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「まま~」
可愛らしい声が、とある一室から聞こえる。
ライルと名付けられた子供がフラフラと歩きながら、よってくる。
「どうしたの?」
ライルを抱き抱える。
二人揃って銀髪がよく似合う。
「なんでもない~ ままはいいにおい」
二歳を迎えたライルは言葉足らずな所があるが、二歳と思えない程しっかりとしていた。
不思議と手の掛からない子だった。
「パパとにちゃったかな~?」
隣にいるフリードをチラチラと見る。
それを聞いたマリンとキララは苦笑いをしていた。
子供が生まれてからと言うもの、4人と集まる事も増え、円満な生活をおくっていた。
最近はマリンも子供が欲しいと、よくよくツカサに話している。
どうやら子供の可愛さにヤられたのだろう。
マリンがライルを抱いていると、扉をノックをする音が聞こえる。
キララが扉を開けて、兵士が中に入る。
片ひざをつけて、話し出す兵士。
「失礼します。帝国より、北。魔の地にて、不穏な動きありと情報が……」
その言葉を聞いたフリードがため息をつく。
「こんな日が来なければと、どれだけ望んだことか……」
「そうですわね。せっかくライルちゃんと遊んでいるのに」
マリンはライルにうりうりとほほ刷りをしている。
「まぁこれが、終われば平和になる、頑張ろうよ」
と偉く言っているが、ツカサは始めて魔物を狩ったときの出来事は苦いものであった。
「ツカサそんなに偉そうに言っていますが、戦場で気持ち悪いと言うのはやめてくださいね」
元日本人のツカサは生き物を切るということは経験が無いために、魔物を狩ったときに、溢れ出す血、独特な臭いにやられて、一週間程トラウマを抱えていた。
「大丈夫だって、今ならライルがいるから、負けるきなんてしないよ」
と無い筋肉に力を入れている。
苦笑いをしながら席を立つフリード。
「会議を開く」
言葉を残しへやを出る。
しばらくツカサ、マリン、キララで話しをする。
それはいつでも出陣出来るようにツカサ、マリンは帝国に向かわなければならない。
王族といえ、武器に選ばれているため、行かないわけにはいけない。
そのため留守の間は、ライルをキララに任せる事は決まったが、ツカサには不安があった。
それは、フリードの存在である。
俊にフリードが死ぬと言われていたことが、頭から離れない。
一度本人に伝えたことがあるが、ツカサ達が戦場向かうのに、残れる訳がないだろうと、バッサリと切り捨てられた。
そして、子供が産まれて幸せを満喫している最中に今回の出来事がおこった。
不安を隠せなかったツカサの顔に小さな手が、頬を触る。
「まま、だいじょうぶ?」
首を傾げながらライルが見ている。
子供でもわかるほど、こわばっていたのだろうか、ライルを抱えながら大丈夫とほほずりをする。
それから、会議に行ったフリードが帰ってくる。
そして三日後に帝国に向けて進軍を始めると言葉を残し、部屋から出ていく。
可愛らしい声が、とある一室から聞こえる。
ライルと名付けられた子供がフラフラと歩きながら、よってくる。
「どうしたの?」
ライルを抱き抱える。
二人揃って銀髪がよく似合う。
「なんでもない~ ままはいいにおい」
二歳を迎えたライルは言葉足らずな所があるが、二歳と思えない程しっかりとしていた。
不思議と手の掛からない子だった。
「パパとにちゃったかな~?」
隣にいるフリードをチラチラと見る。
それを聞いたマリンとキララは苦笑いをしていた。
子供が生まれてからと言うもの、4人と集まる事も増え、円満な生活をおくっていた。
最近はマリンも子供が欲しいと、よくよくツカサに話している。
どうやら子供の可愛さにヤられたのだろう。
マリンがライルを抱いていると、扉をノックをする音が聞こえる。
キララが扉を開けて、兵士が中に入る。
片ひざをつけて、話し出す兵士。
「失礼します。帝国より、北。魔の地にて、不穏な動きありと情報が……」
その言葉を聞いたフリードがため息をつく。
「こんな日が来なければと、どれだけ望んだことか……」
「そうですわね。せっかくライルちゃんと遊んでいるのに」
マリンはライルにうりうりとほほ刷りをしている。
「まぁこれが、終われば平和になる、頑張ろうよ」
と偉く言っているが、ツカサは始めて魔物を狩ったときの出来事は苦いものであった。
「ツカサそんなに偉そうに言っていますが、戦場で気持ち悪いと言うのはやめてくださいね」
元日本人のツカサは生き物を切るということは経験が無いために、魔物を狩ったときに、溢れ出す血、独特な臭いにやられて、一週間程トラウマを抱えていた。
「大丈夫だって、今ならライルがいるから、負けるきなんてしないよ」
と無い筋肉に力を入れている。
苦笑いをしながら席を立つフリード。
「会議を開く」
言葉を残しへやを出る。
しばらくツカサ、マリン、キララで話しをする。
それはいつでも出陣出来るようにツカサ、マリンは帝国に向かわなければならない。
王族といえ、武器に選ばれているため、行かないわけにはいけない。
そのため留守の間は、ライルをキララに任せる事は決まったが、ツカサには不安があった。
それは、フリードの存在である。
俊にフリードが死ぬと言われていたことが、頭から離れない。
一度本人に伝えたことがあるが、ツカサ達が戦場向かうのに、残れる訳がないだろうと、バッサリと切り捨てられた。
そして、子供が産まれて幸せを満喫している最中に今回の出来事がおこった。
不安を隠せなかったツカサの顔に小さな手が、頬を触る。
「まま、だいじょうぶ?」
首を傾げながらライルが見ている。
子供でもわかるほど、こわばっていたのだろうか、ライルを抱えながら大丈夫とほほずりをする。
それから、会議に行ったフリードが帰ってくる。
そして三日後に帝国に向けて進軍を始めると言葉を残し、部屋から出ていく。
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