もしも自分の人生が逆戻りしたら・・・

ムーワ

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第70章

プロ編入試験第4局

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ソウハルは現在、プロ編入試験の成績が2勝1敗となっており、残りの2局であと1勝すればプロ棋士になれるところまできた。

ただし、次の対戦相手の藤齊四段は現在、好調をキープしており、今まで挑戦してきたアマチュアをすべて打ち負かしてきたアマチュアキラーとしても知られている。

美晴「お父さん、次勝てば念願のプロ棋士になれるね」

美妃「お父さん、これよかったら持っていって」



ソウハル「これはなーに?」

美妃「これはね、家族でお父さんに宛てたメッセージが入っているのよ」

ソウハル「この瓶の中に」

ミキ「そうよ。美妃がね、お父さんにメッセージを送ろうって。これなら会場に持っていけるし、邪魔にならないでしょ」

ソウハル「みんなありがとう」

ソウハルは第4局の当日、ミキと美妃の作った特製弁当とメッセージの入った瓶をカバンに入れて対局会場へ向かった。

藤齊四段といえば今、将棋界では最も強い井藤名人の兄弟子でもあり、振り飛車党の使い手としても知られている。

いつものように早々と会場に入ったソウハルはマックスプラスを飲むと、対局室に入って精神統一の儀式を行った。しばらくすると藤齊四段が対局室に入り、両対局者が挨拶をすると対局が始まった。

振り駒の結果、先手が藤齊四段に決まった。先手、5六歩、後手、8四歩の出だしから藤齊四段は5八飛と中飛車にしてきた。その後、しばらく駒組が続き藤齊四段は五筋の位を取り、美濃囲いにするとソウハルも美濃囲いの堅陣を築いた。

藤齊四段は五筋、六筋の位を制圧し、ソウハルは7五歩と角の頭を狙って仕掛け戦いが始まった。

中盤、ソウハルが五筋の位を奪還して形勢がやや有利になったが、藤齊四段も7六飛と飛車を好位置に持ってきて難しい形勢が続いた。ソウハルは美濃囲いから銀冠にして上部にも強い陣形を築いた。

その後、銀桂交換となり藤齊四段がやや有利になるも、藤齊四段の悪手もあり飛車の捕獲に成功したソウハルが有利な形勢になった。

しかし、ソウハルが指した9六龍が悪手となり優劣不明の進行が続いた。

終盤に入り、2五同桂と王手をかけた局面ではソウハルが有利だったが、ソウハルの指した3三金が悪手で5五角と引いた局面では藤齊四段が有利になった。

以降、藤齊四段が正確に寄せきり5三角成と指されたところでソウハルは無念の投了をした。

感想戦では藤齊四段から3三金と指したところで2九香成ならばソウハルが有利だったと指摘を受けた。ソウハルにも十分勝機のある将棋だっただけに悔しくて仕方なかった。

感想戦を終えるとソウハルはいつものように大好物の牛丼をひたすら食べて、帰宅すると家族みんなが「まだ次があるよ」と励ましてくれた。ミキはソウハルの負けず嫌いで、負けると子どもっぽくなる性格も知っていたので、まるで子どもが3人いるかのような感じだった。ミキはすでに50代後半であり、ソウハルは30代後半だったので年齢も完全に逆転したが、いまだにミキが女子高生ルックをするとソウハルは喜んでミキを抱いてセックスをしていた(続)

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