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第35章
ヒデキの進路
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ヒデキとトシオの小旅行が終了した。
ヒデキの高校生活も残り1週間足らずを迎えた。
いよいよ最後の学校の合格発表の当日、ヒデキは始発の電車に乗って会場まで向かった。もう、すでに結果は出ているのだが、ヒデキは会場へ向かう際、ひたすら「どうか合格しますように」とお祈りをしていた。
会場へ着くと次々に合格発表を待つ受験生の姿が目に映っていた。掲示板を持った係員が来て、合格者の番号が次々と貼りだされた。
ヒデキは「自分の番号がどうかありますように」と祈りながら掲示板を見つめていた。まわりの受験生の中には飛び上って喜ぶものもいれば、泣いて喜んでいる人もいた。ヒデキは「あるかなあるかな」と自分の番号を探したが、見つからなかった。念のため何度も繰り返し受験番号をさがしたがやはり見つからなかった。
ヒデキは「落ちたー」とがっかりと肩を落として受験会場を去っていた。受験会場を去る際、この人はたぶん駄目だったんだろうとか雰囲気でわかったが、ヒデキは「あ~浪人か」と思いながら電車に乗って帰宅した。
ヒデキは家に帰っても「駄目だった」とだけ親に伝えて、すぐに気持ちを切り替えることはできなかったが、心配していたトシオに連絡を入れた。
ヒデキ「トシオくん、やっぱり駄目だった」
トシオ「ヒデキくん、そうなんだ」
ヒデキ「僕の勉強不足だよ」
トシオ「今は受験人数もピークで合格するのも大変な時代だからね」
ヒデキ「少し休んだら今度は合格できるように頑張るよ」
トシオ「そうだね。もうすぐ卒業式だし少しリフレッシュするのもいいと思うよ」
ヒデキ「トシオくんに話したら少し気持ちが楽になったよ。ありがとう」
トシオ「どういたしまして」
ヒデキはトシオに連絡をしてその日は家でのんびりと過ごした。
翌日、ヒデキは学校に行くと先生に受験結果を報告した。ヒデキの学校の受験生の半分ぐらいの生徒は落ちてしまって浪人するようである。
ヒデキはいつものように授業が終わると図書館へ行った。図書館には恋愛小説を読むノブコがいたので、ヒデキの方から話しかけた。
ヒデキ「ノブコさん、久しぶり。頑張ったけど駄目だったよ」
ノブコ「ヒデキ、それは残念だったね」
ヒデキ「勉強が足りなかっただけだよ。残念だけど仕方ないよ」
ノブコ「また、来年は合格できるように頑張ればいいと思うよ」
ヒデキ「うん、ノブコさんありがとう。もうじき、卒業だけど図書館で一緒にお話しできて楽しかったよ」
ノブコ「ヒデキ、私も楽しかったよ。本当にありがとう。ところでヒデキはまだ彼女とお付き合いしてるの」
ヒデキ「う・うん。仲良くやってるよ」
ノブコ「そうなんだ。ここでヒデキと話すのも後3日だね」
ヒデキ「卒業式前日まで残りの3日間ここに来るよ」
ヒデキとノブコは授業が終わると卒業式の前日まで図書館に足を運んだ。
ノブコ「今日で図書館生活も最後だね。あっという間だったな」
ヒデキ「そうだね。本当に早かったね」
ノブコ「ヒデキ、じつは私、ヒデキにどうしても渡したいものがあるのよ」
ヒデキ「なーに?」
ノブコ「これ。じつは、私ポエム書いてたのよ」
ヒデキ「これ、僕にくれるの」
ノブコ「うん、よかったら読んでみて」
ヒデキ「ありがとう」
ノブコはヒデキにポエムを渡し、「ヒデキ、バイバイ」といって図書館から去っていった。
ヒデキはノブコがくれたポエムを読んでみると、ヒデキとの図書館での想い出を綴ったメッセージが書かれていた。ヒデキはメッセージを読むとノブコの優しさがすごく伝わってきた。僕がもし、トシオくんと付き合っていなかったらきっとノブコさんとお付き合いしていただろうなって思った(続)
