経営者を目指し、経営者になってからの男の道のり

ムーワ

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第10章

大山の得意なことと苦手なこと

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ここまで読んできた皆さんは大山は英語に関しては得意であるということは分かったと思うが、彼の一番すごいと思うところは人の良い所を盗んで自分のものにしてそれをアレンジしていく技術は卓越している。

広告を作るときなどもそうである。学習塾とは全く異なる業種でもこの構成は学習塾のチラシ作りにも役立つと思えばすぐに取り入れることができる。いつも街などを一緒に歩いているときでも彼はただ歩いているのではなく、周囲を観察しながら歩いているのである。

このお店のこの看板の向きはこうしたほうがよくなるとか、このお店はあんな風に看板を置いているから成功しているんだとか一緒に歩いているとき、彼は私によく話をすることも多い。


大山という男は一緒にいると学ぶべき点は多いが、彼は苦手なことも多い。

自分でも算数や数学は苦手と言っているが、単純な計算問題も解けなかったりするそんな一面持っている。もともと理数系は苦手なようで、理科の暗記科目ならば解けるが算数や物理などのように公式を使って解く問題は苦手だと言っている。

また、パソコンも苦手で大山はキーボードの打ち込みなども苦手だったので、すべてパソコンを使っての仕事は私がやっていたが、私もそれほどパソコンが得意な方ではないのだ。

大山はできることとできないことがはっきりしていたが、彼はいつでも笑顔で塾生に接しているところなどは私にはできないのですごいなって思っていた。なぜなら私は疲れているときは表情なども顔に出てしまうし、大山のようにいつも笑って塾生に接することはできなかった。


大山は働き者でもあった。早朝、家庭教師の仕事をして日中、予備校の講師をして授業が始まる夕方には自分の英語専門の塾に来て講師をして、さらに塾が終わると周辺のポスティングをしていたこともある。

大山は高3の卒業生の中から講師になってくれる人を探して自分の英語ノウハウを提供していた。その理由は大山曰く、自分の弟子を作ることによって、大山の代理が務まる講師を育成していたのである。

自分が病気になって授業ができなくなるリスクもあるし、将来、店舗を増やしていったときにその校舎を任せられる弟子が必要だったのである。

大山は親切丁寧に弟子を育成していたので、彼の弟子を育成する技術も優れていたのだ。弟子にこの教室の英語の授業を任せられると判断したらさらに教室を増やしていったのである(続)




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