最愛の夫に、運命の番が現れた!

竜也りく

文字の大きさ
上 下
56 / 73

幸せが始まる日

しおりを挟む
「ビスチェ、ビスチェ、ビスチェ……!!!!」

「あっ、あっ、あっ、あっ、あああーーー!!!!!」

最奥が燃えるように熱くなって、ラルフがオレの奥で果てたんだと分かる。

たっぷり中に注がれて、多幸感に包まれる。

ラルフの猛るような雰囲気が和らいで、力を抜いたラルフがオレに全身を預けてくる。そのあったかい重みが心地良い。

「幸せだ……」

荒い息の中でつい口から零れた、という感じで発されたその言葉で、オレの方が幸せな気分になる。やっぱりオレ、ラルフが心の底から好きだ。

オレの首に顔を埋めてしばらくすぅはぁと匂いを楽しんでたらしいラルフが、落ち着いたのか顔を上げて俺の顔をじっと見てくる。

「そうだビスチェ、子どもは今欲しい……?」

突然そんな事を聞かれて、朦朧としながらも首を傾げた。

「今……ラルフが欲しいなら。跡継ぎは必要だろう……?」

「僕の気持ちを優先してくれるの? じゃあ、もうちょっとあとでもいい?」

「うん……」

「そうか、それなら呑もうか」

ラルフから呑まされるままに妊娠を抑制する薬を口に含む。

「ビスチェとの子どもは欲しいけど、もう少しだけふたりの時間を楽しみたいからね」

「ラルフ……」

「ああ、可愛い。ビスチェとこうしていられるだけで幸せだ」

よく分からないけれど、ラルフの好きにしたら良いと思う。

「ようやくビスチェが心から僕を受け入れてくれる気持ちになったんだ、しばらくはこうしてイチャイチャしよう」

「うん……」

ラルフが甘く微笑んでオレの頬を撫でてくれるから、嬉しくて頬ずりした。

「ああっ! 可愛い!」

「ひう……っ」

少し落ち着いていたラルフの熱杭が一気に力を取り戻して、オレの中で存在感を増す。

「たまらないな。どうされたい? これは? 気持ちいいか?」

「ふわぁッ、ああん、や、あ、それ……あふ、気持ちいい……」

さっきまでの激しい突き入れとは違って、入り込んだ最奥でぐりゅん、ぐりゅん、とゆっくり押しつけるように捏ねられた。甘く蕩けるような快楽に支配されてしまう。

ラルフに与えられる刺激も、言葉も、全てが大切でオレを幸福にしてくれる。

優しく穿たれながら身体中を舐められ、甘噛みされ、なで回されてそれがいちいち気持ち良くて困ってしまう。

「ああ、ビスチェが気持ちよさそうで嬉しいよ」

「うん、気持ちいい……ラルフ、好き……」

熱に浮かされたように言うオレに、ラルフが耳元で囁く。

「休みは十日間とってある。やっと番になったんだ、思う存分愛し合おうね」
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

もう人気者とは付き合っていられません

花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。 モテるのは当然だ。でも――。 『たまには二人だけで過ごしたい』 そう願うのは、贅沢なのだろうか。 いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。 「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。 ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。 生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。 ※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中

僕の番

結城れい
BL
白石湊(しらいし みなと)は、大学生のΩだ。αの番がいて同棲までしている。最近湊は、番である森颯真(もり そうま)の衣服を集めることがやめられない。気づかれないように少しずつ集めていくが―― ※他サイトにも掲載

僕の幸せは

春夏
BL
【完結しました】 恋人に捨てられた悠の心情。 話は別れから始まります。全編が悠の視点です。 1日2話ずつ投稿します。

【完結】愛してるから。今日も俺は、お前を忘れたふりをする

葵井瑞貴
BL
『好きだからこそ、いつか手放さなきゃいけない日が来るーー今がその時だ』 騎士団でバディを組むリオンとユーリは、恋人同士。しかし、付き合っていることは周囲に隠している。 平民のリオンは、貴族であるユーリの幸せな結婚と未来を願い、記憶喪失を装って身を引くことを決意する。 しかし、リオンを深く愛するユーリは「何度君に忘れられても、また好きになってもらえるように頑張る」と一途に言いーー。 ほんわか包容力溺愛攻め×トラウマ持ち強気受け

【完結】何一つ僕のお願いを聞いてくれない彼に、別れてほしいとお願いした結果。

N2O
BL
好きすぎて一部倫理観に反することをしたα × 好きすぎて馬鹿なことしちゃったΩ ※オメガバース設定をお借りしています。 ※素人作品です。温かな目でご覧ください。

【完結】選ばれない僕の生きる道

谷絵 ちぐり
BL
三度、婚約解消された僕。 選ばれない僕が幸せを選ぶ話。 ※地名などは架空(と作者が思ってる)のものです ※設定は独自のものです

【完結】乙女ゲーの悪役モブに転生しました〜処刑は嫌なので真面目に生きてたら何故か公爵令息様に溺愛されてます〜

百日紅
BL
目が覚めたら、そこは乙女ゲームの世界でしたーー。 最後は処刑される運命の悪役モブ“サミール”に転生した主人公。 死亡ルートを回避するため学園の隅で日陰者ライフを送っていたのに、何故か攻略キャラの一人“ギルバート”に好意を寄せられる。 ※毎日18:30投稿予定

祝福という名の厄介なモノがあるんですけど

野犬 猫兄
BL
魔導研究員のディルカには悩みがあった。 愛し愛される二人の証しとして、同じ場所に同じアザが発現するという『花祝紋』が独り身のディルカの身体にいつの間にか現れていたのだ。 それは女神の祝福とまでいわれるアザで、そんな大層なもの誰にも見せられるわけがない。  ディルカは、そんなアザがあるものだから、誰とも恋愛できずにいた。 イチャイチャ……イチャイチャしたいんですけど?! □■ 少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです! 完結しました。 応援していただきありがとうございます! □■ 第11回BL大賞では、ポイントを入れてくださった皆様、またお読みくださった皆様、どうもありがとうございましたm(__)m

処理中です...