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オレだって好きだし
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「バカっ!」
「痛っ!」
「そんなふざけた事本気で言ってんなら今後一切、指一本触らせねぇからな!」
「ええ!!?」
「あのなぁ、『エロいこと』を一緒に探究出来るようになれればそれでいいって、オレがそれでいいって言ったかよ」
「言ってない……」
目に見えてシュンとした佐々木は、ついにオレの乳首から指を離した。
それでヨシ。
「お前は、オレの気持ちはどうでもいいわけ?」
「どうでもいいってわけじゃ。そのうち好きになってくれれば、それで……」
「黙らっしゃい。オレはな、こう見えても好きでもないヤツとエロ修行する気なんてないんだよ」
「宮下……ごめん。ごめん、なさい……」
起き上がって、オレの脛のあたりに座り込んだ佐々木が、泣きそうな顔でつぶやく。重いし結構痛いけど、今は話の腰を折るわけにはいかない。ちょっと我慢だ。
「嫌いに、ならないでくれ……」
「そんなにシュンとするならこんな強引な事するなっつーの。……で?」
「え?」
「え? じゃねーよ。結局お前はオレとどうなりたいの?」
「どうって……」
オレも起き上がる。佐々木が足にのっかってるから、ちょうど腹筋の要領で起き上がれた。佐々木の顔が近くなって、涙目になってるのが見える。こいつときたら、こんな時までイケメンだ。
「なぁ」
顔を覗き込んでやったら、佐々木の顔がクシャっと歪んだ。
「宮下が好きだ……っ、恋人に、なりたい」
「ふーん、そういう時はなんて言うの?」
「え? え、え、と……宮下、付き合って……?」
「疑問系!」
「宮下、付き合ってくれ!」
「ヨシ! いいぜ。そこまで言うなら付き合ってやる」
いつの間にか上半身脱がされて下も半分くらい剥がれされたマヌケな姿だが、オレは偉そうな顔で言い放った。ここまで押されまくりだったからな、ここで主導権を握っとかないと何されるか分かったもんじゃない。
ポカンとした顔をして、佐々木は目をパチパチと瞬いている。イケメンは何をしててもイケメンだ。いいなぁ、ちくしょう。
「つ……付き合って、くれるの? 本当に?」
「オレだって佐々木の事、その、好きだし」
「……!」
佐々木が息をのむのが分かったけど、オレは素早く顔を逸らした。恥ずかしすぎて顔が見れない。こんな事言うの、オレのキャラじゃなさすぎる。
「どーせお前の事だから、付き合うったって学校とかではそのままで、こっそりこの部屋でいちゃいちゃするだけなんだろ?」
「いちゃいちゃ……」
ちっちゃな声で呟くから思わず佐々木の方を見てみたら、良からぬ事でも想像したのか、若干顔を赤らめていた。オレの視線に気付いた佐々木は、気を取り直したように真面目な顔でオレを見る。
「……うん。宮下を危険な目には合わせられないよ。いいの? それでも」
「やっぱりな。そこはまぁ、オレの方が譲歩する。そのかわりお前! オレの交友関係に口出してくんなよ。オレからの条件はそれだけだ」
「う……」
めちゃくちゃ束縛して来そうな予感がするコイツにしっかり釘を刺しておく。ほっとくとメンヘラになりそうでちょっと怖いしな。案の定その程度の条件にうんうん唸ってるし。
散々唸ってからようやく決心がついたのか、佐々木はオレの目を真っ直ぐに見て問いかけてきた。
「……分かった。その条件を飲めば、宮下は俺の恋人になってくれるんだよね?」
「ああ」
「じゃあ、この部屋では宮下のこと、悠真って呼んでもいいんだよね?」
名前呼びしたかったのか。やっぱりどっか乙女だな、コイツ。もちろん名前呼びくらいなんて事ない、別に恋人じゃなくても名前くらい呼んでいいし。
「ああ」
「じゃあ、この部屋では悠真のこと、好きなだけ可愛がってもいいんだよね?」
「ああ……ん?」
「悠真! 愛してる!」
あれ? と思った時には思いっきり押し倒されていた。
「ま、待って……んうぅ……っ」
ああっ、オレのセカンドキスがあっさり……! と思ったら唇をふにふにと食まれる。上唇をむにむにされたかと思うと下唇をはむはむされて最後は舌でペロリと舐められた。
なにこれ。普通のキスより、だいぶ恥ずかしい。
感触を心ゆくまで楽しんだらしい佐々木は、チュ、と可愛いらしいリップ音をさせてからようやくオレの唇を解放してくれたんだけど、セカンドキスでいきなりレベル上がりすぎじゃね?
