44 / 228
第一章 王国編第一部(初等部)
エピソード33 バイト探しは王都ウォークで
しおりを挟む
のぼりはじめた太陽の光が窓から差し込みオレは目を覚ました。
(今日は快晴だな)
窓を開けて、身体を目覚めさせる。
そして肺が大きく膨らむぐらい空気を目一杯吸い込みながら外の景色を見てみると、住宅街の人々が朝から洗濯や調理等で住宅のあちこちで忙しなく動いていた。
このザワザワした生活音が、オレの部屋まで漂ってきた。オレはこの生活音が悪くはない、シェリダン領の事を思い出すので懐かしい気持ちにさせられる。
「ヒューゴは元気にしてるかなあ。友達が出来たと伝えたら絶対喜ぶだろうな」
そして、太陽はゆっくりと顔を現し、まだ薄暗かった建物を光です染めていった。
「クライヴ。起きてるかい?」
この少し高い声はモーガンだ。
「起きてるよ。モーガン」
そう言いながら、オレは最悪の事態を考えて汚れても目立たない緑色のチュニックに茶色のズボンに着替えた。
「クライヴも着替えが済んでるみたいだね。それじゃ午前中に活動するから朝食を食べに行こうよ」
モーガンは、ベージュのチュニックにまさかの萌え袖! 黒いズボンを履いていた。
え? 何その可愛さ! 狙ってるの? ねえモーガンは可愛いと言われるのを狙って着ているの?
そして部屋から出て一階に降りようとしたらモーガンに呼び止められた。
「クライヴ? フィーネやリアナは待たないの?」
「流石に朝から女の子達の部屋に行くのもなあ……色々準備とかあるとおもうし、先に行こうぜ」
モーガンを説得して俺達は食堂に向かった。
「「おはようございます!」」
ここの料理人さんは朝からエネルギーが凄い、というか王立学院専属シェフに向けて日夜必死に腕を磨いているんだろう……
オレは一度呼吸を整えてから、今日の朝食のメニューを確認した。
「なになに今日のメニューは………………」
【グランドマザーによる黄金の恵みの大地の上で、ヨッ! 一周してみなよ良い予感しかしないからさ】
もう一つは【すみません私用で辞めます。もう無茶振り過ぎて大混乱です店長! こんな事が来るとは、さらさら思いませんでした】
どうしよう。何が出てくるのかさっぱりわからない……
最近ますます料理長のメニューに対するネーミングセンスに力が入っているような気がする。
そこじゃなくて、若手料理人達の教育に力入れろよ!
とりあえずカウンターの人に【グランドマザーなんとか】を頼み、モーガンはもう一つの方を頼んだ。
しばらくするとフィーネ達がやってきた。
「おはよう。二人とも早いね」
よそ行きフィーネモードだ。
「おはよう。ぼく達よりも早いなんて、今日の日を楽しみに待っていたんだね。さぁフィーネ! ぼく達も朝食を選びに向かおうか!」
相変わらず朝からカッコいいリアナだったが、フィーネがリアナの腕を掴み、静止した。
「リアナ、クライヴたちのメニューを見てから考えましょう。それからでも遅くはないわ」
流石フィーネ、このシステムの穴をもう理解しているなんて……メニュー名が罠からない場合は相手のメニューを見る事で優位に立てる。オレは知っているぞ、フィーネが一瞬カウンターのメニュ表を見ていたのを!
