7 / 80
第一章 手に入れた能力
誰かがやって来た
しおりを挟む
食事を終え、トルデンと向かい合って座っていた時だった。トントンという扉をノックする音が聞こえ、トルデンは立ち上がり扉の方へと向かった。扉を開けると呑気で朗らかな声が聞こえる。
「トルデン!もう体調は大丈夫かい?」
声の主の方を見ると、トルデンと同じ金色の髪をした白い騎士服を着た男が立っていた。金色の髪はウェーブがかっていて肩上まであり、白い騎士服を着ている。トルデンと違うのは青い透き通るような瞳をしていることだ。そして、もう1人その男の後ろに別の男が立っていた。そいつは黒い長い髪に真っ黒な瞳をしていて、トルデンや先ほどの男とは真逆の黒い騎士服を身にまとっている。でも、分かるのは今訪れたどちらの人間も顔は整っていてイケメンってことだ。
「ラウリア……来てくれたんですか?……エンフィルも……」
トルデンは最初に話しかけてきた男の名前ーーラウリアと呼んだ後、後ろにいる男の名前を呼んだ。でも、その名前を呼ぶときのトルデンの声がどこか震えているようで、オレはその様子が気になって何故か椅子から立ち上がっていた。
「トモヤっ!」
オレが立ち上がったことに気付いたトルデンが慌ててオレの名を呼んだ。トルデンがオレの名前を呼ぶと同時にオレの頭はクラクラして机に手をついていたのだ。食事をとって元気になったと思ったけど、まだまだ本調子じゃなく、立ち眩みしたようだ。トルデンが慌てて駆け寄りオレを抱きとめる。
「まだ2人とも本調子じゃない時に来てしまったみたいだね……。僕たちはまた出直すよ」
先ほどラウリアと呼ばれた男がそう言って部屋を去った。トルデンも2人が去る直前に扉の方へと振り返り「すみません、また……」と言った後、オレを抱きかかえベッドへと連れて行った。ただ立ち眩みしただけで、そこまで心配しなくてもいいのに、と思うのにトルデンはオレをゆっくりとベッドに横たわらせた。オレが起き上がろうとしなことを確認して、トルデンは肌触りのいい軽い毛布を肩までしっかりとオレに被せた。
「さっきのは誰だ……?」
「……私の兄のラウリアと、弟のエンフィルです。と言っても血は半分しか繋がっていないんですが……」
そう言ったエンフィルの顔はどこか複雑そうだった。どうしてさっき弟の名を呼ぶときトルデンの声が震えていたのか気になって聞こうと思ったのに、お腹が膨れたオレは目がとろんとしていた。おまけにトルデンがオレのおでこを優しく撫でるのでオレはいつの間にか眠りについていた。
「トルデン!もう体調は大丈夫かい?」
声の主の方を見ると、トルデンと同じ金色の髪をした白い騎士服を着た男が立っていた。金色の髪はウェーブがかっていて肩上まであり、白い騎士服を着ている。トルデンと違うのは青い透き通るような瞳をしていることだ。そして、もう1人その男の後ろに別の男が立っていた。そいつは黒い長い髪に真っ黒な瞳をしていて、トルデンや先ほどの男とは真逆の黒い騎士服を身にまとっている。でも、分かるのは今訪れたどちらの人間も顔は整っていてイケメンってことだ。
「ラウリア……来てくれたんですか?……エンフィルも……」
トルデンは最初に話しかけてきた男の名前ーーラウリアと呼んだ後、後ろにいる男の名前を呼んだ。でも、その名前を呼ぶときのトルデンの声がどこか震えているようで、オレはその様子が気になって何故か椅子から立ち上がっていた。
「トモヤっ!」
オレが立ち上がったことに気付いたトルデンが慌ててオレの名を呼んだ。トルデンがオレの名前を呼ぶと同時にオレの頭はクラクラして机に手をついていたのだ。食事をとって元気になったと思ったけど、まだまだ本調子じゃなく、立ち眩みしたようだ。トルデンが慌てて駆け寄りオレを抱きとめる。
「まだ2人とも本調子じゃない時に来てしまったみたいだね……。僕たちはまた出直すよ」
先ほどラウリアと呼ばれた男がそう言って部屋を去った。トルデンも2人が去る直前に扉の方へと振り返り「すみません、また……」と言った後、オレを抱きかかえベッドへと連れて行った。ただ立ち眩みしただけで、そこまで心配しなくてもいいのに、と思うのにトルデンはオレをゆっくりとベッドに横たわらせた。オレが起き上がろうとしなことを確認して、トルデンは肌触りのいい軽い毛布を肩までしっかりとオレに被せた。
「さっきのは誰だ……?」
「……私の兄のラウリアと、弟のエンフィルです。と言っても血は半分しか繋がっていないんですが……」
そう言ったエンフィルの顔はどこか複雑そうだった。どうしてさっき弟の名を呼ぶときトルデンの声が震えていたのか気になって聞こうと思ったのに、お腹が膨れたオレは目がとろんとしていた。おまけにトルデンがオレのおでこを優しく撫でるのでオレはいつの間にか眠りについていた。
14
お気に入りに追加
90
あなたにおすすめの小説
突然異世界転移させられたと思ったら騎士に拾われて執事にされて愛されています
ブラフ
BL
学校からの帰宅中、突然マンホールが光って知らない場所にいた神田伊織は森の中を彷徨っていた
魔獣に襲われ通りかかった騎士に助けてもらったところ、なぜだか騎士にいたく気に入られて屋敷に連れて帰られて執事となった。
そこまではよかったがなぜだか騎士に別の意味で気に入られていたのだった。
だがその騎士にも秘密があった―――。
その秘密を知り、伊織はどう決断していくのか。
【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。
白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。
最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。
(同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!)
