チートなんて簡単にあげないんだから~結局チートな突貫令嬢~

まきノ助

文字の大きさ
上 下
6 / 100
第1章 アストリア王国に転生

6 ケンちゃんの体の中に?

しおりを挟む
 マリエルは3歳に成りました。
 私はとっくに離乳食を卒業して、自分でスプーンやフォークを使って食べてます。

「おいしぃぃ」

 私は元気にモグモグしていました。

 ある日の夕食、ケンちゃんは隣の椅子に座って、ジーッと私が食べるのを見ています。
 今日はパパンもママンも居ませんので、ケンちゃんが大人しくして居られずに、私にチョッカイをだしてきました。

「マリちゃん、それ美味しいの?」

「うん、おいしぃぃ」

「俺も食べてみようかな?」

「おニンギョウだから、たべれないでしょ?」

「一口だけ、食べさせてよぅ」

「わかった……あ~ん」

「あ~ん。モグモグモグモグ……ウマイッ!」

「ヒッ!」
 ジュディが奇声を発しました。


「お嬢様、人形が食べた物は、いったいどうなるのでしょう?」
 ジュディが恐る恐る、私に尋ねました。

「そうよね~。おなかひらいて、みてみる~?」

「ヒッ!……そんな事、怖くて出来ません」


「おトイレでみてみる~?」

「それも、ちょっとぅ……見たいような、見たくないようなぁ」


「それじゃあ……エイルちゃ~ん! ケンちゃんのたべたの、どうなるの~?」

『はいは~い。 マリエルちゃん、ケンちゃんが食べた物は完全分解して、HPとMPにしましょうか。だって、人形がトイレにう●ちするのは、知らない人が見たら怖いよね~? お腹の中を錬金装置にして、ポーションに変換してもいいわよねぇ』

「ケンちゃんはポーションのザイリョウをたべるの?」

『それじゃあ不味まずそうで可哀想よねぇ。材料が揃ってる時はそれに見合うポーションで、材料が揃って無い時は体力回復薬にしましょうか。
 ポーションが要らない時はHPとMPに変換しときましょう。
 そして、そのHPとMPから、体力回復薬と魔力回復薬を何時いつでも作れる様にしてもいいわね』

「まぁ、ありがとう。でも、ほかのポーションがほしいときは、ザイリョウをあつめて、たべないと、いけないの?」

『そうよねぇ、それも手間が掛かりそうよねぇ。じゃあ、お腹の中をマジックバッグにしちゃおうか。食べた材料と出来たポーションをキープ出来る様にしましょうね』

「わ~、すごいすごい。エイルちゃん、ありがとう。 わかったでしょ! ケンちゃん」

「え、俺には何も聞こえて無いけど?」


「お嬢様。もしかして、女神エイル様とお話ししてたのですか?」

「そうよ」

 グラッ、バタンッ!

