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第四章 決着
落ちぶれたヤンキーくんの再来
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週明けの月曜日なものの、まだ早い時間で学校も始まっていない。とりあえず学校の方へと向かうことにした。何となく学校の方にいるんじゃないかと思ったからだ。まぁ、逆に雄二ってオレんちと学校くらいしか行くとこねぇし。
「おい!見つけたぞっ!」
雄二を探していたけど中々見つからず大分学校の方へと近づいた時だった。後ろから誰かに呼び止められた。振り返るとあの落ちぶれたヤンキーがそこにはいた。
「またお前かよ……」
「お前、あいつ探してんのか?俺、あいつの場所知ってんぜ」
どうして雄二のこと探してるって分かったんだ?いや、もしかすると戸塚みたいに嘘ついてんのかもしんねぇ。
「なんでお前が知ってんだよ?」
「ふはは、あいつは生意気だったからボコボコにしてやったぜ」
雄二が?この落ちぶれたヤンキーに?そんなわけない。
「嘘だと思うならこっちについて来いよ」
オレが疑いの目を向けると、ついて来いと言って路地裏へと歩いて行った。まさかあの雄二がこんなヤツに負けるはずないと分かってるものの、この目で確認しないと不安でしょうがなかった。薄暗くて細い路地裏へと2人で入っていく。誰も倒れておらず、人の気配もない。
「その先にいる」
ふてぶてしい物言いで腹が立つが、落ちぶれたヤンキーがくいっと顎で路地裏の曲がった先を指し示した。しぶしぶとそいつの横を通り過ぎその場所を覗きに行く。やっぱり誰もいない。
「がはは、騙されやがったな!あの金づるクソガキはオレも探してんだよ!」
「うわっ、またお前は卑怯なっ……」
オレが振り返ると同時に落ちぶれたヤンキーは、いきなりナイフでオレに飛び掛かろうとしてきた。ほんで金づるクソガキと言ったことから、こいつが言っているのは雄二のことではなくあの中学生ヤンキーなのだと気付いた。まぁ、どっちにしてもあの中学生ヤンキーもこいつに怪我させられてなくて良かった。
「おわっ?!」
「俺だってなんの策もねぇわけじゃねぇんだ」
ナイフを避けるのに必死で足元を見ていなかった。振り返って一歩踏み出した時、足の裏に何かが刺さるような違和感があった。地面を見下ろして驚く。先ほど通りすがった時には何もなかったはずなのに、いつの間にか地面にはまきびしが撒かれていた。……まきびしって忍者かよ。
靴の上から踏んだせいかあまり痛くはない。なんか靴にめり込んで歩きにくいというのが正直な感想だ。まぁ、昔の人は草履とかだったからダイレクトに刺さるようなもんで痛かっただろうけど、あんまダメージはない。そのまきびしに気を取られたせいで、オレは迂闊にも落ちぶれたヤンキーにドンと肩を押されて路地裏の奥で尻餅をつかされた。そこにポイポイと落ちぶれたヤンキーがまきびしをオレにぶつけてくる。普通に痛い。
落ちぶれたヤンキーは卑怯なもんで顔にも向けて投げてくる。咄嗟に腕で庇うと、ドスっと勢いよく落ちぶれたヤンキーがオレに馬乗りになった。
「おい、大人しくしろ」
「……クソがっ」
落ちぶれたヤンキーの腹を殴ろうとしたら、なんとこの卑怯者はナイフをオレにチラつかせた。
「くくく、お前の綺麗な顔を傷つけたら面白いだろうな」
さすがに自ら好き好んで傷をつけられる趣味はないので、しぶしぶと振り上げた手を地面に下ろした。
「そうだ、最初からそうしとけば良かったんだ」
「それで何が目的なんだよ?」
