9 / 100
第1章 アストリア王国に転生
9 ジュディの幸せ
しおりを挟む
カピバラの名前はピーちゃんにしました。
日本で飼っていた黄色のセキセイインコの名前を貰ったのです。
「ジュディ、おにわにピーちゃんの、おうちを作ってほしいの」
「はい。……ですが、私は大工仕事ができません」
「イヌごやぐらいの、おおきさでいいのよ」
「はい。私は犬小屋を作った経験がないので……、すいません」
「じゃあ、ルイスにたのんで、くれる?」
「はい……。お嬢様、一緒に行って頂けないでしょうか?」
ジュディは又、体をくねらせモジモジしてます。
「もう、しょうがない、こどもね~」
私とジュディは手を繋いで、護衛騎士の休憩室に向かいました。
ジュディはとても嬉しそうです。
「ねぇ、ジュディ。もっとせっきょくてきに、なったほうが、いいのよ」
「はい。でも~、そういう経験が無くて~」
「おとこは、にぶいから。おんなから、さそわないと、わからないの」
「はい……わかりました」
ジュディが休憩室のドアをノックします。
コンッ、コンッ、
「どうぞ~」
ガチャリッ、
「お嬢様!」
休憩中の2人の護衛騎士が立ち上がり、マリエルに敬礼しました。
残念ですがルイスはそこに居ませんでした。ジュディがガッカリした顔をしています。
「わたしのピーちゃんのおうちを、おにわにつくって、ほしいの」
「畏まりました」
ロベルトが応えました。
「ルイスにおねがいしたいの」
「ルイスは大工仕事をしたことが無いと思いますが……」
「じゃあ、ロベルトがおしえてあげて」
「はい、畏まりました」
「おおきめの、いぬごやぐらいで、ねわらをいっぱい、いれてね」
「子馬が1頭入るぐらいで、いいですか?」
「うん、ピーちゃんは、すぐ、おおきくなるからね」
「はい、畏まりました」
「ルイスは、どこにいるの、おしごとしてるの?」
「はい、今は門衛をしています」
「そう」
私は休憩室を出てからジュディに言いました。
「モンまで、オサンポしましょう」
「はい」
ジュディの顔がパーッと明るくなりました。
(こいするおとめ、なのねぇ)
「ジュディ、ルイスとケッコンしちゃえば?」
「ヒッ、そんな……恥かしい……」
ジュディは何か妄想してるのか、虚ろな表情でボーッとしながら門まで一緒に歩きました。
「ルイス!」
「はい、お嬢様」
「ロベルトにおそわって、ピーちゃんの、おうちをつくってね」
「はい。畏まりました」
「それと、ジュディをおよめさんに、してね」
「はい。畏まり……えぇぇっ!」
「いや、なの?」
「いいえ……」
「だれか、すきなひと、いるの?」
「いいえ……」
「こんやくしゃとか、いるの?」
「いいえ……いません」
「おしろのなかで、ジュディが、いちばん、かわいいでしょ?」
「はい……」
「かわいいでしょっ!」
「はい、とっても可愛いですっ」
「こどもができたら、わたしの、おともだちにしてあげるわ」
「はい、よろこんで!」
ジュディは真っ赤に成って俯いているだけでした。
◇ ◆ ◇ ★
夕食時、
「ママン、ジュディとルイスのケッコンをゆるしてあげて、ほしいの」
「まぁ、ジュディはルイスが好きだったの?」
「はい」
ジュディは下を向いた侭、小さく返事をしました。
「ルイスもジュディが好きなのね?」
「はい」
「それじゃあ、問題無いわね。結婚を許可します」
「ワ~イ、おめでと~」
「「有難う御座います」」
2人はお互いに目が合うと、赤くなって下を向きました。
(ふたりとも、こどもね~)
「ママン。ふたりを、わたしのせんぞくに、してほしいの」
「ジュディは、もう専属側使えに成ってるから、ルイスを専属護衛騎士に取り立てるわね」
「うん、ママンありがとう」
ルイスとジュディの顔を見ると、嬉しそうにニッコリ微笑んでいた。
「ふたりとも、よろしくね」
「「はい、畏まりました」」
◆ ▽ ★ □
ケンちゃんは私の右の席でジーッと座っていました。
ピーちゃんも私の左横のフロアでジーッと座っています。
時々、私がサラダをピーちゃんに上げると、行儀よく口だけ動かして食べるのでした。
ケンちゃんは(俺も食べたいな~、けどママンがいるからな~)と考えていました。
「マリちゃん、ママンに言ってよ。俺も食べるって」
「オニンギョウが、たべたらおかしいでしょ」
「でも~……食べたいな~」
「うふふ、ケンちゃんも食べていいわよ」
きこえてたっ!
