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さすがに自分の判断では決めかねない。タジネットはフリードに相談を持ちかける。
「フリード王子様、いかがなさいますか?」
 フリードはまた発作が始まったとため息を漏らした。
「申し訳ないが…… すこし領内を見させてもらっても? ああなると私でも止められなくてね」
 申し訳なさそうにするフリード。
「では、こちらも護衛を付けますので、なるべく近場でお願いします」
「すまない」
 了解を得たツカサは無邪気な子供の様に馬車から降りる。
 地に足をつけると石板を組み込み舗装されている道がある。ヴェルヘル王国でも砂利道だと言うのに。
 都会に初めて来た者見たく辺りを見渡して、どこかの店にでも入りたいような素振りを見せる。
 そんなツカサを周囲の領民が目にする。
 平民達はツカサ達に寄ってこられない様にバリケードを体で作るが、隙間から少女がツカサの前に飛び出してくる。
 「おねぇちゃん、これあげる」
 ツカサに出された一輪の花。それは真っ白だがアサガオに良く似た物であった。
 だが平民が王族に話しかける事なんて許される行動であるがため、帝国の近衛兵が少女に掴みかかろうとしたとき、ツカサは悪いと思いながら兵士を睨み行動を止めた。
 少女から鼻を受け取ったツカサは花の匂いを楽しむ。
「ありがとうね。ただ危ないから飛び出したらダメだよ」
 少女からもらった花を頭に着けて、少女の頭を撫でる。
「飛び出してごめんなさい」
 少女はそう言いながら頭を下げて笑顔で手を振りながら後にする。
 花を貰ったツカサは上機嫌で、その場で回ってフリードに顔を向ける。
「えへへ、似合うかな?」
 「とても似合っているぞ」
 フリードは少し顔を赤くしながら、ツカサの花の位置を丁寧に直す。
 その姿はまるで絵師が描いた様に美しく、何時まででも見たくなってしまいそうになる。
 ツカサ達はダジネットに連れられて近くの宝石屋に入っていく。
                  

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