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元魔王は生まれ変わったらしい
農業チート……などない
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「勝手に魔法を使った挙句、暴発させるなんて! もう、なんということでしょう!」
ウルリーッカはきいきいと高い声で叱りたてる。
「すみませんでした……」
ラウラはひたすら頭を下げ続けた。ほかの孤児たちはあっさりと解放されたのだが、ラウラに対する叱責は一時間ほども続いている。
「ちょっと魔法を使えるからって、いい気になっているのではないですか? もうっ、子供が魔力を制御しきれるはずもないでしょうに!」
きんきんとした声が頭に響く。ラウラはげんなりしながらも、表向きは殊勝な態度を取り繕っていた。
「肝に銘じます」
「ふん……。これから二度と勝手に魔法を使うことは許しません。わかりましたか?」
「もちろんです」
――我が素直に従うはずもなかろう。だが、今ここを追い出されるわけにいかぬ。ここは、我慢しておくほかないであろうな……。
ようやくお説教から開放されるとほっとしたラウラに、ウルリーッカの鋭い声が水を差す。
「罰として、この裏庭を元通りにすることを命じます。ただし、ひとりでやりなさい。それから今日の夕飯は当然、抜きです!」
「……わかりました」
ラウラにはうなずく以外の選択肢はなかった。孤児たちの申し訳なさそうな視線を感じながら、ラウラはとぼとぼと物置に向かった。
ほうきを取り出し、飛び散った土を集めはじめる。
「こんなはずではなかったのだが……」
ラウラはぼやいた。
だが、これくらいでラウラの、のんびりで穏やかな人生設計を諦めるわけにはいかないのだ。
「失敗は成功の糧だ。たかが一度失敗したくらいがなんだ!」
穴はどうにかかき集めた土でふさぐ。とはいえ、土の密度が元よりも低くなってしまい、土が余っていた。
だが、それもラウラの計算のうちだった。
ラウラは残った土と野菜くずをほうきで混ぜ合わせる。
「熟成!」
ラウラは積み上げた土と野菜くずの山に向け、小さな声で魔法をかけた。
ごっそりと身の内から魔力が抜ける感覚があった。
積み上げた野菜くずの色が茶色く変色しているので、おそらく魔法は成功している。だが、ラウラが想像するたい肥の状態には程遠い。
本来、使えるほどのたい肥であるならば、ほとんど匂いがしないはずだが、かび臭い匂いが漂っている。
「これでは足らぬか……。ならば、もう一度だ。熟成!」
再びごっそりと魔力が抜けた。思わず脱力感にへなへなと座り込んでしまう。
だが、ラウラの表情は歓喜に満ちていた。
「ふぉおおおおお! できた、できたぞ!」
目の前のたい肥からは、もうかび臭い匂いもなければ、臭さは一切感じない。土の匂いしかしなくなっている。
「ラウラ~! 鍬借りてきたよ~!」
そこへキーラとクラウスが帰ってきた。戦果を手にホクホク顔で近づいてくる。
「こちらも準備は整った。たい肥だぞ!」
ラウラは地面に座ったまま、どや顔でキーラとクラウスに出来たばかりのたい肥を示す。
「たい肥って……なに?」
「何と、そこからか?」
ラウラは先ほど孤児たちに行なった説明を、再び二人にすることになった。
「なるほど。で、次は穴を掘ればいいんだろ?」
あまりよくわからなかったらしいクラウスは、理解を諦めて、次の作業に取り掛かるつもりらしい。
「まあよい。そうだ、頼めるか?」
「ああ、これくらいなら大して時間もかからないだろうし」
クラウスはそう言うと、鍬を手に裏庭を耕しにかかった。
「で、ラウラはなんで座ったままなの?」
キーラが首を傾げる。
