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後日談
眼鏡にまつわる、知りたくなかった事実
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「では、行ってきます」
「行ってらっしゃい。お気をつけて!」
「ありがとう。桃子さんも気を付けて出勤してくださいね」
はい、と答える私の頬に、厳さんは軽いキスをする。
いつも通りの朝の風景。
でも……
なにかがおかしい。
はて、なにがおかしいんだろう? 『おかしい』の原因がわからなくて、私は首をひねった。
「どうしました?」
私の様子が変なことに気付いた厳さんが、いぶかしげに眉をひそめた。
そんな顔もカッコいいなぁ……と見惚れる。
いや、正直に言えば、厳さんはどんな表情したってカッコいいんだけど! だから眉をひそめたってカッコいいのは当たり前なんだけど!
彼の目は黒くて、怖いくらいに澄んでいる。見つめていると吸い込まれそうだ。
いつもは眼鏡に隠れていているから引力は抑えられているけれど、こうして直に見てしまうと……
――ん?
直に?
あれ??
「あー!! 眼鏡!!」
急に大声を上げたので、厳さんは目を丸くした。
「眼鏡?」
「そう! 眼鏡です、眼鏡。厳さん、眼鏡忘れてます!」
彼は驚いたように右手を顔に近づけ、そこに眼鏡がないことを確かめた。
「あ……」
忘れたことが信じられないというふうに呆然としている。その表情がなんだか可愛い。
「どこに置いたか覚えていますか? 私、取って来ます」
「――たぶん、寝室。ナイトテーブルの上に」
「わかりました!」
私はくるりと踵を返して、寝室へと急ぐ。
出勤前の厳さんを長い時間待たせるわけにいかないもの。なるべく早く見つけて手渡したい。
寝室のドアを開けて、中をざっと見渡せば、眼鏡はすぐに見つかった。厳さんの言う通りナイトテーブルの上。
窓から入り込む朝日に照らされたメタルフレームの眼鏡は、持ち主に置いていかれてちょっと寂しそうに見えた。
私は、指紋がつかないように気を付けて取り上げ、急いで玄関へと戻った。
「お待たせしました! はい、これ」
「ありがとうございます。助かりました」
受け取った厳さんは慣れた仕草で眼鏡をかける。
ああああっ!
なんてカッコいいの……!
時と場合を忘れて惚れ惚れするわぁ。
にへらっと崩れそうになる頬をなんとか引き締める。今はにやけてる場合じゃないでしょ。
「厳さんが忘れ物をするなんて珍しいですよね」
もしかして疲れてるのかな? と心配になった。疲れているなら無理をしないでほしいと言おうと思ったのに、それよりも先に厳さんが口を開いた。
「貴女の寝顔が可愛いくて夢中になっていたせいでしょうか。うっかりしてしまいました」
とんでもない発言に、思考が全部吹き飛んだ。
「なっ! ねっ! ねがっ……おっ!?」
「できることならもっと眺めていたかったな。今日が平日で残念だ」
いやあああ! 厳さん、なんでそんなに爽やかな顔で微笑むの!
寝顔なんて可愛いわけがない。だらしなく弛緩した顔をじっと見られてたなんて……彼の言葉が冗談じゃなくて事実だったら……大ダメージです。――よだれ、垂らしてなかったよね!? 大丈夫だよね!?
赤くなったり青くなったりする私を見下ろして、厳さんは楽しそうに目を細めた。
暗い色のスーツを身にまとい、眼鏡をかけた彼はストイックな雰囲気に包まれていて、今しがた寝顔がどうのとか問題発言をしたようには見えない。
その姿を見ていると、彼は言葉に艶めいた意味を込めたつもりはなくて、単に私が邪推しただけに思えてきた。
自分ひとりが夜の気配を引きずって妙に意識しているみたいで、恥ずかしくなってきた。
それを打ち消すために、私は慌てて話題を変えた。
「めっ、眼鏡、見つかって良かったです。なかったら何かと不便でしょう?」
私は眼鏡のお世話になったことがないからよくわからないけれど、眼鏡やコンタクトレンズを使っている友人たちは、つけてないとすごく不安だって言っていた。
だから厳さんもきっと眼鏡がないと不便だろうなと思ったのだ。
例え、家の中ではつけていないことに気付かないくらいの軽度な視力の弱さだとしても、外に出たらまた違うだろうし。
「まぁ、視力に問題はありませんが……」
「え?」
視力に問題はない? どういうこと?
「ああ、そうか。桃子さんには話していませんでしたね。これ、実は伊達眼鏡なんです」
「伊達?」
「そう。度は入っていないんです。眼鏡をかけたほうが若干柔和に見えると皆が言うので、とりあえず仕事のときはかけることにしているんです」
伊達眼鏡……
厳さんのお仕事は人と会うことが多い。だから見た目とか印象とか大事だよね。うん。わかる。
目が良いのに眼鏡をかけて眼光を和らげてるんだね。うん。理解できる。
――でも、ね。
私の心の中では、超弩級の大嵐が吹き荒れている。
なぜならば。
私は彼の視力は少し弱いと思っていたのです。
そう。眼鏡を外したらきっと視界はぼんやりするんだと思っていたのです!
