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第一章 王国編第一部(初等部)
エピソード64 ザック先生の鬼稽古
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今日はやっと休日だ。
久しぶりの週三日のハッピースマイルポテイトンの再開によって俺の身体は筋肉痛に悩まされた……
天気は快晴、朝食も食べた。そして今オレ達は街の中心にある公園に向かっている。公園と言ってもオレの知ってる公園とスケールが違う……
何とサッカーコート七十二個分の広さで、日本にある有名なテーマパークの東◯◯◯◯◯◯ランドと同じ広さで、様々な小動物や木々、散歩道、池、ベンチ、芝生の広場等、これで遊具が有ればもうテーマパークで言いのではと思うぐらいの規模だった。
公園を歩く事三十分……やっと目的地の芝生のエリアにオレ達は着いた。
「坊主達、やる気あるんか?」
そう声をかけてくるのは大きな皮袋を二つ背負ったザックだった……
(まだ午前九時少々ですが……)
「坊主と嬢ちゃんに頼まれてやってきたウィンゲート侯爵家護衛のザックだ。気軽にザック先生と呼んで構わないぞ」
「「「「はい! ザック先生」」」」
「はい! ザック」
ザックはオレにやれやれと溜め息一つ吐いた。
「坊主はブレねぇなぁ……」
そんなオレとザックのやり取りに笑いが起きて、明るい雰囲気での自己紹介となった。
「じゃあ、まずはショーン、お前な。一人だけ素人なんざ足を引っ張るだけだからビシバシいくぜ」
「おぅ……はい! ザック先生」
(おぉぉ、ショーンがザックに敬語だ。珍しい!)
そしてザックが大きな皮袋から色々な木の武器が出てきた。
(ザック……本気度が凄いよ…………)
とりあえず、オレ達はザックとショーンの稽古を見ていた……
ショーンは両手で大盾を構えて、ザックは左手で大盾、右手で長剣を持っていた。
「まずは俺の攻撃を受け止めてみろ。お前がどんぐらいのレベルなのか見てやるよ」
そう言ってザックはショーンに走っていき、長剣を斜めに斬り下ろした。
ショーンは押し負ける事なく大盾で防ぎ手応えを感じたのか、一瞬だけショーンの緊張感が途切れた……
その隙にザックは大盾で思いっきり殴り、ショーンは勢い良く後方に倒れた。そしてショーンは起き上がろうとしたところで、首元に長剣を突きつけられていた。
「はい、おしまい。盾役は攻撃を受ける事に集中しないとな。緊張感を途切らせるようじゃダメだな。
あとは敵とかと戦う時は自分に注目を集めさせる事。最後に大事なのが仲間との連携な。
仲間の位置は頭に入れておけよ。そうする事で仲間は戦いやすいし、リスクも減るからな。
まぁ度胸は認めるが、それ以外はさっぱりだな」
ザックの評価にショーンはぐうの音も出ない様子だった。
二時間ぐらい休憩を挟みながら、ザックはショーンと個人稽古をして、その他のオレ達はそれぞれ相手を替えながら手合わせと休憩を繰り返した。
リアナはいつもの長剣と細剣のスタイル、オレは細剣と小盾、モーガンは細剣、フィーネは弓と短剣で闘った。
勝敗は、リアナが五勝一敗、フィーネが三勝三敗、オレとモーガンが二勝四敗
(乗り気じゃないが…………)
午後からからは制限時間十分間の手合わせをオレ達対ザックの五対一で行ったら。
「先生! 魔術の使用はオッケーですか?」
オレは念の為に確認した。
「殺傷力の少ないやつならいいぜ」
言質はとったぞ!