そしてタイミングよく鐘が鳴ったので、オレとモーガンは朝食を受け取りテーブルについた。
お互い一言目に同じ言葉を発した。
「そうきたか」
「そうくるんだね」
オレが頼んだ【グランドマザーによる黄金の恵みの大地の上で、ヨッ! 一周してみなよ良い予感しかしないからさ】は、牛乳のかかったシリアルの上にヨーグルトと柑橘系の伊予柑のような物が乗っていた。
簡単に言えばフルーツグラノーラ的なやつだ。
そして、モーガンのは【すみません私用で辞めます。もう無茶振り過ぎて大混乱です店長! こんな事が来るとは、さらさら思いませんでした】は、私用で辞めます。もう無茶振り過ぎて大混乱です店長! こんな事が来るとは、さらさら思いませんでした】
簡単に言えば、魚の塩焼きに、ブリ大根にサラダの組み合わせ的なやつだ。
その後フィーネとリアナはグラノーラを選んだ。
お腹も満たされて、今日の予定を再度確認しようとモーガンが言った。
「クライヴとフィーネは学生通りをお願いね。リアナは大通りをお願いするね。ボクは平民通りを探索してみるよ。昼前には大聖堂から少し学生通り側に入った所にあるテラスがある赤い屋根のカフェに集合ね」
「はーい」
「わかったわ」
「任してくれ」
改めてモーガンって人をまとめるの上手だよな。
「フィーネ、オレたちは学生通りに行ってみよう。」
「う、うん、わ、わかったわ」
今日のフィーネなんだか調子悪いのかな?
服装は、白の半袖チュニックに白のキュロット、その上に新しく見るベージュのロングカーディガンのような物を羽織っていた。どうやらエルフ族の服のようらしい。
どうした? その清潔感ある子どもを演出しながらも、ロングカーディガンで大人への憧れを抱いたキレイめなコーデは?
そんなオシャレをしてきたのに、モジモジしているなんて、らしくないなあ。憧れの王都で舞い上がっているのかと思ったよ。
オレは顔だけは美少女の今日は何故かポンコツフィーネが、万が一にも誘拐とか巻き込まれないように不意の手を握りしめて学生通りに向かった。
「えっ! フ、ファァ……て、手を……そんな……デデデ、デート……み、みた……もしかして……なの? ぅれし恥ずかしいよぉ………………」
ポンコツフィーネさんはブツブツ念仏を唱えているようだが、オレは学生通りを見ながら前世とこの世界を比べてなにが足りないかを考えていた。
身の危険をともなうお金稼ぎをしない為にも!
集中していたオレには、フィーネの言葉が全く耳に入ってこなかった。
へぇー空き物件もあるのか? 賃貸物件で銀貨七枚、キッチン兼カウンター付きの二階建て……悩むけど今は無理だな。何かの商売をして軌道に乗ったら借りてみるのもアリだな。
後は、服、雑貨、本屋、カフェ等の学生をターゲットにしたお店は沢山あるからな……とりあえずフィーネにも意見を聞いてみるか?
オレはこの学生通りで何か一攫千金を狙えないか、真顔でフィーネにアイデアを求めた。
「フィーネ、どう思う」
「ど、どう思うって、あ、アタシに言わせる気なの! まぁ……その…………ぃぃと思うよ」
何をゴニョゴニョ言っているんだいフィーネさん! 今はふざけてる場合じゃないぞ、このままだと冒険者モドキとして働くことになるぞ!
オレはフィーネの両肩を掴みフィーネの目を見て言った。
「フィーネ! 真面目に聞いてくれ」
「は、ひゃい!」
フィーネの大きくてシャープな目が、より大きくなり、熱があるのか顔が真っ赤になっている。
「この学生通りで何か商売できないかと考えているんだが、フィーネは何かアイデアはないか?」
オレのその言葉を聞いて、フィーネの目に力が宿った。
「このクライヴのバカ! バカァァ! 何でアタシがこんな思いをしなきゃならないのよ! アタシに迷惑をかけたんだからアンタが自分で考えなさい!」
よくわからんが、オレはフィーネロケットの交通事故に遭ったが、とにかくいつものフィーネに戻ったので一安心だ。
ちなみに何度も言うがオレはマゾではない!
精神年齢含めて年長者として、フィーネを心配していただけだ! 決してマゾではない!
オレ達はたいした収穫もなく、集合場所であるカフェに向かった。
「クライヴ、こっちだよ~」
癒しのモーガンの声が聞こえた。
どうやらモーガンとリアナは先に着いたらしく、テラスの席を確保してくれていた。
それぞれ席に座るとまず腹ごしらえにメニューを見た。
オレは少し硬いパンで挟まれたハンバーガー的な物を、モーガンは謎肉のホワイトソースパスタ的な物を、フィーネは目を輝かせながら魚介のスープとミニサイズのピザ的な物を、リアナはたまごサラダと謎肉のステーキを注文した。
注文を聞きにきた店員さんがメニューを伝えに戻ろうと振り向く寸前で。
「アタシ、追加で、季節の果物のシュガーパイも」
フィーネのスイーツが追加された。
オレの金だぞ!
