もしも自分の人生が逆戻りしたら・・・

ムーワ

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第72章

ソウハルフリークラスを脱出!

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ソウハルがプロ棋士になってから5年の月日が流れた。

ソウハルはプロになった当初はなかなか白星を重ねられなかったが、プロ棋士になってから3年以降はどんどん勝てるようになってきてフリークラスを脱出することができた。

美晴は無事、現役で東京小説大学に合格し、学生時代にアルファットポリスから出した小説が人気となり、大学を卒業後は小説家への道に進んでいた。

美妃は現在、東京絵描き大学の2年生となり、クラウッドワークスなどでイラストレーターなどのバイトもしている。

ミキはもう60代になっており、すでにソウハルとは30歳程年齢が離れているが、二人は今でもラブラブである。

現在、将棋界ではすべてのタイトルを独占している井藤名人の強さが光っているが、対するソウハルも現在12連勝中で今回、テレビ放送で井藤名人と対局することになった。

美晴「ねぇ、新聞にも書いてあるよ。井藤名人対藤羽五段の対局だってさ」

美妃「私の学校のお友達からもお父さん、テレビにでるんでしょっていわれたよ」

ミキ「家族揃って応援するから勝ってほしいわ」

ソウハル「井藤名人の強さは異次元だから勝つのは厳しいかもしれないけど全力で頑張るよ」

ソウハルは井藤名人の棋譜を徹底的に分析してみたが、弱点を見つけることさえ難しく自分の将棋を指すよりないと思っていた。

ソウハル対井藤名人のテレビトーナメント当日の日、ソウハルはミキと美妃が作ってくれた特製弁当を持って対局に挑んだ。

ソウハルが始めてテレビトーナメントに出場するので、ミキ、美晴、美妃の3人はテレビの前で固唾をのんで見守っていた。

先手番を握ったソウハルは井藤名人に対し先手7八金と指したのである。通常7六歩か2六歩と指すものだが、7八金は振り飛車相手には不利だといわれてもいる。理由は7八金と形を決めてしまうと、相手が振り飛車を指してきた場合、玉を6八から7八と早めに囲うことができなくなってしまうからである。

ソウハルの挑発には乗らず井藤名人はいつもどおりに居飛車を指してきた。中盤までは全く互角の形勢で難解な将棋が続いていたが、井藤名人の強烈な攻めが炸裂してソウハル玉はあっという間に寄せきられてしまった。

テレビの前で見守っていたミキ、美晴、美妃はがっかりしたが、「お父さん良く頑張った」とみんなでたたえあった。

ソウハルは井藤名人には勝てなかったが、後日、A級棋士相手に勝利するなど着々に力をつけていた(続)



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