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第一章 王国編第二部(中等部)
エピソード128 作戦会議と貴族令嬢?
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クラリネさんから話を聞いたオレ達は、一旦ハッピースマイルポテイトンにクラリネさんを招待した。
これはオレの狙いである従業員の確保の為だ。
実はレモネードの販売を始めてから、正直今のメンバーで回すのは苦しくなってきた。
それにオレは中等部入学前から密かに新商品の開発を進めていた。
匠達と…………
「てやんでぃ、この唐変木! なんでぇその薄切りって金物のアイデアは! このトンチキがぁ!」
オレが薄切りポテト…………チップス的なポテトね。
その薄切りポテトの説明をして、その為の薄く切る道具でしかも手が怪我しないように魔道具を組み込んでジャガイモを置くと自動でスライスされて下の容器に入っていく……みたいな物が作れないかと匠に相談したのだが…………喜んでいるのか、怒っているのか、いつもの匠の反応だった…………
「あの……作れそうですか? 開発にかかる費用はぼくが負担しますので…………」
「べらんめぃ! 啖呵切った後にグズグズ言うんじゃねぇ! このすっとこどっこいがぁ! こちとら宵越しの銭は持たねえよ!」
反応からして多分、匠は新しい挑戦にワクワクしているみたいだった。
そして現在、まだ完成はしていないが匠からは日に日に完成に近づいていると連絡があり、もう少しで良い知らせが届くだろう。
そんな訳で従業員数を増やそうと思っていた矢先のクラリネさんからの話だったので、こちらとしては喉から手が出るほど働いていただきたい!
オレ達はハッピースマイルポテイトンに着くと、簡単にクラリネさんに店舗の紹介をした。
噂では聞いた事があるようだが、入学金の節約にと来ることは無かったらしい。
「えー! これ、えー! 何ですかこれ!」
クラリネさんは店内を見渡して目を丸くして驚いている。
(驚き過ぎだよクラリネさん……真面目キャラって感じだけど、こう見ると普通の女の子なんだなぁ)
「庭! えー噴水! えー何これ! オシャレですね。えーお手洗いも凄い! ここは王宮なんでしょうか? 何ですかこの足湯と言うのはここで読書をすると永遠に集中出来そうです!」
驚き過ぎてクラリネさんが壊れてしまった。
(永遠は困るよクラリネさん……事件になっちゃうよ……)
そして厨房や二階の説明をして、さすがのクラリネさんも情報量いっぱいでパンク寸前だった…………
「とりあえず、今後クラリネさんが働いてくれるなら、ジャガイモを倍に増やそうと思うんだ。上手くいくと、一日一人当たり銀貨一枚、小銀貨二枚、銅貨九枚の賃金でショパンさんと爺ちゃんの大人二人は銅貨一枚分少ないので我慢してもらって……」
クラリネさんはオレの説明の途中で食い気味で話しかけてきた。
「よろしくお願いします! 凄いです! 五回働くと一ヶ月分の生活に困らないですよ!」
「そ、そうだね……クラリネさんが良ければこのまま仕事内容の説明をするね」
オレはクラリネさんの圧に圧倒されつつ仕事内容の説明をした。そして説明後にオレはみんなに営業再開について提案した。
「実際稼働するのは中等部の生活に落ち着いてからかなぁと考えているから、再来週辺りからかな」
オレの提案にモーガンも頷いた。
「クライヴの言う通り、まずは学院生活に慣れないとね。それにクライヴはショパンさんやヒューゴさんと打ち合わせもあるだろうし」
こうして一旦は学院生活に慣れる事で全員一致して学生寮に行く事にした。
「フィーネ! ぼく達はこっちの寮だ。初等部の時とは違うんだよ」
フィーネは当たり前のようにオレとモーガンとショーンについて来ていて、急いでリアナが呼び止めていた。
「ア、アタシは間違えてないんだからね! アンタが寮にちゃんと行けれるか、み、見送ろうとしたんだからね!」
真っ赤な顔でフィーネはオレに捨て台詞を言った……
(あなたはオカンですか?)