だからエッチの時もくっきりはっきり見えたりしないだろうって思っていたのです!!
しかし、今の厳さんの発言から推測するに、エッチの時も、一緒にお風呂入る時も、しっかり見えちゃっていたということですよね。
この状況で、パニックを起こさずにいられるだろうか。
「桃子さん、どうしました? 急に黙り込んで」
にっこり笑いながら問う厳さんに答えることもできず、私は陸に上がった魚のように口をパクパクさせた。
彼の笑顔が若干黒く見えるのは、私の勘繰りでしょうか。
「顔が赤いですよ」
「……あ……あ、あの……」
動揺のあまりどもる私の耳元へ、彼はゆっくりと顔を近づけて囁いた。
「眼鏡がなくても桃子の可愛い姿はよく見えてるよ。いつでも、ね」
言葉だけを見れば普通の会話にも思える。けれど、甘く淫靡な響きを持った声音で囁かれれば、それは違う意味を持つ。
しかも敬語も取り払われている。彼の言葉には、間違いなく性的な意味が込められている。
「今夜も可愛い姿、じっくり見せてください」
楽し気な忍び笑いが私の耳を掠め、戦慄に似た快感がぞくりと背を走った。
その衝撃に耐え切れなくて小さく声を漏らせば、彼は体を離した。何ごともなかったように立つ彼の顔には満足そうな微笑が浮かんでいる。
「名残惜しいですが、そろそろ出ないといけませんね。では、桃子さん、行ってきます」
そう告げる彼からは艶めいた雰囲気なんて一切感じられない。
「あ……行って……らっしゃ、い」
取り残された私は、呆然と彼を見送った。
かちゃり、と静かな音とともに玄関ドアが閉まる。途端、私はがくりとくずおれ、床に手をついた。
「だ……だめだ……立ち直れない……」
寝顔を見られて恥ずかしいなんて言ってる場合じゃなかった!
あんな姿や、こんな顔、そんな痴態……全部、しっかり見られていたなんてー!!
どうしよう。いや、どうにもできないとわかっているけど、でもどうしよう。
「と、とりあえず……会社行く準備しないと……」
私はよろよろと立ち上がり、お弁当を作りはじめた。
そう。
こんな時は考えるのをやめて、ルーティンワークをこなせばいいのだ!
「ふ……ふふふ……」
虚ろな目になるのも、乾いた笑いが口を突くのもちょっとくらい許してほしい。
まあ、たまにこんな日もありますが、やっぱり私は幸せです。
「行ってらっしゃい。お気をつけて!」
「ありがとう。桃子さんも気を付けて出勤してくださいね」
はい、と答える私の頬に、厳さんは軽いキスをする。
いつも通りの朝の風景。
でも……
なにかがおかしい。
はて、なにがおかしいんだろう? 『おかしい』の原因がわからなくて、私は首をひねった。
「どうしました?」
私の様子が変なことに気付いた厳さんが、いぶかしげに眉をひそめた。
そんな顔もカッコいいなぁ……と見惚れる。
いや、正直に言えば、厳さんはどんな表情したってカッコいいんだけど! だから眉をひそめたってカッコいいのは当たり前なんだけど!
彼の目は黒くて、怖いくらいに澄んでいる。見つめていると吸い込まれそうだ。
いつもは眼鏡に隠れていているから引力は抑えられているけれど、こうして直に見てしまうと……
――ん?
直に?
あれ??
「あー!! 眼鏡!!」
急に大声を上げたので、厳さんは目を丸くした。
「眼鏡?」
「そう! 眼鏡です、眼鏡。厳さん、眼鏡忘れてます!」
彼は驚いたように右手を顔に近づけ、そこに眼鏡がないことを確かめた。
「あ……」
忘れたことが信じられないというふうに呆然としている。その表情がなんだか可愛い。
「どこに置いたか覚えていますか? 私、取って来ます」
「――たぶん、寝室。ナイトテーブルの上に」
「わかりました!」
私はくるりと踵を返して、寝室へと急ぐ。
出勤前の厳さんを長い時間待たせるわけにいかないもの。なるべく早く見つけて手渡したい。
寝室のドアを開けて、中をざっと見渡せば、眼鏡はすぐに見つかった。厳さんの言う通りナイトテーブルの上。
窓から入り込む朝日に照らされたメタルフレームの眼鏡は、持ち主に置いていかれてちょっと寂しそうに見えた。
私は、指紋がつかないように気を付けて取り上げ、急いで玄関へと戻った。
「お待たせしました! はい、これ」
「ありがとうございます。助かりました」
受け取った厳さんは慣れた仕草で眼鏡をかける。
ああああっ!
なんてカッコいいの……!
