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第48章
いじめについて考えてみよう
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月日は流れ、美晴は小学2年生、美妃が年中になった。
ミキ「最近、なんだか美晴元気ないみたいじゃない?」
ソウハル「確かに少し口数が少ないような気がするよね」
ミキ「何かあったのかしらね?」
ソウハル「美晴はいつも楽しいことしか話さないからね。そういえば昨日も寝ているときに歯ぎしりしていたな」
ミキ「歯ぎしり?」
ソウハル「うん。僕もさりげなく美晴の様子を探ってみるよ」
その後、数日間、美晴の様子を伺ってみたが、相変わらず口数が少なく冴えない表情をしていたが、ソウハルやミキに相談することはなかった。美晴と一緒にお風呂に入った時、ソウハルが「美晴、最近ちょっと元気がないように見えるけど何かあったの」と聞いてみると「いや、べつに」としか返事が返ってこなかった。
ソウハルとミキは美晴の歯ぎしりもひょっとしたら何か原因があるのではないかと、美晴が定期的に通っている歯科医にも聞いてみると「基本的にお子様の歯ぎしりはほとんどのケースで問題がない」とのことだった。子どもの歯ぎしりは成長過程によってよくおこる現象で、10歳までの子どもの約40%ぐらいは歯ぎしりをしているようです。
ポイント、子どもが歯ぎしりをする3つの原因
1、顎の位置を決める(生後6カ月~8カ月頃、歯ぎしりをして顎の位置を決めている)
2、かみ合わせを決めるため(乳歯が生え始める頃、かみ合わせを決めるために歯ぎしりを始める)
3、永久歯が生えるスペースを作るため(4歳~6歳ぐらいになると永久歯が生えるスペースを確保するために歯ぎしりをします)
ミキ「特に歯ぎしりが原因というわけではなさそうね」
ソウハル「でも、いじめや友人関係など精神的ストレスから起こることもあるみたいだよ」
ミキ「子どもの歯ぎしりは背後にある要因に注意する必要があるって書かれているわね」
ソウハル「もうしばらく様子を見てみよう」
しばらく、美晴の様子を見てみることにしたが、特に何も変化はなかった。しかし、ある日、突然ミキの前で「ぼくもうがっこうなんて行きたくない」っていったのです。
ミキ「美晴、何かあったの?」
美晴「ぼく、もっとはやくはなそうと思ったんだけどいじめられていることをはなすと、みんなの空気もわるくなりそうだから・・・」
ソウハル「美晴はずっと我慢してたんだね」
美晴「うん」
ミキ「美晴、どんなことがあったのか話せる」
美晴「サッカーとかをしてみんなであそぶ時にぼくだけなかまに入れてくれなかったり、ふでばこなどをかくされたり、ぼくはやっていないのにかだんをこわしたのはぼくだってみんながせんせいに言ったり・・・がっこうなんて」
ソウハルとミキは美晴のことについて話し合った。そして、ネットなどで子どもがいじめを受けていることがわかった場合の対処法についても調べてみた。1つ目には「本人が言った話を記録すること」と書かれていた。学校や相談機関の話しあいの資料にもなるからです。もう一つは、「子どもの安全を確保すること」と書かれていた。いじめがある場合は躊躇せずに学校を休ませる。学校を休めば「社会性や学力が身につかない」と心配される方もいるかもしれませんが、いじめを受け続けて見につくのは学力や社会性ではなく、憎しみや自己否定感であり、親に訴えても救ってくれなかったという不信感です。
ソウハル「美晴はしばらく学校休ませよう」
ミキ「そうね。今までずっと我慢してきたのよね」
ソウハル「ずっと話そうと思っても、自分がいじめられていることを話すと、みんなの空気が悪くなるから話せなかったんだよね」
翌日からしばらくの間、美晴を休ませることにした。ミキは美晴が話していたことを文章にして担任に渡した。学校へのいじめの相談や交渉もまずは「文章」で提出すると担任も落ち着いて読むことができます(一番悪いのは感情的になって学校に電話をしてしまうことです)。さらに文章の利点は仮に担任のところでいじめの問題が止まってしまったとしても、同じ内容の文章を校長や教頭のところに持っていけば共有することもできるからです。
いじめの問題については2013年に施行された「いじめ防止対策推進法」により「学校は報告があった場合には事実を確認すること、その結果、いじめがあったと認められる場合にはいじめをやめさせ、その再発を防止するために」助言、さらに犯罪に近い行為があった場合には警察への通報が義務付けられました。こういったことからも「文章」にしていじめ相談があった場合、ほぼ8割の学校は動いてくれるようです。
美晴はしばらく学校を休ませている間は、学習が疎かにならないようにソウハルやミキが勉強を教えていた。また、美妃が幼稚園から帰ってくると、二人でかくれんぼをしたり、絵を書いたり、トランプをしたりして一緒になって遊んでいた。
その後、美晴の学校側でとった対応は、加害者の子ども一人一人に教員から「これはいじめでありやってはいけないこと」だと話しました。さらに加害者の保護者にも学校に来てもらい、「こういう事案が発生して学校側はこのような対応を取りました」と話しました。
約1週間程経過し、美晴は久しぶりに学校へ登校した。するといじめていた児童がきて「みはるくん、ごめんね」と次々に謝り美晴は「僕は元気だからみんなと一緒に遊びたいな」って話しました。
美晴が家に帰ってきて「すごく学校楽しかった」と笑顔で話していたので、ソウハルとミキはとても安心しました。また、担任からも「美晴君、みんなと一緒に楽しそうに遊んでいますよ」といわれ、今では美晴は毎日、元気に学校へ通っています(続)
ミキ「最近、なんだか美晴元気ないみたいじゃない?」
ソウハル「確かに少し口数が少ないような気がするよね」
ミキ「何かあったのかしらね?」
ソウハル「美晴はいつも楽しいことしか話さないからね。そういえば昨日も寝ているときに歯ぎしりしていたな」
ミキ「歯ぎしり?」
ソウハル「うん。僕もさりげなく美晴の様子を探ってみるよ」
その後、数日間、美晴の様子を伺ってみたが、相変わらず口数が少なく冴えない表情をしていたが、ソウハルやミキに相談することはなかった。美晴と一緒にお風呂に入った時、ソウハルが「美晴、最近ちょっと元気がないように見えるけど何かあったの」と聞いてみると「いや、べつに」としか返事が返ってこなかった。
ソウハルとミキは美晴の歯ぎしりもひょっとしたら何か原因があるのではないかと、美晴が定期的に通っている歯科医にも聞いてみると「基本的にお子様の歯ぎしりはほとんどのケースで問題がない」とのことだった。子どもの歯ぎしりは成長過程によってよくおこる現象で、10歳までの子どもの約40%ぐらいは歯ぎしりをしているようです。
ポイント、子どもが歯ぎしりをする3つの原因
1、顎の位置を決める(生後6カ月~8カ月頃、歯ぎしりをして顎の位置を決めている)
2、かみ合わせを決めるため(乳歯が生え始める頃、かみ合わせを決めるために歯ぎしりを始める)
3、永久歯が生えるスペースを作るため(4歳~6歳ぐらいになると永久歯が生えるスペースを確保するために歯ぎしりをします)
ミキ「特に歯ぎしりが原因というわけではなさそうね」
ソウハル「でも、いじめや友人関係など精神的ストレスから起こることもあるみたいだよ」
ミキ「子どもの歯ぎしりは背後にある要因に注意する必要があるって書かれているわね」
ソウハル「もうしばらく様子を見てみよう」
しばらく、美晴の様子を見てみることにしたが、特に何も変化はなかった。しかし、ある日、突然ミキの前で「ぼくもうがっこうなんて行きたくない」っていったのです。
ミキ「美晴、何かあったの?」
美晴「ぼく、もっとはやくはなそうと思ったんだけどいじめられていることをはなすと、みんなの空気もわるくなりそうだから・・・」
ソウハル「美晴はずっと我慢してたんだね」
美晴「うん」
ミキ「美晴、どんなことがあったのか話せる」
美晴「サッカーとかをしてみんなであそぶ時にぼくだけなかまに入れてくれなかったり、ふでばこなどをかくされたり、ぼくはやっていないのにかだんをこわしたのはぼくだってみんながせんせいに言ったり・・・がっこうなんて」
ソウハルとミキは美晴のことについて話し合った。そして、ネットなどで子どもがいじめを受けていることがわかった場合の対処法についても調べてみた。1つ目には「本人が言った話を記録すること」と書かれていた。学校や相談機関の話しあいの資料にもなるからです。もう一つは、「子どもの安全を確保すること」と書かれていた。いじめがある場合は躊躇せずに学校を休ませる。学校を休めば「社会性や学力が身につかない」と心配される方もいるかもしれませんが、いじめを受け続けて見につくのは学力や社会性ではなく、憎しみや自己否定感であり、親に訴えても救ってくれなかったという不信感です。
ソウハル「美晴はしばらく学校休ませよう」
ミキ「そうね。今までずっと我慢してきたのよね」
ソウハル「ずっと話そうと思っても、自分がいじめられていることを話すと、みんなの空気が悪くなるから話せなかったんだよね」
翌日からしばらくの間、美晴を休ませることにした。ミキは美晴が話していたことを文章にして担任に渡した。学校へのいじめの相談や交渉もまずは「文章」で提出すると担任も落ち着いて読むことができます(一番悪いのは感情的になって学校に電話をしてしまうことです)。さらに文章の利点は仮に担任のところでいじめの問題が止まってしまったとしても、同じ内容の文章を校長や教頭のところに持っていけば共有することもできるからです。
いじめの問題については2013年に施行された「いじめ防止対策推進法」により「学校は報告があった場合には事実を確認すること、その結果、いじめがあったと認められる場合にはいじめをやめさせ、その再発を防止するために」助言、さらに犯罪に近い行為があった場合には警察への通報が義務付けられました。こういったことからも「文章」にしていじめ相談があった場合、ほぼ8割の学校は動いてくれるようです。
美晴はしばらく学校を休ませている間は、学習が疎かにならないようにソウハルやミキが勉強を教えていた。また、美妃が幼稚園から帰ってくると、二人でかくれんぼをしたり、絵を書いたり、トランプをしたりして一緒になって遊んでいた。
その後、美晴の学校側でとった対応は、加害者の子ども一人一人に教員から「これはいじめでありやってはいけないこと」だと話しました。さらに加害者の保護者にも学校に来てもらい、「こういう事案が発生して学校側はこのような対応を取りました」と話しました。
約1週間程経過し、美晴は久しぶりに学校へ登校した。するといじめていた児童がきて「みはるくん、ごめんね」と次々に謝り美晴は「僕は元気だからみんなと一緒に遊びたいな」って話しました。
美晴が家に帰ってきて「すごく学校楽しかった」と笑顔で話していたので、ソウハルとミキはとても安心しました。また、担任からも「美晴君、みんなと一緒に楽しそうに遊んでいますよ」といわれ、今では美晴は毎日、元気に学校へ通っています(続)
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