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初めての夜 後編 ※
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視界が涙で滲んでよく見えない。
「っは、あ、あ、うン」
呼吸が整う前に、再び彼の指がレティシアの中を探る。
「っや、まって、や、へんに、なる……から。やだぁ……!」
「変になればいい。もっと蕩けて、ぐちゃぐちゃになればいい。私を受け入れるには、まだここは狭い」
彼に腰を押し付けられると、お尻の辺りに熱く張り詰めた硬い感触を感じた。
いつの間にか彼もガウンを脱ぎ捨てていたようで、直接熱い感触が肌に触れる。
知識としては知っていても、実際に見たことも、経験したこともなかったレティシアには、それがにわかにそこでむすばれるのだとは信じがたい。
「……っ」
レティシアの頬にかっと血が上る。
うつぶせになっていた身体を起こされて、今度は仰向けに体勢を変えられた。
先ほど押し付けられた昂ぶりが目に入って、否が応でもこれが現実なのだと直視させられる。
「足を開くんだ」
命令されて、レティシアはゆっくりと足を開いた。
もう、抵抗するほどの気力は残っていない。
するりと下着の紐が解かれて、その部分があらわになる。
「ああ……、剃られたのか」
「……っ」
お風呂でメイドたちの手によって、レティシアの下生えはきれいに剃られていた。既婚女性の嗜みだといわれれば、拒否することもできず、彼女たちの手に任せるしかなかった。
焼けつくような彼の視線に晒されて、レティシアは羞恥にもだえた。
彼の顔を直視できずに目を背けた瞬間、彼の顔が足の間に近づく。
「すごく濡れているな」
ただの感想なのかも知れないが、思い知らせるように呟く彼の言葉は、レティシアの恥ずかしさを煽る。
「見ないで……ください」
「ふ、初めてとは思えないほどだ。あなたは見られるほうが感じる性質だったのかな?」
「やっ……」
抵抗する間もなく彼の舌がそこに触れる。アロイスの舌はぬめるひだのあいだを掻き分けて、かすかに膨らんだそこにじゅっと音を立てて吸い付いた。
「っひあああア!」
目の前が真っ白になって、レティシアはがくがくと身体を震わせる。
「や! やだっ、それっ、しないでっ!」
強烈な感覚に、背筋のぞくぞくとする感覚がとまらない。思わず彼の頭を押しのけようと伸ばした手は、目的を達する前につかまれた。
「あまり抵抗するようなら、縛ってもいいが?」
面白がるようなアロイスの表情に、レティシアは即座に否定する。
「それは、いや」
「ならば、大人しく受け入れろ」
レティシアは開放された手を脇に下ろし、抵抗しないようにぎゅっとシーツを握り締める。
レティシアの動きを見届けたアロイスが、満足そうに笑みを浮かべる。
「いい子だ。レティ」
ふたたびアロイスの舌が、蕾のあいだに伸びた。
丹念にそこを舐め、同時に太い指が内部を探る。
指がある一点をかすめた瞬間、レティシアはびくりと震えた。喉をそらし、身体をのけぞらせる。
「ひああぁ」
敏感に反応した部分を見つけたアロイスの愛撫は、その部分に集中した。彼の指が執拗にそこをなぞる。
そのたびに、レティシアの身体は熱く張り詰めていく。息は上がり、涙が溢れてとまらない。苦しくてたまらなかった。
彼の舌が宥めるように入り口をほぐしていく。
気づけば内部を探る指が、二本から三本に増やされていた。
ぐちゅぐちゅと淫らな水音が室内に響いて、レティシアの羞恥をさらに煽る。
「ひあっ、やぁ……だめ、そこばっかり……ぃ」
「そこがイイ、の間違いだろう?」
レティシアは最早なにを口走っているのかもわからなくなっていた。
