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第41章
美晴の初めての誕生日
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月日は流れ、美晴が生まれてからまもなく1年になる。美晴の身長は約1.5倍、体重に至っては約3倍ほどに成長した。
ミキ「ソウハルさん、今日公園に行ったら、うちの子は生後8カ月で歩けるようになったのよっていってるお母さんがいたのよ」
ソウハル「赤ちゃんは人それぞれ成長も違うんだから、よその子はよその子でそんなに焦る必要はないんじゃないかな?」
ミキ「うん、でも、私の母に聞いてみたら私も11カ月ぐらいで歩けるようになったっていってたし、ちょっと遅いんじゃないかなって」
ソウハル「確かにまだ歩けるまでもう少し時間かかりそうだね。もしかしたら顔はミキに似たけれど、成長が遅いところは僕に似たのかもしれないね」
ミキ「そうね。私たちが焦っても仕方がないわね」
美晴は健康で身体的な問題は全くなかったが、若干平均体重よりも重く体が大きかったので歩くために必要なバランス感覚を養うのには時間がかかっていた。
ソウハルとミキの子育てをする際の考え方にも違いがあった。ソウハルは周りの子の成長のペースなどは気にせず、美晴のペースで成長していけば普通より遅くてもいいと思っていたが、ミキは最低でも周りの子どもと同じぐらいのペースで成長してほしかったし、ネットなどに書かれている平均よりも遅いと「この子大丈夫かしら」って心配することも多かった。
今日は美晴が生まれてから初めての誕生日を迎える日だ。
ソウハル「今日は美晴の誕生日だね。誕生日プレゼントは何にしようか?」
ミキ「美晴は私と一緒にアンパンマンを見ているといつもニコニコしているのよ」
ソウハル「じゃ、アンパンマンのおもちゃを見に行こうか?」
ミキ「近所におもちゃ専門のお店があるから行ってみましょう」
ソウハル達はおもちゃ屋さんにつくとアンパンマンのおもちゃを探してみた。アンパンマンのおもちゃがたくさんあり、どれにしようか迷っていた。そこでミキが店員さんに相談してみた。
ミキ「この子1歳になるんだけどアンパンマンのおもちゃで何かおすすめはありませんか?」
店員「う~ん、アンパンマンのおもちゃもいっぱいありますからね」
ソウハルが美晴を抱っこしミキと店員が話をしている間に店内を少し回ってみると、美晴が突然「にっこり」と微笑んでアンパンマンのキャラクターのおもちゃを指さした。ソウハルがそのおもちゃを見てみると「ハイハイでおいかけっこ!!」と書かれており、箱にはアンパンマンと赤ん坊が写っていた。対象年齢も8カ月以上書かれており、ソウハルは店員のところにそれを持っていった。
ソウハル「店員さん、このおもちゃを気に入っているみたいなんですがいかがでしょうか?」
店員「これはアンパンマンの足の先についている黄色いリングを引っ張って、アンパンマンの背中にタッチすると走り出します。アンパンマンが進みだすとボールがくるくると回ります」
ミキ「これってアンパンマンが動くってことなの?」
店員「そうなんです。タッチすると走り出すアンパンマンを赤ちゃんがハイハイで追いかけて、遊びながら足腰の発達も促してくれるんです」
ミキ「この子少し運動不足かもしれないからピッタリかもしれないわね」
ソウハル「じゃ、これにしようか」
ミキ「そうしましょう」
ソウハルとミキは店員にお礼をいうとおもちゃを買って帰宅した。
家につくと美晴はアンパンマンのおもちゃが気になって仕方がなかった様子だったので、早速、ソウハルは箱を開けておもちゃを取り出してみた。
ソウハル「美晴、アンパンマンだよ。黄色いリングをひっぱるんだよ」
美晴はじっとアンパンマンの方を見ながら嬉しそうな表情をして笑っていた。
ソウハル「美晴、背中のここをポンとタッチしてごらん」
ソウハルは美晴にジェスチャーをしてアンパンマンにタッチするように促した。すると美晴はソウハルのまねをしてアンパンマンの背中をタッチしてみるとアンパンマンが動き出した。美晴は動き出したアンパンマンを見て「ニコニコ」って笑っていたが、最初は笑うだけでアンパンマンを追いかけようとはしなかった。
ミキ「ソウハルさん、美晴すごく気に入っているみたいだけど中々、身体を動かそうとはしないわね」
ソウハル「ニコニコ笑って楽しければそれでいいんじゃない」
ミキ「ねえ、ソウハルさんが赤ちゃんになって動いてみたら」
ソウハル「えっ、僕が赤ちゃんになるの」
ミキ「そうよ。この子ソウハルさんのまねは良くするでしょ」
ソウハルはいやいやながらミキのいわれた通りに赤ちゃんになりきってみた。
ミキ「美晴ちゃん、パパのことをよ~く見てるのよ」
美晴はじっとソウハルの方を見ていた。ミキがリングをひっぱるとソウハルがアンパンマンの背中をポンとタッチした。するとアンパンマンが逃げ出すように動き出し、ソウハルがハイハイの格好をしてまるで赤ちゃんのように追いかけていった。それがおかしかったのか美晴は「ニコニコ」笑いだした。
ミキ「美晴ちゃん、パパのマネをして一緒に追いかけてごらん」
すると今までずっと動かなかった美晴もハイハイをしてソウハルを追いかけていった。しばらく、やっているとソウハルがハイハイをしなくても美晴は自分でアンパンマンを追いかけて遊ぶようになった。
ミキ「ソウハルさん、やっぱり私のいった通りでしょ」