ヒデキの高校生活も残り1週間足らずを迎えた。
いよいよ最後の学校の合格発表の当日、ヒデキは始発の電車に乗って会場まで向かった。もう、すでに結果は出ているのだが、ヒデキは会場へ向かう際、ひたすら「どうか合格しますように」とお祈りをしていた。
会場へ着くと次々に合格発表を待つ受験生の姿が目に映っていた。掲示板を持った係員が来て、合格者の番号が次々と貼りだされた。
ヒデキは「自分の番号がどうかありますように」と祈りながら掲示板を見つめていた。まわりの受験生の中には飛び上って喜ぶものもいれば、泣いて喜んでいる人もいた。ヒデキは「あるかなあるかな」と自分の番号を探したが、見つからなかった。念のため何度も繰り返し受験番号をさがしたがやはり見つからなかった。
ヒデキは「落ちたー」とがっかりと肩を落として受験会場を去っていた。受験会場を去る際、この人はたぶん駄目だったんだろうとか雰囲気でわかったが、ヒデキは「あ~浪人か」と思いながら電車に乗って帰宅した。
ヒデキは家に帰っても「駄目だった」とだけ親に伝えて、すぐに気持ちを切り替えることはできなかったが、心配していたトシオに連絡を入れた。
ヒデキ「トシオくん、やっぱり駄目だった」
トシオ「ヒデキくん、そうなんだ」
ヒデキ「僕の勉強不足だよ」
トシオ「今は受験人数もピークで合格するのも大変な時代だからね」
ヒデキ「少し休んだら今度は合格できるように頑張るよ」
トシオ「そうだね。もうすぐ卒業式だし少しリフレッシュするのもいいと思うよ」
ヒデキ「トシオくんに話したら少し気持ちが楽になったよ。ありがとう」
トシオ「どういたしまして」
ヒデキはトシオに連絡をしてその日は家でのんびりと過ごした。
翌日、ヒデキは学校に行くと先生に受験結果を報告した。ヒデキの学校の受験生の半分ぐらいの生徒は落ちてしまって浪人するようである。
ヒデキはいつものように授業が終わると図書館へ行った。図書館には恋愛小説を読むノブコがいたので、ヒデキの方から話しかけた。
ヒデキ「ノブコさん、久しぶり。頑張ったけど駄目だったよ」
ノブコ「ヒデキ、それは残念だったね」
ヒデキ「勉強が足りなかっただけだよ。残念だけど仕方ないよ」
ノブコ「また、来年は合格できるように頑張ればいいと思うよ」
ヒデキ「うん、ノブコさんありがとう。もうじき、卒業だけど図書館で一緒にお話しできて楽しかったよ」
ノブコ「ヒデキ、私も楽しかったよ。本当にありがとう。ところでヒデキはまだ彼女とお付き合いしてるの」
ヒデキ「う・うん。仲良くやってるよ」
ノブコ「そうなんだ。ここでヒデキと話すのも後3日だね」
ヒデキ「卒業式前日まで残りの3日間ここに来るよ」
ヒデキとノブコは授業が終わると卒業式の前日まで図書館に足を運んだ。
ノブコ「今日で図書館生活も最後だね。あっという間だったな」
ヒデキ「そうだね。本当に早かったね」
ノブコ「ヒデキ、じつは私、ヒデキにどうしても渡したいものがあるのよ」
ヒデキ「なーに?」
ノブコ「これ。じつは、私ポエム書いてたのよ」
ヒデキ「これ、僕にくれるの」
ノブコ「うん、よかったら読んでみて」
ヒデキ「ありがとう」
ノブコはヒデキにポエムを渡し、「ヒデキ、バイバイ」といって図書館から去っていった。
ヒデキはノブコがくれたポエムを読んでみると、ヒデキとの図書館での想い出を綴ったメッセージが書かれていた。ヒデキはメッセージを読むとノブコの優しさがすごく伝わってきた。僕がもし、トシオくんと付き合っていなかったらきっとノブコさんとお付き合いしていただろうなって思った(続)
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