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第一章 神の呪い
幼馴染の雄二
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オレ、山神慎太は高校一年生にも関わらず、絡んできた三年生を潰したことによって、ここら辺を束ねる喧嘩番長になった。
高校入ってすぐに番長を潰したおかげで、上級生はオレにビビッてデカい顔もしてこないし平穏な高校生活をつい最近まで過ごしていた。
あの日が来るまでは……
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「慎太、一緒に行こうぜ」
隣の家に住む幼馴染で同じく不良の寺山雄二がいつものように部屋の扉を開けて、寝ているオレに声かける。
「お前また染めたの?」
「んー?あぁ、気分転換に……」
雄二が寝ている俺の髪を触る。この前まで金髪だったけど、気分転換に昨日茶髪に染めたのだ。
「お前、自分でやると放置時間とか適当ですぐ痛むんだから呼べよな」
「真夜中に思い立ったんだからしょうがねぇだろ」
ぶっきらぼうに答えると、ガシガシと髪を乱され、枕に突っ伏していた顔を上げて雄二を睨む。
「昔は結構可愛い顔して女の子に間違えられることもあったのに、今じゃそんなドスの効いた顔するなんて」
「うるせぇ」
小さい頃から強い男を目指して喧嘩ばかりしてきた。腕っぷしはあったものの、小さい頃は色白で細くて、女の子に間違えられることがたまにあった。
そのことを未だにからかいのネタとして言う雄二に腹が立ち、雄二の腹めがけてパンチした。
雄二はうめき声をあげつつも腹筋に力を入れたのか、あまり痛くなさそうだ。
(ーーこいつまた筋肉つけたのか?)
目の前の雄二を改めて見る。黒髪にサラッとした髪をワックスで少し跳ねさせている。
昔からオレと一緒に殴り合いの喧嘩をしてきたので、筋肉質も同じはずなのにオレのパンチを簡単に受け止める雄二にイラっとする。
それに雄二は昔はオレより身長が低かったのに今ではオレより数センチ高い。
いやオレだって身長は平均以上あって176cmあるんだぞ?
(よく一緒にいるから食ってるものも同じなのにおかしいだろ……)
前に聞いた時は178cmと言っていた。オレだってすぐに追い抜かしてやるんだからな。
「何だよ、じろじろ見て。ってお前昨日もオナニーしてたのかよ?」
床に散らばってるティッシュを見て雄二が呟いた。
「あぁ、そうだよ。お前だって毎日してるだろ?」
「あーまぁ」
雄二はオレの言ったことが図星だったのか、ぷいっとそっぽ向いたのが、少し照れているように感じて不思議に思った。だって、雄二とは一緒にオナニーしたこともあったからだ。
小学生の頃、初めてエロ本を道で拾った時だって、興奮して一緒に見てたんだ。
中学生の頃はAV見ながら横でお互いに抜いてたし。まぁ、女の趣味はオレとは全然違ったけど。
オレは巨乳が好きだけど、雄二は貧乳が好きだ。
それにオレは黒髪の清楚系が好みだけど、雄二は茶髪とか金髪とか少しギャルっぽいのが好きっぽい。
見た目とは違ってムッツリなんだよな、雄二って。
「ほら、お前、この前喧嘩した時に教師に目つけられたんだろ?行くぞ」
そう言って、雄二は手慣れたようにオレの制服をクローゼットから取り出して、オレに投げつけた。
うちの高校は学ランで中に着るシャツも指定であるものの、雄二はオレが中にパーカーを着るのがお気に入りなことを分かっていて、ちゃんとパーカーを投げつけてくる。
ちなみに雄二はシャツのボタンを外してルーズに着こなすタイプだ。
半ば蹴り飛ばしていた布団から出て少し身長の高い雄二を見ると、雄二はどこか下の方を見ていた。
(ーーどこ見てんだ?あぁ、オレのこの筋肉を見てんだな)
パンイチで寝ていたオレはほとんど裸に近い状態だ。雄二の視線を見るとオレのお腹を見ていたので、オレはソフトで綺麗に割れた腹筋を見せつけるように力を入れた。
「……なにやってんだ?」
「なぁ、1回殴ってくれよ」
あきれたような目でオレを見る雄二に殴ってくれと頼む。先ほどのパンチをはじかれたのが悔しかったので意趣返しのつもりだ。
今までにも何度か殴ってくれと言ったことがあり、雄二のパンチを受けるまでオレが引かないことも分かっているのか、すぐに力を込めて腹にパンチしてきた。
(い、いてぇ……)
思ってたより体重を乗せて殴ってきたけど、先ほどの雄二みたいにうめき声をあげなかったので、オレの勝ちだな。
満足してオレは制服を来て、雄二と学校へと向かった。
高校入ってすぐに番長を潰したおかげで、上級生はオレにビビッてデカい顔もしてこないし平穏な高校生活をつい最近まで過ごしていた。
あの日が来るまでは……
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「慎太、一緒に行こうぜ」
隣の家に住む幼馴染で同じく不良の寺山雄二がいつものように部屋の扉を開けて、寝ているオレに声かける。
「お前また染めたの?」
「んー?あぁ、気分転換に……」
雄二が寝ている俺の髪を触る。この前まで金髪だったけど、気分転換に昨日茶髪に染めたのだ。
「お前、自分でやると放置時間とか適当ですぐ痛むんだから呼べよな」
「真夜中に思い立ったんだからしょうがねぇだろ」
ぶっきらぼうに答えると、ガシガシと髪を乱され、枕に突っ伏していた顔を上げて雄二を睨む。
「昔は結構可愛い顔して女の子に間違えられることもあったのに、今じゃそんなドスの効いた顔するなんて」
「うるせぇ」
小さい頃から強い男を目指して喧嘩ばかりしてきた。腕っぷしはあったものの、小さい頃は色白で細くて、女の子に間違えられることがたまにあった。
そのことを未だにからかいのネタとして言う雄二に腹が立ち、雄二の腹めがけてパンチした。
雄二はうめき声をあげつつも腹筋に力を入れたのか、あまり痛くなさそうだ。
(ーーこいつまた筋肉つけたのか?)
目の前の雄二を改めて見る。黒髪にサラッとした髪をワックスで少し跳ねさせている。
昔からオレと一緒に殴り合いの喧嘩をしてきたので、筋肉質も同じはずなのにオレのパンチを簡単に受け止める雄二にイラっとする。
それに雄二は昔はオレより身長が低かったのに今ではオレより数センチ高い。
いやオレだって身長は平均以上あって176cmあるんだぞ?
(よく一緒にいるから食ってるものも同じなのにおかしいだろ……)
前に聞いた時は178cmと言っていた。オレだってすぐに追い抜かしてやるんだからな。
「何だよ、じろじろ見て。ってお前昨日もオナニーしてたのかよ?」
床に散らばってるティッシュを見て雄二が呟いた。
「あぁ、そうだよ。お前だって毎日してるだろ?」
「あーまぁ」
雄二はオレの言ったことが図星だったのか、ぷいっとそっぽ向いたのが、少し照れているように感じて不思議に思った。だって、雄二とは一緒にオナニーしたこともあったからだ。
小学生の頃、初めてエロ本を道で拾った時だって、興奮して一緒に見てたんだ。
中学生の頃はAV見ながら横でお互いに抜いてたし。まぁ、女の趣味はオレとは全然違ったけど。
オレは巨乳が好きだけど、雄二は貧乳が好きだ。
それにオレは黒髪の清楚系が好みだけど、雄二は茶髪とか金髪とか少しギャルっぽいのが好きっぽい。
見た目とは違ってムッツリなんだよな、雄二って。
「ほら、お前、この前喧嘩した時に教師に目つけられたんだろ?行くぞ」
そう言って、雄二は手慣れたようにオレの制服をクローゼットから取り出して、オレに投げつけた。
うちの高校は学ランで中に着るシャツも指定であるものの、雄二はオレが中にパーカーを着るのがお気に入りなことを分かっていて、ちゃんとパーカーを投げつけてくる。
ちなみに雄二はシャツのボタンを外してルーズに着こなすタイプだ。
半ば蹴り飛ばしていた布団から出て少し身長の高い雄二を見ると、雄二はどこか下の方を見ていた。
(ーーどこ見てんだ?あぁ、オレのこの筋肉を見てんだな)
パンイチで寝ていたオレはほとんど裸に近い状態だ。雄二の視線を見るとオレのお腹を見ていたので、オレはソフトで綺麗に割れた腹筋を見せつけるように力を入れた。
「……なにやってんだ?」
「なぁ、1回殴ってくれよ」
あきれたような目でオレを見る雄二に殴ってくれと頼む。先ほどのパンチをはじかれたのが悔しかったので意趣返しのつもりだ。
今までにも何度か殴ってくれと言ったことがあり、雄二のパンチを受けるまでオレが引かないことも分かっているのか、すぐに力を込めて腹にパンチしてきた。
(い、いてぇ……)
思ってたより体重を乗せて殴ってきたけど、先ほどの雄二みたいにうめき声をあげなかったので、オレの勝ちだな。
満足してオレは制服を来て、雄二と学校へと向かった。
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