そして、リアナの様子が変だ。
フィーネがスイーツを注文してから、とても苦しそうに身を悶えていた。
「もしかして、リアナもスイーツ好きなの? じゃあ一緒に半分こね!」
フィーネの言葉に恥ずかしそうに頷くリアナだった。
まさかのボクっ娘リアナが隠れスイーツ好きだったとは……
ランチも終わり、それぞれオレンジやアップルのジュースを飲みながら午前中の成果の確認を行った。
モーガンがオレ達に聞いてきた。
「クライヴ達は学生通りで何か収穫あった?」
「殆どが学生に必要な店は揃っているし、通り沿いにしては割と安い賃貸物件があったくらいかな」
「そうか、その物件を活かすのはいまのボク達じゃ難しそうだね」
「ボクの平民通りも特には無いかなあ。むしろ職探しに困っていた人がいるから、ボクらのような子どもなんて相手にされないかな」
モーガンも収穫無しらしい……
「「リアナは?」」
オレとモーガンの声がハモった。
「ぼくの大通りは、宿屋に客が来た時に単発の掃除の仕事があったけど、各部屋の掃除とベッドメイキングで支払いは銅貨八枚だったよ。それと冒険者関連のお店のでは、薬屋が収集依頼を冒険者協会に、依頼しているらしく、ぼくらでも引き受けられる依頼もあるらしいよ」
ですよね……恐れていましたが……子どもにがっぽがっぽ稼げる仕事なんざないですよね……
「となると、午後から冒険者協会に行き説明を受ける事にしようか? 明日からだと学院も始まるから時間もないと思うからね」
モーガンが話をしてまとめて、みんな賛成多数だ。オレも日本人の美徳でもある協調性が前世で嫌と言うほど身に付いているので、満場一致で午後から冒険者協会に行く事となった…………
(今日は快晴だな)
窓を開けて、身体を目覚めさせる。
そして肺が大きく膨らむぐらい空気を目一杯吸い込みながら外の景色を見てみると、住宅街の人々が朝から洗濯や調理等で住宅のあちこちで忙しなく動いていた。
このザワザワした生活音が、オレの部屋まで漂ってきた。オレはこの生活音が悪くはない、シェリダン領の事を思い出すので懐かしい気持ちにさせられる。
「ヒューゴは元気にしてるかなあ。友達が出来たと伝えたら絶対喜ぶだろうな」
そして、太陽はゆっくりと顔を現し、まだ薄暗かった建物を光です染めていった。
「クライヴ。起きてるかい?」
この少し高い声はモーガンだ。
「起きてるよ。モーガン」
そう言いながら、オレは最悪の事態を考えて汚れても目立たない緑色のチュニックに茶色のズボンに着替えた。
「クライヴも着替えが済んでるみたいだね。それじゃ午前中に活動するから朝食を食べに行こうよ」
モーガンは、ベージュのチュニックにまさかの萌え袖! 黒いズボンを履いていた。
え? 何その可愛さ! 狙ってるの? ねえモーガンは可愛いと言われるのを狙って着ているの?
そして部屋から出て一階に降りようとしたらモーガンに呼び止められた。
「クライヴ? フィーネやリアナは待たないの?」
「流石に朝から女の子達の部屋に行くのもなあ……色々準備とかあるとおもうし、先に行こうぜ」
モーガンを説得して俺達は食堂に向かった。
「「おはようございます!」」
ここの料理人さんは朝からエネルギーが凄い、というか王立学院専属シェフに向けて日夜必死に腕を磨いているんだろう……
オレは一度呼吸を整えてから、今日の朝食のメニューを確認した。
「なになに今日のメニューは………………」
【グランドマザーによる黄金の恵みの大地の上で、ヨッ! 一周してみなよ良い予感しかしないからさ】
もう一つは【すみません私用で辞めます。もう無茶振り過ぎて大混乱です店長! こんな事が来るとは、さらさら思いませんでした】
どうしよう。何が出てくるのかさっぱりわからない……
最近ますます料理長のメニューに対するネーミングセンスに力が入っているような気がする。
そこじゃなくて、若手料理人達の教育に力入れろよ!