勝手に腰が揺れて、身体はその先にある快楽を求める。
意地の悪いアロイスの問いかけに答える余裕もなく、レティシアはひたすら開放を求めて啼いた。
「そろそろ、いいか」
不意に愛撫が止んで、レティシアは涙に潤んだ目を開けた。
彼の目の色がさきほどよりも鮮やかな青色に染まっているような気がした。
股間の高ぶりは血管が浮き上がるほどに興奮し、凶悪な形に姿を変えている。
本当にあれが自分の中に入るのだろうかと、レティシアの胸には不安がこみ上げる。
ふと顔をあげると、アロイスは野生の獣のごとく、ぎらぎらと光る目で彼女を見つめていた。
彼の手が腰に伸びてレティシアを引き寄せる。
そのまま腰をわずかに持ち上げたかと思うと、切っ先を彼女の蕾にあてがい、ゆっくりともぐりこませた。
「っ……!」
あまりの衝撃に息が止まる。身体が勝手に逃げようと腰がずり上がる。
けれど彼の手が腰を押さえ込んでいるせいで、逃れることはできなかった。
「息をしろっ!」
「あ……っ、はあっ」
圧倒的な質量に、息がうまくできない。引き裂かれるような痛みが繋がった部分から走る。
アロイスも苦しいのか、眉根にしわが寄っていた。
「ああ、くそっ」
アロイスは舌打ちをしたかと思うと、噛みつくように口づけた。
「っふ、ん……」
ただでさえ苦しいのに口づけられて、どうやって息をすればいいのかわからない。次第にレティシアの意識はぼうっとしてくる。
アロイスが深く舌を絡め、彼女の舌を吸い上げた。
キスが深まるにつれ、強張っていたレティシアの身体から徐々に力が抜けていった。
「……はあっ、っふ」
唇が離れて、彼の顔が遠ざかる。
レティシアはどうにか息ができるようになって、アロイスの顔を見る余裕が生まれた。
見上げたアロイスは、口を歪めて笑っていた。
それは悪魔のような艶めかしい笑みだった。
淫靡な笑みにレティシアは目を奪われる。
「動くぞ」
アロイスは宣言と同時にゆっくりと腰を進めた。
「んんんっ、……っく」
やはり苦しくて、レティシアはアロイスの首にしがみつく。
アロイスは彼女を気遣いながらも、確実に腰を進めた。
「レティ……、少し弛めろ。これでは奥に進めない」
「む……りっ」
なにもかもが初めてで、弛めろと言われてもどうすればいいのか、わかるはずもない。
レティシアは涙をたたえた目で、アロイスをにらむ。
アロイスはわずかに眉根に皺を寄せ、こらえるような表情をしていた。
「ああっ、もうっ」
アロイスがまた舌打ちして、口づけてくる。
今度はそっと、ついばむように何度も唇を触れ合わせる。
レティシアの意識がキスに奪われた瞬間を見計らって、アロイスは腰を進めた。
「んンっ……!」
苦しさにレティシアの目から涙が零れ、頬を伝う。
彼が腰を動かすたびに、ミチミチとそこが彼の形に押し開かれていく。
「全部入った……ぞ」
見下ろした下肢は、これ以上はないというほどぴったりと密着していた。
繋がった部分がどくどくと脈打っているようで、レティシアは完全にアロイスに征服されてしまったことを強く実感する。
「これで婚姻の契りができるな」
「婚姻の契りを……?」
アロイスの言葉に、レティシアは目を大きく見開いた。
レティシアは彼が『婚姻の契り』を結ぶつもりだとはまったく思っていなかった。
『婚姻の契り』とは魔法による契約の一種で、ふたりのあいだに魔力の繋がりを作る。
その気になれば互いの居場所を知ることができ、魔力を融通しあうこともできるという利点がある反面、相手の不調に引きずられてしまうという危険も孕んでいる。
互いの死によってしか契りは解除できないので、よほど愛し合った者同士でしか『婚姻の契り』は結ばない。
しかも結ばれている最中にしか契りを結ぶことができないので、かなり特殊な魔法であることは間違いない。
