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第一章 王国編第二部(中等部)

エピソード171 戦闘祭りとその後

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(……何故故に…………)

 オレは今、テントの集落にある一角で横になっている……
 どうしてこんな状況になっているかと言うと……振り返る事三十分前…………


「さぁ! ぼくと戦おうではないか。騎士道精神にかけて!」

「えっ嫌……不戦敗でいいから…………」

「フッ……そうかお互いフェアに戦いたいんだね。よしクライヴの意思を尊重しよう。クライヴが回復するまでぼくは待たせてもらうよ。お互いに万全な状態で戦うという事だね。流石だよクライヴ」

 リアナはとても澄み切った顔をして、白い歯がキラリと光り輝いていた。それは何も疑う事を知らない純粋無垢な少女がこれから起こる出来事に期待をしてワクワクしている様子だった。

(どうしよう……今までもリアナは戦いに関して頑固で戦闘狂を覗かせる思考の持ち主だったけど、今日のリアナは全く話が通じない…………これは困った。
 しかも今はリアナを止めるモーガンやフィーネがいない………………エルザ様にはその役目は…………いかん。コッチを見ているが……頭を左右に振って無理ですと言いたそうな顔をしている…………)

 オレはどのようにこの場を収めようか考えていると、リアナが次の一手を投じる。
 なんとオレの目の前でフンフンと素振りを始めた!

「騎士を志す身として真剣勝負に向けて身体を温めておかないと相手に失礼だろ? 全身全霊を尽くして相手をさせてもらうよ」

(何当然だろと言いたげにドヤ顔してんだよ! こっちは不戦敗でいいって言ってるんだよ!)

 そして現在に至る…………

「クライヴ! もう準備はできたか? さぁ始めようか! エルザには手を出さずにぼくとクライヴの騎士道精神に誓っての真剣勝負だ」

 リアナは誇らしげな顔をしていた……

(なんだよ騎士道精神、騎士道精神って! クソー! 逃げ道ないじゃないかよ!)

 オレは観念して右手を伸ばして木剣を把持する。
 やはり力は入らなかった。

(当然だな。こんな短時間で治るわけないよな。幸い身体の疲れはある程度回復したが、左手一本でリアナを相手にするのは無理だよなぁ…………【クロノス】と【身体強化】の同時使用は、今の身体の状態的には厳しいよなぁ)

 オレはリアナと戦う為の作戦を考えるが中々良いアイデアが浮かばず時間だけが過ぎていく。
 そして左手でしっかりと木剣を把持してリアナに声をかけた。

「リアナ、待たせたな。多分勝負にならないと思うから痛いのは勘弁してくれよな」

「フフフ、クライヴの本当の力を考えると、それぐらいのハンデがある方がぼくとしても有り難いね」

(うん、オレの予想の斜め上の返しがきたぞ。怪我していると言ったのに手加減する気全くないよこの人!)

「…………はぁ」

 オレはため息を一つ吐き、リアナに正対した。
 お互いの距離は十メートル程度離れていて、更にエルザ様は三十メートル程遠く離れていた。これは多分オレの【クロノス】対策だろう……
 あれだけ距離を稼がれたらリアナを倒した後にエルザ様の所まで間に合う事はないだろう……

「クライヴ、いつでも良いよ」

 そう言ってリアナは木剣を両手で握りしめる。

 オレは肩の力を抜き、左手でしっかりと木剣を握り、リアナとの間合いを図るようにゆっくりと歩を進める。
 二人の距離は二メートルまで迫ったところで、空気が変わり、視覚や聴覚が研ぎ澄まされた感覚となる。
 そしてお互いが膠着してから三分間が経とうとした時、リアナが静から動に切り替えて一歩踏み込んできた。

 リアナはオレの左肩から腕を目掛けての袈裟斬りを仕掛ける。
 オレも慌てて受け流すように木剣を横向きに構える。

「フェイントだよ、クライヴ!」

 リアナは笑みを浮かべて、オレの木剣を弾き飛ばそうと手首を返して木剣を振る。
 その軌道は下から上に向かってくる逆袈裟斬りのような軌道だった。

「うぉっと」

 オレは慌てて身体の中心を軸に回転して、リアナのガラ空きの胴を目掛けて横方向の回転斬りをカウンターで放つ。

「流石だよクライヴ」

 リアナはオレの攻撃を読んでいたのか、逆袈裟斬りを放った構えのまま剣先を下に向けて、オレの攻撃を見事に防いでいた。

(いやー! 今のカウンター決まらないと……意表をつく攻撃はそう多くは出来ないし、ピンチだぞ)