「悠真、真っ赤。可愛い」
とろけるような笑顔で、あんまり幸せそうに笑うから、苦情を言いたくても言えなくなってしまった。佐々木はオレの頬に、唇に、何度も軽いキスを落としてから、ぎゅうっとオレを抱きしめる。
「まさかこんなにすぐ、恋人ってポジションを貰えるなんて思ってもなかった。幸せ。ずっとこうしていたい」
な、なんだよ。ビビって損した。
さっきみたいに強引にアレコレエロいことされるのかと思ったぜ。あちこち触られるわけでもなく、ただ抱きしめられているのは意外で、でも佐々木じゃないけど幸せな気分だ。
……と思ったら、下の方の佐々木はそんな雰囲気もお構いなしで全力でオレにアタックしてくる。
「痛っ!」
「そんなふざけた事本気で言ってんなら今後一切、指一本触らせねぇからな!」
「ええ!!?」
「あのなぁ、『エロいこと』を一緒に探究出来るようになれればそれでいいって、オレがそれでいいって言ったかよ」
「言ってない……」
目に見えてシュンとした佐々木は、ついにオレの乳首から指を離した。
それでヨシ。
「お前は、オレの気持ちはどうでもいいわけ?」
「どうでもいいってわけじゃ。そのうち好きになってくれれば、それで……」
「黙らっしゃい。オレはな、こう見えても好きでもないヤツとエロ修行する気なんてないんだよ」
「宮下……ごめん。ごめん、なさい……」
起き上がって、オレの脛のあたりに座り込んだ佐々木が、泣きそうな顔でつぶやく。重いし結構痛いけど、今は話の腰を折るわけにはいかない。ちょっと我慢だ。
「嫌いに、ならないでくれ……」
「そんなにシュンとするならこんな強引な事するなっつーの。……で?」
「え?」
「え? じゃねーよ。結局お前はオレとどうなりたいの?」
「どうって……」
オレも起き上がる。佐々木が足にのっかってるから、ちょうど腹筋の要領で起き上がれた。佐々木の顔が近くなって、涙目になってるのが見える。こいつときたら、こんな時までイケメンだ。
「なぁ」
顔を覗き込んでやったら、佐々木の顔がクシャっと歪んだ。
「宮下が好きだ……っ、恋人に、なりたい」
「ふーん、そういう時はなんて言うの?」
「え? え、え、と……宮下、付き合って……?」
「疑問系!」
「宮下、付き合ってくれ!」
「ヨシ! いいぜ。そこまで言うなら付き合ってやる」
いつの間にか上半身脱がされて下も半分くらい剥がれされたマヌケな姿だが、オレは偉そうな顔で言い放った。ここまで押されまくりだったからな、ここで主導権を握っとかないと何されるか分かったもんじゃない。
ポカンとした顔をして、佐々木は目をパチパチと瞬いている。イケメンは何をしててもイケメンだ。いいなぁ、ちくしょう。
「つ……付き合って、くれるの? 本当に?」
「オレだって佐々木の事、その、好きだし」
「……!」
佐々木が息をのむのが分かったけど、オレは素早く顔を逸らした。恥ずかしすぎて顔が見れない。こんな事言うの、オレのキャラじゃなさすぎる。
「どーせお前の事だから、付き合うったって学校とかではそのままで、こっそりこの部屋でいちゃいちゃするだけなんだろ?」
「いちゃいちゃ……」
ちっちゃな声で呟くから思わず佐々木の方を見てみたら、良からぬ事でも想像したのか、若干顔を赤らめていた。オレの視線に気付いた佐々木は、気を取り直したように真面目な顔でオレを見る。
「……うん。宮下を危険な目には合わせられないよ。いいの? それでも」
「やっぱりな。そこはまぁ、オレの方が譲歩する。そのかわりお前! オレの交友関係に口出してくんなよ。オレからの条件はそれだけだ」
「う……」
めちゃくちゃ束縛して来そうな予感がするコイツにしっかり釘を刺しておく。ほっとくとメンヘラになりそうでちょっと怖いしな。案の定その程度の条件にうんうん唸ってるし。
散々唸ってからようやく決心がついたのか、佐々木はオレの目を真っ直ぐに見て問いかけてきた。
「……分かった。その条件を飲めば、宮下は俺の恋人になってくれるんだよね?」
「ああ」
「じゃあ、この部屋では宮下のこと、悠真って呼んでもいいんだよね?」
名前呼びしたかったのか。やっぱりどっか乙女だな、コイツ。もちろん名前呼びくらいなんて事ない、別に恋人じゃなくても名前くらい呼んでいいし。
「ああ」
「じゃあ、この部屋では悠真のこと、好きなだけ可愛がってもいいんだよね?」
「ああ……ん?」
「悠真! 愛してる!」
あれ? と思った時には思いっきり押し倒されていた。
「ま、待って……んうぅ……っ」
ああっ、オレのセカンドキスがあっさり……! と思ったら唇をふにふにと食まれる。上唇をむにむにされたかと思うと下唇をはむはむされて最後は舌でペロリと舐められた。
なにこれ。普通のキスより、だいぶ恥ずかしい。
感触を心ゆくまで楽しんだらしい佐々木は、チュ、と可愛いらしいリップ音をさせてからようやくオレの唇を解放してくれたんだけど、セカンドキスでいきなりレベル上がりすぎじゃね?
「悠真、真っ赤。可愛い」
とろけるような笑顔で、あんまり幸せそうに笑うから、苦情を言いたくても言えなくなってしまった。佐々木はオレの頬に、唇に、何度も軽いキスを落としてから、ぎゅうっとオレを抱きしめる。
「まさかこんなにすぐ、恋人ってポジションを貰えるなんて思ってもなかった。幸せ。ずっとこうしていたい」
な、なんだよ。ビビって損した。
さっきみたいに強引にアレコレエロいことされるのかと思ったぜ。あちこち触られるわけでもなく、ただ抱きしめられているのは意外で、でも佐々木じゃないけど幸せな気分だ。
……と思ったら、下の方の佐々木はそんな雰囲気もお構いなしで全力でオレにアタックしてくる。
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