最愛の夫に、運命の番が現れた!

竜也りく

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衝撃的な……

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「嬉し過ぎて今回はまったく抑制できなかったから、ビスチェの体、すごい事になってるよ」

「え? すごい事って」

「ほら」

ラルフが僕の夜着の前をくつろげると、中から衝撃的な肌が現れる。

鬱血痕と噛み跡で、普通の肌色の方が少ない。

「これはヤバいだろ……!!!」

「ごめんね」

言葉では謝ってくれてるのに、顔は終始ニヤけたままだ。絶対にこれっぽっちも反省はしてないと思う。

ラルフを睨みながら回復魔法を唱えたら、肌は少しずつ元の色を取り戻す。けれど、よほど丹念に跡をつけられていたのか、回復魔法を3回かけてもまだうっすらと跡が残っていた。

「ああ……僕の所有痕が」

「寂しそうに言うなよ。変な病気みたいになってたぞ」

「隙間なく痕を付けようと思ってたんだが」

「……」

無言で四回目の回復魔法をかけたら、なんとかいつもの肌色に戻った。

恨めしそうに見られたってこれは仕方ないと思う。

……あれ? じいっとオレを見ていたラルフの口元が、なんだか次第に緩んできてる?

その違和感にまじまじとラルフを見つめたら、ラルフは嬉しそうににっこりと笑った。

「肌はツヤツヤで乳首もぷりんとしてて美味しそう。よく考えたらこの美しい肌にまたイチから痕をつけていけるのは楽しみが増えたって事だな」

前向きだけどアホだ……!!!!

呆れるオレを笑顔のまま見つめていたラルフが、ハッとしたように口元をおさえる。

「いかん、つい欲望の方が勝って大切な事を忘れてた」

そう呟くとラルフはベッドサイドのチェストから、可愛らしいラッピングが施された小箱を取り出した。

「ビスチェが僕にうなじを許してくれたら、渡したい物があったんだ」

「これ……」

貴族御用達の有名なブランドロゴが入った小箱を手渡され、ちょっとドキドキする。

「プレゼントだよ。開けてみてくれるかい?」

「うん……」

ラルフが期待に満ちた目で見守る中、オレは丁寧にラッピングを解いていく。

中から現れたのは、上品なケースに入ったチョーカーだった。

「うわ……綺麗」

ぱっと見の印象は、これまでつけていた黒のレースのチョーカーに似ている。けれど、レースの間に小さな青い石がちりばめられ、チェーンと細かい青石で繊細に編み上げられたそれは、これまでよりもずっと上品で美しい。

そして、中央には派手すぎない小指の先くらいのブルーサファイアが輝いていた。

「ビスチェは派手すぎる物は好きじゃないだろう? でもこれくらいならつけてくれるんじゃないかと思って」
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