【本編完結】イクと激弱になる喧嘩番長は皆に狙われる

miian

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第四章 決着

呼び出された先

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 息を切らしながら廃ビルの前に着くと、文山高校のヤンキーが何人か立っていた。オレを見て身構えたもののオレが抵抗しないと分かったのだろう。速やかに廃ビルの中へと連れて行き、どこかへと案内した。

「ーーゆうじっ!」

 案内された部屋に入ってすぐに倒れている雄二が目に入り、名前を呼んだ。でも、雄二に反応はない。雄二の頭から血が出ていて少しの水溜まりを作っている。これでは雄二が死んでしまうかもしれない。

「会いたかったぜ、乾山高校の番長の山神慎太」

 雄二しか目に入っていなかったが、案内された部屋は無駄に広くてコンクリートの地面には1つの椅子を除いて何もない。その椅子にはふんぞり返った男が座っていて、そいつがオレの名前を呼んだ。その男の周りにはヤンキーたちが何人も立っている。このふんぞり返った男が文山高校の番長の門倉なのだろう。ガタイは少し良さそうだ。白に近い金色の髪は短く、むき出しの耳には多くのピアスがついている。

「うるせぇっ!ゆうじっ!雄二は大丈夫なのか?!」
「おいおい、せっかくこの俺が招待してやったのに、他の男の名前を呼ぶなんて酷くないか?」

 椅子にふんぞり返っている男がエラそうにオレに言った。そして、そいつの開いた口を見て驚いた。何かが光っていると思ったら、真っ赤な舌にピアスが開いているのだ。

(どんなとこにピアス開けてんだよ……)

「おい、無視すんな」
「やめろっ!雄二に手を出すな!」

 座っている門倉が足を伸ばして倒れている雄二に蹴りを入れた。蹴りを入れられたことに腹が立ったが、雄二の口から小さなうめき声が聞こえ、生きていると分かりホッとする。

「お前次第でこいつをこれ以上蹴らないか決めてやる」
「分かったから雄二に手を出すな」

 そう言ったのに門倉はもう一度雄二を蹴り上げた。

「おいっ!やめろって言ってるだろ!」
「お前のその態度が気にいらない。やめて欲しいなら犬みたいに従順になれ」
「……どうすればいいんだ」
「そうだな。まずは服を全部脱げ」

 悪趣味なヤツだ。ニヤニヤと門倉の取り巻きたちが笑っている。一体こいつは何がしたいんだよ?あぁ、そう言えばこいつオレのことが好きだとかって話だっけ?好きなヤツをこんな風に脅して脱がせるなんて最低だ。大人しく言うことを聞こうとしたのに、門倉がもう一度雄二を蹴った。

「よせ!お前の言うことを聞くから!ヤリたいと言うならヤラせてやる!しゃぶれと言うならしゃぶる!だから、もう雄二を蹴るなっ!」
「今の可愛い発言は気に入った。そうだな、まずは目の前でオナニーでもしてもらおうか。聞いたぞ、お前イクと弱くなるんだろ?」

 オレがイク前に門倉を倒せば行けるかと思ったのに、門倉は警戒してオレにオナニーさせることにしたようだ。

「ほら俺の前までもっと近づけ」

 オレは一歩ずつ門倉の方へと近づく。倒れている雄二をチラッと見ると、雄二は蹴られたもののきちんと呼吸している。

「さぁ、どうするんだったかな?」

 門倉がニヤニヤと笑みを浮かべ、ペロッと唇を舐めた。その舌先のピアスがキラッと光る。オレは1枚ずつ服を脱いでいく。まずはパーカー、次にズボンをおろした。パンツ一丁の状態になると門倉はニヤッと笑った。

「……おいおい、随分と情熱的な身体だな」

 雄二とヤッている時に、雄二が散々噛むわキスマークをつけるわでオレの身体が雄二の痕だらけだった。その痕を見て取り巻きがヒューヒューと口笛を吹いている。あまりにもそいつらが隠さずに下卑た視線と欲情の目を向けるからオレは一歩下がりそうになった。でも、抵抗すれば雄二はもっと酷い目に合う。何とか後ろに下がるのを堪えた。

「お前を一番に抱くのは俺のはずだったのに。こんなクソ野郎に先に手を出されるなんて……」
「よせっ!言うことを聞くから!頼むからそれ以上蹴らないでくれ!」

 門倉がもう一度足を延ばして雄二を蹴ろうとしたので、オレは叫び懇願した。その様子を見て門倉は満足したのか足を下ろした。

「こいつも馬鹿だよな。こいつの方が断然勝ってたのにネックレスがちぎれただけで気を取られて、それでやられるなんて傑作だ」

 門倉が笑いながらそう言った。馬鹿はお前だ。こんな方法でオレをどうにかしようとしかできないお前が馬鹿だ。それに雄二1人に対して何人もの人数で襲いかかって、鉄パイプで殴った卑怯者のくせに。いつもの雄二ならお前なんかに負けるわけない。

「おい、それで俺はさっきなんて言った?全部脱げと言っただろ」

 取り巻きたちも目を輝かせ、まだかまだかとオレが脱ぐのを待っているようだ。オレは覚悟を決めて、パンツを脱いだ。

「おい、服をそいつから遠ざけておけ」

 門倉はオレが逃げないようにしっかりと退路を断たせるつもりだ。入り口にも人が立っていて、オレはもう逃げることはできなさそうだ。

 門倉は真っ赤な舌で舌なめずりをして狙った獲物を逃がさないようにと鋭い目つきで見張ってる。楽しそうな声で門倉が言葉を発した。

「さぁ、オナニーショーの始まりだ」
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