もしも自分の人生が逆戻りしたら・・・

ムーワ

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第42章

美晴の成長

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半年の月日が流れ、まもなく美晴の1歳半検診を迎える。

この半年間の間にいろいろなことがあった。

美晴は1歳の誕生日の時に買ってもらった「ハイハイでおいかけっこ」が気に入り、ソウハルやミキがいるときにリングを引っ張ってもらっては動いているアンパンマンを懸命に追いかけていった。

その効果もあってかやや平均よりも重かった体重も改善して、1歳と1カ月ぐらいで初めてつかまり立ちに成功した。




データーなどによるとつかまり立ちの動作は早い子だと生後6~7ヶ月頃で、半数以上の赤ちゃんが生後8~9カ月後、約9割の赤ちゃんが生後10~11カ月頃までにはつかまり立ちができるようになるようです。

美晴は通常よりもつかまり立ちができるまでに時間がかかったので、美晴がつかまり立ちに成功した時、ソウハルとミキは大いに喜んだ。

さらにつかまり立ちをしてから歩けるようになるまでにも時間がかかった。赤ちゃんによってはつかまり立ちをしてからすぐに歩けるようになる子もいれば、数ヶ月かかる赤ちゃんもいる。

美晴がつかまり立ちをしてから3カ月が過ぎた頃、ミキは美晴を連れて公園に行った時のことである。

公園のママ「ミキさん、美晴ちゃん、おはよう」

ミキ「おはようございます」

公園のママ「ミキさん、子育て大変よね」

ミキ「そうなのよ。中々、うちの子歩けるようにならなくて」

公園のママ「あら、赤ちゃんによって成長も違うようだしそんなに焦らなくてもいいんじゃない」

ミキ「あれ・・・○ちゃんはもう歩けるの?すごいわね」

公園のママ「そうなのよ。うちの子11カ月かかってやっと歩けるようになったのよ」

ミキ「すごいじゃない。ところでつかまり立ちしてからどのぐらいで歩けるようになった」

公園のママ「ちょうど3カ月ぐらいかかったわ」

ミキは心の中で美晴の成長の遅さが心配で仕方なかった。ソウハルには「美晴は美晴なんだからそんなに焦らなくてもいいよ」と言われていたが、公園に行く度にママトモ達と会話をすると美晴の成長の遅さが気がかりでしかたなかった。

そんなミキの考えとは別に、美晴は相変わらず「マイペース」ですぐに歩こうとはせずに、つかまり立ちをして歩くよりもアンパンマンを追いかける「ハイハイ」スタイルが大好きだった。

ミキ「ねえ、ソウハルさん、この子いつもつかまり立ちから歩かそうとしても全然、歩こうとしてくれないのよね」

ソウハル「ミキちゃん、僕もじつは歩くまでに結構、時間がかかったって前世の時の母がいっていたから、僕にマイペースな所や運動神経の面では似ちゃったのかもしれないね」

ミキ「私が焦っても仕方ないのかもしれないけど、公園のママトモ達の話を聞くとどうしても焦っちゃうのよね」

ソウハル「ミキちゃんの気持ちもわかるけど、美晴は健康なんだし、今は焦らずこの子のペースで取り組んでいけばいいんじゃなかな」

ミキ「わかったわ。今は美晴のペースに合わせるようにするわ」

ソウハルが会館でカズヒコ達といつものように将棋を指しているとき美晴の話題になった。

ソウハル「うちの美晴、やっとつかまり立ちができたんだけど中々歩いてくれないんだよね」

カズヒコ「もう、昔のことだから正確には覚えていないんだけど、うちも子どもが二人いるけどそれぞれ歩けるまでにかかる時間が違っていたよ」

ケイイチ「ワシのところも一人は結構早かったんだけど、もう一人は遅かったような気がしたよ」

ソウハル「ところで効果的な練習法ってあるかな。美晴はつかまり立ちしてもすぐにハイハイしちゃうんだよね」

アツオ「前に子どものことを調べていて本で読んだんだけど、お父さんやお母さんが数歩離れた場所で「おいで~」と声をかけるといいみたいだよ」

ソウハル「なるほど。あっちゃんのいっているようなことはやってるんだけどもしかしたら距離をとりすぎていたのかもしれないな」


アツオ「そうだね。距離を取りすぎると赤ちゃんにとっては長く感じるからハイハイできちゃうんじゃないかな?」

ソウハル「あっちゃんありがとう、やってみるよ。みんなもありがとう」

ケイイチ「大丈夫 大丈夫 夢は果てなく 憧れのせて 笑いとばせぬ悲しみも バネになれ・・・アリャさ コリャさ エーエーエェ 大丈夫だよ」

ダイスケ「この曲聞いたことあるけど、誰だっけ」

アツオ「氷川キヨシさんの大丈夫」

ソウハル「ケイちゃんありがとう」

ケイイチ「美晴ちゃん、大丈夫大丈夫」

美晴のことで悩んでいたソウハルだったが、みんなと話しているとすっかりと励まされて自宅へ帰った。

ソウハルはミキにアツオから聞いた方法を伝え、二人で試しにやってみることにした。しかし、美晴はソウハルやミキが「おいで」と声をかけてもニコニコ笑っているだけで中々、一歩踏み出そうとしてはくれません。

つかまり立ちをしてから4カ月を過ぎた頃、美晴がつかまり立ちをしている状態の目線と同じ高さに合わせてお気に入りのアンパンマンのおもちゃを置きました。

ソウハル「美晴、アンパンマンのところまで来てごらん」

すると美晴は立ったままの状態で右足を一歩踏み出すと、さらに左足を一歩踏み出してアンパンマンのところまで行くとニコニコしながらアンパンマンに抱きつきました。

ミキ「美晴、よく頑張ったわね」

ソウハル「やっと美晴も自分の力で歩くことができたんだね」

ソウハルとミキは大喜びで美晴を抱っこすると美晴もニッコリ笑っていました。



現在、伝い歩きができるようになった美晴は完全に歩けるようになるまで練習をしている最中です(続)

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