「私と別れるつもりがあったのか?」
「いえ……そうではないけれど……」
ずきずきとした痛みに気をとられながらも、レティシアは首を振る。
あくまで彼との結婚は契約に基づくものだと思っていたので、レティシアには物理的にも、心理的にも準備ができていなかった。
「ならばかまわぬだろう。これを」
アロイスは彼女と繋がったまま、ベッドサイドに置かれた引き出しから手のひらに乗るほどの小さなケースを取り出した。
ふたを開いたケースの中には、小指の先ほどの小さな球体が納められていた。ほんのりと七色に光る珠の中には小さな魔法陣がくるくると回っている。
魔法陣の形は美しく、シンプルで無駄がない。
こんな状況下にありながら、魔導士のひとりとしてレティシアはこの魔法の作り手に賞賛を送りたい気持ちに駆られた。
魔導士として『婚姻の契り』の魔法陣を目にしたことはあるが、婚姻の契りに使う珠を実際に作ったことはない。
レティシアはアロイスが差し出したケースから珠をつまみ上げ、しげしげと珠を観察した。彼女の魔力を受けて珠が輝きを増す。
アロイスもまた珠を手にしていた。彼の手の中の珠は、彼の瞳と同じサファイア色の輝きを帯びている。
彼は珠を口に含むと、レティシアの首のうしろに手を回し、唇を重ねた。彼の舌が強引に唇を割って入り込み、口移しで珠を飲み込まされる。
珠はするりと喉を通り過ぎた。途端に胃の奥がカッと熱くなる。
彼が唇を離すと、唾液が溢れてふたりのあいだに橋を作った。
「ほら、レティ。早くしろ」
アロイスに急かされて、覚悟を決めたレティシアは珠を口に含んだ。
どうやって使えばいいのか、知識だけはある。レティシアはためらいながらも彼の首のうしろに手を回しそっと唇を重ねた。
魔法の込められた珠を舌の上にのせ、彼の唇に押し付けると、アロイスは珠を奪うようにして飲み込んだ。
次の瞬間、ふたりの魔力を含んだ魔法陣が光を放ちながら発動した。
「っは、あ、あ、うン」
呼吸が整う前に、再び彼の指がレティシアの中を探る。
「っや、まって、や、へんに、なる……から。やだぁ……!」
「変になればいい。もっと蕩けて、ぐちゃぐちゃになればいい。私を受け入れるには、まだここは狭い」
彼に腰を押し付けられると、お尻の辺りに熱く張り詰めた硬い感触を感じた。
いつの間にか彼もガウンを脱ぎ捨てていたようで、直接熱い感触が肌に触れる。
知識としては知っていても、実際に見たことも、経験したこともなかったレティシアには、それがにわかにそこでむすばれるのだとは信じがたい。
「……っ」
レティシアの頬にかっと血が上る。
うつぶせになっていた身体を起こされて、今度は仰向けに体勢を変えられた。
先ほど押し付けられた昂ぶりが目に入って、否が応でもこれが現実なのだと直視させられる。
「足を開くんだ」
命令されて、レティシアはゆっくりと足を開いた。
もう、抵抗するほどの気力は残っていない。
するりと下着の紐が解かれて、その部分があらわになる。
「ああ……、剃られたのか」
「……っ」
お風呂でメイドたちの手によって、レティシアの下生えはきれいに剃られていた。既婚女性の嗜みだといわれれば、拒否することもできず、彼女たちの手に任せるしかなかった。
焼けつくような彼の視線に晒されて、レティシアは羞恥にもだえた。
彼の顔を直視できずに目を背けた瞬間、彼の顔が足の間に近づく。
「すごく濡れているな」
ただの感想なのかも知れないが、思い知らせるように呟く彼の言葉は、レティシアの恥ずかしさを煽る。
「見ないで……ください」
「ふ、初めてとは思えないほどだ。あなたは見られるほうが感じる性質だったのかな?」
「やっ……」
