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第四章 決着

やめろって…

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 門倉はオレがイったことを確認すると、オレの目の前にやって来る。

「今、出したばっかだってのにまだまだギンギンだぜ……」

 門倉がオレに醜いイチモツの硬さをよく見せるように取り出す。門倉が持っていたオレのパンツは床に投げ捨てられ、門倉の精液がついて白く汚れていた。イってしまったオレはもう力が出ない。おそらくこのまま門倉にヤラれるだろう……。はぁはぁと肩で呼吸しながら門倉を見上げる。門倉がオレの乳首に手を伸ばすとひねり上げた。

「なっ、いた……やめ、ろ……」

 あまりの痛さに手を伸ばしてやめろと言うが、門倉はやめない。何度か捻り上げると満足したようにして乳首から手を離した。

「おいおい、本当にイっただけで弱くなってんのかよ。子猫ちゃんみたいな力だ。お前、立ち上がることもできねぇのか?しゃぶってくれるんじゃなかったのかよ?」

 お前の小汚いちんこなんて舐めたくもねぇよ。何故かいつも以上に力が出ていないような気がして、本当に立ち上がることができない。しゃぶらせることが難しいと分かった門倉はチッと舌打ちした。

「しょうがねぇな」

 門倉がオレの後ろ髪をガッと掴むと上を向かせた。ベロっと口の横を舐められ、門倉の舌ピアスの硬い感触があたる。そのままオレの唇に門倉は舌を這わせる。ヌルッとした気持ちの悪い感触。門倉は何度も何度もビチャッと唾液を纏わせてオレにキスをする。

「おい、口開けろ」

 ゴリゴリと唇に何度もピアスをあてられていたが、それでも頑なに口をずっと閉じていた。しびれを切らした門倉がオレに命令する。オレがキッと睨むと、振り返って倒れている雄二の傍にいる男に何か指示しようとした。雄二が殴られると思ってオレは咄嗟に門倉の腕を引っ張り唇を重ねた。門倉は驚いた表情をしたもののニヤッと笑みを浮かべ、ピアスのついた舌を口の中へと侵入させてきた。

 ヌルヌルと舌が口の中を犯し、上顎や内頬をゴリゴリと舌先のピアスがなぞり、イヤな感触を残していく。金属のヒヤッとした異物感。雄二の舌とは全く異なるその気持ちの悪い感触に嫌悪感を抱き、眉間にしわを寄せた。

(イヤだ……イヤだ……雄二……)

 心の中で雄二の名前を呼んだ。倒れて血だまりを作っている雄二が視界に入る。浅いながらにも胸は上下に動き、生きていることに安堵する。

(オレ、バカだな……。今頃気付くなんて。雄二のことめっちゃ好きじゃん……。あいつが初めてのキスの相手で良かったわ……)

 オレの口の中を犯す門倉はオレの背中に手を回し、ケツん中に指を乱暴に突っ込んだ。門倉は指輪をしていてそれを外すことなくグリグリと中で動きまわす。痛みで眉間にしわを寄せると、至近距離でその表情を見ていた門倉がニヤッと笑った。

「中の具合も良さそうだ。楽しませてもらうとするかな」

 門倉は掴んでいたオレの髪を離すと乱雑に床へと押し倒し、ふくらはぎを持ち上げた。わざとらしくピアスのついたちんこをふくらはぎや太ももに押し当てている。

「あの男よりもお前をよがらせてやるよ」

 門倉のちんこのピアスがオレの尻の穴に近づき、金属の感触が気持ち悪くてオレはぎゅっと目を閉じた。その時だった。取り巻きたちが悲鳴を上げ、人が倒れるような音が耳に入る。

