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第二章 皆に狙われる!
寄り道
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いつもの道を走ったけど雄二を見つけることが出来なかった。もう少しで高校につくという所の路地裏で誰かの怒鳴る声が聞こえる。
その薄暗い路地裏を覗くと薄汚い金髪が自分より小柄な誰かの胸倉を掴んでいる。
「お前、急に髪も染めて何調子乗ってんだよ?お前は前みたいにオレに金を渡しとけばいいんだ。メガネもやめて何デビューだよ?」
そう言って、そいつは胸倉を掴んでいる相手に腕を振りかざして殴ろうとした。オレは咄嗟にそいつの腕を掴んだ。
「なっ、誰だよ……?!」
薄汚い金髪はあいつーーあの落ちぶれたヤンキーだった。今日も今日とてこいつはブレザーをだらしなく着崩している。
「なに自分よりちいせぇヤツ殴ろうとしてんだよ。しかも無抵抗な相手に」
「お前またオレの邪魔しやがって!」
落ちぶれたヤンキーはオレの方に振り返ると、空いた手でオレを押しのけようとした。掴んでいた腕をひねり上げると落ちぶれたヤンキーは地面に崩れ落ちた。
「く、くそっ!離せっ!」
「オレに殴られたくなかったらとっとと失せろ」
オレが手を離すと落ちぶれたヤンキーはオレを睨みつけた。
「ふん、時間があればお前なんかボコボコにしてやんのに……」
落ちぶれたヤンキーは「覚えてろよ」という捨て台詞を吐いてどこかへと去って行った。
「うぅ、ありがと、うございます……」
「って、あれお前……?」
先ほど落ちぶれヤンキーに絡まれていたのは舎弟希望の中学生ヤンキーだった。泣きながらオレに礼を言い、鼻をすすっている。
まだあどけない中学生だ。舎弟希望と言っていたけど、高校生にカツアゲされたら怖いよな。何となくオレはその中学生の頭をガシガシと撫でてやった。
さて、オレは雄二を探さないと。
「じゃあな……っ……?」
オレが行こうとしたら中学生ヤンキーがオレのパーカーの袖を引っ張って引き留めた。
「ま、待ってください……ど、どうしたら喧嘩が強くなる、んですかぁ?」
泣きじゃくりながら中学生ヤンキーがオレにそう言うのでオレはビビった。
「って言われてもなぁ……」
なんかよく分からんねぇあいだに強くなってたし……。
「山神番長に助けられる、の……2回目で……ぼ、ぼく、強くなりたくて……」
オレが困っていると中学生ヤンキーは続けてそう言った。ん?2回目?オレ、こいつ助けた覚えなんてねぇけど。
「人違いじゃねぇか?オレ、お前助けた覚えなんてねぇよ」
「うっ、うっ……僕、前は黒髪で……地味で……前もカツアゲされてる時に……今日みたいに助けてもらって……」
そいつの顔をじっと見て思い出した。少し前にカツアゲされているヤツを助けた覚えがある。って言っても、偶然通りかかってむしゃくしゃしてて、小さいヤツを殴ろうとしていたヤツがムカついてボコったんだった。
こいつがあの時のあいつだったのか……。あんときは黒髪でメガネで大人しそうな見た目だったから気付かなかった。
「ぼく……あ、おれ、もうあんな風にカツアゲされるの嫌で……」
「お前もともと俺って言うキャラじゃないんだろ?無理して不良になろうとすんなよ。まぁ、でも今度撃退の仕方くらいなら教えてやるよ」
「うぅっ、ありがとうございます……!」
中学生ヤンキーと約束するとオレは路地裏を後にした。
さて……雄二はどこに行ったんだ……?
とりあえず高校に行くか……。
その薄暗い路地裏を覗くと薄汚い金髪が自分より小柄な誰かの胸倉を掴んでいる。
「お前、急に髪も染めて何調子乗ってんだよ?お前は前みたいにオレに金を渡しとけばいいんだ。メガネもやめて何デビューだよ?」
そう言って、そいつは胸倉を掴んでいる相手に腕を振りかざして殴ろうとした。オレは咄嗟にそいつの腕を掴んだ。
「なっ、誰だよ……?!」
薄汚い金髪はあいつーーあの落ちぶれたヤンキーだった。今日も今日とてこいつはブレザーをだらしなく着崩している。
「なに自分よりちいせぇヤツ殴ろうとしてんだよ。しかも無抵抗な相手に」
「お前またオレの邪魔しやがって!」
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「く、くそっ!離せっ!」
「オレに殴られたくなかったらとっとと失せろ」
オレが手を離すと落ちぶれたヤンキーはオレを睨みつけた。
「ふん、時間があればお前なんかボコボコにしてやんのに……」
落ちぶれたヤンキーは「覚えてろよ」という捨て台詞を吐いてどこかへと去って行った。
「うぅ、ありがと、うございます……」
「って、あれお前……?」
先ほど落ちぶれヤンキーに絡まれていたのは舎弟希望の中学生ヤンキーだった。泣きながらオレに礼を言い、鼻をすすっている。
まだあどけない中学生だ。舎弟希望と言っていたけど、高校生にカツアゲされたら怖いよな。何となくオレはその中学生の頭をガシガシと撫でてやった。
さて、オレは雄二を探さないと。
「じゃあな……っ……?」
オレが行こうとしたら中学生ヤンキーがオレのパーカーの袖を引っ張って引き留めた。
「ま、待ってください……ど、どうしたら喧嘩が強くなる、んですかぁ?」
泣きじゃくりながら中学生ヤンキーがオレにそう言うのでオレはビビった。
「って言われてもなぁ……」
なんかよく分からんねぇあいだに強くなってたし……。
「山神番長に助けられる、の……2回目で……ぼ、ぼく、強くなりたくて……」
オレが困っていると中学生ヤンキーは続けてそう言った。ん?2回目?オレ、こいつ助けた覚えなんてねぇけど。
「人違いじゃねぇか?オレ、お前助けた覚えなんてねぇよ」
「うっ、うっ……僕、前は黒髪で……地味で……前もカツアゲされてる時に……今日みたいに助けてもらって……」
そいつの顔をじっと見て思い出した。少し前にカツアゲされているヤツを助けた覚えがある。って言っても、偶然通りかかってむしゃくしゃしてて、小さいヤツを殴ろうとしていたヤツがムカついてボコったんだった。
こいつがあの時のあいつだったのか……。あんときは黒髪でメガネで大人しそうな見た目だったから気付かなかった。
「ぼく……あ、おれ、もうあんな風にカツアゲされるの嫌で……」
「お前もともと俺って言うキャラじゃないんだろ?無理して不良になろうとすんなよ。まぁ、でも今度撃退の仕方くらいなら教えてやるよ」
「うぅっ、ありがとうございます……!」
中学生ヤンキーと約束するとオレは路地裏を後にした。
さて……雄二はどこに行ったんだ……?
とりあえず高校に行くか……。
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