時と場合を忘れて惚れ惚れするわぁ。
にへらっと崩れそうになる頬をなんとか引き締める。今はにやけてる場合じゃないでしょ。
「厳さんが忘れ物をするなんて珍しいですよね」
もしかして疲れてるのかな? と心配になった。疲れているなら無理をしないでほしいと言おうと思ったのに、それよりも先に厳さんが口を開いた。
「貴女の寝顔が可愛いくて夢中になっていたせいでしょうか。うっかりしてしまいました」
とんでもない発言に、思考が全部吹き飛んだ。
「なっ! ねっ! ねがっ……おっ!?」
「できることならもっと眺めていたかったな。今日が平日で残念だ」
いやあああ! 厳さん、なんでそんなに爽やかな顔で微笑むの!
寝顔なんて可愛いわけがない。だらしなく弛緩した顔をじっと見られてたなんて……彼の言葉が冗談じゃなくて事実だったら……大ダメージです。――よだれ、垂らしてなかったよね!? 大丈夫だよね!?
赤くなったり青くなったりする私を見下ろして、厳さんは楽しそうに目を細めた。
暗い色のスーツを身にまとい、眼鏡をかけた彼はストイックな雰囲気に包まれていて、今しがた寝顔がどうのとか問題発言をしたようには見えない。
その姿を見ていると、彼は言葉に艶めいた意味を込めたつもりはなくて、単に私が邪推しただけに思えてきた。
自分ひとりが夜の気配を引きずって妙に意識しているみたいで、恥ずかしくなってきた。
それを打ち消すために、私は慌てて話題を変えた。
「めっ、眼鏡、見つかって良かったです。なかったら何かと不便でしょう?」
私は眼鏡のお世話になったことがないからよくわからないけれど、眼鏡やコンタクトレンズを使っている友人たちは、つけてないとすごく不安だって言っていた。
だから厳さんもきっと眼鏡がないと不便だろうなと思ったのだ。
例え、家の中ではつけていないことに気付かないくらいの軽度な視力の弱さだとしても、外に出たらまた違うだろうし。
「まぁ、視力に問題はありませんが……」
「え?」
視力に問題はない? どういうこと?
「ああ、そうか。桃子さんには話していませんでしたね。これ、実は伊達眼鏡なんです」
「伊達?」
「そう。度は入っていないんです。眼鏡をかけたほうが若干柔和に見えると皆が言うので、とりあえず仕事のときはかけることにしているんです」
伊達眼鏡……
厳さんのお仕事は人と会うことが多い。だから見た目とか印象とか大事だよね。うん。わかる。
目が良いのに眼鏡をかけて眼光を和らげてるんだね。うん。理解できる。
――でも、ね。
私の心の中では、超弩級の大嵐が吹き荒れている。
なぜならば。
私は彼の視力は少し弱いと思っていたのです。
そう。眼鏡を外したらきっと視界はぼんやりするんだと思っていたのです!
だからエッチの時もくっきりはっきり見えたりしないだろうって思っていたのです!!
しかし、今の厳さんの発言から推測するに、エッチの時も、一緒にお風呂入る時も、しっかり見えちゃっていたということですよね。
この状況で、パニックを起こさずにいられるだろうか。
「桃子さん、どうしました? 急に黙り込んで」
にっこり笑いながら問う厳さんに答えることもできず、私は陸に上がった魚のように口をパクパクさせた。
彼の笑顔が若干黒く見えるのは、私の勘繰りでしょうか。
「顔が赤いですよ」
「……あ……あ、あの……」
動揺のあまりどもる私の耳元へ、彼はゆっくりと顔を近づけて囁いた。
「眼鏡がなくても桃子の可愛い姿はよく見えてるよ。いつでも、ね」
言葉だけを見れば普通の会話にも思える。けれど、甘く淫靡な響きを持った声音で囁かれれば、それは違う意味を持つ。
しかも敬語も取り払われている。彼の言葉には、間違いなく性的な意味が込められている。
「今夜も可愛い姿、じっくり見せてください」
楽し気な忍び笑いが私の耳を掠め、戦慄に似た快感がぞくりと背を走った。
その衝撃に耐え切れなくて小さく声を漏らせば、彼は体を離した。何ごともなかったように立つ彼の顔には満足そうな微笑が浮かんでいる。
「名残惜しいですが、そろそろ出ないといけませんね。では、桃子さん、行ってきます」
そう告げる彼からは艶めいた雰囲気なんて一切感じられない。
「あ……行って……らっしゃ、い」
取り残された私は、呆然と彼を見送った。
かちゃり、と静かな音とともに玄関ドアが閉まる。途端、私はがくりとくずおれ、床に手をついた。
「だ……だめだ……立ち直れない……」
寝顔を見られて恥ずかしいなんて言ってる場合じゃなかった!
あんな姿や、こんな顔、そんな痴態……全部、しっかり見られていたなんてー!!
どうしよう。いや、どうにもできないとわかっているけど、でもどうしよう。
「と、とりあえず……会社行く準備しないと……」
私はよろよろと立ち上がり、お弁当を作りはじめた。
そう。
こんな時は考えるのをやめて、ルーティンワークをこなせばいいのだ!
「ふ……ふふふ……」
虚ろな目になるのも、乾いた笑いが口を突くのもちょっとくらい許してほしい。
まあ、たまにこんな日もありますが、やっぱり私は幸せです。
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