最前衛にショーンを置き、少し後ろの前衛の両サイドにオレとリアナが居て、真ん中にモーガン、その斜め後ろにフィーネの布陣で闘うことにした。
「キーマンはショーンだね。どれぐらい時間を稼げるかにかかってるよ」
モーガンはそう言って、ショーンに発破をかけた。
「まかせとけ!」
「おーい、準備できたか坊主達。それでは始めるぞ」
ザックの掛け声とともに十分間の手合わせが始まった。
いきなりザックはオレをターゲットに向かってきた。
(えっ? こっち来るなよ……)
するとオレの目の前にはショーンが大盾を構えて立ち塞がってくれた。
「くらえ」
リアナは掛け声とともにザックの大盾を持つ左側を中心に左回りに円のように動き、細剣で突きを放った。
しかしリアナのタイミングに合わせて、ザックは右手に持っている長剣の回転斬りでリアナの細剣は大きく弾き飛ばされていった。
「クッ! すまないクライヴ一旦離れて体勢を調わせてもらうよ」
リアナは両手で長剣を持ち、間合いの外に外れた。
「ショーン肩貸して」
オレはザックに聞こえないようにショーンに小声で呟くと、了承を得ないまま、ショーンの肩を踏み台にしてジャンプして、細剣で頭部への一撃を狙った。
「何じゃそりゃ」
慌ててザックは大盾で頭を守り、オレの奇襲攻撃は簡単に防がれた…………が頭を守っていた大盾を踏んでそのままザックの後方に飛んだ。
ザックは前方にいるショーンと後方のオレに挟まれ、サイドステップでその場から離れた。
「フィーネ」
オレの声とともに、フィーネの矢がザックの右腕を捉えようとしたが、長剣で弾かれた…………
(ザックって実はこんなに強い人なの?)
「なかなかやるじゃねぇか! ちっとはお仕置きが必要だな」
ザックは思ったよりもオレ達が闘えている為か楽しそうに笑っていた。
「フィーネ、クライヴ」
リアナがオレとフィーネを呼び、そしてオレと目を合わした。
(同時にか…………どうかな? 上手くいけばいいけど……)
フィーネが二本の矢を右腕と左足に放った。
ザックは大盾に身体を覆い隠すようにしゃがみ込みフィーネの矢を防いだ。
そして、ショーンが大盾で体当たりをするが、ビクともしなかった…………
「みんなこれでいけるよ! 氷の地面」
モーガンの氷魔法でザックの足元の地面を凍らせた。
このタイミングでオレとリアナはザックの大盾を左右から回り込んだ………………がそこにはザックはいなかった……大盾を弾かれない様に盾を手に通す所に長剣があり、その長剣は地面に刺さっていた。
「坊主と嬢ちゃん油断し過ぎ。忘れたのかオレの得意な獲物は槍だぜ」
オレ達はザックの槍のリーチからの攻撃で武器を吹き飛ばされた。
僅か五分間の出来事だった…………
その後はモーガン達の奮闘虚しく、残り時間三分で全滅した…………
「お前ら悪くはないが、実戦での観察と状況判断を鍛えんと、いずれ死ぬぞ」
ザックにハッキリとダメ出しをされて、オレ達は会話もなく無言で学生寮に帰った…………
久しぶりの週三日のハッピースマイルポテイトンの再開によって俺の身体は筋肉痛に悩まされた……
天気は快晴、朝食も食べた。そして今オレ達は街の中心にある公園に向かっている。公園と言ってもオレの知ってる公園とスケールが違う……
何とサッカーコート七十二個分の広さで、日本にある有名なテーマパークの東◯◯◯◯◯◯ランドと同じ広さで、様々な小動物や木々、散歩道、池、ベンチ、芝生の広場等、これで遊具が有ればもうテーマパークで言いのではと思うぐらいの規模だった。
公園を歩く事三十分……やっと目的地の芝生のエリアにオレ達は着いた。
「坊主達、やる気あるんか?」
そう声をかけてくるのは大きな皮袋を二つ背負ったザックだった……
(まだ午前九時少々ですが……)
「坊主と嬢ちゃんに頼まれてやってきたウィンゲート侯爵家護衛のザックだ。気軽にザック先生と呼んで構わないぞ」
「「「「はい! ザック先生」」」」
「はい! ザック」
ザックはオレにやれやれと溜め息一つ吐いた。
「坊主はブレねぇなぁ……」
そんなオレとザックのやり取りに笑いが起きて、明るい雰囲気での自己紹介となった。
「じゃあ、まずはショーン、お前な。一人だけ素人なんざ足を引っ張るだけだからビシバシいくぜ」
「おぅ……はい! ザック先生」
(おぉぉ、ショーンがザックに敬語だ。珍しい!)
