを【鑑定】!」
ピッキィィィンッ!
「本当に従魔に成ってるぅぅ! しかも種族が『バステト』って書いてあるわ」
「猫人族とか猫耳族じゃないの?」
「うん。他には何も表示されてないわね……」
私は厩舎から真新しい寝藁を貰ってきて籠に入れ、上からシーツを被せました。
そして私のベッドの横に置きます。
5歳になった私の部屋とベッドはとても広いのです。
「それじゃあ、おやすみなさい」
「おやすみ~」
「キュルキュル」
「ミャ~ゥ」
「エイルちゃん、こんばんは。
各スキルがレベル5に成りました、エイルちゃんのお陰だね、ありがとう。
『バステト』と言う種族の幼女を拾い『スズ』と名付けました。
御両親が見つかります様に。
いつも見守ってくれて、ありがとう。
おやすみなさい。
親友のマリエルより」
「マリエルちゃん、こんばんは。
スキルレベルが上がって良かったね。
ところで『バステト』は猫の女神だったはずですよ。
管理外なので詳しくないのですが、人間を病気や邪悪な霊から守る慈愛にみちた女神と言われています。
又、豊穣・性愛の女神で音楽とダンスを好むそうです。
『虹の橋ビフレスト』から地上に迷い出たのかも知れませんね。
私も彼女の家族を探して見ます。
それまで預かってくださいね。
おやすみなさい。
親友のエイルより」
10
お気に入りに追加
231
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
飯屋の娘は魔法を使いたくない?
秋野 木星
ファンタジー
3歳の時に川で溺れた時に前世の記憶人格がよみがえったセリカ。
魔法が使えることをひた隠しにしてきたが、ある日馬車に轢かれそうになった男の子を助けるために思わず魔法を使ってしまう。
それを見ていた貴族の青年が…。
異世界転生の話です。
のんびりとしたセリカの日常を追っていきます。
※ 表紙は星影さんの作品です。
※ 「小説家になろう」から改稿転記しています。

【完結】【35万pt感謝】転生したらお飾りにもならない王妃のようなので自由にやらせていただきます
宇水涼麻
恋愛
王妃レイジーナは出産を期に入れ替わった。現世の知識と前世の記憶を持ったレイジーナは王子を産む道具である現状の脱却に奮闘する。
さらには息子に殺される運命から逃れられるのか。
中世ヨーロッパ風異世界転生。
侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!
珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。
3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。
高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。
これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!!
転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!
【完結】婚約を解消して進路変更を希望いたします
宇水涼麻
ファンタジー
三ヶ月後に卒業を迎える学園の食堂では卒業後の進路についての話題がそここで繰り広げられている。
しかし、一つのテーブルそんなものは関係ないとばかりに四人の生徒が戯れていた。
そこへ美しく気品ある三人の女子生徒が近付いた。
彼女たちの卒業後の進路はどうなるのだろうか?
中世ヨーロッパ風のお話です。
HOTにランクインしました。ありがとうございます!
ファンタジーの週間人気部門で1位になりました。みなさまのおかげです!
ありがとうございます!
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
転生先は盲目幼女でした ~前世の記憶と魔法を頼りに生き延びます~
丹辺るん
ファンタジー
前世の記憶を持つ私、フィリス。思い出したのは五歳の誕生日の前日。
一応貴族……伯爵家の三女らしい……私は、なんと生まれつき目が見えなかった。
それでも、優しいお姉さんとメイドのおかげで、寂しくはなかった。
ところが、まともに話したこともなく、私を気に掛けることもない父親と兄からは、なぜか厄介者扱い。
ある日、不幸な事故に見せかけて、私は魔物の跋扈する場所で見捨てられてしまう。
もうダメだと思ったとき、私の前に現れたのは……
これは捨てられた盲目の私が、魔法と前世の記憶を頼りに生きる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる