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第4章
人間失格
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奨励会を去った走る男は何をする気力も起きず、ただ家で呆然として過ごす日々が続いた。家でしていることといえばネットサーフィン、ゲーム、漫画を読むぐらいでグータラ生活を過ごした。
これまで学業と将棋だけに人生をかけてきた走る男にとってすぐに気持ちを切り替えることなどできなかったのである。プロになれず奨励会を去ったものの中にはいろいろなパターンがある。瀬川晶司さん、今泉健司さん、折田翔吾さんなど一度奨励会を去った後、社会人として働きアマチュアとして頑張り、再びプロになった棋士もいる。
ただ、走る男が退会した時代はまだ奨励会しかプロになる道はなく、その直後、瀬川さんがアマチュアで大活躍して新たにプロ棋士になる道としてプロ棋士相手に一定の成績を残せば年齢は関係なく、プロ棋士編入の試験が受けられるように変更された。
走る男は瀬川さんはすごいと思っていたが、自分はもう将棋を指す気力もなくむしろ、もう将棋なんてやりたくないし駒もみたくないそんな風に思っていた。実際、奨励会を去った後、もう一度アマチュアとして頑張りたとえプロ棋士になれなくても立派な社会人になった方もいれば、最悪自殺をしてしまったり犯罪を犯してしまうケースもあるのだ。
そんな走る男は今まで女性とあまり接してこなかったこともあり、出会い系サイトにハマってしまったのである。
ワンナイトで女性に出会えてセックスができるそんなこともあって頻繁に女性と会ってはセックスをしていた。
だが、走る男はお金がなかったので女装をしてニューハーフとして男性相手に性的サービスに走ってしまったのである。1日に最高30人ぐらいの男性相手に性的サービスをしてそのお金で好みの女性に会ってセックスをするそんな生活をしばらくの間送っていた。
走る男は女性とセックスをしたかったこともあるかもしれないが、それ以上にあの奨励会時代に負けた記憶をなくしたかったがためにセックスに走ってしまったのである。
そんな生活を1ヶ月ぐらい過ごし、走る男はふと「今のおれは人間失格ではないか」と思うようになっていった。
その後、男性相手に性的サービスをすることをやめて、会社に正社員として働いた。
工場で汗水垂らしてひたすら働いた。そんな走る男であったが、仕事で大きなミスをして上司に怒られ、体調不良になって会社を休むことも多くなっていった。そんなこともあって、仕事を辞めた走る男はまた家に引きこもるようになった。
その後、仕事を転々とする日々を過ごし自分は何をやりたいのか考えるようになっていった。奨励会退会後、全く指していなかった将棋も指すことにしてみた。久しぶりに指す将棋は楽しかったが、もう一度アマチュアの大会に出場して頑張ろうという気持ちにはなれなかった。
「自分には何ができるのか」日々考えるようになった走る男ではあったが、なかなか見つからなかった。そんなある日、知人に誘われ事業を手伝うようになった。オープン当初はなかなか人が集まらず大変だったが、徐々に事業も軌道に乗って、走る男の給料も上がっていった。今まで通ったことのなかったエステなどにも行くようになって、株も始めた。その頃は何もかも順調だった。
事業が苦しかった時期に単発のアルバイトや派遣会社に登録していたので、時々派遣会社で仕事もしていた。派遣会社ではミスを連発する問題児ではあったが真面目に取り組んでいたのでその点だけは評価されていた。
事業もすべてが順調に進んでいたが、ある日を境に大きな問題に直面して事業を撤退せざるを得ない状況に追い込まれていった・・・(続)
これまで学業と将棋だけに人生をかけてきた走る男にとってすぐに気持ちを切り替えることなどできなかったのである。プロになれず奨励会を去ったものの中にはいろいろなパターンがある。瀬川晶司さん、今泉健司さん、折田翔吾さんなど一度奨励会を去った後、社会人として働きアマチュアとして頑張り、再びプロになった棋士もいる。
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そんな走る男は今まで女性とあまり接してこなかったこともあり、出会い系サイトにハマってしまったのである。
ワンナイトで女性に出会えてセックスができるそんなこともあって頻繁に女性と会ってはセックスをしていた。
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そんな生活を1ヶ月ぐらい過ごし、走る男はふと「今のおれは人間失格ではないか」と思うようになっていった。
その後、男性相手に性的サービスをすることをやめて、会社に正社員として働いた。
工場で汗水垂らしてひたすら働いた。そんな走る男であったが、仕事で大きなミスをして上司に怒られ、体調不良になって会社を休むことも多くなっていった。そんなこともあって、仕事を辞めた走る男はまた家に引きこもるようになった。
その後、仕事を転々とする日々を過ごし自分は何をやりたいのか考えるようになっていった。奨励会退会後、全く指していなかった将棋も指すことにしてみた。久しぶりに指す将棋は楽しかったが、もう一度アマチュアの大会に出場して頑張ろうという気持ちにはなれなかった。
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