ソウハル「そうだね、これは家の中で遊べるからいい運動にもなるよね」
美晴は現在、1歳。まだ、歩けるまではできないが元気で健康に育ってくれるのが一番だとソウハルは思っていた(続)
ミキ「ソウハルさん、今日公園に行ったら、うちの子は生後8カ月で歩けるようになったのよっていってるお母さんがいたのよ」
ソウハル「赤ちゃんは人それぞれ成長も違うんだから、よその子はよその子でそんなに焦る必要はないんじゃないかな?」
ミキ「うん、でも、私の母に聞いてみたら私も11カ月ぐらいで歩けるようになったっていってたし、ちょっと遅いんじゃないかなって」
ソウハル「確かにまだ歩けるまでもう少し時間かかりそうだね。もしかしたら顔はミキに似たけれど、成長が遅いところは僕に似たのかもしれないね」
ミキ「そうね。私たちが焦っても仕方がないわね」
美晴は健康で身体的な問題は全くなかったが、若干平均体重よりも重く体が大きかったので歩くために必要なバランス感覚を養うのには時間がかかっていた。
ソウハルとミキの子育てをする際の考え方にも違いがあった。ソウハルは周りの子の成長のペースなどは気にせず、美晴のペースで成長していけば普通より遅くてもいいと思っていたが、ミキは最低でも周りの子どもと同じぐらいのペースで成長してほしかったし、ネットなどに書かれている平均よりも遅いと「この子大丈夫かしら」って心配することも多かった。
今日は美晴が生まれてから初めての誕生日を迎える日だ。
ソウハル「今日は美晴の誕生日だね。誕生日プレゼントは何にしようか?」
ミキ「美晴は私と一緒にアンパンマンを見ているといつもニコニコしているのよ」
ソウハル「じゃ、アンパンマンのおもちゃを見に行こうか?」
ミキ「近所におもちゃ専門のお店があるから行ってみましょう」
ソウハル達はおもちゃ屋さんにつくとアンパンマンのおもちゃを探してみた。アンパンマンのおもちゃがたくさんあり、どれにしようか迷っていた。そこでミキが店員さんに相談してみた。
ミキ「この子1歳になるんだけどアンパンマンのおもちゃで何かおすすめはありませんか?」
店員「う~ん、アンパンマンのおもちゃもいっぱいありますからね」
ソウハルが美晴を抱っこしミキと店員が話をしている間に店内を少し回ってみると、美晴が突然「にっこり」と微笑んでアンパンマンのキャラクターのおもちゃを指さした。ソウハルがそのおもちゃを見てみると「ハイハイでおいかけっこ!!」と書かれており、箱にはアンパンマンと赤ん坊が写っていた。対象年齢も8カ月以上書かれており、ソウハルは店員のところにそれを持っていった。
ソウハル「店員さん、このおもちゃを気に入っているみたいなんですがいかがでしょうか?」
店員「これはアンパンマンの足の先についている黄色いリングを引っ張って、アンパンマンの背中にタッチすると走り出します。アンパンマンが進みだすとボールがくるくると回ります」
ミキ「これってアンパンマンが動くってことなの?」
店員「そうなんです。タッチすると走り出すアンパンマンを赤ちゃんがハイハイで追いかけて、遊びながら足腰の発達も促してくれるんです」
ミキ「この子少し運動不足かもしれないからピッタリかもしれないわね」
ソウハル「じゃ、これにしようか」
ミキ「そうしましょう」
ソウハルとミキは店員にお礼をいうとおもちゃを買って帰宅した。
家につくと美晴はアンパンマンのおもちゃが気になって仕方がなかった様子だったので、早速、ソウハルは箱を開けておもちゃを取り出してみた。
ソウハル「美晴、アンパンマンだよ。黄色いリングをひっぱるんだよ」
美晴はじっとアンパンマンの方を見ながら嬉しそうな表情をして笑っていた。
ソウハル「美晴、背中のここをポンとタッチしてごらん」
ソウハルは美晴にジェスチャーをしてアンパンマンにタッチするように促した。すると美晴はソウハルのまねをしてアンパンマンの背中をタッチしてみるとアンパンマンが動き出した。美晴は動き出したアンパンマンを見て「ニコニコ」って笑っていたが、最初は笑うだけでアンパンマンを追いかけようとはしなかった。
ミキ「ソウハルさん、美晴すごく気に入っているみたいだけど中々、身体を動かそうとはしないわね」
ソウハル「ニコニコ笑って楽しければそれでいいんじゃない」
ミキ「ねえ、ソウハルさんが赤ちゃんになって動いてみたら」
ソウハル「えっ、僕が赤ちゃんになるの」
ミキ「そうよ。この子ソウハルさんのまねは良くするでしょ」
ソウハルはいやいやながらミキのいわれた通りに赤ちゃんになりきってみた。
ミキ「美晴ちゃん、パパのことをよ~く見てるのよ」
美晴はじっとソウハルの方を見ていた。ミキがリングをひっぱるとソウハルがアンパンマンの背中をポンとタッチした。するとアンパンマンが逃げ出すように動き出し、ソウハルがハイハイの格好をしてまるで赤ちゃんのように追いかけていった。それがおかしかったのか美晴は「ニコニコ」笑いだした。
ミキ「美晴ちゃん、パパのマネをして一緒に追いかけてごらん」
すると今までずっと動かなかった美晴もハイハイをしてソウハルを追いかけていった。しばらく、やっているとソウハルがハイハイをしなくても美晴は自分でアンパンマンを追いかけて遊ぶようになった。
ミキ「ソウハルさん、やっぱり私のいった通りでしょ」
ソウハル「そうだね、これは家の中で遊べるからいい運動にもなるよね」
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