「ママン奥様ありがとう。いただきま~す!」
ガツ、ガツ、ガツ……、んっぐ、んっぐ、んっぐ……。
「ママン、ケンちゃんのこと、こわくないの?」
「あら、魔石で動く人形は魔道具屋さんで売ってるわよ」
「ケンちゃんのほかにも、うごくニンギョウあるんだ~」
「そうね~。ケンちゃんは普通のお人形だった筈だけどね~」
「……はははっ」
ケンちゃんは笑って誤魔化しました。
翌日から、ルイスはピーちゃんのお家を作り始めました。
私達はお庭で作業を見学しています。
ピーちゃんは、お庭の草を美味しそうに食べていました。
ジュディが時々お茶とお菓子を運んで来ます。
ポカポカで気持ちの良い日差しが降りそそいでいました。
ペットのお家と言っても、領主のお庭なので、ちゃんと作らないといけないらしいのです。
その日はまだ完成しませんでした。
「エイルちゃん、こんばんは。
ルイスとジュディが結婚しました。
2人を祝福してあげて下さいね。
カピバラの名前はピーちゃんにしました。
いつも見守ってくれて、ありがとう。
おやすみなさい。
親友のマリエルより」
「マリエルちゃん、こんばんは。
ルイスとジュディの結婚おめでとう。
私達の神様が、2人を祝福して下さることでしょう。
カピバラのピーちゃんも可愛い名前ですね。
おやすみなさい。
親友のエイルより」
日本で飼っていた黄色のセキセイインコの名前を貰ったのです。
「ジュディ、おにわにピーちゃんの、おうちを作ってほしいの」
「はい。……ですが、私は大工仕事ができません」
「イヌごやぐらいの、おおきさでいいのよ」
「はい。私は犬小屋を作った経験がないので……、すいません」
「じゃあ、ルイスにたのんで、くれる?」
「はい……。お嬢様、一緒に行って頂けないでしょうか?」
ジュディは又、体をくねらせモジモジしてます。
「もう、しょうがない、こどもね~」
私とジュディは手を繋いで、護衛騎士の休憩室に向かいました。
ジュディはとても嬉しそうです。
「ねぇ、ジュディ。もっとせっきょくてきに、なったほうが、いいのよ」
「はい。でも~、そういう経験が無くて~」
「おとこは、にぶいから。おんなから、さそわないと、わからないの」
「はい……わかりました」
ジュディが休憩室のドアをノックします。
コンッ、コンッ、
「どうぞ~」
ガチャリッ、
「お嬢様!」
休憩中の2人の護衛騎士が立ち上がり、マリエルに敬礼しました。
残念ですがルイスはそこに居ませんでした。ジュディがガッカリした顔をしています。
「わたしのピーちゃんのおうちを、おにわにつくって、ほしいの」
「畏まりました」
ロベルトが応えました。
「ルイスにおねがいしたいの」
「ルイスは大工仕事をしたことが無いと思いますが……」
「じゃあ、ロベルトがおしえてあげて」
「はい、畏まりました」
「おおきめの、いぬごやぐらいで、ねわらをいっぱい、いれてね」
「子馬が1頭入るぐらいで、いいですか?」
「うん、ピーちゃんは、すぐ、おおきくなるからね」
「はい、畏まりました」
「ルイスは、どこにいるの、おしごとしてるの?」
「はい、今は門衛をしています」
「そう」
私は休憩室を出てからジュディに言いました。
「モンまで、オサンポしましょう」
「はい」
ジュディの顔がパーッと明るくなりました。
(こいするおとめ、なのねぇ)
「ジュディ、ルイスとケッコンしちゃえば?」
「ヒッ、そんな……恥かしい……」
ジュディは何か妄想してるのか、虚ろな表情でボーッとしながら門まで一緒に歩きました。
「ルイス!」
「はい、お嬢様」
「ロベルトにおそわって、ピーちゃんの、おうちをつくってね」
「はい。畏まりました」
「それと、ジュディをおよめさんに、してね」
「はい。畏まり……えぇぇっ!」
「いや、なの?」
「いいえ……」
「だれか、すきなひと、いるの?」
「いいえ……」
「こんやくしゃとか、いるの?」
「いいえ……いません」
「おしろのなかで、ジュディが、いちばん、かわいいでしょ?」
「はい……」
「かわいいでしょっ!」
「はい、とっても可愛いですっ」
「こどもができたら、わたしの、おともだちにしてあげるわ」
「はい、よろこんで!」
ジュディは真っ赤に成って俯いているだけでした。
◇ ◆ ◇ ★
夕食時、
「ママン、ジュディとルイスのケッコンをゆるしてあげて、ほしいの」
「まぁ、ジュディはルイスが好きだったの?」
「はい」
ジュディは下を向いた侭、小さく返事をしました。
「ルイスもジュディが好きなのね?」
「はい」
「それじゃあ、問題無いわね。結婚を許可します」
「ワ~イ、おめでと~」
「「有難う御座います」」
2人はお互いに目が合うと、赤くなって下を向きました。
(ふたりとも、こどもね~)
「ママン。ふたりを、わたしのせんぞくに、してほしいの」
「ジュディは、もう専属側使えに成ってるから、ルイスを専属護衛騎士に取り立てるわね」
「うん、ママンありがとう」
ルイスとジュディの顔を見ると、嬉しそうにニッコリ微笑んでいた。
「ふたりとも、よろしくね」
「「はい、畏まりました」」
◆ ▽ ★ □
ケンちゃんは私の右の席でジーッと座っていました。
ピーちゃんも私の左横のフロアでジーッと座っています。
時々、私がサラダをピーちゃんに上げると、行儀よく口だけ動かして食べるのでした。
ケンちゃんは(俺も食べたいな~、けどママンがいるからな~)と考えていました。
「マリちゃん、ママンに言ってよ。俺も食べるって」
「オニンギョウが、たべたらおかしいでしょ」
「でも~……食べたいな~」
「うふふ、ケンちゃんも食べていいわよ」
きこえてたっ!