 ジュディは、よろけながら崩れ落ちました。何とか気絶はしなかったけど、虚ろな目を漂わせています。

「お嬢様、す・ご・い……」


「それで、エイル様は何て言ったんだい?」

「ケンちゃんのおなかをマジックバッグにするって。そのなかで、ポーションがつくれるって」

「へ~、トイレに行かなくて良いって事?」

「そうみたい。なんでもたべたもので、たいりょくかいふくやくに、できるって。ザイリョウがたりないときは、おなかのなかにキープできるって」

「ほぅ。じゃあ、バンバン食べて、キープしておこうか」


「ぼうけんに、つかうの?」

「俺とマリちゃんの冒険に使おうね」

「……わたしは、ぼうけんしたくないなぁ」


「したくないの?」

「うん」


「せっかく、異世界に転生したのに?」

「うん」


「……カワイイのとか、モフモフなのとか居るかもよ」

「いるのぅ?」

「まだ、見た事無いよ。お城とお屋敷の中しか、知らないもの」


「ジュディ。カワイイのとか、モフモフなのとかいるの?」

「い、いますね。ペットが欲しいのですか?」

「うん」


「魔物をペットにするには、【調教】スキルが必要です」

「ふ~ん」


「それじゃあ……エイルちゃ~ん、【調教】スキルがひつようなの~」

『え~、魔法は5歳からだよ~』

「モフモフをイッピキでいいから、おねがいおねがい」

『う~ん』


「モフモフイッピキなら、モンダイおきないでしょ?」

『じゃあ、5歳までは1匹までだからねぇ』

「わ~い、ありがとう。エイルちゃんだいすき~」

『えへへ~。私もマリエルちゃん大好きだよ~。じゃあね~』

 初めての人族の親友であるマリエルに、甘々アマアマに成っている女神エイルでした。


「よ~し、ケンちゃん。おそとにいって、モフモフげっとだぜ~」

「オオゥ」

「ダメですぅ。危ない事はダメなんですぅ」
 と、ジュディが言った。


「ジュディが、いっしょにいっても~?」

「わ、私ですか~?」

「うん、いいでしょ?」

「私は魔物と戦えません、戦闘スキルが無いですからぁ」

「そうなんだぁ」


「えっとぅ、護衛騎士と一緒に街の南の草原に行きましょうか? 低ランクの魔物なら時々でますよ」

「う~ん」

「スライムとか角ウサギですよ。……あと薬草も取れますね」

「つのウサギってかわいいの?」

「可愛いでしょう……か? 私はちょっと怖いです」

「ふ~ん」


「とりあえず、一度行って見ようぜ」

「うん」





「エイルちゃん、こんばんは。
 ケンちゃんがマジックバッグになりました。
 錬金も出来る様になりました。
 沢山貰って、ありがとう。
 明日は草原に魔物を見に行きます。出来たらペットにしたいです。
 おやすみなさい。
 親友マブダチのマリエルより」



「マリエルちゃん、こんばんは。
 ケンちゃんが役に立ちそうで良かったね。
 大きなお腹に綿わたしか入ってなかったから、マジックバッグにしてちょうど良かったね。
 それと、着替えやお風呂に入る時は、ケンちゃんに向かって【ブラインド】と唱えてください。
 ケンちゃんの目が見えなくなりますよ、3歳でもレディなんですからね。
 目を治すときは【開眼】と唱えてください、目が見える様になります。
 魔法は5歳からと言いましたが、生活の為に【調教】と【ブラインド】と【開眼】だけ特別ですよ。
 おやすみなさい。
 親友マブダチのエイルより」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

飯屋の娘は魔法を使いたくない?

秋野 木星
ファンタジー
3歳の時に川で溺れた時に前世の記憶人格がよみがえったセリカ。 魔法が使えることをひた隠しにしてきたが、ある日馬車に轢かれそうになった男の子を助けるために思わず魔法を使ってしまう。 それを見ていた貴族の青年が…。 異世界転生の話です。 のんびりとしたセリカの日常を追っていきます。 ※ 表紙は星影さんの作品です。 ※ 「小説家になろう」から改稿転記しています。

【完結】【35万pt感謝】転生したらお飾りにもならない王妃のようなので自由にやらせていただきます

宇水涼麻
恋愛
王妃レイジーナは出産を期に入れ替わった。現世の知識と前世の記憶を持ったレイジーナは王子を産む道具である現状の脱却に奮闘する。 さらには息子に殺される運命から逃れられるのか。 中世ヨーロッパ風異世界転生。

侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!

珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。 3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。 高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。 これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!! 転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!

【完結】婚約を解消して進路変更を希望いたします

宇水涼麻
ファンタジー
三ヶ月後に卒業を迎える学園の食堂では卒業後の進路についての話題がそここで繰り広げられている。 しかし、一つのテーブルそんなものは関係ないとばかりに四人の生徒が戯れていた。 そこへ美しく気品ある三人の女子生徒が近付いた。 彼女たちの卒業後の進路はどうなるのだろうか? 中世ヨーロッパ風のお話です。 HOTにランクインしました。ありがとうございます! ファンタジーの週間人気部門で1位になりました。みなさまのおかげです! ありがとうございます!

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます

綾月百花   
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。

転生先は盲目幼女でした ~前世の記憶と魔法を頼りに生き延びます~

丹辺るん
ファンタジー
前世の記憶を持つ私、フィリス。思い出したのは五歳の誕生日の前日。 一応貴族……伯爵家の三女らしい……私は、なんと生まれつき目が見えなかった。 それでも、優しいお姉さんとメイドのおかげで、寂しくはなかった。 ところが、まともに話したこともなく、私を気に掛けることもない父親と兄からは、なぜか厄介者扱い。 ある日、不幸な事故に見せかけて、私は魔物の跋扈する場所で見捨てられてしまう。 もうダメだと思ったとき、私の前に現れたのは…… これは捨てられた盲目の私が、魔法と前世の記憶を頼りに生きる物語。

処理中です...