落ちぶれたヤンキーにここまでしつこくまとわりつかれるほど何かした覚えはない。確かに中学生ヤンキーを助けたことはあるが、覚えてもなかったことだし、こいつもそれを恨んでという感じではなさそうだ。
「お前をボコボコにして写真撮ってやるつもりだったのに……なんか、お前エロイな……?そういや、お前イクと弱くなんだろ?オレ、挿れる方は興味なかったけど、お前ならイケるかも。げへへ」
薄暗い路地裏でうっすらと鈍く輝いた小汚い金髪の瞳が僅かにギラついた気がした。いやでも、さっき自分で射精せずにイッたから……あ、そういや色気がなくなるかの確認してなかったわ。だって、雄二なんか屋上の時からオレの色気効いてねぇんだもん。
「うわっ、よせっ!やめろっ!」
落ちぶれたヤンキーが薄汚い金髪を振り乱して、自身のちんこを取り出そうと、ズボンをガチャガチャと下ろそうとした。こんなこぎたねーヤンキーにヤられるのなんてまっぴらごめんだ。ちょっとくらい顔が傷ついてもいい。それぐらいにこんな汚い野郎とするのはイヤだった。いや、綺麗だろうが何だろうがヤリたくねぇよ。ヤンキーは片手にナイフを持ちオレの首元に、もう片方の手でズボンに手をかけている。
「ぐはあっ!」
ちょっとぐらいの怪我はしょうがねぇと諦めてヤンキーを蹴り上げようとした時だった。大きな呻き声と一緒に落ちぶれたヤンキーがオレに崩れ落ちてくる。オレの上に寝っ転がる前に誰かがそいつを横に蹴っ飛ばしたおかげで小汚いヤンキーはオレの上に乗ることはなかったけど。パンツをずり下ろした先に見えたのはポークビッツのような小ささの何かが見えた気がしたけど、見なかったことにしよう。
「お前、何やってんだよ」
小汚いヤンキーの後ろにいたのは雄二だった。いつの日かのようにこめかみに血管を浮き上がらせキレて、低い声で静かに言った。横にうずくまっているヤンキーを雄二がもう一度蹴っ飛ばすとヤンキーは壁にもろにぶつかってもう一度呻いた。雄二はその倒れ込んだヤンキーの元へと歩いていく。ヤンキーが雄二にビビッて後ろに下がろうとするも後ろは壁で逃げ場がない。
「ーーひっ」
雄二がそのヤンキーを見下ろすと股間に足を乗せた。ま、まさか股間を潰すつもりなのか?!想像しただけで恐ろしくてオレの股間に足を置かれているわけでもないのに、背筋に冷たい汗が流れた。
「わ、悪かったっ……!も、もうしねぇから!」
「悪いもクソもねぇんだよ」
「ま、待て、雄二!ちんこ潰しちまったら喋れなくなんだろ?ほら、こいつが何でオレに突っかかってくんのか確認してからにしよう」
元はと言えば、この小汚いヤンキーがオレに喧嘩吹っ掛けてきたせいで、オレはあの神に呪いをかけられたんだ。ちゃんとした理由がなきゃ、オレがこいつのちんこ踏みつぶす。
「な、情けなんていらねぇ!」
「なら潰す」
「ま、待て、雄二!!」
雄二の声のトーンはガチだ。自分のちんこが踏みつぶされるわけじゃないが、ヒヤッと背筋に冷たい汗が流れる。雄二が大きく足を上げて踏み下ろそうとした。
「お、俺は文山高校の番長・門倉大志が好きなんだー!なのに番長はあいつが好きだって言うから……。あいつが消えたらいいと思って……」
オレを指差しながらヤンキーは叫んでいるが、雄二がバンと足を地面に踏み下ろした。ヤンキーの「ひぃっ」という怯えた声と共にジョロロロという音が聞こえ、小汚いヤンキーがおしっこを漏らしたのだと分かった。そのおしっこを踏まないように雄二が後ろに一歩引いた。どうやら雄二はちんこを踏みつぶさずそのちんこの真横に勢いよく踏み下ろしたらしい。てか、門倉大志って誰だよ……。そんな知らないヤツのせいでオレはこの落ちぶれたヤンキーに絡まれてたのかよ……。