とりあえずカウンターの人に【グランドマザーなんとか】を頼み、モーガンはもう一つの方を頼んだ。
しばらくするとフィーネ達がやってきた。
「おはよう。二人とも早いね」
よそ行きフィーネモードだ。
「おはよう。ぼく達よりも早いなんて、今日の日を楽しみに待っていたんだね。さぁフィーネ! ぼく達も朝食を選びに向かおうか!」
相変わらず朝からカッコいいリアナだったが、フィーネがリアナの腕を掴み、静止した。
「リアナ、クライヴたちのメニューを見てから考えましょう。それからでも遅くはないわ」
流石フィーネ、このシステムの穴をもう理解しているなんて……メニュー名が罠からない場合は相手のメニューを見る事で優位に立てる。オレは知っているぞ、フィーネが一瞬カウンターのメニュ表を見ていたのを!
そしてタイミングよく鐘が鳴ったので、オレとモーガンは朝食を受け取りテーブルについた。
お互い一言目に同じ言葉を発した。
「そうきたか」
「そうくるんだね」
オレが頼んだ【グランドマザーによる黄金の恵みの大地の上で、ヨッ! 一周してみなよ良い予感しかしないからさ】は、牛乳のかかったシリアルの上にヨーグルトと柑橘系の伊予柑のような物が乗っていた。
簡単に言えばフルーツグラノーラ的なやつだ。
そして、モーガンのは【すみません私用で辞めます。もう無茶振り過ぎて大混乱です店長! こんな事が来るとは、さらさら思いませんでした】は、私用で辞めます。もう無茶振り過ぎて大混乱です店長! こんな事が来るとは、さらさら思いませんでした】
簡単に言えば、魚の塩焼きに、ブリ大根にサラダの組み合わせ的なやつだ。
その後フィーネとリアナはグラノーラを選んだ。
お腹も満たされて、今日の予定を再度確認しようとモーガンが言った。
「クライヴとフィーネは学生通りをお願いね。リアナは大通りをお願いするね。ボクは平民通りを探索してみるよ。昼前には大聖堂から少し学生通り側に入った所にあるテラスがある赤い屋根のカフェに集合ね」
「はーい」
「わかったわ」
「任してくれ」
改めてモーガンって人をまとめるの上手だよな。
「フィーネ、オレたちは学生通りに行ってみよう。」
「う、うん、わ、わかったわ」
今日のフィーネなんだか調子悪いのかな?
服装は、白の半袖チュニックに白のキュロット、その上に新しく見るベージュのロングカーディガンのような物を羽織っていた。どうやらエルフ族の服のようらしい。
どうした? その清潔感ある子どもを演出しながらも、ロングカーディガンで大人への憧れを抱いたキレイめなコーデは?
そんなオシャレをしてきたのに、モジモジしているなんて、らしくないなあ。憧れの王都で舞い上がっているのかと思ったよ。
オレは顔だけは美少女の今日は何故かポンコツフィーネが、万が一にも誘拐とか巻き込まれないように不意の手を握りしめて学生通りに向かった。
「えっ! フ、ファァ……て、手を……そんな……デデデ、デート……み、みた……もしかして……なの? ぅれし恥ずかしいよぉ………………」
ポンコツフィーネさんはブツブツ念仏を唱えているようだが、オレは学生通りを見ながら前世とこの世界を比べてなにが足りないかを考えていた。
身の危険をともなうお金稼ぎをしない為にも!
集中していたオレには、フィーネの言葉が全く耳に入ってこなかった。
へぇー空き物件もあるのか? 賃貸物件で銀貨七枚、キッチン兼カウンター付きの二階建て……悩むけど今は無理だな。何かの商売をして軌道に乗ったら借りてみるのもアリだな。
後は、服、雑貨、本屋、カフェ等の学生をターゲットにしたお店は沢山あるからな……とりあえずフィーネにも意見を聞いてみるか?
