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第一章 手に入れた能力
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ほどなくしてすぐに金髪の男は部屋に帰って来た。手には先ほどオレがあっという間にたいらげたものと同じ料理が湯気を立たせてまた用意されている。
「あまり食べ過ぎると気持ち悪くなるから先ほどより少なめにしておきました」
コトンと目の前に置かれた料理は先ほどと同様に美味しくてすぐになくなった。
「ふふっ、そんなに食べてもらえるなら作り甲斐がありますね」
「お前が作ったのか?」
「はい、私が作りました。いつでも作りますよ?」
キラキラと眩しい笑顔でそう言われたことよりも、いつでもこの美味しい料理が食べられるのは嬉しいななんてオレは考えてしまった。
「貴方がこちらの世界へ呼ばれた理由は私に毒が盛られて死にそうになっていたからなんです……。命を助けてくれてありがとう。貴方の名前を聞いても?」
肩までサラサラした金色の髪を靡かせ、金色の瞳でオレを覗き込む。その目はまるで小麦畑のような優しさがあり、オレはすんなりと名前を伝えていた。
「……友也……だ……」
「トモヤ…私を助けてくれてありがとう……」
目の前の男はニコッと笑った。そうやって誰かに微笑まれることが今までになかったので、オレは何故か居心地悪く感じた。でも、そんなオレの居心地の悪さには気づいていないようで、目の前の男は続けて口を開いた。
「私はトルデンです。このグルファン王国の第二王子です。私がもっと早く目を覚ましていたら、貴方を……友也をもっと早く助けることが出来たんですが……遅くなってごめんなさい……」
先ほどニコッと笑った表情とは逆に今度は申し訳なさそうな顔をしてオレに謝る。
「いや……あのまま地下牢にいたら死んでいたかもしれないから助かった……」
死んでいたかもしれないとオレが伝えるとトルデンはまた悲しそうな表情をした。
トルデンだって毒を盛られて死にそうになっていたというのだからあまり状況は変わらないと思うが、自分のせいでオレが死ぬのは嫌だったのかもしれない。
「あまり食べ過ぎると気持ち悪くなるから先ほどより少なめにしておきました」
コトンと目の前に置かれた料理は先ほどと同様に美味しくてすぐになくなった。
「ふふっ、そんなに食べてもらえるなら作り甲斐がありますね」
「お前が作ったのか?」
「はい、私が作りました。いつでも作りますよ?」
キラキラと眩しい笑顔でそう言われたことよりも、いつでもこの美味しい料理が食べられるのは嬉しいななんてオレは考えてしまった。
「貴方がこちらの世界へ呼ばれた理由は私に毒が盛られて死にそうになっていたからなんです……。命を助けてくれてありがとう。貴方の名前を聞いても?」
肩までサラサラした金色の髪を靡かせ、金色の瞳でオレを覗き込む。その目はまるで小麦畑のような優しさがあり、オレはすんなりと名前を伝えていた。
「……友也……だ……」
「トモヤ…私を助けてくれてありがとう……」
目の前の男はニコッと笑った。そうやって誰かに微笑まれることが今までになかったので、オレは何故か居心地悪く感じた。でも、そんなオレの居心地の悪さには気づいていないようで、目の前の男は続けて口を開いた。
「私はトルデンです。このグルファン王国の第二王子です。私がもっと早く目を覚ましていたら、貴方を……友也をもっと早く助けることが出来たんですが……遅くなってごめんなさい……」
先ほどニコッと笑った表情とは逆に今度は申し訳なさそうな顔をしてオレに謝る。
「いや……あのまま地下牢にいたら死んでいたかもしれないから助かった……」
死んでいたかもしれないとオレが伝えるとトルデンはまた悲しそうな表情をした。
トルデンだって毒を盛られて死にそうになっていたというのだからあまり状況は変わらないと思うが、自分のせいでオレが死ぬのは嫌だったのかもしれない。
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