もしも自分の人生が逆戻りしたら・・・

ムーワ

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第65章

美妃とサッカー部のキャプテンの運命は?

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もうすぐ、美晴は高校3年生、美妃は中学3年生になる頃、ソウハルもプロ棋士との直近成績が7勝3敗だった。

美妃は中2の春休みに学校へ行ってはデッサンをしていた。いつものように外で運動部の生徒のデッサンをしている最中に、「うわー、この絵まるでライジングサンだね」と声をかけられた。

美妃「あっ、キャプテン、ライジングサン?」

サッカー部キャプテン「うん、まるであの太陽のように真っ赤に燃えて昇っていくそんな風に見えたんだ」

美妃「そんなことまさかいわれるだなんて思ってもみなかったわ。じつは私もサッカー部の選手たちが太陽のように真っ赤に燃えて昇っていくようなプレーをしているそんな風に思いながら描いていたのよ」

サッカー部キャプテン「えっ、そうなんだ。とっても素敵だよ」

美妃「もし、この作品ができたらあげようか?」

サッカー部キャプテン「えっ、くれるの。うちの部室に飾っておくよ」

美妃「うん」

サッカー部キャプテン「それとさあ、映画とかって好き?」

美妃「うん、ジャンルにもよるけど」

サッカー部キャプテン「今、もしも自分の人生が逆戻りしたらっていう映画のチケットを2枚もらったんだよ」

美妃「えっ、それってどんな映画なの?」

サッカー部キャプテン「お墓から生まれた高齢者がどんどん若返って人生逆戻りする映画なんだよ?」

美妃「も・も・もしかして、その主人公って男の人」

サッカー部キャプテン「僕も詳しくはわからないけど」

美妃「なんだかちょっと興味あるわ」

サッカー部キャプテン「じゃ、今度の日曜日に待ち合わせしていこうよ」

美妃「うん」

美妃は以前からサッカー部のキャプテンが気になっていたので、映画に誘ってくれたのはすごく嬉しかった。ただ、もしも自分の人生が逆戻りしたらって映画が気になって仕方なかった。まるで、年々若返っている私のお父さんをモデルにした映画なのかなって思った。

美妃「ねぇ、お父さん、もしも自分の人生が逆戻りしたらって映画知ってる?」

ソウハル「そんな映画知らないよ」

美晴「僕も聞いたことないな」

ミキ「なんか主人公は男の人でプロ野球選手になる映画みたいよ」

美妃「私ひょっとしたらお父さんがモデルの映画なのかなって一瞬、思ったのよ」

美妃は当日、サッカー部のキャプテンと待ち合わせをして映画を観に行った。二人は始めてのデートだったが、普段からよく学校で話していたので、普通に恋人のような感じで学校内での出来事について話しをしながら映画館に着くとほとんどしゃべらずに映画に没頭していた。

人生を逆戻りした男性が50代でプロ野球の選手を目指して、30代でプロ野球に入り、18歳で引退し、学生に戻って最後は赤ん坊の姿になって生涯を終える内容だった。

サッカー部キャプテン「なんだか不思議な映画だったね」

美妃「でも、とっても面白かったわ」

サッカー部キャプテン「現実世界ではありえないからね」

美妃「なんだか今日はありがとう」

サッカー部キャプテン「美妃ちゃん、よかったら僕とお付き合いしてくれないかな」

美妃「うん、よろしくお願いします」

美妃は以前からずっと気になっていたサッカー部のキャプテンと中2の春休みからお付き合いすることになった(続)



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