オレはこの学生通りで何か一攫千金を狙えないか、真顔でフィーネにアイデアを求めた。
「フィーネ、どう思う」
「ど、どう思うって、あ、アタシに言わせる気なの! まぁ……その…………ぃぃと思うよ」
何をゴニョゴニョ言っているんだいフィーネさん! 今はふざけてる場合じゃないぞ、このままだと冒険者モドキとして働くことになるぞ!
オレはフィーネの両肩を掴みフィーネの目を見て言った。
「フィーネ! 真面目に聞いてくれ」
「は、ひゃい!」
フィーネの大きくてシャープな目が、より大きくなり、熱があるのか顔が真っ赤になっている。
「この学生通りで何か商売できないかと考えているんだが、フィーネは何かアイデアはないか?」
オレのその言葉を聞いて、フィーネの目に力が宿った。
「このクライヴのバカ! バカァァ! 何でアタシがこんな思いをしなきゃならないのよ! アタシに迷惑をかけたんだからアンタが自分で考えなさい!」
よくわからんが、オレはフィーネロケットの交通事故に遭ったが、とにかくいつものフィーネに戻ったので一安心だ。
ちなみに何度も言うがオレはマゾではない!
精神年齢含めて年長者として、フィーネを心配していただけだ! 決してマゾではない!
オレ達はたいした収穫もなく、集合場所であるカフェに向かった。
「クライヴ、こっちだよ~」
癒しのモーガンの声が聞こえた。
どうやらモーガンとリアナは先に着いたらしく、テラスの席を確保してくれていた。
それぞれ席に座るとまず腹ごしらえにメニューを見た。
オレは少し硬いパンで挟まれたハンバーガー的な物を、モーガンは謎肉のホワイトソースパスタ的な物を、フィーネは目を輝かせながら魚介のスープとミニサイズのピザ的な物を、リアナはたまごサラダと謎肉のステーキを注文した。
注文を聞きにきた店員さんがメニューを伝えに戻ろうと振り向く寸前で。
「アタシ、追加で、季節の果物のシュガーパイも」
フィーネのスイーツが追加された。
オレの金だぞ!
そして、リアナの様子が変だ。
フィーネがスイーツを注文してから、とても苦しそうに身を悶えていた。
「もしかして、リアナもスイーツ好きなの? じゃあ一緒に半分こね!」
フィーネの言葉に恥ずかしそうに頷くリアナだった。
まさかのボクっ娘リアナが隠れスイーツ好きだったとは……
ランチも終わり、それぞれオレンジやアップルのジュースを飲みながら午前中の成果の確認を行った。
モーガンがオレ達に聞いてきた。
「クライヴ達は学生通りで何か収穫あった?」
「殆どが学生に必要な店は揃っているし、通り沿いにしては割と安い賃貸物件があったくらいかな」
「そうか、その物件を活かすのはいまのボク達じゃ難しそうだね」
「ボクの平民通りも特には無いかなあ。むしろ職探しに困っていた人がいるから、ボクらのような子どもなんて相手にされないかな」
モーガンも収穫無しらしい……
「「リアナは?」」
オレとモーガンの声がハモった。
「ぼくの大通りは、宿屋に客が来た時に単発の掃除の仕事があったけど、各部屋の掃除とベッドメイキングで支払いは銅貨八枚だったよ。それと冒険者関連のお店のでは、薬屋が収集依頼を冒険者協会に、依頼しているらしく、ぼくらでも引き受けられる依頼もあるらしいよ」
ですよね……恐れていましたが……子どもにがっぽがっぽ稼げる仕事なんざないですよね……
「となると、午後から冒険者協会に行き説明を受ける事にしようか? 明日からだと学院も始まるから時間もないと思うからね」
モーガンが話をしてまとめて、みんな賛成多数だ。オレも日本人の美徳でもある協調性が前世で嫌と言うほど身に付いているので、満場一致で午後から冒険者協会に行く事となった…………
0
お気に入りに追加
63
あなたにおすすめの小説
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
ディメオ~首切り魔術師は返り咲く~
わらべ
ファンタジー
ここは魔導大国・リザーナ帝国。
上級貴族の嫡男として生まれたジャック・グレースは、魔力が庶民程度しかなく、一族の者から『疫病神』と呼ばれていた。
誰からも存在を認められず、誰からも愛されない……。ずっと孤独と向き合いながら生きてきた。
そんなある日、ジャックが街を散歩していると、ある魔導具店のおっさんが声をかけてきた。すると、おっさんは『ディメオ』という魔石をジャックに紹介する。この出会いによって、ジャックの運命は大きく変わっていく。
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
転生王子の異世界無双
海凪
ファンタジー
幼い頃から病弱だった俺、柊 悠馬は、ある日神様のミスで死んでしまう。
特別に転生させてもらえることになったんだけど、神様に全部お任せしたら……
魔族とエルフのハーフっていう超ハイスペック王子、エミルとして生まれていた!