「うむ、たい肥を作るのに少々魔力を使いすぎたようだ。力が入らぬのでな」
「え? 大丈夫なの?」
「なあに、しばらく休んでおれば治る。心配無用だ」
「それならいいけど……」
いまだ心配そうなキーラに、ラウラは次の作業を頼むことにした。
「森に落ちている朽ちた葉っぱを集めてきて欲しい。ふかふかの土が必要なのだ」
「森は近いし、地面がふかふかしている場所も知ってるから、すぐに集められると思うけど、本当にそんなものが必要なの? ただ芋を植えるだけじゃダメなの?」
キーラには腐葉土の必要性が理解できなかったらしい。
「キーラ、ちょっと想像してみろ」
「ん、なーに?」
「おまえが芋だとして」
「私が芋?」
「一方は柔らかでふかふかで栄養たっぷりなベッド、もう一方はやせてカチカチのベッド、どちらで眠りたい?」
「そうか、わかったよ! 芋にふかふかで栄養たーっぷりなベッドを用意してあげれば、元気に育つってこと?」
「うむ。そういうことだ」
ラウラは腕を組んでうなずいた。
「わかった! じゃあ、さっそく土を取ってくるね!」
「頼む。そこの袋に入れてくるといいだろう」
ラウラは物置で見つけておいた麻袋をキーラに示した。
「りょうかーい!」
キーラは麻袋を振り回しながら元気に駆け出した。
そんな彼女のうしろ姿を見送って、ラウラはふうと大きな息を吐いた。
足に力を入れてみる。これならどうにか立てそうだ。
ラウラはぶるぶると震えながら立ち上がる。ふと、急に全身に力が入るようになった。
「ん?」
視線を足元に落とすと、黒い毛玉が足にくっついている。黒い毛玉に手を伸ばすと、思っていたよりも柔らかく、温かい。むんずとわきの下を掴んで持ち上げる。
「なんだ?」
毛玉は嫌がるそぶりも見せず、可愛らしい声を上げた。
「ニャー」
「これは……カッツェか」
黒い毛並みに金色の瞳を持つカッツェは、ラウラの手を嫌がりもせず、なすがままにされている。
「ニャー」
「不思議な魔力だ……」
初めて出会ったはずなのに、どこか懐かしいような不思議な感覚に、ラウラは首を傾げた。
小さな身体にしては、不似合いなほどに大きな魔力を感じる。カッツェほどの小さな生き物が持てる魔力の枠を明らかに超えていた。もしかすると知能を持った魔物かもしれない。
ラウラは思わずカッツェに話しかけていた。
「そなた喋ることはできぬのか?」
ラウラの問いかけにも、黒いカッツェはひたすらに無邪気な瞳で見つめ返すだけだ。
こうなる以前のラウラであれば、小さなカッツェのことなど歯牙にもかけず、ゴミや虫のようにただ邪魔なものとして排除していただろう。
だが一度死んで生まれ変わったらしいラウラには、小さな命がとても愛おしく思えた。
「ふふ、無邪気なものだ」
ぬくもりを名残惜しく重いながらも、ラウラはカッツェを地面の上に下ろす。
すると、カッツェはラウラの足に身体をこすり付けてきた。
「ううむ……。これでは作業にならんな」
言葉とは裏腹に、カッツェの可愛らしい姿を目にしたラウラの頬は、知らず知らずのうちに緩んでいた。
「どうした? おまえも親なしなのか?」
「ニャー」
つぶらな瞳のカッツェはただ鳴くばかり。だが、毛艶がさほど悪くないところを見ると、悪い生活を送っているのではないらしい。
出会ったばかりだというのに、ラウラはカッツェに不思議なほど愛着を感じ始めていた。足に身体をこすり付けてくるカッツェの姿をぼんやりと見つめる。
「どうした?」
穴を掘り終えたらしいクラウスに声を掛けられ、ラウラはふと我に返った。
「カッツェが……」
クラウスにカッツェを紹介しようと上げた視線を再び落とすと、そこにもうカッツェの姿はなかった。