「……もう二度とこいつに関わんな。本当に潰されたくなきゃ、さっさと行け」
落ちぶれたヤンキーはよたよたと立ち上がると、慌てて去って行った。
「慎太、なんでここにいるんだ」
「お、お前こそオレを置いて……」
「どうして元気に動き回れてるんだ?」
雄二が何を聞きたいのか分かった。オレが雄二を追いかけた理由じゃなくて、力が出ないはずのオレがどうしてここまで出てこれたのかってことを聞いてるんだ……。いや、それはちょっと……雄二に言いたくない。
「言わないつもりか?このざまは喧嘩番長ともあろう慎太が情けないぞ」
「なっ、ちげぇ!多分、色気が消えてなくて……」
「いや、色気は関係ないだろ」
いやまぁ、雄二が言っていることは分かる。だってオレが動き回ってることに色気は関係ねぇもんな……。
「殴ってみろ」
雄二がオレの手を引っ張り、立ち上がらせるなりそう言った。とりあえずこれ以上雄二の機嫌を損ねないように一発殴る。力は戻っているはずなのにあまりいい感じにパンチは打てなかった。
「……自分でしたのか?……いや、自分でしたなら力も元に戻ってるはずだ。でも、時間的にはまだ起き上がれないはず……」
ボソボソと雄二は何か言っている。ハッと焦った顔をして、オレの肩をガシッと掴んだ。
「家に誰かやって来てヤラれたのか?!さっきの奴か?!ぶっ殺す!」
ゆ、雄二?!何とち狂ったこと言ってんの?!逃げたヤンキーを追いかけて殺しかねない勢いで歩き始めたのでオレは慌てて雄二の腕を掴んだ。
「ち、ちげぇ、じ、自分でやった!」
「じゃぁ、なんでそんなに力が回復してねぇんだよ」
「ちゅ、中途半端にしかイケなかったから……」
あ、ヤベェ、言っちまった……。なんか恥じぃんだけど。自分でケツん中に指突っ込んでオナニーしたというのが雄二にバレてしまった。
「そうか。だからそんな物足りない顔してんだな。ほら行くぞ」
「え、ちょ、ま……」
オレは雄二に手を引かれて、路地裏から出ることになった。行くぞってどこ行くんだ?
「おい!見つけたぞっ!」
雄二を探していたけど中々見つからず大分学校の方へと近づいた時だった。後ろから誰かに呼び止められた。振り返るとあの落ちぶれたヤンキーがそこにはいた。
「またお前かよ……」
「お前、あいつ探してんのか?俺、あいつの場所知ってんぜ」
どうして雄二のこと探してるって分かったんだ?いや、もしかすると戸塚みたいに嘘ついてんのかもしんねぇ。
「なんでお前が知ってんだよ?」
「ふはは、あいつは生意気だったからボコボコにしてやったぜ」
雄二が?この落ちぶれたヤンキーに?そんなわけない。
「嘘だと思うならこっちについて来いよ」
オレが疑いの目を向けると、ついて来いと言って路地裏へと歩いて行った。まさかあの雄二がこんなヤツに負けるはずないと分かってるものの、この目で確認しないと不安でしょうがなかった。薄暗くて細い路地裏へと2人で入っていく。誰も倒れておらず、人の気配もない。
「その先にいる」
ふてぶてしい物言いで腹が立つが、落ちぶれたヤンキーがくいっと顎で路地裏の曲がった先を指し示した。しぶしぶとそいつの横を通り過ぎその場所を覗きに行く。やっぱり誰もいない。
「がはは、騙されやがったな!あの金づるクソガキはオレも探してんだよ!」
「うわっ、またお前は卑怯なっ……」
オレが振り返ると同時に落ちぶれたヤンキーは、いきなりナイフでオレに飛び掛かろうとしてきた。ほんで金づるクソガキと言ったことから、こいつが言っているのは雄二のことではなくあの中学生ヤンキーなのだと気付いた。まぁ、どっちにしてもあの中学生ヤンキーもこいつに怪我させられてなくて良かった。