「ママン奥様ありがとう。いただきま~す!」
ガツ、ガツ、ガツ……、んっぐ、んっぐ、んっぐ……。
「ママン、ケンちゃんのこと、こわくないの?」
「あら、魔石で動く人形は魔道具屋さんで売ってるわよ」
「ケンちゃんのほかにも、うごくニンギョウあるんだ~」
「そうね~。ケンちゃんは普通のお人形だった筈だけどね~」
「……はははっ」
ケンちゃんは笑って誤魔化しました。
翌日から、ルイスはピーちゃんのお家を作り始めました。
私達はお庭で作業を見学しています。
ピーちゃんは、お庭の草を美味しそうに食べていました。
ジュディが時々お茶とお菓子を運んで来ます。
ポカポカで気持ちの良い日差しが降りそそいでいました。
ペットのお家と言っても、領主のお庭なので、ちゃんと作らないといけないらしいのです。
その日はまだ完成しませんでした。
「エイルちゃん、こんばんは。
ルイスとジュディが結婚しました。
2人を祝福してあげて下さいね。
カピバラの名前はピーちゃんにしました。
いつも見守ってくれて、ありがとう。
おやすみなさい。
親友のマリエルより」
「マリエルちゃん、こんばんは。
ルイスとジュディの結婚おめでとう。
私達の神様が、2人を祝福して下さることでしょう。
カピバラのピーちゃんも可愛い名前ですね。
おやすみなさい。
親友のエイルより」
10
お気に入りに追加
231
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

【完結】【35万pt感謝】転生したらお飾りにもならない王妃のようなので自由にやらせていただきます
宇水涼麻
恋愛
王妃レイジーナは出産を期に入れ替わった。現世の知識と前世の記憶を持ったレイジーナは王子を産む道具である現状の脱却に奮闘する。
さらには息子に殺される運命から逃れられるのか。
中世ヨーロッパ風異世界転生。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。
桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」
この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。
※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。
※1回の投稿文字数は少な目です。
※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。
表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4500文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!
珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。
3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。
高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。
これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!!
転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!
【完結】婚約を解消して進路変更を希望いたします
宇水涼麻
ファンタジー
三ヶ月後に卒業を迎える学園の食堂では卒業後の進路についての話題がそここで繰り広げられている。
しかし、一つのテーブルそんなものは関係ないとばかりに四人の生徒が戯れていた。
そこへ美しく気品ある三人の女子生徒が近付いた。
彼女たちの卒業後の進路はどうなるのだろうか?
中世ヨーロッパ風のお話です。
HOTにランクインしました。ありがとうございます!
ファンタジーの週間人気部門で1位になりました。みなさまのおかげです!
ありがとうございます!
飯屋の娘は魔法を使いたくない?
秋野 木星
ファンタジー
3歳の時に川で溺れた時に前世の記憶人格がよみがえったセリカ。
魔法が使えることをひた隠しにしてきたが、ある日馬車に轢かれそうになった男の子を助けるために思わず魔法を使ってしまう。
それを見ていた貴族の青年が…。
異世界転生の話です。
のんびりとしたセリカの日常を追っていきます。
※ 表紙は星影さんの作品です。
※ 「小説家になろう」から改稿転記しています。
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
転生先は盲目幼女でした ~前世の記憶と魔法を頼りに生き延びます~
丹辺るん
ファンタジー
前世の記憶を持つ私、フィリス。思い出したのは五歳の誕生日の前日。
一応貴族……伯爵家の三女らしい……私は、なんと生まれつき目が見えなかった。
それでも、優しいお姉さんとメイドのおかげで、寂しくはなかった。
ところが、まともに話したこともなく、私を気に掛けることもない父親と兄からは、なぜか厄介者扱い。
ある日、不幸な事故に見せかけて、私は魔物の跋扈する場所で見捨てられてしまう。
もうダメだと思ったとき、私の前に現れたのは……
これは捨てられた盲目の私が、魔法と前世の記憶を頼りに生きる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる