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3話
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夜が明けて時刻は昼の12時ぐらいに俺は目覚めた。
半年以上眠っていたというのに体は常に睡眠を欲している。
今日はきっと頼子さん以外に父親と兄と妹が来ると思う。その理由は朝からスマホの通知が鳴り止まないからだ。メッセージを伝えたり通話することが出来るSNSのRAILから父、兄、妹の3人からひっきりなしに連絡が来ている。
(もう起きてるか?)(何か持っていこうか?)
そんな感じのメッセージがずーっと続いている、少し鬱陶しいがそれだけ家族思いなのだろう、返信する気は無いが。
携帯を机に置き、ベッドでうとうとしていると、病室の扉が開いた。背の高い男性二人組とスタイルのいい女性が入ってきた。
おそらく父と兄と妹なんだろう、男性の1人は少し白髪混じりのオールバックのスーツ姿。もう1人の男性はジーパンにポロシャツのラフな格好。女性はホットパンツとタンクトップというこちらもラフな格好。
「由衣、調子はどうだい?」
スーツ姿の男性はベットの近くに来て俺に話しかけてきた。顔をのぞき込むと不安と心配の顔色をしていた。
「ご心配ありがとうございます、包帯は取れていませんが、特に問題はありません」
そう答えた瞬間、3人が固まった。俺、何か間違えたか?そう思いながら3分くらい無言が続いた、俺は冷や汗が止まらなかった。頼むから誰か喋ってくれ。
その願いが届いたのかもう1人の男性が話し始めた。
「由衣が……丁寧な言葉を使っている!?」
俺は驚きのあまり開いた口が塞がらなかった。えっそこなの?清楚を演じてた俺がダメだったのかな?
俺の考えを他所に女性は男性の肩を叩き、
「仕方ないよ、パパとおにーちゃん。 おねーちゃんは頭を打っちゃって記憶が無くなってるって昨日おかーさんが言ってたじゃん。」
と言い始めた。おお妹よ、よくぞ言ってくれた。
「ご、ごめんなさい。そ、その私はもっと乱暴な話し方だったのですか?」
俺は少しおどおどした感じで話しかけた。3人はまた固まった。デジャヴを感じる。そんなにこの顔でそんな喋り方が合わないのか?
「「「可愛い」」」
ほぼ表情を変えずに3人は口を揃えてそう呟いた、怖い怖い。無表情なのマジで怖い、顔ひきつってない……よな?
この家族、頼子さんといい、この父と言い、兄妹といい、個性的なの多すぎないか?かく言うこの身体の元の主もかなり個性的だったのだろう……。
「ささ、急に大人数で来てごめんねー、おねーちゃん。 私達もおねーちゃんが心配で会いに来ちゃったんだよねー。」
妹は無表情から笑顔にして顔を近づけながら俺に話しかけてきた。やはりこの身体の妹、美人ではあるがどちらかと言うとクール系、この身体は可愛い系。美人の系統が違う。どちらかと言えば妹の方が好みの顔だ。
「い、いえ、大丈夫です。」
俺は微笑みながら、妹に話しかけた。妹は少し固まった後、
「おねーちゃんと二人で話したいことがあるから少し出ててくれる?」
兄と父を病室から外に出した。妹は俺の方に近づいてきた。
妹の目は、獲物を狩る肉食獣のような目をしていた。
半年以上眠っていたというのに体は常に睡眠を欲している。
今日はきっと頼子さん以外に父親と兄と妹が来ると思う。その理由は朝からスマホの通知が鳴り止まないからだ。メッセージを伝えたり通話することが出来るSNSのRAILから父、兄、妹の3人からひっきりなしに連絡が来ている。
(もう起きてるか?)(何か持っていこうか?)
そんな感じのメッセージがずーっと続いている、少し鬱陶しいがそれだけ家族思いなのだろう、返信する気は無いが。
携帯を机に置き、ベッドでうとうとしていると、病室の扉が開いた。背の高い男性二人組とスタイルのいい女性が入ってきた。
おそらく父と兄と妹なんだろう、男性の1人は少し白髪混じりのオールバックのスーツ姿。もう1人の男性はジーパンにポロシャツのラフな格好。女性はホットパンツとタンクトップというこちらもラフな格好。
「由衣、調子はどうだい?」
スーツ姿の男性はベットの近くに来て俺に話しかけてきた。顔をのぞき込むと不安と心配の顔色をしていた。
「ご心配ありがとうございます、包帯は取れていませんが、特に問題はありません」
そう答えた瞬間、3人が固まった。俺、何か間違えたか?そう思いながら3分くらい無言が続いた、俺は冷や汗が止まらなかった。頼むから誰か喋ってくれ。
その願いが届いたのかもう1人の男性が話し始めた。
「由衣が……丁寧な言葉を使っている!?」
俺は驚きのあまり開いた口が塞がらなかった。えっそこなの?清楚を演じてた俺がダメだったのかな?
俺の考えを他所に女性は男性の肩を叩き、
「仕方ないよ、パパとおにーちゃん。 おねーちゃんは頭を打っちゃって記憶が無くなってるって昨日おかーさんが言ってたじゃん。」
と言い始めた。おお妹よ、よくぞ言ってくれた。
「ご、ごめんなさい。そ、その私はもっと乱暴な話し方だったのですか?」
俺は少しおどおどした感じで話しかけた。3人はまた固まった。デジャヴを感じる。そんなにこの顔でそんな喋り方が合わないのか?
「「「可愛い」」」
ほぼ表情を変えずに3人は口を揃えてそう呟いた、怖い怖い。無表情なのマジで怖い、顔ひきつってない……よな?
この家族、頼子さんといい、この父と言い、兄妹といい、個性的なの多すぎないか?かく言うこの身体の元の主もかなり個性的だったのだろう……。
「ささ、急に大人数で来てごめんねー、おねーちゃん。 私達もおねーちゃんが心配で会いに来ちゃったんだよねー。」
妹は無表情から笑顔にして顔を近づけながら俺に話しかけてきた。やはりこの身体の妹、美人ではあるがどちらかと言うとクール系、この身体は可愛い系。美人の系統が違う。どちらかと言えば妹の方が好みの顔だ。
「い、いえ、大丈夫です。」
俺は微笑みながら、妹に話しかけた。妹は少し固まった後、
「おねーちゃんと二人で話したいことがあるから少し出ててくれる?」
兄と父を病室から外に出した。妹は俺の方に近づいてきた。
妹の目は、獲物を狩る肉食獣のような目をしていた。
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