そんなドタバタが少しあり、オレ達は寮に入った。
入り口の扉を開けると百メートル走ができる大きなエントランス……扉のすぐ側には守衛室があり、守衛さんが一名待機していた。
オレは守衛さんと目が合ったので挨拶をした。
「こんにちは。今日から入寮する中等部一年のクライヴと申しますが……」
「あぁ、新入生だね。
一階が新入生達の部屋になっているよ。
エントランスが東方角だから、向かって右側の北の方角が一組と二組の部屋になって、向かって左側の南の方角が三組と四組になるよ。それぞれ一番奥には男性用トイレがあり、中には二十名分の個室トイレが完備されているよ。
突き当たりにある奥の扉にはね……おっと、階段奥の西の方角の扉のことだよ。
そこは食堂に繋がっているよ。また食堂に繋がる扉の隣にも男性用トイレがあり、ここのトイレは中が広くて五十名分の個室トイレが完備されているよ。
後は、それぞれ部屋は個室で出席番号順に並んでいて、部屋の広さは縦長の十五畳一間の作りに統一されているから貴族も平民も関係ないよ。
門限は二十時までで鍵がかかってしまうから注意して、門限過ぎる用事があるなら事前に私たち守衛に伝えるように。
以上で説明は終わるけど、何かわからないことはあるかな?」
挨拶しただけで守衛さんはとても丁寧な説明をしてくれた。
そのおかげで、学生寮内で迷う事はなさそうだ。
オレ達はまず自分の部屋を確認してから、何故かオレの部屋で集合となった。
オレは自分の部屋を見つけて中に入ると、本当に長方形の部屋で、フローリングの床と備え付けのクローゼットと棚と机と椅子があり、奥には窓が一つある。
部屋の明かりは、優しい灯りを放つ魔道具が天井についている。
(フローリングだし、敷布団よりベッドがいるなぁ……後は来客用にラグとちゃぶ台みたいな低めのテーブルとシーグラスクッションぐらいか……どうせなら全部完備して欲しいよ……平民だと金銭的な負担がまた掛かるって)
「クライヴ、入るよ」
「クライヴ、凄ぇ広かろう」
オレがこの部屋のレイアウトと平民の金銭的負担を考えていると、部屋の外からモーガン達の声が聞こえて来た。
「いいよ」
「なんじゃ、どの部屋も同じじゃのう」
ショーンは何を期待していたのか分からないが少しテンションが下がっていた。
「ハハ……そりゃ最初に説明していたからね」
モーガンは苦笑しながらショーンに言った。
「二人とも準備できたのなら、まずは食堂に行ってみる? そろそろ夕食の時間帯だし、フィーネ達もいるかも知れないし」
オレはモーガン達を夕食に誘って、オレ達は食堂に向かった。
その食堂へと続く扉を開けると、さすが全校生徒を収容できる寮だけあって食堂の広さも桁違いだ……
(オレは巨大なフードコートに来ているのか? 全校生徒余裕で座れるだろ! そして気になるのが……何で吹き抜けの作りで階段が四つもあるの? いったいその先の半個室みたいなビップなルームは何なのさー)
「なんじゃこりゃあ!」
隣のショーンも驚愕な表情で驚いていた……
だが一人モーガンはいつも通りニコニコと笑顔を崩さなかったので、オレはモーガンに聞いてみた。
「モーガンは驚かないのか?」
「いやぁ驚いているよ」
「その割には場慣れしているなぁ」
「フフッ何それ、クライヴにはボクがそんな風に見えるのかい?」
モーガンはオレの言葉に愛想笑いで返して来た。
こんな反応の時はあまり深く突っ込まれたくないのだろう……二年間モーガンと共に過ごして少しずつわかって来た事だ。
まぁそれよりも、オレ達はこの人混みの中でフィーネ達を探さないと……
オレはキョロキョロ周りを見渡していると、階段から女子生徒が降りて来ている。
その生徒はオレの顔を見ると、向日葵のように笑顔を咲かせてオレに向かって手を振ってきた。
「クライヴゥー! お姉ちゃんはこっちだよ!」
