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周囲の人は初々しいカップルを見てニコニコとしていた。
事故処理も終わり、道が通れると兵士が言いに来たので馬車に乗り込み城を目指す。
近くで帝国のお城を見たツカサは、その大きさに声を漏らす。
「おおきい……」
馬車から見ても大きさを感じ取れる。
ヴェルヘル王国のお城より比べる程もない程、圧倒的に大きく存在を示していた。
正面玄関に馬車を止めて侍女に連れられてエントランスの中にはいる。
今日はフリード達が来ることが分かっていたので、一般人は見当たらない。
メイドと執事がサイドに整列してフリード達に頭を下げる。
侍女に連れられてメイドと執事の間を歩きていく。
ツカサは初めての事に少しビクつきながらフリードに手を握られたままついて行く。
そして大きな扉の前に立っている。
この先には帝国の皇帝が居るだろうと思われる。
侍女が扉をノックする。
「ヴェルヘル一行様がお着きになりました」
言葉を残すとゆっくりと扉が開き始め、今までに感じたことの無い位にツカサに緊張が走る。
この世界に来て数か月、礼儀作法を習ってはいたがどれも未完成であり、いま大陸で一番力を持つ者の前に立つのだから、プレッシャーが重くのしかかる。
「ツカサ? 大丈夫か?」
心配になったフリードはツカサに声をかけるが、あまりの緊張にツサカは声をかけられている事すら気がつかない。
「おっおい! 大丈夫か?」
体を軽く揺すり存在を気づかせる。
「えっ? なにどうしたの?」
周りが見えていなかったツカサはハッ!と驚く。
「大丈夫か? すごく緊張をしていたようだが?」
「えっえぇ、大丈夫よ。少しは楽になったよ」
緊張して冷えてしまった手を擦り軽く温める。
「何も心配しなくてもよい。いつもと一緒にしていればそれでいい」
フリードの言葉に緊張が和らぐ。
拳に力を加えて、二人は歩みを進める。
だだっ広い部屋に貴族、兵士を含め100人位部屋にいた。
そして二人は赤い絨毯の引かれた上を歩く。
その中一番注目されていたツカサは様々な視線を感じていた。
完成された美を持つツカサを不快な視線もあるが、なぜか一番嫌な気持ちになる殺意を感じて少し身震いをしてしまう。
チラッとフリードを見るが何も感じていないのか、正面を見たまま真っ直ぐ歩いている。
皇帝が座っている場所から、少し離れた位置で立ち止まる。
「お久しぶりです、皇帝陛下」
「やぁ、久しぶりだね。フリード元気そうで何よりだね。そして隣の方がツカサ殿かな?」
気の抜けた言葉にツカサは驚きを隠せない。
会見の最中だと言うのに崩した言葉使い。日ごろからこういった場所でも使っているのか、貴族達も驚くことなく皇帝を見ている。大陸で頂点である国の皇帝がフリードと同じ年齢位に見える。何より驚いたのが皇帝とその隣に居る女性の紙が黒髪であった。ツカサはこの大陸来てから黒髪を見るは初めてであった。
「はっはい! マキノ・ツカサです。お見知りおきください」
教えられたとおりに、ドレスの先を摘み、軽く膝を曲げて挨拶をする。
「私は帝国の皇帝をしているセレウコス・レインだ。よろしくね」
ほんのりとした表情するレインはツカサに軽くウィンクをする。
そんなレインを見かねた隣に座っている女性が声を出した。
「レイン兄様、さすがに砕けすぎではありませんか?」
キリっとした目をした女性が注意をする。
「ん? そうかな? 真面目に挨拶苦手なのだけどな~」
ため息を漏らした女性が立ち上がる。
「挨拶が遅れて申し訳ありません。帝国の皇女をしているマリンと申します。皇帝レインが粗相をしてしまい申し訳ありませんでした」
事故処理も終わり、道が通れると兵士が言いに来たので馬車に乗り込み城を目指す。
近くで帝国のお城を見たツカサは、その大きさに声を漏らす。
「おおきい……」
馬車から見ても大きさを感じ取れる。
ヴェルヘル王国のお城より比べる程もない程、圧倒的に大きく存在を示していた。
正面玄関に馬車を止めて侍女に連れられてエントランスの中にはいる。
今日はフリード達が来ることが分かっていたので、一般人は見当たらない。
メイドと執事がサイドに整列してフリード達に頭を下げる。
侍女に連れられてメイドと執事の間を歩きていく。
ツカサは初めての事に少しビクつきながらフリードに手を握られたままついて行く。
そして大きな扉の前に立っている。
この先には帝国の皇帝が居るだろうと思われる。
侍女が扉をノックする。
「ヴェルヘル一行様がお着きになりました」
言葉を残すとゆっくりと扉が開き始め、今までに感じたことの無い位にツカサに緊張が走る。
この世界に来て数か月、礼儀作法を習ってはいたがどれも未完成であり、いま大陸で一番力を持つ者の前に立つのだから、プレッシャーが重くのしかかる。
「ツカサ? 大丈夫か?」
心配になったフリードはツカサに声をかけるが、あまりの緊張にツサカは声をかけられている事すら気がつかない。
「おっおい! 大丈夫か?」
体を軽く揺すり存在を気づかせる。
「えっ? なにどうしたの?」
周りが見えていなかったツカサはハッ!と驚く。
「大丈夫か? すごく緊張をしていたようだが?」
「えっえぇ、大丈夫よ。少しは楽になったよ」
緊張して冷えてしまった手を擦り軽く温める。
「何も心配しなくてもよい。いつもと一緒にしていればそれでいい」
フリードの言葉に緊張が和らぐ。
拳に力を加えて、二人は歩みを進める。
だだっ広い部屋に貴族、兵士を含め100人位部屋にいた。
そして二人は赤い絨毯の引かれた上を歩く。
その中一番注目されていたツカサは様々な視線を感じていた。
完成された美を持つツカサを不快な視線もあるが、なぜか一番嫌な気持ちになる殺意を感じて少し身震いをしてしまう。
チラッとフリードを見るが何も感じていないのか、正面を見たまま真っ直ぐ歩いている。
皇帝が座っている場所から、少し離れた位置で立ち止まる。
「お久しぶりです、皇帝陛下」
「やぁ、久しぶりだね。フリード元気そうで何よりだね。そして隣の方がツカサ殿かな?」
気の抜けた言葉にツカサは驚きを隠せない。
会見の最中だと言うのに崩した言葉使い。日ごろからこういった場所でも使っているのか、貴族達も驚くことなく皇帝を見ている。大陸で頂点である国の皇帝がフリードと同じ年齢位に見える。何より驚いたのが皇帝とその隣に居る女性の紙が黒髪であった。ツカサはこの大陸来てから黒髪を見るは初めてであった。
「はっはい! マキノ・ツカサです。お見知りおきください」
教えられたとおりに、ドレスの先を摘み、軽く膝を曲げて挨拶をする。
「私は帝国の皇帝をしているセレウコス・レインだ。よろしくね」
ほんのりとした表情するレインはツカサに軽くウィンクをする。
そんなレインを見かねた隣に座っている女性が声を出した。
「レイン兄様、さすがに砕けすぎではありませんか?」
キリっとした目をした女性が注意をする。
「ん? そうかな? 真面目に挨拶苦手なのだけどな~」
ため息を漏らした女性が立ち上がる。
「挨拶が遅れて申し訳ありません。帝国の皇女をしているマリンと申します。皇帝レインが粗相をしてしまい申し訳ありませんでした」
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