「おわっ?!」
「俺だってなんの策もねぇわけじゃねぇんだ」
ナイフを避けるのに必死で足元を見ていなかった。振り返って一歩踏み出した時、足の裏に何かが刺さるような違和感があった。地面を見下ろして驚く。先ほど通りすがった時には何もなかったはずなのに、いつの間にか地面にはまきびしが撒かれていた。……まきびしって忍者かよ。
靴の上から踏んだせいかあまり痛くはない。なんか靴にめり込んで歩きにくいというのが正直な感想だ。まぁ、昔の人は草履とかだったからダイレクトに刺さるようなもんで痛かっただろうけど、あんまダメージはない。そのまきびしに気を取られたせいで、オレは迂闊にも落ちぶれたヤンキーにドンと肩を押されて路地裏の奥で尻餅をつかされた。そこにポイポイと落ちぶれたヤンキーがまきびしをオレにぶつけてくる。普通に痛い。
落ちぶれたヤンキーは卑怯なもんで顔にも向けて投げてくる。咄嗟に腕で庇うと、ドスっと勢いよく落ちぶれたヤンキーがオレに馬乗りになった。
「おい、大人しくしろ」
「……クソがっ」
落ちぶれたヤンキーの腹を殴ろうとしたら、なんとこの卑怯者はナイフをオレにチラつかせた。
「くくく、お前の綺麗な顔を傷つけたら面白いだろうな」
さすがに自ら好き好んで傷をつけられる趣味はないので、しぶしぶと振り上げた手を地面に下ろした。
「そうだ、最初からそうしとけば良かったんだ」
「それで何が目的なんだよ?」
落ちぶれたヤンキーにここまでしつこくまとわりつかれるほど何かした覚えはない。確かに中学生ヤンキーを助けたことはあるが、覚えてもなかったことだし、こいつもそれを恨んでという感じではなさそうだ。
「お前をボコボコにして写真撮ってやるつもりだったのに……なんか、お前エロイな……?そういや、お前イクと弱くなんだろ?オレ、挿れる方は興味なかったけど、お前ならイケるかも。げへへ」
薄暗い路地裏でうっすらと鈍く輝いた小汚い金髪の瞳が僅かにギラついた気がした。いやでも、さっき自分で射精せずにイッたから……あ、そういや色気がなくなるかの確認してなかったわ。だって、雄二なんか屋上の時からオレの色気効いてねぇんだもん。
「うわっ、よせっ!やめろっ!」
落ちぶれたヤンキーが薄汚い金髪を振り乱して、自身のちんこを取り出そうと、ズボンをガチャガチャと下ろそうとした。こんなこぎたねーヤンキーにヤられるのなんてまっぴらごめんだ。ちょっとくらい顔が傷ついてもいい。それぐらいにこんな汚い野郎とするのはイヤだった。いや、綺麗だろうが何だろうがヤリたくねぇよ。ヤンキーは片手にナイフを持ちオレの首元に、もう片方の手でズボンに手をかけている。
「ぐはあっ!」
ちょっとぐらいの怪我はしょうがねぇと諦めてヤンキーを蹴り上げようとした時だった。大きな呻き声と一緒に落ちぶれたヤンキーがオレに崩れ落ちてくる。オレの上に寝っ転がる前に誰かがそいつを横に蹴っ飛ばしたおかげで小汚いヤンキーはオレの上に乗ることはなかったけど。パンツをずり下ろした先に見えたのはポークビッツのような小ささの何かが見えた気がしたけど、見なかったことにしよう。
「お前、何やってんだよ」
小汚いヤンキーの後ろにいたのは雄二だった。いつの日かのようにこめかみに血管を浮き上がらせキレて、低い声で静かに言った。横にうずくまっているヤンキーを雄二がもう一度蹴っ飛ばすとヤンキーは壁にもろにぶつかってもう一度呻いた。雄二はその倒れ込んだヤンキーの元へと歩いていく。ヤンキーが雄二にビビッて後ろに下がろうとするも後ろは壁で逃げ場がない。
「ーーひっ」