大きな声で呼ばれたオレは、女子生徒の周りやオレの周辺の人達から一斉に注目を浴びた…………
(やめてくだされ……ルーシー様…………)
これはオレの狙いである従業員の確保の為だ。
実はレモネードの販売を始めてから、正直今のメンバーで回すのは苦しくなってきた。
それにオレは中等部入学前から密かに新商品の開発を進めていた。
匠達と…………
「てやんでぃ、この唐変木! なんでぇその薄切りって金物のアイデアは! このトンチキがぁ!」
オレが薄切りポテト…………チップス的なポテトね。
その薄切りポテトの説明をして、その為の薄く切る道具でしかも手が怪我しないように魔道具を組み込んでジャガイモを置くと自動でスライスされて下の容器に入っていく……みたいな物が作れないかと匠に相談したのだが…………喜んでいるのか、怒っているのか、いつもの匠の反応だった…………
「あの……作れそうですか? 開発にかかる費用はぼくが負担しますので…………」
「べらんめぃ! 啖呵切った後にグズグズ言うんじゃねぇ! このすっとこどっこいがぁ! こちとら宵越しの銭は持たねえよ!」
反応からして多分、匠は新しい挑戦にワクワクしているみたいだった。
そして現在、まだ完成はしていないが匠からは日に日に完成に近づいていると連絡があり、もう少しで良い知らせが届くだろう。
そんな訳で従業員数を増やそうと思っていた矢先のクラリネさんからの話だったので、こちらとしては喉から手が出るほど働いていただきたい!
オレ達はハッピースマイルポテイトンに着くと、簡単にクラリネさんに店舗の紹介をした。
噂では聞いた事があるようだが、入学金の節約にと来ることは無かったらしい。
「えー! これ、えー! 何ですかこれ!」
クラリネさんは店内を見渡して目を丸くして驚いている。
(驚き過ぎだよクラリネさん……真面目キャラって感じだけど、こう見ると普通の女の子なんだなぁ)
「庭! えー噴水! えー何これ! オシャレですね。えーお手洗いも凄い! ここは王宮なんでしょうか? 何ですかこの足湯と言うのはここで読書をすると永遠に集中出来そうです!」
驚き過ぎてクラリネさんが壊れてしまった。
(永遠は困るよクラリネさん……事件になっちゃうよ……)
そして厨房や二階の説明をして、さすがのクラリネさんも情報量いっぱいでパンク寸前だった…………
「とりあえず、今後クラリネさんが働いてくれるなら、ジャガイモを倍に増やそうと思うんだ。上手くいくと、一日一人当たり銀貨一枚、小銀貨二枚、銅貨九枚の賃金でショパンさんと爺ちゃんの大人二人は銅貨一枚分少ないので我慢してもらって……」
クラリネさんはオレの説明の途中で食い気味で話しかけてきた。
「よろしくお願いします! 凄いです! 五回働くと一ヶ月分の生活に困らないですよ!」
「そ、そうだね……クラリネさんが良ければこのまま仕事内容の説明をするね」
オレはクラリネさんの圧に圧倒されつつ仕事内容の説明をした。そして説明後にオレはみんなに営業再開について提案した。
「実際稼働するのは中等部の生活に落ち着いてからかなぁと考えているから、再来週辺りからかな」
オレの提案にモーガンも頷いた。
「クライヴの言う通り、まずは学院生活に慣れないとね。それにクライヴはショパンさんやヒューゴさんと打ち合わせもあるだろうし」
こうして一旦は学院生活に慣れる事で全員一致して学生寮に行く事にした。
「フィーネ! ぼく達はこっちの寮だ。初等部の時とは違うんだよ」
フィーネは当たり前のようにオレとモーガンとショーンについて来ていて、急いでリアナが呼び止めていた。
「ア、アタシは間違えてないんだからね! アンタが寮にちゃんと行けれるか、み、見送ろうとしたんだからね!」
真っ赤な顔でフィーネはオレに捨て台詞を言った……
(あなたはオカンですか?)