そしてザックが大きな皮袋から色々な木の武器が出てきた。
(ザック……本気度が凄いよ…………)
とりあえず、オレ達はザックとショーンの稽古を見ていた……
ショーンは両手で大盾を構えて、ザックは左手で大盾、右手で長剣を持っていた。
「まずは俺の攻撃を受け止めてみろ。お前がどんぐらいのレベルなのか見てやるよ」
そう言ってザックはショーンに走っていき、長剣を斜めに斬り下ろした。
ショーンは押し負ける事なく大盾で防ぎ手応えを感じたのか、一瞬だけショーンの緊張感が途切れた……
その隙にザックは大盾で思いっきり殴り、ショーンは勢い良く後方に倒れた。そしてショーンは起き上がろうとしたところで、首元に長剣を突きつけられていた。
「はい、おしまい。盾役は攻撃を受ける事に集中しないとな。緊張感を途切らせるようじゃダメだな。
あとは敵とかと戦う時は自分に注目を集めさせる事。最後に大事なのが仲間との連携な。
仲間の位置は頭に入れておけよ。そうする事で仲間は戦いやすいし、リスクも減るからな。
まぁ度胸は認めるが、それ以外はさっぱりだな」
ザックの評価にショーンはぐうの音も出ない様子だった。
二時間ぐらい休憩を挟みながら、ザックはショーンと個人稽古をして、その他のオレ達はそれぞれ相手を替えながら手合わせと休憩を繰り返した。
リアナはいつもの長剣と細剣のスタイル、オレは細剣と小盾、モーガンは細剣、フィーネは弓と短剣で闘った。
勝敗は、リアナが五勝一敗、フィーネが三勝三敗、オレとモーガンが二勝四敗
(乗り気じゃないが…………)
午後からからは制限時間十分間の手合わせをオレ達対ザックの五対一で行ったら。
「先生! 魔術の使用はオッケーですか?」
オレは念の為に確認した。
「殺傷力の少ないやつならいいぜ」
言質はとったぞ!
最前衛にショーンを置き、少し後ろの前衛の両サイドにオレとリアナが居て、真ん中にモーガン、その斜め後ろにフィーネの布陣で闘うことにした。
「キーマンはショーンだね。どれぐらい時間を稼げるかにかかってるよ」
モーガンはそう言って、ショーンに発破をかけた。
「まかせとけ!」
「おーい、準備できたか坊主達。それでは始めるぞ」
ザックの掛け声とともに十分間の手合わせが始まった。
いきなりザックはオレをターゲットに向かってきた。
(えっ? こっち来るなよ……)
するとオレの目の前にはショーンが大盾を構えて立ち塞がってくれた。
「くらえ」
リアナは掛け声とともにザックの大盾を持つ左側を中心に左回りに円のように動き、細剣で突きを放った。
しかしリアナのタイミングに合わせて、ザックは右手に持っている長剣の回転斬りでリアナの細剣は大きく弾き飛ばされていった。
「クッ! すまないクライヴ一旦離れて体勢を調わせてもらうよ」
リアナは両手で長剣を持ち、間合いの外に外れた。
「ショーン肩貸して」
オレはザックに聞こえないようにショーンに小声で呟くと、了承を得ないまま、ショーンの肩を踏み台にしてジャンプして、細剣で頭部への一撃を狙った。
「何じゃそりゃ」
慌ててザックは大盾で頭を守り、オレの奇襲攻撃は簡単に防がれた…………が頭を守っていた大盾を踏んでそのままザックの後方に飛んだ。
ザックは前方にいるショーンと後方のオレに挟まれ、サイドステップでその場から離れた。
「フィーネ」
オレの声とともに、フィーネの矢がザックの右腕を捉えようとしたが、長剣で弾かれた…………
(ザックって実はこんなに強い人なの?)
「なかなかやるじゃねぇか! ちっとはお仕置きが必要だな」
ザックは思ったよりもオレ達が闘えている為か楽しそうに笑っていた。
「フィーネ、クライヴ」
リアナがオレとフィーネを呼び、そしてオレと目を合わした。
(同時にか…………どうかな? 上手くいけばいいけど……)
フィーネが二本の矢を右腕と左足に放った。
ザックは大盾に身体を覆い隠すようにしゃがみ込みフィーネの矢を防いだ。
そして、ショーンが大盾で体当たりをするが、ビクともしなかった…………
「みんなこれでいけるよ! 氷の地面」
モーガンの氷魔法でザックの足元の地面を凍らせた。
このタイミングでオレとリアナはザックの大盾を左右から回り込んだ………………がそこにはザックはいなかった……大盾を弾かれない様に盾を手に通す所に長剣があり、その長剣は地面に刺さっていた。
「坊主と嬢ちゃん油断し過ぎ。忘れたのかオレの得意な獲物は槍だぜ」
オレ達はザックの槍のリーチからの攻撃で武器を吹き飛ばされた。
僅か五分間の出来事だった…………
その後はモーガン達の奮闘虚しく、残り時間三分で全滅した…………
「お前ら悪くはないが、実戦での観察と状況判断を鍛えんと、いずれ死ぬぞ」
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