「うわぁあ!」
「く、来るな」
「うぐぁっ……!」

 門倉がオレから離れ振り返る。オレも腰をよろよろと起こし、その騒ぎの方へと視線を送る。その視線の先には頭から血を流した雄二が立ち上がっていた。取り巻きが雄二を殴ろうとするも、雄二が素早くそれをかわして殴り返す。取り巻きたちは卑怯なもので、1人が攻撃している間に雄二を羽交い絞めにしようと後ろからも攻撃する。でも、雄二は負けずに前のヤツを殴り飛ばし、後ろにいるヤツの足を踏んで引き離すと生身のちんこを蹴り上げた。

 血をポタポタと落としながらこちらへとやってくる。その間にも取り巻きが挑むが1人1人確実に雄二は倒していく。その恐ろしい形相に無駄のない動きでノックアウトさせる雄二に残りの取り巻きたちは怯え、足を止めている。

 フラついているのに雄二は足を、拳を止めない。……やめろって、それ以上動いたら死んじまうって。オレは別に大丈夫だから。オレ、お前が初めての相手で良かったよ。キスもセックスも雄二が初めてで良かった。だから、オレはこいつにヤられても大丈夫だから。お願いだからもうそれ以上動かないでくれ……。

 オレがそう訴えているのに雄二は血を流しながら周りの不良をどんどんと倒していく。

「……っち、何やってんだ。相手は手負いだ。さっさと始末しろ」
 
 門倉が苛立ち気に取り巻きたちに命令するが、取り巻きの1人が逃げようとした。門倉が立ち上がりそいつを蹴飛ばし床へと吹き飛ばす。

「あいつを今度こそぶちのめして、あいつの目の前でお前を抱いてやる」

 門倉が雄二の方へと向かおうとした。咄嗟に門倉の足首を掴む。力が出ないので拘束力なんてほとんどない。門倉が振り返って、オレを蹴り上げようとした。蹴り上げられるよりも先に門倉は後ろに引っ張られ床に転がされていた。

 目の前に雄二が立っている。崩れ落ちるようにオレに覆いかぶさった。オレは震えた手で雄二を抱きしめる。

「もうやめろって……オレは大丈夫だから……」

 雄二の後ろで門倉が立ち上がる。いつの間にか取り巻きたちは全員倒れていて、残りは門倉だけだった。オレに力が戻れば……。でも、こんな状況で中でイクなんてできない。今度はオレが雄二を守るように雄二を抱き寄せた。雄二は門倉が立ち上がったと気付き、向かおうとした。それを必死に抱きとめて阻止する。力が出ていないオレが引き留めているのに雄二は立ち上がれないくらい弱っている。それなのにまだ動こうとする。

「……雄二……オレ、雄二が好きだって気付いたんだ……だから、もうこれ以上怪我しないでくれ……」

 雄二を抱きしめてそっと耳元で囁いた。

「お前が全部初めての相手で良かった。だから、オレは大丈夫だから……」

 小さなころからずっと傍にいて、何をするにも一緒だった。喧嘩も遊びも勉強も。雄二と離れてオレはお前が恋しくてしょうがなかった。お前はどうだっただろうか?あいつの相手をしたらすぐに病院連れて行ってやるからな……。雄二がオレの腕の中でもぞっと動く。オレの腰にある雄二の血まみれの手に力がこもる。

「俺も……俺もずっと、好きだった……」

 雄二がオレの耳元で小さく呟いた。雄二がオレと同じ気持ちなのだと知り、嬉しくて涙が出そうになった。抱き寄せている手に力を込め、ぎゅっと抱きしめる。

「もっと早く言えよ……馬鹿野郎……」
「おい、お前ら分かってんのか?ぶっ殺してやる。お前はまともに歩けないくらいにぶちのめす。それで黙ってこいつが輪姦まわされてるのを見とけ。色んなヤツに壊れるまで犯し続けてやる」

 門倉がこちらへと向かってくる。雄二の額にキスをし、そして雄二の唇にキスをした。雄二が弱々しいながらにもその唇を受け入れる。その時だった。何故か力が湧き出るような感覚が戻って来た。門倉が一歩近づくにつれて次第にその力は強くなる。
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