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【ラルフ視点】やっとこの日が
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ビスチェが自らの意思であの忌々しいチョーカーを外してくれた時の、あの感動をどう言ったらいいのだろうか。
繊細なレースに丸くて可愛らしい石が散りばめられた儚げな黒のチョーカーは、その頼りなげな見た目に反して魔法でガチガチに守られている。
どれだけ僕がうなじを噛んでしまいたいと思っても、このたった布一枚がそれを強固に阻んでくる。ビスチェが自ら魔力を通さないと外れないという鉄壁のガードに、これまでなす術もなかった。
「これから本当にお前のものになるんだなって思うと嬉しすぎて……結婚式の誓いの言葉より緊張する」
そんな可愛らしい事を言いながら、僕をまっすぐに見上げたまま震える指で封印を解いてくれた。
ビスチェを守り続けていたチョーカーが剥がれて落ちて、その白くて細い首筋が僕の眼前に晒される。
ようやくビスチェが、僕に全てを明け渡してくれた瞬間だった。
「ああ……ビスチェの、うなじが」
「……っ」
指先でビスチェのうなじを触ったら、ビスチェが頬を赤らめて小さく息を漏らす。
初めて、直にこのうなじに触れた。
そう思うと天にも昇る気持ちだった。すぐにでも、この細く柔い首筋に歯を埋めてしまいたい。
けれど、まだだ。
身体の奥から愛しい気持ちが込み上げてきて、ビスチェの唇に思いの丈を焼き付けるようにキスをする。嬉しくて仕方が無いのに、どこかもどかしい。
ああ、ビスチェの匂いが足りないのかと気がついた。
さっきまでは僕を守ってくれていると感謝していた結界が、急に僕とビスチェを阻むもののように感じられる。この唇も、この身体も、いつもの香しい匂いも、全てを今、愛したいのに。
ビスチェの唇を解放し、僕はビスチェの目を覗き込んでそっとお願いした。
「さぁビスチェ……僕の結界を解いてくれ。君の香りを感じたい」
こく、と小さく頷いて熱に浮かされたような表情のまま、ビスチェが小さく何かを呟いた瞬間。
「!!!???」
目を見開き、ビスチェが驚愕したような表情を見せる。
ああ、やっとビスチェの匂いを感じられた……! オレンジのように爽やかで甘やかで、ビスチェに相応しいフレッシュさも感じられる、この特別な香りはいつだって僕を虜にする。
「ラルフも凄いよ……頭が、溶けちゃいそう……」
「僕もだ。匂いがどんどん濃くなっていくね……ああ、もう我慢できない」
ビスチェの首筋に鼻を寄せて思いっきりビスチェの香りを吸い込む。身体中にビスチェの香りが行き渡るようで最高に幸せだ。
しかも、僕の香りに刺激されているのかビスチェの香りがどんどんと濃くなってくる。
「匂いがどんどん濃くなっていくね……ああ、もう我慢できない」
ビスチェに馬乗りになってシャツを脱ぎ捨てたら、ビスチェは今にもヒートになりそうな赤い顔で僕を陶然と見上げていた。
「あ……すごい……ラルフの匂いが……」
どうやら高まりきった僕の香りにすっかり充てられてしまったらしい。もうヒートになってしまえばいいのに。
繊細なレースに丸くて可愛らしい石が散りばめられた儚げな黒のチョーカーは、その頼りなげな見た目に反して魔法でガチガチに守られている。
どれだけ僕がうなじを噛んでしまいたいと思っても、このたった布一枚がそれを強固に阻んでくる。ビスチェが自ら魔力を通さないと外れないという鉄壁のガードに、これまでなす術もなかった。
「これから本当にお前のものになるんだなって思うと嬉しすぎて……結婚式の誓いの言葉より緊張する」
そんな可愛らしい事を言いながら、僕をまっすぐに見上げたまま震える指で封印を解いてくれた。
ビスチェを守り続けていたチョーカーが剥がれて落ちて、その白くて細い首筋が僕の眼前に晒される。
ようやくビスチェが、僕に全てを明け渡してくれた瞬間だった。
「ああ……ビスチェの、うなじが」
「……っ」
指先でビスチェのうなじを触ったら、ビスチェが頬を赤らめて小さく息を漏らす。
初めて、直にこのうなじに触れた。
そう思うと天にも昇る気持ちだった。すぐにでも、この細く柔い首筋に歯を埋めてしまいたい。
けれど、まだだ。
身体の奥から愛しい気持ちが込み上げてきて、ビスチェの唇に思いの丈を焼き付けるようにキスをする。嬉しくて仕方が無いのに、どこかもどかしい。
ああ、ビスチェの匂いが足りないのかと気がついた。
さっきまでは僕を守ってくれていると感謝していた結界が、急に僕とビスチェを阻むもののように感じられる。この唇も、この身体も、いつもの香しい匂いも、全てを今、愛したいのに。
ビスチェの唇を解放し、僕はビスチェの目を覗き込んでそっとお願いした。
「さぁビスチェ……僕の結界を解いてくれ。君の香りを感じたい」
こく、と小さく頷いて熱に浮かされたような表情のまま、ビスチェが小さく何かを呟いた瞬間。
「!!!???」
目を見開き、ビスチェが驚愕したような表情を見せる。
ああ、やっとビスチェの匂いを感じられた……! オレンジのように爽やかで甘やかで、ビスチェに相応しいフレッシュさも感じられる、この特別な香りはいつだって僕を虜にする。
「ラルフも凄いよ……頭が、溶けちゃいそう……」
「僕もだ。匂いがどんどん濃くなっていくね……ああ、もう我慢できない」
ビスチェの首筋に鼻を寄せて思いっきりビスチェの香りを吸い込む。身体中にビスチェの香りが行き渡るようで最高に幸せだ。
しかも、僕の香りに刺激されているのかビスチェの香りがどんどんと濃くなってくる。
「匂いがどんどん濃くなっていくね……ああ、もう我慢できない」
ビスチェに馬乗りになってシャツを脱ぎ捨てたら、ビスチェは今にもヒートになりそうな赤い顔で僕を陶然と見上げていた。
「あ……すごい……ラルフの匂いが……」
どうやら高まりきった僕の香りにすっかり充てられてしまったらしい。もうヒートになってしまえばいいのに。
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