雄二がそのヤンキーを見下ろすと股間に足を乗せた。ま、まさか股間を潰すつもりなのか?!想像しただけで恐ろしくてオレの股間に足を置かれているわけでもないのに、背筋に冷たい汗が流れた。
「わ、悪かったっ……!も、もうしねぇから!」
「悪いもクソもねぇんだよ」
「ま、待て、雄二!ちんこ潰しちまったら喋れなくなんだろ?ほら、こいつが何でオレに突っかかってくんのか確認してからにしよう」
元はと言えば、この小汚いヤンキーがオレに喧嘩吹っ掛けてきたせいで、オレはあの神に呪いをかけられたんだ。ちゃんとした理由がなきゃ、オレがこいつのちんこ踏みつぶす。
「な、情けなんていらねぇ!」
「なら潰す」
「ま、待て、雄二!!」
雄二の声のトーンはガチだ。自分のちんこが踏みつぶされるわけじゃないが、ヒヤッと背筋に冷たい汗が流れる。雄二が大きく足を上げて踏み下ろそうとした。
「お、俺は文山高校の番長・門倉大志が好きなんだー!なのに番長はあいつが好きだって言うから……。あいつが消えたらいいと思って……」
オレを指差しながらヤンキーは叫んでいるが、雄二がバンと足を地面に踏み下ろした。ヤンキーの「ひぃっ」という怯えた声と共にジョロロロという音が聞こえ、小汚いヤンキーがおしっこを漏らしたのだと分かった。そのおしっこを踏まないように雄二が後ろに一歩引いた。どうやら雄二はちんこを踏みつぶさずそのちんこの真横に勢いよく踏み下ろしたらしい。てか、門倉大志って誰だよ……。そんな知らないヤツのせいでオレはこの落ちぶれたヤンキーに絡まれてたのかよ……。
「……もう二度とこいつに関わんな。本当に潰されたくなきゃ、さっさと行け」
落ちぶれたヤンキーはよたよたと立ち上がると、慌てて去って行った。
「慎太、なんでここにいるんだ」
「お、お前こそオレを置いて……」
「どうして元気に動き回れてるんだ?」
雄二が何を聞きたいのか分かった。オレが雄二を追いかけた理由じゃなくて、力が出ないはずのオレがどうしてここまで出てこれたのかってことを聞いてるんだ……。いや、それはちょっと……雄二に言いたくない。
「言わないつもりか?このざまは喧嘩番長ともあろう慎太が情けないぞ」
「なっ、ちげぇ!多分、色気が消えてなくて……」
「いや、色気は関係ないだろ」
いやまぁ、雄二が言っていることは分かる。だってオレが動き回ってることに色気は関係ねぇもんな……。
「殴ってみろ」
雄二がオレの手を引っ張り、立ち上がらせるなりそう言った。とりあえずこれ以上雄二の機嫌を損ねないように一発殴る。力は戻っているはずなのにあまりいい感じにパンチは打てなかった。
「……自分でしたのか?……いや、自分でしたなら力も元に戻ってるはずだ。でも、時間的にはまだ起き上がれないはず……」
ボソボソと雄二は何か言っている。ハッと焦った顔をして、オレの肩をガシッと掴んだ。
「家に誰かやって来てヤラれたのか?!さっきの奴か?!ぶっ殺す!」
ゆ、雄二?!何とち狂ったこと言ってんの?!逃げたヤンキーを追いかけて殺しかねない勢いで歩き始めたのでオレは慌てて雄二の腕を掴んだ。
「ち、ちげぇ、じ、自分でやった!」
「じゃぁ、なんでそんなに力が回復してねぇんだよ」
「ちゅ、中途半端にしかイケなかったから……」
あ、ヤベェ、言っちまった……。なんか恥じぃんだけど。自分でケツん中に指突っ込んでオナニーしたというのが雄二にバレてしまった。
「そうか。だからそんな物足りない顔してんだな。ほら行くぞ」
「え、ちょ、ま……」
オレは雄二に手を引かれて、路地裏から出ることになった。行くぞってどこ行くんだ?
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