まるでそこには最初から存在しなかったような気さえしてくる。カッツェとは気まぐれな生き物だといわれるがそのとおりだった。
「いや、なんでもない」
これからも時間はある。機会があれば会えるだろう。
ウルリーッカはきいきいと高い声で叱りたてる。
「すみませんでした……」
ラウラはひたすら頭を下げ続けた。ほかの孤児たちはあっさりと解放されたのだが、ラウラに対する叱責は一時間ほども続いている。
「ちょっと魔法を使えるからって、いい気になっているのではないですか? もうっ、子供が魔力を制御しきれるはずもないでしょうに!」
きんきんとした声が頭に響く。ラウラはげんなりしながらも、表向きは殊勝な態度を取り繕っていた。
「肝に銘じます」
「ふん……。これから二度と勝手に魔法を使うことは許しません。わかりましたか?」
「もちろんです」
――我が素直に従うはずもなかろう。だが、今ここを追い出されるわけにいかぬ。ここは、我慢しておくほかないであろうな……。
ようやくお説教から開放されるとほっとしたラウラに、ウルリーッカの鋭い声が水を差す。
「罰として、この裏庭を元通りにすることを命じます。ただし、ひとりでやりなさい。それから今日の夕飯は当然、抜きです!」
「……わかりました」
ラウラにはうなずく以外の選択肢はなかった。孤児たちの申し訳なさそうな視線を感じながら、ラウラはとぼとぼと物置に向かった。
ほうきを取り出し、飛び散った土を集めはじめる。
「こんなはずではなかったのだが……」
ラウラはぼやいた。
だが、これくらいでラウラの、のんびりで穏やかな人生設計を諦めるわけにはいかないのだ。
「失敗は成功の糧だ。たかが一度失敗したくらいがなんだ!」
穴はどうにかかき集めた土でふさぐ。とはいえ、土の密度が元よりも低くなってしまい、土が余っていた。
だが、それもラウラの計算のうちだった。
ラウラは残った土と野菜くずをほうきで混ぜ合わせる。
「熟成!」
ラウラは積み上げた土と野菜くずの山に向け、小さな声で魔法をかけた。
ごっそりと身の内から魔力が抜ける感覚があった。
積み上げた野菜くずの色が茶色く変色しているので、おそらく魔法は成功している。だが、ラウラが想像するたい肥の状態には程遠い。
本来、使えるほどのたい肥であるならば、ほとんど匂いがしないはずだが、かび臭い匂いが漂っている。
「これでは足らぬか……。ならば、もう一度だ。熟成!」
再びごっそりと魔力が抜けた。思わず脱力感にへなへなと座り込んでしまう。
だが、ラウラの表情は歓喜に満ちていた。
「ふぉおおおおお! できた、できたぞ!」
目の前のたい肥からは、もうかび臭い匂いもなければ、臭さは一切感じない。土の匂いしかしなくなっている。
「ラウラ~! 鍬借りてきたよ~!」
そこへキーラとクラウスが帰ってきた。戦果を手にホクホク顔で近づいてくる。
「こちらも準備は整った。たい肥だぞ!」
ラウラは地面に座ったまま、どや顔でキーラとクラウスに出来たばかりのたい肥を示す。
「たい肥って……なに?」
「何と、そこからか?」
ラウラは先ほど孤児たちに行なった説明を、再び二人にすることになった。
「なるほど。で、次は穴を掘ればいいんだろ?」
あまりよくわからなかったらしいクラウスは、理解を諦めて、次の作業に取り掛かるつもりらしい。
「まあよい。そうだ、頼めるか?」
「ああ、これくらいなら大して時間もかからないだろうし」
クラウスはそう言うと、鍬を手に裏庭を耕しにかかった。
「で、ラウラはなんで座ったままなの?」
キーラが首を傾げる。
「うむ、たい肥を作るのに少々魔力を使いすぎたようだ。力が入らぬのでな」
「え? 大丈夫なの?」
「なあに、しばらく休んでおれば治る。心配無用だ」
「それならいいけど……」