抵抗する間もなく彼の舌がそこに触れる。アロイスの舌はぬめるひだのあいだを掻き分けて、かすかに膨らんだそこにじゅっと音を立てて吸い付いた。
「っひあああア!」
目の前が真っ白になって、レティシアはがくがくと身体を震わせる。
「や! やだっ、それっ、しないでっ!」
強烈な感覚に、背筋のぞくぞくとする感覚がとまらない。思わず彼の頭を押しのけようと伸ばした手は、目的を達する前につかまれた。
「あまり抵抗するようなら、縛ってもいいが?」
面白がるようなアロイスの表情に、レティシアは即座に否定する。
「それは、いや」
「ならば、大人しく受け入れろ」
レティシアは開放された手を脇に下ろし、抵抗しないようにぎゅっとシーツを握り締める。
レティシアの動きを見届けたアロイスが、満足そうに笑みを浮かべる。
「いい子だ。レティ」
ふたたびアロイスの舌が、蕾のあいだに伸びた。
丹念にそこを舐め、同時に太い指が内部を探る。
指がある一点をかすめた瞬間、レティシアはびくりと震えた。喉をそらし、身体をのけぞらせる。
「ひああぁ」
敏感に反応した部分を見つけたアロイスの愛撫は、その部分に集中した。彼の指が執拗にそこをなぞる。
そのたびに、レティシアの身体は熱く張り詰めていく。息は上がり、涙が溢れてとまらない。苦しくてたまらなかった。
彼の舌が宥めるように入り口をほぐしていく。
気づけば内部を探る指が、二本から三本に増やされていた。
ぐちゅぐちゅと淫らな水音が室内に響いて、レティシアの羞恥をさらに煽る。
「ひあっ、やぁ……だめ、そこばっかり……ぃ」
「そこがイイ、の間違いだろう?」
レティシアは最早なにを口走っているのかもわからなくなっていた。
勝手に腰が揺れて、身体はその先にある快楽を求める。
意地の悪いアロイスの問いかけに答える余裕もなく、レティシアはひたすら開放を求めて啼いた。
「そろそろ、いいか」
不意に愛撫が止んで、レティシアは涙に潤んだ目を開けた。
彼の目の色がさきほどよりも鮮やかな青色に染まっているような気がした。
股間の高ぶりは血管が浮き上がるほどに興奮し、凶悪な形に姿を変えている。
本当にあれが自分の中に入るのだろうかと、レティシアの胸には不安がこみ上げる。
ふと顔をあげると、アロイスは野生の獣のごとく、ぎらぎらと光る目で彼女を見つめていた。
彼の手が腰に伸びてレティシアを引き寄せる。
そのまま腰をわずかに持ち上げたかと思うと、切っ先を彼女の蕾にあてがい、ゆっくりともぐりこませた。
「っ……!」
あまりの衝撃に息が止まる。身体が勝手に逃げようと腰がずり上がる。
けれど彼の手が腰を押さえ込んでいるせいで、逃れることはできなかった。
「息をしろっ!」
「あ……っ、はあっ」
圧倒的な質量に、息がうまくできない。引き裂かれるような痛みが繋がった部分から走る。
アロイスも苦しいのか、眉根にしわが寄っていた。
「ああ、くそっ」
アロイスは舌打ちをしたかと思うと、噛みつくように口づけた。
「っふ、ん……」
ただでさえ苦しいのに口づけられて、どうやって息をすればいいのかわからない。次第にレティシアの意識はぼうっとしてくる。
アロイスが深く舌を絡め、彼女の舌を吸い上げた。
キスが深まるにつれ、強張っていたレティシアの身体から徐々に力が抜けていった。
「……はあっ、っふ」
唇が離れて、彼の顔が遠ざかる。
レティシアはどうにか息ができるようになって、アロイスの顔を見る余裕が生まれた。
見上げたアロイスは、口を歪めて笑っていた。
それは悪魔のような艶めかしい笑みだった。
淫靡な笑みにレティシアは目を奪われる。
「動くぞ」
アロイスは宣言と同時にゆっくりと腰を進めた。
「んんんっ、……っく」
やはり苦しくて、レティシアはアロイスの首にしがみつく。
アロイスは彼女を気遣いながらも、確実に腰を進めた。