(勘違いだよな? そうに決まってる!)
気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。
転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!
めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。
ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。
兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。
義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!?
このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。
※タイトル変更(2024/11/27)
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
仔犬のキス 狼の口付け ~遅発性オメガは義弟に執心される~
天埜鳩愛
BL
ハピエン約束! 義兄にしか興味がない弟 × 無自覚に翻弄する優しい義兄
番外編は11月末までまだまだ続きます~
<あらすじ>
「柚希、あの人じゃなく、僕を選んで」
過剰な愛情を兄に注ぐ和哉と、そんな和哉が可愛くて仕方がない柚希。
二人は親の再婚で義兄弟になった。
ある日ヒートのショックで意識を失った柚希が覚めると項に覚えのない噛み跡が……。
アルファの恋人と番になる決心がつかず、弟の和哉と宿泊施設に逃げたはずだったのに。なぜ?
柚希の首を噛んだのは追いかけてきた恋人か、それともベータのはずの義弟なのか。
果たして……。
<登場人物>
一ノ瀬 柚希 成人するまでβ(判定不能のため)だと思っていたが、突然ヒートを起こしてΩになり
戸惑う。和哉とは元々友人同士だったが、番であった夫を亡くした母が和哉の父と再婚。
義理の兄弟に。家族が何より大切だったがあることがきっかけで距離を置くことに……。
弟大好きのブラコンで、推しに弱い優柔不断な面もある。
一ノ瀬 和哉 幼い頃オメガだった母を亡くし、失意のどん底にいたところを柚希の愛情に救われ
以来彼を一途に愛する。とある理由からバース性を隠している。
佐々木 晶 柚希の恋人。柚希とは高校のバスケ部の先輩後輩。アルファ性を持つ。
柚希は彼が同情で付き合い始めたと思っているが、実際は……。
この度、以前に投稿していた物語をBL大賞用に改稿・加筆してお届けします。
第一部・第二部が本篇 番外編を含めて秋金木犀が香るころ、ハロウィン、クリスマスと物語も季節と共に
進行していきます。どうぞよろしくお願いいたします♡
☆エブリスタにて2021年、年末年始日間トレンド2位、昨年夏にはBL特集に取り上げて
頂きました。根強く愛していただいております。
主人公の兄になったなんて知らない
さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を
レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を
レインは知らない自分が神に愛されている事を
表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346
地味顔陰キャな俺。異世界で公爵サマに拾われ、でろでろに甘やかされる
冷凍湖
BL
人生だめだめな陰キャくんがありがちな展開で異世界にトリップしてしまい、公爵サマに拾われてめちゃくちゃ甘やかされるウルトラハッピーエンド
アルファポリスさんに登録させてもらって、異世界がめっちゃ流行ってることを知り、びっくりしつつも書きたくなったので、勢いのまま書いてみることにしました。
他の話と違って書き溜めてないので更新頻度が自分でも読めませんが、とにかくハッピーエンドになります。します!
6/3
ふわっふわな話の流れしか考えずに書き始めたので、サイレント修正する場合があります。
公爵サマ要素全然出てこなくて自分でも、んん?って感じです(笑)。でもちゃんと公爵ですので、公爵っぽさが出てくるまでは、「あー、公爵なんだなあー」と広い心で見ていただけると嬉しいです、すみません……!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる