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第31章
ヒデキとノブコを救った図書館の先生
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ヒデキは2月の前半に受けた大学はすべて不合格に終わり、学校に行って授業が終わるといつものように図書館に足を運んだが、一切自分からはノブコに声をかけようとしなかった。
ノブコはそんなヒデキのことが気になったが、なかなか声をかけることもできなかった。そんなある日、たまたまヒデキと視線が合った時に、ヒデキがノブコの視線をさけるようにしたのでノブコは悲しい気持ちになったが、思いきってヒデキに声をかけてみた。
ノブコ「ヒデキ、最近全然、私に声もかけてくれないし、ヒデキも悩みごととかあるのかもしれないけど、声ぐらいかけてくれたっていいじゃない」
ヒデキ「僕、勉強したいからさ。話している暇なくて」
ノブコ「私、ヒデキのことを心配していってるのよ。受験で大変なのはすごくわかるけどさ。挨拶ぐらいしてくれたっていいじゃない」
ヒデキはノブコにそういわれると涙目になってノブコを睨みつけるような表情をして図書館から出ていってしまった。そんなヒデキの表情を見たノブコも急に悲しくなってその場でイスに座って泣いてしまったのである。
その光景を一部始終見ていて図書館にいる女の先生がノブコに寄り添いそっと声をかけた。
先生「ノブコさんはとっても優しい子なのね。でも、ヒデキくん受験のことで今、頭がいっぱいなのよ。だから、そっとしておいてあげるのもやさしさなのかもしれないね」
ノブコは先生に声をかけられると顔をあげて涙目で先生に話した。
ノブコ「もしかしたらヒデキくんに対して余計なおせっかいだったのかもしれないね。先生ありがとう」
先生「大丈夫よ。ヒデキくんには私から話しておくわね」
ノブコは先生と話すと少し気が楽になったようで、一人で恋愛小説を黙々と読み始めた。
その頃、ヒデキは家に帰って机に向かって勉強をしながらも、ノブコのことをじっと考えていた。
「僕はどうしてあんな態度をノブコさんにとったんだろうか」、「ノブコさんは僕のこと心配してくれて声をかけてくれたのはわかっているのに」、「受験に失敗したのもノブコさんのせいではないとわかっているのに」など勉強をしようと思ってもノブコにとってしまった自分の態度のことが頭から離れなかった。
結局、その日は思うように勉強もできず、翌日学校へ行き授業が終わるといつものように図書館に足を運んだ。図書館に行くといつものようにノブコが黙々と恋愛小説を読んでいた。ヒデキはノブコに昨日のことで謝ろうと思い、話しかけようとしたが、ノブコはヒデキのことを一切見ず、恋愛小説を黙々と読んでいたので声もかけられずに席につこうとしたら図書館の女の先生がヒデキに声をかけてきた。
先生「ヒデキくん、こんにちは」
ヒデキ「先生、こんにちは」
先生「最近、顔色がさえないけど何かあったの?」
ヒデキ「受験がすべて不合格になってしまって・・・」
先生「そうなんだ。私は1浪して大学に入ったけど、現役の時にすべて受験で失敗したときすごくショックだった」
ヒデキ「えっ、先生もそうだったんですか?」
先生「そうよ。だからなんとなくヒデキくんの気持ちがわかるな」
ヒデキ「先生、じつは・・・」
先生「ヒデキくん、もし他に悩みがあるようだったら先生が聞いてあげるわ」
ヒデキ「僕・・・ノブコさんに冷たい態度とってしまったみたいで・・・」
先生「もしかしたら昨日のことかな。私、ヒデキくんとノブコさんとのやり取り見ていたのよ」
ヒデキ「はい・・・なんだかノブコさんに悪いことしてしまったみたいで・・・」
先生「ヒデキくんがいなくなった後、少しノブコさんと話をしたのよ」
ヒデキ「そうなんですか」
先生「ええ、ノブコさん、ヒデキくんに悪いことしちゃったみたいってずっと泣いてたのよ」
ヒデキ「・・・そうなんですか?僕の方がノブコさんに冷たい態度とって悪いことしたのに・・・」
先ほどまで恋愛小説を読んでいたノブコが先生とヒデキのところにきてヒデキに話した。
ノブコ「ヒデキ、ごめんね」
ヒデキ「ノブコさん、僕の方が悪いんだよ。ごめんなさい」
先生「二人とも悪くないわよ。ヒデキくん、まだ受験が終わってないんだから最後までしっかり頑張って」
ノブコ「ヒデキ、受験頑張れ」
ヒデキはそういわれると受験の失敗をノブコのせいにしようとしていた自分が恥ずかしくなってきた。でも、心の中で何かが吹っ切れたかのように必死に机に向かって受験勉強に取り組んだ(続)
ノブコはそんなヒデキのことが気になったが、なかなか声をかけることもできなかった。そんなある日、たまたまヒデキと視線が合った時に、ヒデキがノブコの視線をさけるようにしたのでノブコは悲しい気持ちになったが、思いきってヒデキに声をかけてみた。
ノブコ「ヒデキ、最近全然、私に声もかけてくれないし、ヒデキも悩みごととかあるのかもしれないけど、声ぐらいかけてくれたっていいじゃない」
ヒデキ「僕、勉強したいからさ。話している暇なくて」
ノブコ「私、ヒデキのことを心配していってるのよ。受験で大変なのはすごくわかるけどさ。挨拶ぐらいしてくれたっていいじゃない」
ヒデキはノブコにそういわれると涙目になってノブコを睨みつけるような表情をして図書館から出ていってしまった。そんなヒデキの表情を見たノブコも急に悲しくなってその場でイスに座って泣いてしまったのである。
その光景を一部始終見ていて図書館にいる女の先生がノブコに寄り添いそっと声をかけた。
先生「ノブコさんはとっても優しい子なのね。でも、ヒデキくん受験のことで今、頭がいっぱいなのよ。だから、そっとしておいてあげるのもやさしさなのかもしれないね」
ノブコは先生に声をかけられると顔をあげて涙目で先生に話した。
ノブコ「もしかしたらヒデキくんに対して余計なおせっかいだったのかもしれないね。先生ありがとう」
先生「大丈夫よ。ヒデキくんには私から話しておくわね」
ノブコは先生と話すと少し気が楽になったようで、一人で恋愛小説を黙々と読み始めた。
その頃、ヒデキは家に帰って机に向かって勉強をしながらも、ノブコのことをじっと考えていた。
「僕はどうしてあんな態度をノブコさんにとったんだろうか」、「ノブコさんは僕のこと心配してくれて声をかけてくれたのはわかっているのに」、「受験に失敗したのもノブコさんのせいではないとわかっているのに」など勉強をしようと思ってもノブコにとってしまった自分の態度のことが頭から離れなかった。
結局、その日は思うように勉強もできず、翌日学校へ行き授業が終わるといつものように図書館に足を運んだ。図書館に行くといつものようにノブコが黙々と恋愛小説を読んでいた。ヒデキはノブコに昨日のことで謝ろうと思い、話しかけようとしたが、ノブコはヒデキのことを一切見ず、恋愛小説を黙々と読んでいたので声もかけられずに席につこうとしたら図書館の女の先生がヒデキに声をかけてきた。
先生「ヒデキくん、こんにちは」
ヒデキ「先生、こんにちは」
先生「最近、顔色がさえないけど何かあったの?」
ヒデキ「受験がすべて不合格になってしまって・・・」
先生「そうなんだ。私は1浪して大学に入ったけど、現役の時にすべて受験で失敗したときすごくショックだった」
ヒデキ「えっ、先生もそうだったんですか?」
先生「そうよ。だからなんとなくヒデキくんの気持ちがわかるな」
ヒデキ「先生、じつは・・・」
先生「ヒデキくん、もし他に悩みがあるようだったら先生が聞いてあげるわ」
ヒデキ「僕・・・ノブコさんに冷たい態度とってしまったみたいで・・・」
先生「もしかしたら昨日のことかな。私、ヒデキくんとノブコさんとのやり取り見ていたのよ」
ヒデキ「はい・・・なんだかノブコさんに悪いことしてしまったみたいで・・・」
先生「ヒデキくんがいなくなった後、少しノブコさんと話をしたのよ」
ヒデキ「そうなんですか」
先生「ええ、ノブコさん、ヒデキくんに悪いことしちゃったみたいってずっと泣いてたのよ」
ヒデキ「・・・そうなんですか?僕の方がノブコさんに冷たい態度とって悪いことしたのに・・・」
先ほどまで恋愛小説を読んでいたノブコが先生とヒデキのところにきてヒデキに話した。
ノブコ「ヒデキ、ごめんね」
ヒデキ「ノブコさん、僕の方が悪いんだよ。ごめんなさい」
先生「二人とも悪くないわよ。ヒデキくん、まだ受験が終わってないんだから最後までしっかり頑張って」
ノブコ「ヒデキ、受験頑張れ」
ヒデキはそういわれると受験の失敗をノブコのせいにしようとしていた自分が恥ずかしくなってきた。でも、心の中で何かが吹っ切れたかのように必死に机に向かって受験勉強に取り組んだ(続)
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