最愛の夫に、運命の番が現れた!

竜也りく

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突然の来訪

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「ねぇビスチェ。僕が世界で一番愛してるのはビスチェだって、信じてくれたかい?」

「う、うん……信じる……信じるからぁ……」

「ああ、ビスチェ……! ついに信じてくれるんだな」

ラルフが感極まったような声を出す。

その瞬間、強引に引き抜いた雄をガツン、ガツンと音がするくらい強烈に突き入れられた。

「んああっ!!???」

ああ、最高に気持ちいい。

「ひぁ…ッ、アンッ、…んぁっ、っお、はぁぁあああ…ッ」

最奥を穿つように。前立腺を擦り上げるように。成すすべも無く揺さぶられて、ぱちゅ、ぱちゅ、と穿つ音がいやらしく響いていた。

快楽から逃げようとずり上がる体を追いかける様にしてラルフが更に圧し掛かってくる。

たくましい胸に抑え込まれ、太い腕に閉じ込められて、ああ、もう逃げられないんだと悟った。きっともうオレも、ラルフをあきらめる事なんてできない。

「ビスチェ……『運命』なんて必要ない。僕の番は君以外にいないんだ」

「あ、あっ、ラルフ」

「このチョーカー、僕のために外してくれるね?」

ラルフの番になりたい。

震える指でチョーカーに魔力を込めようとした瞬間。

「ぐあああっ!!???」

突然、ラルフが絶叫した。

「ぐ、あ、あ……!」

苦し気にラルフが唸る。こんなに苦しそうなラルフ、今まで見たことがない。

ほぼ同時に、邸の中が急にざわめき始めた。

「ど、どうしたんだ、ラルフ!」

「っあの女だ……! あの女が……!」

「あの女……? うああっ!!?」

急にラルフがすがりつくようにきつく抱きしめてきて、ガチガチのままの熱杭がオレのさらに奥の奥まで潜り込んでくる。

「ビスチェ! ビスチェ……! 抱きしめてくれ……!」

「ラルフ……?」

ラルフのあまりに必死な様子に、訳が分からないままラルフを強く抱きしめた。そのままラルフが恐ろしい勢いで口づけてきて、貪られるようなキスをする。

「ん……は、ふぅ……」

鼻で息をするのも難しいくらいに熱烈なキスに、すぐに何も考えられなくなってうっとりしかけた瞬間、寝室の扉がいつになくせわしくノックされる。

「申し訳ありません、ラルフ様……! 急ぎの客人が」

「今すぐ追い返せ! 二度と来るなと言っておけ!」

呼びに来てくれた執事の言葉をさえぎって、ラルフがいつになく声を荒げる。客人を追い返せ、なんて横暴な事を言い出すなんてラルフらしくない。

けれど、その理由はすぐに分かった。

「ですが、ミクス男爵が『ラルフ様の運命の番だ』とご息女を連れておいででして」
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