短編怖~い話1話完結

ムーワ

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第3章

消えたランドセル

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これは私が小学校高学年の時の友人の話です。これは怖~いというよりもちょっと不思議な最後にオチのある笑える話です。

いつものように友人は元気よく「おはよう」って声をかけて登校してきました。彼はちょっとドジで抜けているところもあり、アニメのちびまる子ちゃんで言ったら山田君に近い感じのキャラでした。

勉強はできませんでしたが、みんなからバカにされるようなことを言われてもいつも「ゲラゲラ」笑っていました。だからみんなから少し馬鹿にされていたのかもしれませんが、一緒にいるとなんだか楽しい奴だと思われていました。

そんな彼はある日、いつものように登校してきてしばらくすると突然、「ランドセルが無くなったよ。ランドセルが無くなったよ」って叫びました。周囲のみんなは「えっ」とビックリしてみんなでランドセルを探しました。

しかし、ランドセルは教室中を探しても見つからなかったのです。

クラスのメンバーの一人が「みんな○○くんのランドセルを朝、見なかったかい」と尋ねました。

すると、クラスのみんなは静まり返ってしまって誰一人ランドセルを見たという人がいませんでした。

クラスの中心人物の子も「おかしいよな。これだけ探していれば見つかるはずだよな」と言いました。

霊感の強いちびまる子ちゃんでいうならまるで野口さんのような女の子が「○○くん、もしかしたら呪われているんじゃないの?」と突然言い出し、いつもゲラゲラ笑っている友人の顔がこわばり、女の子たちは「なんだか怖~い」と話し出す子もチラチラいました。

クラスのリーダーの子がもう少し「○○くんのランドセルを探してみよう」と言い出しみんなで教室中を探しました。しばらくすると、担任の先生も来てランドセルを探しましたが、それでもランドセルは一向に見つからなかったのです。

クラスのリーダーの子が「もう、これだけ探してもないから途中でどこかに置いてきたりしたんじゃないのかな?」と話していたところに○○くんのお母さんが来ました。

お母さんは黒いカバンを持ってきて「これ、忘れていったわよ」って○○くんにカバンを渡しました。

もう、クラス中のみんなは笑うよりないといった感じで大爆笑でした。

あれだけ必死になって探したランドセルが見つかり、○○君は安堵の表情を浮かべていました。

小学校の時はいろんな性格の子がいましたが、大人になった今思い出してもちょっと不思議な最後は笑えるそんな体験でした。今、カバンを忘れた彼はどうなっているのか気になります(続)
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