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30【そして二度目の】
しおりを挟む 私、プリンセス マリー ディアナが、聖女に覚醒して五年がたった。
その間に、学業をしながら各地に聖女として活動をこなしていた。
カタゴヤ帝国はすっかり緑豊かな国になり、今のところ砂漠はほんの少し、観光用に残されているエリアだけとなった。お世話になったラクダたちもそこにしかいない。
そして今日、お妃教育を最低限終了して、晴れて中身は健一だけど
フェルゼン ハルキア第一王子殿下と結婚式を執り行うことになった。
午前中に結婚式をして、昼からフェルゼンの立太子式もするそうだ。
もう、前日からドキドキよ。
式には、ディアナ家の者や国内外の貴族を呼んで、もちろん平民クラスで一緒だった同級生も呼んだの。
そういえば、サクラの件が落ち着いて、私が聖女に覚醒したから、平民のみんなには私の身分を明かしたの。マリーって名前も伝えて。
そしたらブリックに
「そんな気がしたわ、トヨコちゃんって所作がきれいだもの」
それは、前世からバレエをやってたからでは?
「それにケンイチも平民にしては背筋がピンとしすぎていたしな、貴族クラスにも毅然とものを言ってたし」
グリーも感付いていた?
グリーは打ち明けてからも聖女の護衛の一人として冒険者として同行してもらったりもしていた。
式は、王宮の大聖堂で執り行われる。
この世界では、教会の一番偉い人もそれぞれの国王陛下で、今日は太一じゃなかったピソーラ王がそれぞれの式を取り仕切る。
真っ白に仕立ててもらった長い裾と長いベールを引きずって、ディアナ国王のお父様とバージンロードを歩くと、正面に立派になったピソーラ王が微笑んで立っている。本当に立派になって自慢の息子だわ。
そしてその前にフェルゼン王子殿下。
真っ白な軍服と、真っ白で少し引きずるマントが凄く似合っている。
そして私は、再び健一のお嫁さんになった。
フェルゼンと結婚して、五年が過ぎたころ、私は再び馬車の旅に出ている。家族みんなで。
私は今回、子供を授かる事が出来た。
男の子と女の子。
フェルゼンはもう二人にメロメロよ。
私ももちろんだけど。
男の子は四歳。
女の子は三歳。
ヤンチャ盛りの年子で大変だけど。可愛いから平気。
そして、聖女は子供が出来ても活動が出来たのだ。
今日は、植物に病気が蔓延した麦畑を復活させようと往復一カ月のお出かけだ。家族旅行のついでというか、家族旅行がついでと言うか。
「ねえ、おかあさま、まえからききたかったのですが、どうしておうさましているおじいさまは、ぼくのおかあさまのことを、ときどき〈かあさん〉とよぶのですか?ぎりのむすめですよね?」
「なぜだろうね」
そう言って健一の方を見る。
「とうさまのことを、〈とうさん〉ってよぶこともあるわ。とうさまのほうが、むすこなのに」
女の子はしっかりしている。
「それはな、俺たちは特別な家族だからだよ。そしてお前たちも特別だー」
そういって、馬車の中でフェルゼンは三人まとめて抱擁する。
「きゃー」
「あはは」
わたしも一緒に両手を広げてみんなを抱く。
私の物語は、今回はまだまだ続きそう。
その間に、学業をしながら各地に聖女として活動をこなしていた。
カタゴヤ帝国はすっかり緑豊かな国になり、今のところ砂漠はほんの少し、観光用に残されているエリアだけとなった。お世話になったラクダたちもそこにしかいない。
そして今日、お妃教育を最低限終了して、晴れて中身は健一だけど
フェルゼン ハルキア第一王子殿下と結婚式を執り行うことになった。
午前中に結婚式をして、昼からフェルゼンの立太子式もするそうだ。
もう、前日からドキドキよ。
式には、ディアナ家の者や国内外の貴族を呼んで、もちろん平民クラスで一緒だった同級生も呼んだの。
そういえば、サクラの件が落ち着いて、私が聖女に覚醒したから、平民のみんなには私の身分を明かしたの。マリーって名前も伝えて。
そしたらブリックに
「そんな気がしたわ、トヨコちゃんって所作がきれいだもの」
それは、前世からバレエをやってたからでは?
「それにケンイチも平民にしては背筋がピンとしすぎていたしな、貴族クラスにも毅然とものを言ってたし」
グリーも感付いていた?
グリーは打ち明けてからも聖女の護衛の一人として冒険者として同行してもらったりもしていた。
式は、王宮の大聖堂で執り行われる。
この世界では、教会の一番偉い人もそれぞれの国王陛下で、今日は太一じゃなかったピソーラ王がそれぞれの式を取り仕切る。
真っ白に仕立ててもらった長い裾と長いベールを引きずって、ディアナ国王のお父様とバージンロードを歩くと、正面に立派になったピソーラ王が微笑んで立っている。本当に立派になって自慢の息子だわ。
そしてその前にフェルゼン王子殿下。
真っ白な軍服と、真っ白で少し引きずるマントが凄く似合っている。
そして私は、再び健一のお嫁さんになった。
フェルゼンと結婚して、五年が過ぎたころ、私は再び馬車の旅に出ている。家族みんなで。
私は今回、子供を授かる事が出来た。
男の子と女の子。
フェルゼンはもう二人にメロメロよ。
私ももちろんだけど。
男の子は四歳。
女の子は三歳。
ヤンチャ盛りの年子で大変だけど。可愛いから平気。
そして、聖女は子供が出来ても活動が出来たのだ。
今日は、植物に病気が蔓延した麦畑を復活させようと往復一カ月のお出かけだ。家族旅行のついでというか、家族旅行がついでと言うか。
「ねえ、おかあさま、まえからききたかったのですが、どうしておうさましているおじいさまは、ぼくのおかあさまのことを、ときどき〈かあさん〉とよぶのですか?ぎりのむすめですよね?」
「なぜだろうね」
そう言って健一の方を見る。
「とうさまのことを、〈とうさん〉ってよぶこともあるわ。とうさまのほうが、むすこなのに」
女の子はしっかりしている。
「それはな、俺たちは特別な家族だからだよ。そしてお前たちも特別だー」
そういって、馬車の中でフェルゼンは三人まとめて抱擁する。
「きゃー」
「あはは」
わたしも一緒に両手を広げてみんなを抱く。
私の物語は、今回はまだまだ続きそう。
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