いまだ心配そうなキーラに、ラウラは次の作業を頼むことにした。
「森に落ちている朽ちた葉っぱを集めてきて欲しい。ふかふかの土が必要なのだ」
「森は近いし、地面がふかふかしている場所も知ってるから、すぐに集められると思うけど、本当にそんなものが必要なの? ただ芋を植えるだけじゃダメなの?」
キーラには腐葉土の必要性が理解できなかったらしい。
「キーラ、ちょっと想像してみろ」
「ん、なーに?」
「おまえが芋だとして」
「私が芋?」
「一方は柔らかでふかふかで栄養たっぷりなベッド、もう一方はやせてカチカチのベッド、どちらで眠りたい?」
「そうか、わかったよ! 芋にふかふかで栄養たーっぷりなベッドを用意してあげれば、元気に育つってこと?」
「うむ。そういうことだ」
ラウラは腕を組んでうなずいた。
「わかった! じゃあ、さっそく土を取ってくるね!」
「頼む。そこの袋に入れてくるといいだろう」
ラウラは物置で見つけておいた麻袋をキーラに示した。
「りょうかーい!」
キーラは麻袋を振り回しながら元気に駆け出した。
そんな彼女のうしろ姿を見送って、ラウラはふうと大きな息を吐いた。
足に力を入れてみる。これならどうにか立てそうだ。
ラウラはぶるぶると震えながら立ち上がる。ふと、急に全身に力が入るようになった。
「ん?」
視線を足元に落とすと、黒い毛玉が足にくっついている。黒い毛玉に手を伸ばすと、思っていたよりも柔らかく、温かい。むんずとわきの下を掴んで持ち上げる。
「なんだ?」
毛玉は嫌がるそぶりも見せず、可愛らしい声を上げた。
「ニャー」
「これは……カッツェか」
黒い毛並みに金色の瞳を持つカッツェは、ラウラの手を嫌がりもせず、なすがままにされている。
「ニャー」
「不思議な魔力だ……」
初めて出会ったはずなのに、どこか懐かしいような不思議な感覚に、ラウラは首を傾げた。
小さな身体にしては、不似合いなほどに大きな魔力を感じる。カッツェほどの小さな生き物が持てる魔力の枠を明らかに超えていた。もしかすると知能を持った魔物かもしれない。
ラウラは思わずカッツェに話しかけていた。
「そなた喋ることはできぬのか?」
ラウラの問いかけにも、黒いカッツェはひたすらに無邪気な瞳で見つめ返すだけだ。
こうなる以前のラウラであれば、小さなカッツェのことなど歯牙にもかけず、ゴミや虫のようにただ邪魔なものとして排除していただろう。
だが一度死んで生まれ変わったらしいラウラには、小さな命がとても愛おしく思えた。
「ふふ、無邪気なものだ」
ぬくもりを名残惜しく重いながらも、ラウラはカッツェを地面の上に下ろす。
すると、カッツェはラウラの足に身体をこすり付けてきた。
「ううむ……。これでは作業にならんな」
言葉とは裏腹に、カッツェの可愛らしい姿を目にしたラウラの頬は、知らず知らずのうちに緩んでいた。
「どうした? おまえも親なしなのか?」
「ニャー」
つぶらな瞳のカッツェはただ鳴くばかり。だが、毛艶がさほど悪くないところを見ると、悪い生活を送っているのではないらしい。
出会ったばかりだというのに、ラウラはカッツェに不思議なほど愛着を感じ始めていた。足に身体をこすり付けてくるカッツェの姿をぼんやりと見つめる。
「どうした?」
穴を掘り終えたらしいクラウスに声を掛けられ、ラウラはふと我に返った。
「カッツェが……」
クラウスにカッツェを紹介しようと上げた視線を再び落とすと、そこにもうカッツェの姿はなかった。
まるでそこには最初から存在しなかったような気さえしてくる。カッツェとは気まぐれな生き物だといわれるがそのとおりだった。
「いや、なんでもない」
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