そんなドタバタが少しあり、オレ達は寮に入った。
入り口の扉を開けると百メートル走ができる大きなエントランス……扉のすぐ側には守衛室があり、守衛さんが一名待機していた。
オレは守衛さんと目が合ったので挨拶をした。
「こんにちは。今日から入寮する中等部一年のクライヴと申しますが……」
「あぁ、新入生だね。
一階が新入生達の部屋になっているよ。
エントランスが東方角だから、向かって右側の北の方角が一組と二組の部屋になって、向かって左側の南の方角が三組と四組になるよ。それぞれ一番奥には男性用トイレがあり、中には二十名分の個室トイレが完備されているよ。
突き当たりにある奥の扉にはね……おっと、階段奥の西の方角の扉のことだよ。
そこは食堂に繋がっているよ。また食堂に繋がる扉の隣にも男性用トイレがあり、ここのトイレは中が広くて五十名分の個室トイレが完備されているよ。
後は、それぞれ部屋は個室で出席番号順に並んでいて、部屋の広さは縦長の十五畳一間の作りに統一されているから貴族も平民も関係ないよ。
門限は二十時までで鍵がかかってしまうから注意して、門限過ぎる用事があるなら事前に私たち守衛に伝えるように。
以上で説明は終わるけど、何かわからないことはあるかな?」
挨拶しただけで守衛さんはとても丁寧な説明をしてくれた。
そのおかげで、学生寮内で迷う事はなさそうだ。
オレ達はまず自分の部屋を確認してから、何故かオレの部屋で集合となった。
オレは自分の部屋を見つけて中に入ると、本当に長方形の部屋で、フローリングの床と備え付けのクローゼットと棚と机と椅子があり、奥には窓が一つある。
部屋の明かりは、優しい灯りを放つ魔道具が天井についている。
(フローリングだし、敷布団よりベッドがいるなぁ……後は来客用にラグとちゃぶ台みたいな低めのテーブルとシーグラスクッションぐらいか……どうせなら全部完備して欲しいよ……平民だと金銭的な負担がまた掛かるって)
「クライヴ、入るよ」
「クライヴ、凄ぇ広かろう」
オレがこの部屋のレイアウトと平民の金銭的負担を考えていると、部屋の外からモーガン達の声が聞こえて来た。
「いいよ」
「なんじゃ、どの部屋も同じじゃのう」
ショーンは何を期待していたのか分からないが少しテンションが下がっていた。
「ハハ……そりゃ最初に説明していたからね」
モーガンは苦笑しながらショーンに言った。
「二人とも準備できたのなら、まずは食堂に行ってみる? そろそろ夕食の時間帯だし、フィーネ達もいるかも知れないし」
オレはモーガン達を夕食に誘って、オレ達は食堂に向かった。
その食堂へと続く扉を開けると、さすが全校生徒を収容できる寮だけあって食堂の広さも桁違いだ……
(オレは巨大なフードコートに来ているのか? 全校生徒余裕で座れるだろ! そして気になるのが……何で吹き抜けの作りで階段が四つもあるの? いったいその先の半個室みたいなビップなルームは何なのさー)
「なんじゃこりゃあ!」
隣のショーンも驚愕な表情で驚いていた……
だが一人モーガンはいつも通りニコニコと笑顔を崩さなかったので、オレはモーガンに聞いてみた。
「モーガンは驚かないのか?」
「いやぁ驚いているよ」
「その割には場慣れしているなぁ」
「フフッ何それ、クライヴにはボクがそんな風に見えるのかい?」
モーガンはオレの言葉に愛想笑いで返して来た。
こんな反応の時はあまり深く突っ込まれたくないのだろう……二年間モーガンと共に過ごして少しずつわかって来た事だ。
まぁそれよりも、オレ達はこの人混みの中でフィーネ達を探さないと……
オレはキョロキョロ周りを見渡していると、階段から女子生徒が降りて来ている。
その生徒はオレの顔を見ると、向日葵のように笑顔を咲かせてオレに向かって手を振ってきた。
「クライヴゥー! お姉ちゃんはこっちだよ!」
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