それに神様の祝福が凄すぎて俺、強すぎじゃない?どうやら世界に危機が訪れるらしいけど、チートを駆使して俺が救ってみせる!
称号は神を土下座させた男。
春志乃
ファンタジー
「真尋くん! その人、そんなんだけど一応神様だよ! 偉い人なんだよ!」
「知るか。俺は常識を持ち合わせないクズにかける慈悲を持ち合わせてない。それにどうやら俺は死んだらしいのだから、刑務所も警察も法も無い。今ここでこいつを殺そうが生かそうが俺の自由だ。あいつが居ないなら地獄に落ちても同じだ。なあ、そうだろう? ティーンクトゥス」
「す、す、す、す、す、すみませんでしたあぁあああああああ!」
これは、馬鹿だけど憎み切れない神様ティーンクトゥスの為に剣と魔法、そして魔獣たちの息づくアーテル王国でチートが過ぎる男子高校生・水無月真尋が無自覚チートの親友・鈴木一路と共に神様の為と言いながら好き勝手に生きていく物語。
主人公は一途に幼馴染(女性)を想い続けます。話はゆっくり進んでいきます。
※教会、神父、などが出てきますが実在するものとは一切関係ありません。
※対応できない可能性がありますので、誤字脱字報告は不要です。
※無断転載は厳に禁じます
暇つぶし転生~お使いしながらぶらり旅~
暇人太一
ファンタジー
仲良し3人組の高校生とともに勇者召喚に巻き込まれた、30歳の病人。
ラノベの召喚もののテンプレのごとく、おっさんで病人はお呼びでない。
結局雑魚スキルを渡され、3人組のパシリとして扱われ、最後は儀式の生贄として3人組に殺されることに……。
そんなおっさんの前に厳ついおっさんが登場。果たして病人のおっさんはどうなる!?
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
あなたの冒険者資格は失効しました〜最強パーティが最下級から成り上がるお話
此寺 美津己
ファンタジー
祖国が田舎だってわかってた。
電車もねえ、駅もねえ、騎士さま馬でぐーるぐる。
信号ねえ、あるわけねえ、おらの国には電気がねえ。
そうだ。西へ行こう。
西域の大国、別名冒険者の国ランゴバルドへ、ぼくらはやってきた。迷宮内で知り合った仲間は強者ぞろい。
ここで、ぼくらは名をあげる!
ランゴバルドを皮切りに世界中を冒険してまわるんだ。
と、思ってた時期がぼくにもありました…
身体強化って、何気にチートじゃないですか!?
ルーグイウル
ファンタジー
病弱で寝たきりの少年「立原隆人」はある日他界する。そんな彼の意志に残ったのは『もっと強い体が欲しい』。
そんな彼の意志と強靭な魂は世界の壁を越え異世界へとたどり着く。でも目覚めたのは真っ暗なダンジョンの奥地で…?
これは異世界で新たな肉体を得た立原隆人-リュートがパワーレベリングして得たぶっ飛んだレベルとチートっぽいスキルをひっさげアヴァロンを王道ルートまっしぐら、テンプレート通りに謳歌する物語。
初投稿作品です。つたない文章だと思いますが温かい目で見ていただけたらと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる