【本編完結】イクと激弱になる喧嘩番長は皆に狙われる

miian

文字の大きさ
上 下
6 / 62
第一章 神の呪い

早引けしよう

しおりを挟む
「ふわぁあ」

 オナニーをして眠りについていたオレは大きな欠伸をした。
 欠伸しながら起き上がると、もうすでに雄二が来ていて横に立っていた。

「おわっ、来てたなら起こせよ」

 いつもなら「早く起きろ」とか「いつまで寝てんだ」って声をかけるのに、今日の雄二は何も言わずに立っているだけだった。

「あ、あぁ、わりぃ……。頬の傷、大丈夫か?」

 雄二が何故か一瞬気まずそうに眼を逸らした後、オレの頬の傷を人差し指の背中で優しく撫でるようにして確認した。

「ん?あぁ、これくらい大丈夫だ」
「お前、またオナニーしたのか?」
「あったりまえだろ!オレの日課だかんな」

 呆れた口調で雄二に言われて腹が立ったので、フンと言った感じで返事してやった。

「イカくせぇんだよ。部屋の窓開けんぞ」

 イカくさい?そんなこと今まで言われたこともなければ気にしたこともなく、臭いを嗅いでみる。

「くさいか?オレには分からん」
「いや、まぁ自分では分からないのかもな……」

 手慣れた感じでオレの部屋の窓を開ける。ちなみに窓を開けると雄二の部屋の窓が見える。

「ははっ、なんかお前、おかんみたいだな」

 そうからかうと雄二はオレをにらみつけた。キリっとした目をした雄二もオレと同じく大分端整な顔たちだ。
 例えにらみつけている表情だとしても、女ならときめくやつは多いんじゃないだろうか?
 まぁ、オレの方がイケメンだから、オレには負けるけどな。

「なんだよ、怒るなよ。と言うか、お前顔赤いぞ?風邪でも引いてんじゃね?」
「風邪引いて鼻詰まってくれたらこのイカくさい臭いも嗅がなくてすむんだけどな」

 雄二の様子がいつもと違う気がしつつ、用意された制服を来て高校へと向かった。高校に向かう途中で雄二が警戒するように辺りを見回した。昨日、落ちぶれたヤンキーがオレに殴りかかろうとした道だ。

「なんだよ?昨日のことで警戒してんのか?大丈夫だって、もう油断しねぇから」
「お前はまたそんなこと言って……」
「ーーあんなとこにあんなんあったっけ?」

 オレが昨日尻餅をついた場所であろう所に花が置かれていた。よく見ると、花の向こうにある石が割れている。

「ん?」

 雄二がオレが見ていた方を見ようとした時だった。

「山神慎太!今日こそはお前をやっつけてやる!」

 昨日雄二にあれだけボコボコにされたはずなのに落ちぶれたヤンキーがまたオレたちの前に現れた。

「はぁ、昨日失神してたのに懲りないヤツだな……。俺がやる……」

 隣にいた雄二が呆れた口調でそう呟いた。雄二がそのヤンキーに拳を上げようとしたのが分かったので、その手を引き留める。

「やっぱオレがトドメ刺さないと駄目なんだ。オレに任せとけ!」
「いや、俺がやる」

 いつもならオレに譲る雄二が何故か自分で仕留めると譲らなかった。トドメを刺したと思っていたヤンキーが歯向かってきたからイラついてんのかな?

 そんな風なやり取りをしている間に狙う隙はいくらでもあるはずなのに、落ちぶれたヤンキーはこちらへと向かってこない。雄二もそれに気づいたのか2人でヤンキーの方を見た。

 すると、ヤンキーはオレを見て何故か顔を真っ赤にしている。

「な、お前、なんかイヤらしいぞっ……!」

 そう吐き捨てて、落ちぶれたヤンキーはどこかへと走っていった。2人で首を傾げながら、まぁとりあえず高校へ向かうかと歩き始めた。

 そして、その日、舎弟希望の中学生やオレに目をつけている教師、掃きだめクラスの上級生がオレの前に立つと、顔を赤くして何処かへと去っていくのだった。

「なんかお前、今日変な奴に絡まれやすそうだからさっさと帰れ」

 いつもサボる屋上で雄二がそうオレを窘めた。いや、絡んでくるくせにどっか行くから実際のところ絡まれてはないんだけど……。

 でも、なんか今日は変な感じだし、しょうがなしに帰ってオナニーでもしようかと立ち上がった。すると雄二も一緒に立ち上がった。

「ん?なんだ?お前も帰んの?」
「あぁ、俺もだるいし帰るわ」

 まぁいっかと思って雄二と一緒に家へと帰った。
 うちの家は母子家庭でおふくろしかいないから、大体夜まで家に人がいることがほとんどない。

(ーー明るいうちからオナニーしてやろう!)

 こんな明るい時からオナニーできるなんて、最高だ!
 あ、いや、朝方したっけな?まぁ、オナニーは何回してもいいしな。

(とっておきのオナホでオナニーしまくってやる)

 以前、雄二と私服で大学生風を装ってアダルトグッズのお店へ行ったことがある。その時、小遣いを奮発してオナホを買ったのだ。
 そう言えば、あの時、雄二はエロ本買ってたけど、いつもはオレに見せる癖に見せてこなかったな。

「あ、しん……」
「じゃぁ、またな!」

 お互いの家の前につき、雄二がオレに話しかけるも、オレはオナニーしたい欲が勝って颯爽と家に入った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

陛下の失われしイチモツをみつけた者を妃とする!………え、ヤバいどうしよう!?

ミクリ21
BL
主人公がヤバいことしてしまいました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

目が覚めたら囲まれてました

るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。 燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。 そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。 チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。 不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で! 独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

処理中です...