「まだまだいくよ!」

 リアナは鍔迫り合いの状況から力いっぱい押してきて、オレはバランスを崩す。

(やっぱり体格が殆ど一緒だから力で押し勝つのは無理かぁ)

 バランスを崩されながらもそんな事を考えて、頭は次の一手を考える。
 しかしリアナの猛攻がオレに考える隙を与えない。
 縦に横に胸部、胴、腕、大腿部とバラバラに狙ってきて、ギリギリの所で防ぐので精一杯だ。
 そしてオレ達とエルザ様の距離も四十メートルぐらいに離されていて、これはリアナの策略なのだろう。

(これじゃ完全に【クロノス】を封じられたなぁ。この距離じゃ【クロノス】と【身体強化】でギリギリだけど、リアナとの戦いに使用したら完全に間に合わない…………くそ! やられたな……)

「クッ! しぶといねクライヴ」

「我が家の爺ちゃんにスパルタで鍛えられているからな! それに痛いのは嫌だから防御だけは必死なんだよ!」

 防戦一方で木剣を把持している左手がジンジンと痺れてきたが、リアナの手は緩まない…………

「くそっ! あーもう! 【身体強化】」

 このままではジリ貧なのでオレは【身体強化】で賭けに出た。

(疲労困憊な身体じゃ、十分に力を発揮できない……それに使用時間も頑張って五秒間程度かな…………でもやるしかない!)

 オレは不慣れな左手で木剣を強く掴み、リアナに鍔迫り合いを仕掛けて攻撃を押し返す。
 リアナはオレの【身体強化】との鍔迫り合いでは分が悪いと判断したのだろう。
 鍔迫り合いを止めてバックステップで距離を取った。
 そこを一歩踏み込んで一太刀浴びせようとしたが、オレの胴斬りをリアナは後転で躱す。

(えっ! 今の胴斬りが見えてたのか? やはり【身体強化】の効果がいつもより弱いなぁ……それとリアナの動体視力良すぎるだろ!)

「やっと本気だねクライヴ!」

 オレの強張った表情とは対照的にリアナは笑顔で溢れていた。

「フフフ、君の本気にぼくがどこまでついていけれるだろうか…………胸を借りるつもりで挑ませてもらうよ」

 そう言ってリアナはジリジリと足を動かして、間合いに入ろうとした。
 オレは片手で袈裟斬りを放つが、リアナに防がれる。
 だがリアナの顔色を窺うと、オレの攻撃を防ぐ事は出来たがそれ程余裕も無い様子だった。

(やはり片手じゃ攻撃が軽いか? 【身体強化】を使っても両手持ちのリアナとは力が互角か……)

残り時間タイムリミットは後二秒……
オレは最後の力を振り絞り、縦や横に攻撃が途切れぬように連撃を放つ。

 リアナにも最後の抵抗だと伝わり、防御を固められる。
 
(一瞬、一瞬だけでいい! 防御の隙間を縫うような一撃を!)

 オレは勢いよく一歩を踏み出し、左手一本で横一文字に払うように振り抜く。
 脱力からの加速……剣を振る動作を限りなく省いた最短距離で到達できる一撃だった。

「なっ!」

 リアナもなんとか反応して、剣を左脇腹付近で垂直に構えて防御する。

 ガキッ!

 後一歩のところで防がれてしまうがリアナも無理矢理防御をしたので身体を横方向にくの字に曲げていてバランスを崩していた。
 そしてオレは攻撃の手を止めず、追撃の為に振りかぶりの動作に移っていた。
 防御姿勢のまま木剣を握っているその両腕を目掛けて斬り下ろす。
 
(その姿勢じゃ木剣を手放すしかないだろう。じゃないと腕を直撃だぜ)

 案の定リアナはオレの攻撃を避ける為に木剣を手放した…………
 と思っていたが、リアナは玉砕覚悟でオレに向かって一歩踏み込んでくる。

「フフ」

「グッ……嘘だろ」

 オレの斬り下ろしの一撃はリアナの左肩に当たっているが、そこは防具の縫い目だった……
 そう丁度その場所は的がない場所だった…………

 そしてリアナはオレのガラ空きの胴に横一閃……
 見事な一撃が入り、オレの防具は光を放ち始めた。

 【身体強化】の効果もタイムアップとなり、オレは身体の負担と疲労感で大の字に倒れ込んだ。


「クライヴ見事な一撃だよ。これが試合ならぼくが負けていたね。それほど強烈な一撃だよ。左肩への衝撃が強くてまだ腕が上がりそうに無いよ」

 リアナは汗で額に張り付いた髪をかきあげて笑顔でオレにそう言った。

「いや、オレならあそこで踏み込む度胸なんてない…………ワンチャンあるかなぁって思ってたけど、完敗だよ」

「良い戦いだった」

 寝そべるオレに手を差し出すリアナ。
 オレはその手を掴んで起き上がる。

 そして戦闘祭りは終了して、戦闘祭り参加者全員は運動場の校舎側付近で結果発表を待つ事になった。

「クライヴ惜しかったね。ボクが気絶したせいで……」

「モーガンのせいじゃ無いって」

 オレは申し訳なさそうに謝るモーガンを手で制して、何か言いたそうなフィーネに目を向けた。

「何よ! ア、アンタの事なんか心配してしてないわよ!」

 ツンなフィーネは何故か目と鼻が赤くなっていて、その目は泣き腫らしていたようにも見えた……

(オレとリアナの戦いに感動シーンなんかあったか? それとも負けたのか悔しかったのか?)

 オレは原因がわからずに少し悩んでいると、ショーンがオレに声をかけてきた。

「おう! クライヴ惜しかったのぉ。ワシもモーガンもあの場におれんのが悔しゅうてしょうがねぇが、フィーネはおめぇが無事に帰ってくるように祈ってたけぇの……なんか言ったほうがよかろうが」

(ショーンありがとう。珍しくナイスフォロー!)
 
 オレはショーンの言う通り、もう一度フィーネの元に駆け寄り言葉をかけた。

「フィーネただいま」

「なっなによ! アア、アタシがおかえりとでも言うと思ってたの! クライヴのくせに生意気なのよ!」

 ショーンの言う通りにしたつもりで帰ってきた報告をしたのだが、まさかの罵倒という言葉がフィーネから返ってきた……

(うん! ショーンよ。ツンデレの先にはツンが潜んでいたようだ)

「フフ、相変わらずだねクライヴとフィーネは」

「えっリアナ、この二人はいつも甘酸っぱい恋人ごっこみたいな事をしてるの?」

「まぁぼく達は慣れたけどね」

「アアア、アタシと、ク、ク、クライヴは、そ、そんな関係じゃないわよ! …………まだ」

 左腕をおさえて微笑むリアナと困惑した表情のエルザ様がオレとフィーネを見ていた……

 数分間そんなやり取りをしていたらヘンリエッタ先生が戦闘祭り参加者の前に現れた。

「皆さんお疲れ様。今回の戦闘祭りは見どころ満載だったわね。それじゃ早速結果を発表するわ。
 三位はジェイミー君達の二年一組!
 二位はクライヴ君達の一年二組!
 そして優勝はリアナさん達の一年三組よ!
 みんなおめでとう!」

 結果をクラスのみんなに伝えに行く為、オレ達はリアナ達と一旦別れてガン先生達の元に戻った。

「み、みんな、す、素晴らしい活躍だよ」

「ク、クライヴ様の勇姿をこの両まなこに焼き付けて失明したかったですわ!」

(ヤバイ人は無視しましょう……)

「モーガン君が気絶したと聞いて、マウストゥマウスの準備万端整っていましたのよ!」

(間違った準備だね……)

「フィーネたん足首を痛めたと聞いて、将来の夢は靴になろうと決めてました」

(ついに人間を辞めましたか……)

 何気にトンマージ君も女子達から声をかけられていたが、カーンだけは誰一人労いの声をかける者すらいなかった……

 そしてやはりカーンは体育座りとなり、人差し指でグルグルと地面に何かを描いており、その後ろ姿はリストラされたサラリーマンを漂わせるような……哀愁を感じる中間管理職を彷彿とさせる背中を見せていた…………
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