「レティ……、少し弛めろ。これでは奥に進めない」
「む……りっ」
なにもかもが初めてで、弛めろと言われてもどうすればいいのか、わかるはずもない。
レティシアは涙をたたえた目で、アロイスをにらむ。
アロイスはわずかに眉根に皺を寄せ、こらえるような表情をしていた。
「ああっ、もうっ」
アロイスがまた舌打ちして、口づけてくる。
今度はそっと、ついばむように何度も唇を触れ合わせる。
レティシアの意識がキスに奪われた瞬間を見計らって、アロイスは腰を進めた。
「んンっ……!」
苦しさにレティシアの目から涙が零れ、頬を伝う。
彼が腰を動かすたびに、ミチミチとそこが彼の形に押し開かれていく。
「全部入った……ぞ」
見下ろした下肢は、これ以上はないというほどぴったりと密着していた。
繋がった部分がどくどくと脈打っているようで、レティシアは完全にアロイスに征服されてしまったことを強く実感する。
「これで婚姻の契りができるな」
「婚姻の契りを……?」
アロイスの言葉に、レティシアは目を大きく見開いた。
レティシアは彼が『婚姻の契り』を結ぶつもりだとはまったく思っていなかった。
『婚姻の契り』とは魔法による契約の一種で、ふたりのあいだに魔力の繋がりを作る。
その気になれば互いの居場所を知ることができ、魔力を融通しあうこともできるという利点がある反面、相手の不調に引きずられてしまうという危険も孕んでいる。
互いの死によってしか契りは解除できないので、よほど愛し合った者同士でしか『婚姻の契り』は結ばない。
しかも結ばれている最中にしか契りを結ぶことができないので、かなり特殊な魔法であることは間違いない。
「私と別れるつもりがあったのか?」
「いえ……そうではないけれど……」
ずきずきとした痛みに気をとられながらも、レティシアは首を振る。
あくまで彼との結婚は契約に基づくものだと思っていたので、レティシアには物理的にも、心理的にも準備ができていなかった。
「ならばかまわぬだろう。これを」
アロイスは彼女と繋がったまま、ベッドサイドに置かれた引き出しから手のひらに乗るほどの小さなケースを取り出した。
ふたを開いたケースの中には、小指の先ほどの小さな球体が納められていた。ほんのりと七色に光る珠の中には小さな魔法陣がくるくると回っている。
魔法陣の形は美しく、シンプルで無駄がない。
こんな状況下にありながら、魔導士のひとりとしてレティシアはこの魔法の作り手に賞賛を送りたい気持ちに駆られた。
魔導士として『婚姻の契り』の魔法陣を目にしたことはあるが、婚姻の契りに使う珠を実際に作ったことはない。
レティシアはアロイスが差し出したケースから珠をつまみ上げ、しげしげと珠を観察した。彼女の魔力を受けて珠が輝きを増す。
アロイスもまた珠を手にしていた。彼の手の中の珠は、彼の瞳と同じサファイア色の輝きを帯びている。
彼は珠を口に含むと、レティシアの首のうしろに手を回し、唇を重ねた。彼の舌が強引に唇を割って入り込み、口移しで珠を飲み込まされる。
珠はするりと喉を通り過ぎた。途端に胃の奥がカッと熱くなる。
彼が唇を離すと、唾液が溢れてふたりのあいだに橋を作った。
「ほら、レティ。早くしろ」
アロイスに急かされて、覚悟を決めたレティシアは珠を口に含んだ。
どうやって使えばいいのか、知識だけはある。レティシアはためらいながらも彼の首のうしろに手を回しそっと唇を重ねた。
魔法の込められた珠を舌の上にのせ、彼の唇に押し付けると、アロイスは珠を奪うようにして飲み込んだ。
次の瞬間、ふたりの魔力を含んだ魔法陣が光を放ちながら発動した。
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