結婚できない男

第5章

どうやって受注を増やすか？

ダメ男の悩みといえば仕事においては受注量だった。

パソコンやスマホでの仕事などは直接顔を合わせることもないため、相手がどんな人物なのかもわからない。

ずっと継続している仕事があったとしても仕事を受注するスピードが極端に遅かったりすると困るし、安定的に受注した仕事が来なければ仕事にならない。

そんなこともありパソコンやスマホを使った仕事だけでやっていくのはダメ男にとって大変なことであった。

しかし、散歩に行くことによって時々、副収入を得ることがあった。というのは自動販売機の釣銭や自動販売機の下付近に小銭が落ちていることがあった。

ダメ男にとって小銭でも貴重な財産であった。特に夏場などは自販機を利用する方が多いが、時々小銭を取り忘れる方がいる。ダメ男の中で財布が落ちている場合や何か袋に入ってお金が落ちている場合は交番に届けるが、むき出しになって小銭が落ちている場合や自販機の釣銭に小銭がある場合はそのままもらってしまうことがあった。

ダメ男は過去、1日歩いて自販機で2,000円近く拾ったこともあった。2,000円はまれであるが、多くの自販機の釣銭をチェックすれば夏場などは500円ぐらいはたまることもあった。

自動販売機を利用する際、ジュースを飲みたくなるから利用することが多いのでお金を入れて飲み物を取り出し、うっかりお釣りを取り忘れる人がいる。もし、自分はお釣りを取り忘れることが多いならば先にお釣りを取ってからジュースを取ればお釣りを取り忘れるリスクは減るはずです。

そういうダメ男はお釣りを取り忘れることはないが、肝心のジュースを取り忘れてしまったことがあった。1000円札などを入れるとお釣りの価値が高いのでお釣りを忘れずにとらなければと思うのはわかるが、お釣りにばかり神経を集中させてしまったのである。

ジュースを買うことが目的なのだからふつうはジュースを取り忘れることなんてありえないと思うが、人間はふとちょっと前のことを忘れてしまうことがあるのだ。

ただ、一般的にはジュースを取り忘れることは少ないと思うので、お釣りを最初に受け取ってからジュースを受け取ったほうが良い。

ダメ男は毎日散歩しながら体を動かし、ついでに自販機の釣銭をチェックするのが日課である。

特に夏場の自販機は釣銭が落ちている可能性も高く、ダメ男にとっては貴重な収入源になっていた。

でも、安定した収入源とは程遠いのでやはり安定した受注を取らなければ大変だった（続）